英会話を習得する上で、英文法を課題に感じている人は少なくないでしょう。
「英語を話すようになるのに文法は必要ない」と言われることもありますが、文法の知識は英会話において大切な要素の一つです。
この記事では、英会話に文法が必要である理由から、英文法の効率的な覚え方・勉強法、初心者がまず押さえておきたい基礎文法まで、詳しく解説していきます。
目次
英会話に英文法が必要である理由
英会話を習得するためには、英文法の知識が必要不可欠です。理由を3つ紹介します。
- 英語のルール・構造を理解できる
- 日本語と英語は語順が異なる
- 英会話のレベルアップにつながる
英語のルール・構造を理解できる
英文法を学ぶことで、英会話の土台となる文章の組み立て方のルールや構造を理解することができます。
ルールに基づいて正確な英語の文章を作成できるようになるため、他人に誤解されることなく意図を伝え、効果的にコミュニケーションを図れるようになります。
また、英文法のルールや文章の構造の知識を身につけることで、他人が話す英語を理解する力も向上します。
複雑な文章やな愛文章を聞いた時に、文章構造を分析して正確に意味を捉え、相手の意図をしっかり理解できるようになります。
このように、英文法を学ぶことは、英会話の土台である文章の組み立て方のルールや構造の理解を深めるために不可欠です。
日本語と英語は語順が異なる
日本語と英語は語順が大きく異なるため、英語を正しく話せるようになるには英語特有の語順を理解する必要があります。
たとえば、日本語の「私はリンゴを食べた。」という文章を英語にすると「I ate an apple.」と、名詞(リンゴ / an apple )と動詞(食べた / ate)の順番が入れ替わります。
英文法の知識がないと正しい語順で英語の文章を組み立てられないため、不自然な文章になったり、相手に理解してもらえなかったりします。
日本語の文法のルールや語順の感覚は英語では全く通用しないため、英語を外国語として学ぶにあたっては、英語の文法をしっかり勉強する必要があります。
英会話のレベルアップにつながる
英文法を学ぶことは、英会話の総合的なレベルアップにつながります。
英文法の知識を身につけると、より複雑な文章や多様な表現方法を使えるようになるため、会話の幅が広がり、より高度な会話や詳細な説明が可能になります。
たとえば、ネイティブと会話をする際、単調な表現に頼らず、状況に応じた適切な言い回しや表現を使い分けられるようになり、自信を持って英語を話せるようになります。
また、相手が話す英語を理解するリスニング力も向上するので、会話に付いていけないことや相手の意図を理解できないことも減ります。
英文法を学ぶことは、単に正しい文章を作成するためだけでなく、総合的な英会話レベルを向上するための重要なステップです。
英文法の覚え方|効率的に覚えるコツ
「英文法がなかなか覚えられない……」と苦戦している人に向けて、英文法を効率的に覚えるコツを6つ紹介します。
- 「覚える」よりも「理解する」
- 日本語訳に頼らない
- 例文を活用する
- 定期的に復習する
- 例外を確認する
- インプットとアウトプットをバランス良く行う
「覚える」よりも「理解する」
英文法を効率的に覚えるには、ただ文法を知識として覚えようとするのではなく、理解しようとすることが大切です。
英文法のルールを一時的に暗記しても、使い方や例外、ニュアンスなどを理解していなければ、実際の英会話の中で使いこなすことはできません。
たとえば、時制の使い分けや仮定法の用法などを学ぶ際、単にルールを暗記するのではなく、その文法が実際に使われている例文や文脈を通してなぜそのルールが存在するのかや使い方、パターンなどを理解することが大切です。
英文法を理解することで、単なる暗記にとどまらず、実際の英会話で自然に使いこなせるようになります。
日本語訳に頼らない
英文法を覚える際は、日本語訳に頼らないことが大切です。
なぜなら、英語と日本語は構造や文法が大きく異なり、日本語に訳すと意味や微妙なニュアンスが失われてしまう英語特有の文法ルールや表現方法が存在するからです。
英文法を覚える際は、英語の文法書や英英辞典を活用し、英語を英語で説明する方法を学んだり、日本語に訳さずに理解する練習をしたりしましょう。
英語を英語のまま理解することで、文法や表現の微妙なニュアンスをより正確に把握し、自然な英語を使いこなせるようになります。
例文を活用する
