後置修飾とは、説明の語を名詞の後ろにおく表現方法です。つまり、名詞を後ろから修飾する(=説明する)ことです。
今回は、後置修飾の基本と、分詞を用いた後置修飾について、例文と練習問題を交えて詳しく解説します。
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目次
YouTubeでも後置修飾について解説
YouTubeでも後置修飾について解説しています!記事内に出てくる単語の発音も動画で確認することができるので、記事と合わせてぜひチェックしてみてください!
後置修飾とは
後置修飾とは、形容詞および前置詞句、現在分詞、過去分詞といった形容詞相当の語句によって、後ろから名詞を修飾することを意味します。
英文法において、名詞を修飾する際、前置修飾と後置修飾の2通りありますので、後置修飾について解説する前に、まず、前置修飾と後置修飾の違いを解説します。
前置修飾と後置修飾の違い
前置修飾は、[(形容詞/形容詞相当語句)+名詞]の語順で、前から名詞を修飾します。
一方、後置修飾は、[名詞+(形容詞/前置詞句/形容詞相当語句)]の語順で、後ろから名詞を修飾します。
以下、わかりやすい表にまとめました。
前置修飾 (Pre-modification) |
後置修飾 (Post-modification) |
|
---|---|---|
イメージ | 名詞がどのような種類、属性、 特徴を持つのかを限定する |
名詞に説明を加える |
基本の型 | 形容詞/形容詞相当語句 + 名詞 | 名詞 + 形容詞/前置詞句/形容詞相当語句 |
働き | 前から名詞を修飾する | 後ろから名詞を修飾する |
前置修飾の例 | 後置修飾の例 |
---|---|
a good man 良い人 |
someone good 誰か良い人 |
occupied seat 使用中の座席 |
no seat available 空席なし |
a tall girl 背の高い女の子 |
a girl of 170 cm tall 170cmの背の高さの女の子 |
a broken car 壊れた車 |
a car broken by Ken ケンによって壊された車 |
日本語に訳すと、前置修飾であっても、後置修飾であっても同じような意味合いに感じるものもありますが、ニュアンスが多少異なります。
通常、前置修飾は「永続的・習慣的な特性」を表し、後置修飾は「一時的な特性」を表すとされています。
【テスト有】中学英語の基礎文法をおさらい! 「現在完了形」とは? 【テストあり】中学英語の基礎文法「不定詞」「動名詞」とは?基本的な後置修飾の使い方
次に、後置修飾の基本的な使い方である、形容詞または形容詞相当語句、そして前置詞句を用いた後置修飾について解説します。
どの語句が説明を加えているのか、どの語句が修飾されているのかをしっかり意識しながら、学習を進めていきましょう。
形容詞/形容詞相当語句を使った後置修飾
通常、形容詞は名詞の前に置きます。例えば、big stone[big 「大きい(形容詞)」+stone 「石(名詞)」]、interesting story[interesting「面白い(形容詞)」+story「話(名詞)」]など。
ただし、主に以下のような場合は、名詞の後ろに形容詞または形容詞相当語句を置き、後ろから名詞に補足情報を加えます。
【後置修飾が使われる例】
- 2語以上のかたまりの形容詞句である場合
- 一時的な特性を示す場合
- 名詞の語尾に、-thing、-body、-oneがつく形容詞が使われている場合
- 名詞の語尾に、-ible、-ableがつく形容詞が使われている場合
- 数量を修飾する場合
- 特定の形容詞を用いる場合(alike, alive, alone, asleep, awakeなど)
名詞 + 形容詞/形容詞相当語句
【例文】
①He is a man worthy of respect.
(彼は尊敬に値する人です。)
②I was passed a bag full of stuff.
(私はものがいっぱいの鞄を渡されました。)
③I’m looking for someone better.
(私はより良い素敵な人を探しています。)
④This is the best plan possible.
(これは考えられる一番の計画です。)
⑤This building is 500 meters high.
(このビルは高さ500メートルです。)
⑥I saw a baby asleep.
(私は眠っている赤ちゃんを見ました。)
前置詞句を使った後置修飾
前置詞句とは、on the table(テーブルの上)のように、[前置詞+名詞]の形になっているものです。
形容詞の働きをする前置詞句は、名詞の後に置くことによって、その名詞を後ろから修飾して場所や所有や関係性などを表します。
名詞 + 前置詞句
【例文】
There is a cat under the table.
(テーブルの下に猫がいます。)
The woman in the red dress is my sister.
(赤いドレスの女性は、私の姉です。)
I saw an old man with a dog.
(私は犬と一緒の老人を見ました。)
分詞を使った後置修飾
続いて、分詞を用いた後置修飾について解説します。分詞は、動詞と形容詞の性質を合わせ持ち、現在分詞と過去分詞の2種類があります。
現在分詞は、walking、breaking、doingのように基本的に動詞の原形にingをつけたもの。また過去分詞は、walked、helped、calledのように基本的に動詞にedをつけたものです。ただし、break-broke-broken、do-did-doneのように不規則変化をする動詞もあります。
これらの現在分詞と過去分詞が、名詞を修飾する形容詞の働きをします。
現在分詞 (Present Participle) |
過去分詞 (Past Participle) |
|
---|---|---|
形 | 動詞の原形にingをつけたもの | 動詞にedをつけたもの |
【例】 working crying running doing writing |
【例】 worked cried run done written |
|
意味 | ~している | ~された |
現在分詞を使った前置修飾の例 | 現在分詞を使った後置修飾の例 |
---|---|
a crying baby (泣いている赤ちゃん) |
a baby crying with a loud voice (大きな声で泣いている赤ちゃん) |
working women (働いている女性) |
women working full-time (フルタイムで働いている女性) |
過去分詞を使った前置修飾の例 | 過去分詞を使った後置修飾の例 |
---|---|
grilled chicken (焼かれたチキン) |
chicken grilled in the oven (オーブンで焼かれたチキン) |
a broken window (割れた窓) |
a window broken by a stone (石で割られた窓) |
一般的に、1語の場合は前置修飾をします。
続いて、現在分詞と過去分詞を用いた後置修飾について、もう少し詳しく説明します。
現在分詞の後置修飾
現在分詞を名詞の後ろに置くことで、名詞を後ろから修飾する修飾語の働きをします。
その名詞が「何をしているのか」という説明を加えることで、「今まさに~している状態」といった生き生きとした躍動感のあるイメージを表現することができます。
また、現在分詞を用いて名詞を修飾するときは、名詞が主語の位置でも目的語の位置でも使うことができます。
名詞 + 現在分詞
【例文】
I know the woman standing near the door.
