・リンキングについて動画で詳しく観る
・3種類のリンキングを解説!
・リンキングは、特にこの2つに要注意!
・おすすめ学習方法とポイント
多くの英語学習者は、英語の正しい発音を身につけることやネイティブの英語を聞き取ることに苦戦します。
英語の知識はあるのに英語の発音に自信が持てなかったり、ネイティブの英語が聞き取れなかったりするのは、「リンキング」の知識が不足していることが原因かもしれません。
そこでこの記事では、英語の「リンキング」について具体例を挙げて分かりやすく解説します。
リンキングの学習方法やマスターするためのポイントも合わせて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
英語の「リンキング」とは?
英語のリンキングとは、ナチュラルスピードで英語を話す際、単語と単語の「音」をつなげて発音する際の法則のことです。
英語のネイティブスピーカーが英語を話すとリンキングが起こる理由は、単純に2つの音をつなげた方が発音しやすいからです。
例えば、“Thank you”が“センキュー”と聞こえるのは、“k”の音と“y”の音がリンキングしているからです。
リンキングを身につけておくと、ネイティブの英語が聞き取りやすくなったり、英語の正しい発音が身についたりするなど、様々なメリットが期待できます。
リンキングについて動画で詳しく観る
英語の音声変化の種類
英語には、主に次の3種類の音声変化(発音の法則)が存在します。
リンキング(連結) | 2つの音がつながる音声変化 |
---|---|
リダクション(脱落) | 音が発音されず、省略される音声変化 |
アシミレーション(同化) | 2つの音がつながって、新たな音になる音声変化 |
これらの音声変化は、どれも自然な会話スピードで発音した場合に起こります。
本記事では、英語のリエゾン(つなぎ)の一つである「リンキング」について詳しく解説していきます。
リンキングを学習するメリット
続いて、英語のリンキングを学習する3つのメリットについて詳しく紹介します。
- 英語のリスニング力が向上する
- 正しい発音が身につく
- 英語力に自信を持てるようになる
「リンキングを学習する必要はあるの?」と疑問に思っている方は、ぜひ参考にして英語力を向上させてください。
英語のリスニング力が向上する
リンキングを学習する1つ目のメリットは、英語のリスニング力が格段に向上することです。
例えば、ネイティブが“fall in love(フォーリンラブ)”と発音した場合、リンキングの知識があれば“フォーリンラブ”を、“フォール イン ラブ”と正しく分解して聞き取ることができます。
しかし、リンキングを知らないと、「フォーリンラブ」という1つのかたまりとして理解しようとしてしまうため、英語を正しく聞き取ることができません。
「英単語や英文法の知識はあるのに、ネイティブスピーカーの英語を聞き取れない…」という英語学習者によくある悩みは、リンキングの知識が不足していることが原因の1つとして考えられます。
正しい発音が身につく
リンキングを学習する2つ目のメリットは、正しい発音が身につくことです。
ネイティブスピーカーは英語を話す際、無意識のうちにリンキングを行います。つまり、リンキングをマスターすれば、ネイティブの発音に一歩近づくことができます。
例えば、“Thank you”をリンキングせず“センク ユー”と発音した場合、意思の疎通は取れたとしても、正しい発音ができているとは言えません。
「正しい発音を身につけたい」「英語の発音を良くしたい」という人は、リンキングを学習して、ネイティブに近い発音を目指しましょう。
英語力に自信を持てるようになる
最後に、リンキングをマスターすると自分の英語力に自信を持てるようになります。
もし、英語の発音が悪いことやネイティブが話す英語を聞き取れないことをコンプレックスに感じているのであれば、リンキングを学習することをおすすめします。
リンキングの学習を通してスピーキング力やリスニング力を伸ばして、自信を持って人前で英語を話せるようになりましょう。
3種類のリンキングを分かりやすく解説!
次に、英語の「リンキング」の具体例を挙げて解説します。まず、英語のリンキングは次の3つに大別されます。
- 「子音」+「母音」
- 「子音」+「子音」
- 「母音」+「母音」
それぞれ順に詳しく解説していきます。
英語の「母音」と「子音」を復習!