英文法を効率的に覚えるには、参考書などに記載されている例文を活用しましょう。
具体的な例文を通して、英文法の使い方を確認することで、英文法を実際に使う場面をイメージしやすくなり、記憶にも定着しやすくなります。
たとえば、英語の冠詞「the」と「a/ an」の使い分けは多くの英語学習者が苦戦するポイントの一つです。
英文法の説明を読んでもピンとこない場合でも、「the」が使われている例文と「a/ an」が使われている例文を確認することで、パターンを見つけることができます。
- The cat is sleeping on the sofa.(その猫はソファの上で寝ています。)
- A cat is sleeping on the sofa.(猫がソファの上で寝ています。)
- I saw the movie you recommended.(おすすめしてくれた映画を見ました。)
- I saw a movie last night.(昨日の夜、映画を見ました。)
これらの例文を確認することで、「the」は特定の猫や映画を指しており、「a/ an」は特定でないものや一般的なものを指していることを理解できます。
英文法を覚える際は、例文を活用して文法の使い方を確認し、実際に使う場面をイメージしたり、自分でオリジナルの例文を作成したりしてみてください。
定期的に復習する
英文法を効率良く覚えるには、定期的に復習することが大切です。
文法は一度覚えたからといって放置しておくと忘れてしまうため、定期的に見直して記憶を定着させる必要があります。
学習スケジュールを立てて、新しく学んだ文法を復習する時間を定期的に設けましょう。
英文法の復習には、フラッシュカードや復習機能が搭載された英語学習アプリなどを活用するのもおすすめです。
例外を確認する
英文法には多くの例外が存在するため、基本のルールに加えて例外もセットで覚えるようにすると効果的です。
例外を理解しておくことで、実際の会話や文章で例外に出くわしても柔軟に対応し、正確な英語を使えるようになります。
たとえば、不規則動詞の変化や例外的な冠詞の使い方(意一部の国名や地域には「The」を使う、皮や海、島々の名前には「The」を使うなど)、特殊な前置詞の使い方など、特に自分が苦手だと感じる例外はリストアップし、重点的に学習しましょう。
まずはよく使われる例外から優先的に学び、英文法の知識を深めていきましょう。
インプットとアウトプットをバランス良く行う
英文法を効率良く覚えるには、インプットとアウトプットのバランスも大切です。
英文法はインプット(読む・聞く)だけでなく、アウトプット(書く・話す)も合わせて行うことで記憶に定着させ、実際のコミュニケーションで使えるようになります。
たとえば、新しい文法を学んだら、実際にその文法を使って文章を書いたり話したりする練習をすると効果的です。
英語の独学では学習内容がインプットに偏りがちなので、意識的にアウトプットを取り入れるようにしましょう。
英文法の効果的な勉強方法
英文法の効果的な勉強方法を具体的に6つ紹介します。
- 中学文法を学び直す
- 英文を声に出して読む
- 英文法の問題を解く
- 英語の文章を読む / 聞く
- 英作文を書く
- 会話の中で文法を使う
中学文法を学び直す
最初に、中学文法を学び直すことで英文法の基本的なルールを理解し、基礎を固めましょう。
英文法の基本的なルールを一通り理解することで、より本格的な英語学習への土台を作れます。
中学生の頃は英語が苦手で文法をいまいち理解できなかった人でも、大人になってから学び直してみると当時よりも容易に理解できることがあります。
中学レベルの基礎文法は、日常英会話やビジネス英会話などの土台となる重要な要素ですので、まずは中学で学ぶ英語文法が項目ごとにわかりやすく解説されている参考書を一冊手に取って、中学英語から学び直してみましょう。
英文を声に出して読む
英文法を学ぶ際は、英文を声に出して読むことも効果的です。
文法書や英語の文章を声に出して読むことで、口や耳が英語の音に慣れるため、文法構造や語順がより自然に身につきやすくなります。
また、人によっては、英文を読んだり書いたりするよりも、声に出して読み上げた方が記憶に定着しやすいこともあります。
英文法がなかなか覚えられない際は、ぜひ英文を声に出して読んでみましょう。
英文法の問題を解く
英文法の効果的な勉強方法は、英文法の問題をたくさん解くことです。
英文法の問題を解くことで、実際に自分が学んだ文法をどれだけ理解できているか、どこを理解できていて、どこでつまずいているのかを確認することができます。