(私はドアの近くに立っている女性を知っています。)
Mary married a man working for a famous company.
(メアリーは有名な会社で働いている男性と結婚しました。)
The boy playing tennis with Ken is my brother.
(ケンとテニスをしている少年は、私の弟です。)
過去分詞の後置修飾
過去分詞も名詞の後ろに置くことで、名詞を後ろから修飾する修飾語の働きをします。
その名詞が「何をされたのか」という説明を加えることで、過去の行為による結果が与えた状態を表します。「~された状態」といった受身のイメージになります。
過去分詞を用いて名詞を修飾するときは、名詞が主語の位置でも目的語の位置でも使うことができます。
名詞 + 過去分詞
【例文】
Do you know the languages spoken in Cambodia?
(カンボジアで話されている言語を知っていますか?)
I read a book written in English.
(私は英語で書かれた本を読みました。)
The products produced by this company are very popular.
(この会社で生産されている商品はとても人気があります。)
練習問題
以下は、練習問題です。解き終わったら、それぞれの英文を繰り返し声に出して読んでみましょう。英語のリズムを通して、後置修飾の構造を掴むことができます。
基礎問題
日本語に合うように( )内に適切な単語を入れてください。
問題1:The bridge is 10 kilometers ( ).
(その橋は、長さ10㎞です)
long
問題2:Are there any rooms ( ) for reservation?
(予約可能な部屋はありますか?)
available
問題3:He did everything ( ).
(彼は、できることをすべてやりました。)
possible
問題4:My father carried a box ( ) of stuff.
(私の父は、ものでいっぱいの箱を運びました。)
full
問題5:The girl ( ) the long hair is Nancy.
(長い髪の女の子はナンシーです)
with
問題6:The cat ( ) the sofa is Tama.
(ソファの上にいる猫は、タマです。)
on
問題7:Do you know the boy ( ) with Tom?
(あなたは、トムと話をしている少年を知っていますか?)
talking
問題8:The woman ( ) the pink dress is my sister.
(ピンクのドレスを着ている女性は、私の姉です。)
wearing / in
問題9:There are many houses ( ) by the typhoon.
(台風で破壊された家がたくさんあります。)
destroyed
問題10:He bought a picture ( ) by a famous artist.
(彼は、有名な画家が描いた絵を買いました。)
painted / drawn
応用問題
日本語と同じ意味になるように、( )内の単語を並び替えてください。
問題1:(warm, need, something, I).
(なにか温かいものが欲しいです。)
I need something warm.
問題2:(of, behavior, worthy, his, praise, is).
(彼の振る舞いは称賛に価します。)
His behavior is worthy of praise.
問題3:(the photo, is, the girl, daughter, in, my).
(その写真の少女は、私の娘です。)
The girl in the photo is my daughter.
問題4:(the station, the restaurant, is, in front of, famous, this town, in).
(駅前のレストランは、この町で有名です。)
The restaurant in front of the station is famous in this town.
問題5:(the man, is, who, the piano, playing)?
(ピアノを弾いている男性は誰ですか?)
Who is the man playing the piano?
問題6:(with, is, the woman, his girlfriend, walking, Ken).
(ケンと一緒に歩いている女性は、彼のガールフレンドです。)
The woman walking with Ken is his girlfriend.
問題7:(money, found, the policeman, stolen, the).
(警察官は、盗まれたお金を見つけました。)
The policeman found the stolen money.
問題8:(a language, English, by, spoken, many, is, people).
(英語は、多くの人に話されている言語です。)
English is a language spoken by many people.
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まとめ
本記事では、後置修飾について例文とともに解説しましたが、いかがでしたか?
以下、簡単におさらいをしましょう。
【特徴】
形容詞および形容詞相当語句、前置詞句、分詞を名詞の後ろに置き、名詞に対して後ろから説明を加える。
【名詞 + 「形容詞/形容詞相当語句」】
名詞に情報を付け足す。
【名詞 + 前置詞句】
名詞に場所や所有や関係性などの情報を加える。
【名詞 + 現在分詞】
名詞が「何をしているのか」と説明し、「今まさに~している状態」といった躍動感のあるイメージを表す。
【名詞 + 過去分詞】
名詞が「何をされたのか」と説明し、過去の行為による結果が与えた状態を表す。
しっかり整理できましたか?
後置修飾は、名詞の後に修飾したい内容をつけ加えることで、単調な文章に、豊かな情報を盛り込むことができます。
どれが説明している語句(=修飾語)でどれが説明されている語句(=被修飾語)なのかを意識すると、次第に修飾語と被修飾語が理解できるようになります。
前置修飾だけでなく、後置修飾を用いたさまざまな例文に触れて自分自身でも使いこなせるようになれば、表現の幅が大きく広がります。ぜひこの機会に積極的に繰り返し練習してみてください。