まず、英語のリンキングを理解するためには、「母音」と「子音」の違いを理解しておく必要があります。
英語の「母音」「子音」は、簡単に言うと以下の表の通りです。
母音 | A, i, u, e, o |
---|---|
子音 | それ以外のアルファベット |
例えば、「na」という音は“n”という子音と“a”という母音から、「me」という音は“m”という子音と“e”という母音から成り立っています。
つまり、母音は“a”“i”“u”“e”“o” 、子音はそれ以外のすべての音ということになります。
ただし実際には、英語には24個以上もの母音があると言われています。例えば、アルファベットの“a”には、“攓ʌ”“ɑ”という3種類の母音が存在します。
しかし、24個以上もの母音をすべて覚えるのは容易ではありません。
というのも、子音に該当するアルファベットでも発音される「音」によって母音になることがありますが、まずは基本的な英語の母音は“a”“i”“u”“e”“o” のアルファベット5つと覚えておけば問題ないでしょう。
「子音」+「母音」のリンキング
子音と母音が続く場合、英語では子音と母音をくっつけて発音します。
例えば、「恋に落ちる」という意味の“fall in love”は、日本語でも“フォーリンラブ”と表記されますよね。
これは、“l”という子音と“i”という母音がくっついて、“リ”という音に変化しています。
- l + 母音
fall in
「フォール イン」→ 「フォーリン」
ここでは、「フォーリン」と同様に子音と母音がリンキングする例を紹介していきます。
- v + 母音
give out
「ギブ アウト」→「ギバウト」
- f + 母音
a loaf of
「ア ローフ オブ」→「アローホブ」
- s + 母音
This is
「ディス イズ」→「ディスィズ」
- sh + 母音
push up
「プッシュ アップ」→「プッシャップ」
- th + 母音
faith in
「フェイス イン」→「フェイスィン」
- k + 母音
Take out
「テイク アウト」→「テイカウト」
- t + 母音
a lot of
「ア ロト オブ」→「アロトブ」
- p + 母音
hang out
「ハング アウト」→「ハンガウト」
- g + 母音
sing a song
「シング ア ソング」→「シンガソング」
- d + 母音
kind of
「カインド オブ」→「カインドブ」
- r + 母音
a bar of
「ア バー オブ」→「アバーロブ」
- l + 母音
fall in
「フォール イン」→「フォーリン」
- m + 母音
warm up
「ウォーム アップ」→「ウォーマップ」
- n + 母音
run out
「ラン アウト」→「ランナウト」
「子音」+「子音」のリンキング
続いて、「子音」と「子音」でリンキングする例を5つ紹介します。
同じ子音が続く場合
同じ子音が連続する場合、2つの子音を1つの音として発音します。
- 子音 + 子音
cut tomato
「カット トメィト」→「カットメィト」
- 子音 +
stop playing
「ストップ プレイング」→「ストップレイング」
似た子音が続く場合
また、異なるアルファベットでも「音」が似ていると同じことが起こります。
- 子音 + 子音
put these
「プット ディーズ」→「プッディーズ」
ちなみに、子音が続いていても音が大きく異なる子音が続く場合は、リンキングは起こりません。
「母音」+「母音」のリンキング
母音と母音が続く場合、2つの音の間に“w”や“y”の音が入ることがあります。
“w”の音が入るリンキング
- 母音 + 母音
do it
「ドゥ イット」→「ドウィット」
- 母音 + 母音
who are
「フー アー」→「フーウァー」
“y”の音が入るリンキング
- 母音 + 母音
I am
「アイ アム」→「アイャム」
これらの例を見ると、母音と母音の間にかすかに“w”や“y”の音が入っていることを分かっていただけると思います。
ただし、“w”と“y”の音はあくまでも弱々しく発音します。はっきりと発音してしまうと違和感のある発音になってしまうので気をつけましょう。
リンキングは、特にこの2つに要注意!