また、問題を解くことは、頭に入れた文法知識をアウトプットする良い練習にもなります。
問題を繰り返し解くことで、記憶に定着しやすくなったり、使い方を自然にマスターしたりできることもあります。
文法事項ごとに練習問題が付いた文法書や、英文法の問題書、アプリなどを活用して、たくさん英文法の問題を解くことを心がけましょう。
英語の文章を読む / 聞く
英文法を勉強する際は、文法書だけでなくさまざまな英語の文章を読んだり聞いたりすることが大切です。
英語の絵本や英字新聞、雑誌、オンライン記事などを活用してさまざまな英語の文章を読むことで、英語の自然な文法の使い方を身につけることができます。
また、英語のニュースやポッドキャスト、映画やドラマなどで英語の音声を積極的に聞くようにすることで、リスニングを通して文法の使い方やネイティブ特有のニュアンスを理解するのに役立ちます。
このように、英語は実際にコミュニケーションの手段として使われている生きた言語ですので、文法書での勉強だけにとらわれず、さまざまな英語の文章に触れて文法を体得していきましょう。
英作文を書く
学んだ英文法を使って英作文を書くことも、英文法の効果的な勉強法の一つです。
文法知識を実際に使って文章を書くことで、使い方をより深く理解することができます。
自分で書いた文章は、文法チェックツールや英会話スクールの講師、英語を話せる知り合いなどに添削してもらい、フィードバックをもらうとより効果的です。
フィードバックをもとに自分の間違いを修正して再度書き直したり、より自然な文法の使い方や言い回しを学習したりすることで、文法の知識を効果的に強化していくことができます。
英作文の学習法とおすすめの添削サービス会話の中で文法を使う
英文法を学ぶ際、実際の会話の中で文法を使うように意識することが大切です。
英会話教室やオンライン英会話スクールなどを活用して実際に英語を話す機会を作り、学んだ文法を意識して正しい文章で話す練習をすることで、実践的な文法知識とスキルを習得できます。
文法をただの知識としてだけでなく、実際のコミュニケーションで使えるスキルとして習得したい人は特に、会話の中で学んだ文法を使うことを意識してみてください。
初心者向け|まず押さえておきたい基礎文法
英語初心者がまず押さえておきたい基礎文法をわかりやすく解説します。
語順
英語の基本的な語順は、「主語+動詞+目的語」です。この語順は英文法の基本形となり、正しい英文を作るための第一歩となります。
基本語順(SVO:主語+動詞+目的語)
- I like apples.
- She is a student.
英語の語順は日本語と異なるため、英文法を学ぶにあたっては英語の基本的な語順を理解することが大切です。
第5文型
基本語順を押さえたら次に確認したいのが、第5文型です。文の構成要素には「主語」「動詞」「補語」「目的語」があり、英語にはこれらの並べ方が5種類あります。
以下の5つの文型を理解することで、さまざまな文を作成し、適切な単語やフレーズを使って自然な文章を作れるようになります。
第1文型(SV:主語+動詞)
- She sings.
- The sun rises.
第1文型とは、主語と述語で完結する文のことです。第1文型の動詞は目的語を必要としないため、「自動詞」と呼ばれます。
第2文型(SVC:主語+動詞+補語)
- He is a doctor.
- The dog is cute.
第2文型は、主語と動詞、補語で成り立つ文です。「He = doctor」「The dog = cute」のように「主語=補語」の関係が成り立つことが特徴です。
第3文型(SVO:主語+動詞+目的語)
- I like apples.
- She is a student.
第3文型とは、主語と動詞、目的語で完結する文のことです。動詞が目的語を必要とする「他動詞」で、目的語が1つであることが特徴です。
第4文型(SVOO:主語+動詞+目的語+目的語)
- He gave her a book.
- She showed me her drawing.
第4文型は、主語と述語の後に2つの目的語が続く文です。一般的に、「〜に」にあたる語と、「〜を」にあたる語の2つの目的語を取ります。
第5文型(SVOC:主語+動詞+目的語+補語)
- He made me happy.
- Everyone calls him Tom.
第5文型は、主語と動詞、目的語、補語から成り立つ文です。「me = happy」「 him = Tom」のように「目的語=補語」の関係が成り立ちます。
SVOCとは?基本5文型を例文とともにわかりやすく解説be動詞と一般動詞
英語には「be動詞」と「一般動詞」という2つの種類の動詞が存在します。
いずれも英語の文法で重要な役割を果たすため、使い方をしっかり押さえておきましょう。
be動詞
be動詞は、状態や存在を表現するのに使われる動詞です。
主語と時制により下記のように形が変化します。
主語 | 現在形 | 過去形 | 過去分詞形 | |
---|---|---|---|---|
1人称 | 単数 (I) | am | was | been |
複数 (We) | are | were | ||
2人称 | 単数 (You) | are | are | |
複数 (You) | ||||
3人称 | 単数 (He, She, It, This, That など) | is | was | |
複数 (They) | are | were |
be動詞は、文章の中で動詞と同じ場所に来ますが、「eat(食べる)」や「play(遊ぶ)」のような行動を表すのではなく、主語と述語の状態や事実をつなげる役割をもっています。
日本語にはない概念なので、最初は難しく感じるかもしれません。しかし、「I am」と「You are」以外は、単数形であれば「is / was」、複数形であれば「are / were」が使われるので覚えなければならないパターンはそう多くはありません。
一般動詞
一般動詞とは、主語の具体的な行動や状態を表現するのに使われる、be動詞以外のすべての動詞のことを指します。たとえば、「run(走る)」「eat(食べる)」「sleep(寝る)」などがあります。
be動詞と同様に、主語と時制によって形が変化します。具体的には、主語が3人称で動詞が現在系の場合は動詞の語尾に「s」がつきます。しかし、中には「es」が付いたり、語尾の「y」を「i」に変えた後に「es」が付いたり、特別な形に変化したりする動詞も存在します。
以下、一般動詞の一般的な変化をまとめた表を示します。中には例外も存在しますが、一般的には以下の表のように変化するので理解しておきましょう。
動詞の原形 | 三人称単数形 | 説明 |
---|---|---|
play | plays | 一般的な動詞に -s を付ける |
go | goes | 語尾が -o で終わる動詞は -es を付ける |
wash | washes | 語尾が -sh で終わる動詞は -es を付ける |
watch | watches | 語尾が -ch で終わる動詞は -es を付ける |
fix | fixes | 語尾が -x で終わる動詞は -es を付ける |
kiss | kisses | 語尾が -ss で終わる動詞は -es を付ける |
study | studies | 語尾が子音字 + y で終わる動詞は y を i に変えて -es を付ける |
carry | carries | 語尾が子音字 + y で終わる動詞は y を i に変えて -es を付ける |
have | has | 不規則変化 |
また、一般動詞は「時制」によっても形が変わります。一般的には、原形の語尾に「ed」を付けることで過去形と過去分詞形を作ることができます。これらの動詞のことを規則動詞と言います。
動詞の原形 | 過去形 | 説明 |
---|---|---|
play | played | 一般的な動詞に -ed を付ける |
watch | watched | 語尾が -ch で終わる動詞に -ed を付ける |
like | liked | 語尾が -e で終わる動詞に -d を付ける |
stop | stopped | 語尾が短母音 + 子音字の場合、 子音字を重ねて -ed を付ける |
study | studied | 語尾が子音字 + y で終わる動詞は y を i に変えて -ed を付ける |
一般動詞には、上記のルールが当てはまらない動詞も多く存在します。これらの動詞のことを不規則動詞と言います。以下は、不規則動詞の一例です。不規則動詞は、以下の表を参考に覚えてしまうことをおすすめします。
原形 | 過去形 | 過去分詞形 |
---|---|---|
go | went | gone |
have | had | had |
see | saw | seen |
eat | ate | eaten |
take | took | taken |
make | made | made |
come | came | come |
get | got | got / gotten (米) |
run | ran | run |
think | thought | thought |
人称代名詞
人称代名詞とは、「私」「あなた」「彼女」「彼」など、人のことを指す代名詞のことです。人称代名詞は日常会話の中で頻繁に使われるため、それぞれの意味と使い方、形の変化を覚えておくことが大切です。
人称代名詞は、代名詞が主語なのか、所有を表すのか、目的語なのかによって形が変化します。
- 主格:「私は〜」「あなたは〜」のように主語として使われる代名詞
- 所有格:「私の〜」「あなたの〜」のように所有を表す代名詞
- 目的格:「私に〜」「あなたに〜」のように目的語として使われる代名詞
人称代名詞の一覧と、主格・所有格・目的格の変化は以下の通りです。
主語 | 人称代名詞 | |||
---|---|---|---|---|