ここまでで、リンキングの基本的なルールを3つ紹介しました。
次に紹介するのは、特にリンキングが起こりやすい要注意な2つの「音」です。
子音に「y」が続く場合
1つ目の単語が「子音」で終わり、2つ目の単語が「y」の音で始まる場合、高い確率でリンキングが起こります。
例えば、子音の後に続く単語が“you”の場合、“K”が前に来ると“キュ”、“t”が前に来ると“チュ”という音になります。
- 子音 + y
Thank you
「センク ユー」→「センキュー」
- 子音 + y
Don’t you
「ドント ユー」→「ドンチュー」
- 子音 + y
last year
「ラスト イヤー」→「ラスチィヤー」
短い前置詞が続く場合
子音で終わる単語の後に“in”や“of”、“and”などの短い前置詞が続く場合も、特にリンキングが起こりやすいので覚えておくといいでしょう。
- 子音 + in
Put in
「プット イン」→「プッティン」
- 子音 + of
a cup of
「ア カップ オブ」→「アカッポブ」
- 子音 + and
Tom and
「トム アンド」→「トマンド」
- 子音 + or
fish or
「フィッシュ オア」→「フィッショア」
“In”や“of”などの前置詞はリンキングが起こりやすい上、発音される時間が短いため聞き逃すことがよくあるので注意しましょう。
ですので、短い前置詞は前に置かれた子音とリンキングされやすいと覚えておきましょう。
リンキングのおすすめ学習方法とマスターするためのポイント
続いて、リンキングのおすすめ学習方法とリンキングをマスターするためのポイントを紹介します。
- シャドーイングを行う
- 発音に特化した教材を活用する
- スペルや文字よりも「音」に注目する
それぞれの学習法とポイントについて、詳しくお伝えしていきますね。
シャドーイングを行う
リンキングをマスターするには、シャドーイングが効果的です。
シャドーイングとは、ネイティブスピーカーによる英語の音声をリスニングした後、続けて発音して練習する英語学習方法のことです。
ネイティブスピーカーの発音を真似することには、音のつながりを理解しやすくなるというメリットがあります。
シャドーイングのやり方は以下の通りです。
1.英語の音声とスクリプトを用意する
2.まずは一度、英語の音声を聞いてみる
3.英語の音声を聞きながら、英文を目で追う(アイシャドーイング)
4.音声に続いて、発音を真似する
英語の音声・スクリプトは自分が好きなものを選べば問題ありませんが、スピードが速すぎないものを選びましょう。
初めて聞いたときに「8割以上」聞き取れるくらいの音声を選ぶと無理なく取り組むことができます。
ポッドキャストやラジオ番組、海外ドラマなど、自分が楽しく取り組める英語の音声を利用して、シャドーイングに取り組みましょう。
発音に特化した教材を活用する
リンキングをマスターしたいのであれば、「英語の発音に特化した参考書の活用がおすすめです。
ここでは、リンキングの学習に最適な参考書を2冊紹介します。
「日本語ネイティブが苦手な英語の音とリズムの作り方がいちばんよくわかる発音の教科書」
発音を苦手とする英語初心者でも、イラストと分かりやすい解説を掲載したこの本を使えば、英語の正しい発音やリンキングを理解することができます。
「英語の発音が苦手…」「英語の発音を基礎からしっかり学習したい」という人におすすめの1冊です。
「CD-ROM付 改訂版 英語の発音パーフェクト学習辞典」
こちらは、英語の音やリズム、イントネーションなど、正しい発音を身につけるために知っておきたいことを網羅した学習辞典です。
付属の音声CDにはネイティブスピーカーによる正しい発音が収録されているので、正確なリンキングを実際に耳で聞いて覚えることができます。
ただし、本書の解説は英語の発音記号を読めることを前提としているため、英語を学びはじめたばかりの初心者にはあまりおすすめできません。
「英語のリンキングやリダクションなどの発音を学び直したい」「英語のイントネーションやリズムを改善したい」という英語中級者〜上級者におすすめの1冊です。
スペルや文字よりも「音」に注目する
リンキングを正しくマスターするためには、英単語のスペルや文字よりも「音」に注目することが重要です。
英語には、“knife(ナイフ)”や“aisle(アイル)”など、スペルと発音が大きく異なる単語が多く存在します。
そのため、英単語をスペル通りに読み上げていては、いつまでも「カタカナ発音」から脱却できず、リンキングをマスターすることはできません。
リンキングを学習する際はスペルではなく「音」に注目するように心がけましょう。
英語の発音を学べるおすすめの英会話スクール
各社 | 料金 | 無料体験 | 公式サイト |
---|---|---|---|
ハミングバード | パッケージ 5,184円~ | あり | 公式サイト |
ハツオン | 2ヶ月 242,000円 | 無料カウンセリング | 公式サイト |
レアジョブ英会話 | 月8回 4,980円~ | 2回 | 公式サイト |
シャドテン | 月21,780円 | 7日間 | 公式サイト |
ワールドトーク | 月3,300 円~ | あり | 公式サイト |
まとめ
この記事では、英語初心者がつまずきやすい「リンキング」の基本的なルールと学習方法について紹介しました。
リンキングを学習すると、
- 英語のリスニング力が向上する
- 正しい発音が身につく
- 英語力に自信を持てるようになる
これらのことが期待できます。
ぜひこの機会にリンキングを学習して、英語のリスニング力とスピーキン力の向上を目指しましょう。