主格 | 所有格 | 目的格 | ||
1人称 | 単数 | I (私は/が) | my (私の) | me (私を/に) |
複数 | we (私たちは/が) | our (私たちの) | us (私たちの) | |
2人称 | 単数 | you (あなたは/が) (あなたたちは/が) | your (あなたの) (あなたたちの) | you (あなたを/に) (あなたたちを/に) |
複数 | ||||
3人称 | 単数 | he (彼は/が) | his (彼の) | him (彼を/に) |
she (彼女は/が) | her (彼女の) | her (彼女を/に) | ||
it (それは/が) | its (それの) | it (それを/に) | ||
複数 | they (彼らは/が) | their (彼らの) | them (彼らを/に) |
冠詞(a / an とtheの違い)
英語の冠詞には、不定冠詞(a / an)と定冠詞(the)の2種類があります。それぞれの違いと使い方を理解することで、正確な英語表現が可能になります。
不定冠詞(a / an)は、特定のものを指さない単数名詞に使います。意味としては、「一つの」「ある(一つの)」というニュアンスになります。主に初めて話題に出すものや人に使います。
- a:子音で始まる単語の前に使う(book, car, houseなど)
- an:母音(a, e, i, o, u)で始まる単語の前に使う(apple、elephant、ideaなど)
定冠詞(the)は、特定のものや人を指す場合に使います。意味としては「その」「あの」といったニュアンスです。主に既に話題に出たものや人、文脈から特定できるものや人、大洋や大統領など唯一のものや人などに使います。
冠詞は日本語にはない概念で多くの英語学習者がつまずくポイントですので、文法書などを手に取りじっくり学習することをおすすめします。
英語の「冠詞」a/an とtheの使い分けをわかりやすく解説単数形と複数形
英語では名詞の数によって単数形(a dog)と複数形(dogs)のように形が多少変化します。日本語では「犬たち「3匹の犬」のように複数であることを強調することはあっても、名詞自体に単数形と複数形という概念は存在しないため要注意です。
英語の名詞では、その名詞が単数であるか複数であるかを常に意識し、それによって単数形と複数形を使い分ける必要があります。一般的な名詞は、語尾に「s」をつけるだけで複数形にすることができますが、例外もあるので以下の具体例を示した表で確認しておきましょう。
単数形 | 複数形 | |
---|---|---|
一般的な名詞 | book | books |
語尾が s, x, z, ch, sh で終わる名詞 | bus | buses |
語尾が子音字 + y で終わる名詞 | baby | babies |
語尾が母音字 + y で終わる名詞 | day | days |
語尾が f または fe で終わる名詞 | wolf | wolves |
life | lives | |
不規則名詞 | man | men |
woman | women | |
child | children | |
foot | feet | |
tooth | teeth | |
mouse | mice | |
同形の単数形と複数形 | sheep | sheep |
deer | deer | |
series | series | |
species | species |
また、単数形と複数形を学ぶ際にセットで確認しておきたいのが「不可算名詞」です。数えられる名詞(可算名詞)の場合、上記の表のように単数形と複数形に変化します。
しかし、英語の名詞の中には数えられない名詞(不可算名詞)というのが存在し、不可算名詞の場合は単数形しかなく、複数形は存在しません。
たとえば、「water(水)」は不可算名詞なので複数形がなく、常に単数形で使われます。不可算名詞は数えられないので、「one」「two」などの数詞は使わず、「some」や「a lot of」などの表現とセットで使用します。
以下は不可算名詞と使用例の一例です。どの名詞が不可算名詞なのかを覚えておくと役に立つでしょう。
不可算名詞の例 | 使用例 |
---|---|
water(水) | There is some water in the bottle. |
information(情報) | He gave us a lot of information. |
furniture(家具) | We need some new furniture. |
advice(助言) | He gave me a piece of advice. |
rice(米) | There is a lot of rice in the pot. |
money(お金) | She has a lot of money. |
music(音楽) | I love listening to music. |
時制
英語には全部で12種類の時制があります。英語の表現力を向上するには、時制の種類を正しく理解し、適切に使い分けることが大切です。
以下は12種類の時制と用法、例文をまとめた表です。
時制 | 用法 | 例文 |
---|---|---|
現在形 (Present Simple) | 一般的な事実、習慣 | He works at a restaurant. |
現在進行形 (Present Continuous) | 現在進行中の動作、一時的な状況 | He is eating a salad. |
現在完了形 (Present Perfect) | 過去から現在への影響、経験 | She has visited Japan. |
現在完了進行形 (Present Perfect Continuous) | 過去から現在までの継続している動作 | They have been studying for two hours. |
過去形 (Past Simple) | 過去の特定の時点での動作や状態 | She visited her parents last week. |
過去進行形 (Past Continuous) | 過去の特定の時点に進行中だった動作 | He was watching TV when I called. |
過去完了形 (Past Perfect) | 過去のある時点よりも前に完了した動作 | She had finished her work before dinner. |
過去完了進行形 (Past Perfect Continuous) | 過去のある時点まで継続していた動作 | They had been living there for five years before they moved. |
未来形 (Future Simple) | 未来の動作や状態 | She will travel to Canada next year. |
未来進行形 (Future Continuous) | 未来の特定の時点に進行中の動作 | This time tomorrow, I will be flying to New York. |
未来完了形 (Future Perfect) | 未来のある時点までに完了する動作 | By next month, I will have finished the project. |
未来完了進行形 (Future Perfect Continuous) | 未来のある時点まで継続している動作 | By the end of this year, they will have been living here for three years. |
まずは基本の現在形、過去形、未来形の時制から学習を始め、次に現在進行形、過去進行形、過去完了形までを学習するといいでしょう。
文法書などを手に取って詳しい解説を読み、それぞれの時制の使い方や違いをしっかり理解しましょう。
英語の文法が学べるおすすめのサービス・参考書
英語の文法を学ぶのに役立つおすすめのサービス・参考書を3つ紹介します。
- レシピー
- DMM英会話
- English Grammar in Use
レシピー
レシピーは、文法をはじめとした英語6技能すべてを学べる英語学習アプリです。
「好きを学びに」をコンセプトとしたアプリで、スマホとスキマ時間を使って毎日10分から、楽しく英語に触れられるのが特徴です。
文法学習のコンテンツでは、日常英会話に頻出の中学〜高校レベルの文法を学習できます。
また、TOEICのPart7の文法問題に取り組んだり、理解度チェックが付いた英語の記事を活用したりして文法の知識を腕試ししたり強化したりすることも可能です。
AIによる学習カリキュラムで効率良く英語を学べるStandardプランは月額3,600円から利用できます。
アプリを有効活用して英文法を学びたい人は、ぜひレシピーをチェックしてみてください。
DMM英会話
DMM英会話は、世界124カ国の講師と毎日話せるオンライン英会話サービスです。
英語ネイティブの国やヨーロッパ、中南米、アジアなど、世界124カ国の1万人以上の講師によるマンツーマンレッスンを、24時間365日いつでもどこでも受けられるのが特徴です。
レッスンでは14,323以上の教材をすべて無料で利用することができ、『文法(DMM英会話オリジナル教材)』『Grammar in Use』『瞬間英作文』など、英文法の学習に特化した教材も充実しています。
DMM英会話を活用すれば、毎日外国人の先生と英語を話す機会を作りつつ、教材を使って文法に関するレッスンを受けることが可能です。
毎日の文法学習がついインプットばかりになりがちな人は、ぜひDMM英会話を活用してアウトプットを取り入れてみてください。
English Grammar in Use
English Grammar in Useは、ケンブリッジ大学出版から出ている世界的ベストセラーの実用文法書です。
そのまま会話に使える自然な例文やカラーのイラストを通して、コミュニケーションに使える実用英文法を学べるのが特徴で、1985年の出版からずっと世界中の英語学習社から高い支持を得ています。
1ユニット完結の見開き2ページ構成で、左ページで文法の説明やポイントを確認した後、右ページで会話にそのまま使える例文を確認したり、練習問題に取り組んだりできます。
また、英文法がすべて英語で解説されているので、日本語に頼ることなく英語の感覚で英文法を理解できることも魅力です。
外国の文法書で英文法を学んでみたい人は、ぜひEnglish Grammar in Useを手に取ってみてください。
英文法の覚え方と勉強法についてのまとめ
この記事では、英会話に英文法が必要である理由から効果的な覚え方、勉強法まで詳しく解説しました。
英文法は、英語を正しく話せるようになるために不可欠な要素であり、ただ知識として覚えるだけでなく、使い方やニュアンスをしっかり理解して実際のコミュニケーションで使えるようにすることが大切です。
英文法の勉強で苦戦している人は、ぜひ本記事を参考に英文法の学習に取り組んでみてください。