越境ECに必要な英語力や翻訳の方法は?

越境ECに必要な英語力や翻訳の方法は?

世界中で加熱している越境EC市場には、大きなビジネスチャンスが存在しています。

当記事では、越境ECに必要な英語力や、自社ECサイトを英語に翻訳する方法について解説していきます。

越境ECの特徴とメリット

越境ECの特徴とメリット

越境ECとは何か?

越境ECとは、自社の海外向け通販サイトや国外のECモールを通じて、世界中の顧客に商品・サービスを販売する電子商取引(Electronic commerce)のことです。

有名な越境ECサイトとして、アメリカの「Amazon」や中国の「アリババ」などが挙げられます。

Eコマースのグローバル化や、スマートフォンの爆発的な普及を背景に、世界の越境ECの市場規模は、2021年時点で7,657億米ドル(約98兆円)にも達しています。(※米国調査会社「Report Ocean」調べ)

経済産業省の報告によると、2026年における越境ECの市場規模は、2021年の約5倍(530兆円)に到達すると予測されています。

日本においても、インバウンド需要(訪日外国人観光客の購買需要)の増大や、国内EC市場の競争激化を受けて、越境ECに意欲的な中小企業が増えています。

EC大国の中国やアメリカと比べると、日本の越境EC市場はまだまだ小規模ですが、それだけに大きな伸びしろがあります。

越境ECに参入するメリット

世界中から新規顧客を獲得できる

世界の越境EC市場には、中国やアメリカといった経済大国に加えて、東南アジアなどの発展途上国も続々と参入しています。

市場拡大の勢いは留まるところを知らず、あらゆる企業にとってのブルーオーシャンと言って良いでしょう。

日本国内のEC市場も年5%程の成長を続けていますが、人口減少や市場の飽和により、大量の新規顧客の獲得は難しくなりつつあります。

国内では競合が多い分野でも、世界のEC市場に進出すれば、約70億人の消費者に直接アプローチして、販路を大きく開拓することができます。

日本の高品質な商品は海外からのニーズが高く、意外なものが大ヒットする可能性もあるので、大小問わずどのような企業でも、越境ECに参入する価値はあります。

また、海外の消費者は、日本と比べてEC利用頻度や購入単価が高いので、少ない労力でも大幅な売上アップが期待できます。

海外出店のコストが低い

海外に実店舗を展開する場合、テナント料や人件費などの莫大なコストがかかり、現地に在庫を抱えるリスクも生じます。

一方、ネット上に店舗を構える越境ECであれば、低予算かつローリスクで、容易に海外出店を実現できます。

中小規模の事業であれば、ECサイトの運用は少人数(10~15人程度)でも行えるため、コストを抑えた運営が可能です。

自社サイトを多言語化する際は、無料または定額制の翻訳サービスを上手く活用すれば、翻訳にかかる費用も大幅にカットできます。

また、越境ECでは、商品の仕入れ時・配送時などに支払った消費税の還付を受けられるため、この点でもコスト削減になります。

越境ECに必要な英語力の目安

越境ECに必要な英語力の目安

ECサイト運営に必要な英語レベル

越境ECサイトの運営(受注管理や顧客サポートなど)には、中学レベルの英語力があれば十分です。

実際に、越境ECに参入している事業者の68%は、基礎英会話レベルの英語力でサイトを運営しているという調査結果があります。(※2019年4月 eBay「 越境ECセラーの実態調査」より)

注文対応や発送連絡といった定型文でできるやり取りに関しては、英語の自動返信メールで対応できるので、わざわざ英語が堪能な社員を雇わなくても、さしあたっては問題ありません。

とはいえ、顧客からの問い合わせやクレームを処理する際は、電話やチャットで直接やり取りを行う場合もあるため、最低限のビジネス英会話を身につけておくことが望まれます。

越境ECに役立つ英会話を最短で身につけるには、英会話教室やオンライン英会話を利用するのがおすすめです。

短期集中型の英語コーチング系スクールなら、各自のニーズに合わせたビジネス英会話を、最短2~3ヶ月で身につけられます。

参考:越境ECにも役立つ!グローバル社会における英語力の重要性

ビジネス英語学習者向けのオンライン英会話スクール10選

ECサイトの翻訳に必要な英語レベル

自社ECサイトを自然な英語に翻訳するには、ネイティブ並みの高度な英語力が求められます。

現地の人にとって違和感がなく、読みやすい文章に英訳することは、顧客からの信頼獲得と売上アップに直結します。

また、越境ECの売上を大きく伸ばすには、自社サイトを海外検索エンジンの上位に表示させたり、海外の人に商品の魅力を分かりやすく伝えたりする工夫が欠かせません。

そのためには、マーケティングやSEOなどの幅広い知識を活かした翻訳が求められます。

翻訳したいページが大量にある場合は、機械翻訳を利用して、一瞬でサイトを英語化することも可能です。

しかし、機械翻訳ばかりに頼っていると、どうしても違和感のある文章になってしまうため、顧客から信頼を得ることができず、購買につなげることができません。

商品紹介ページや会社情報、プライバシポリシーなど、売上や信頼性に関わる重要なページについては、翻訳会社やプロの翻訳者に任せましょう。

自社サイトを越境EC向けに翻訳する方法

自社サイトを越境EC向けに翻訳する方法

ここからは、ECサイトを英語に翻訳する4つの方法と、それぞれの費用相場やメリット・デメリットを紹介していきます。

機械翻訳(翻訳サイト・翻訳ツール)

機械翻訳を利用すると、翻訳したいページのURLやテキストをコピー&ペーストするだけで、大量の文章を即時に英訳できます。

「Google翻訳」や「エキサイト翻訳」といった無料翻訳サイトを上手く利用すれば、全くコストをかけずに翻訳することも可能です。

近年では、機械翻訳にAI・機械学習の技術が用いられるようになり、翻訳精度が大幅に向上したため、訳文の質はビジネス用途にも耐えうるものとなっています。

ただ、人の手による翻訳と比べると、誤訳や違和感が生じたり、細かなニュアンスが反映されなかったりするので、機械翻訳ばかりに頼るのは禁物です。

また、複雑な長文やキャッチコピーの翻訳にも向いていないので、必要に応じて他の翻訳方法も併用する必要があります。

機械翻訳で高品質な訳文を求める時や、大量の文章を翻訳したい時は、有料版の翻訳サイト・翻訳ツールを利用することをおすすめします。

費用の目安 無料または有料(月額数百円~10万円以上)
※有料版の機械翻訳の料金は、サービス内容や翻訳量によって大きく異なります。
メリット ・無料または低コストで翻訳できる
・大量の文章を一瞬で翻訳できる
デメリット ・訳文が不自然になることがあるため、人の手で修正する必要がある
・無料翻訳サイトは文字数が厳しく制限される上、セキュリティの不安もある
こんな場合におすすめ ・定型化された文章(自動返信メールや商品説明テンプレートなど)を翻訳したい
・単語単位やフレーズ単位で今すぐ翻訳したい

翻訳会社

越境ECサイトの翻訳で最もオーソドックスな方法が、翻訳会社への依頼です。

翻訳会社の厳しいテストを通過したプロの翻訳者が、高精度で自然な訳文を作成してくれるため、自社サイトの信頼性が高まり、売上アップも大いに期待できます。

また、一つの翻訳会社には、専門分野の異なる翻訳者が複数在籍しているため、幅広い分野の需要に応えてくれます。

一度翻訳された文章は、プロの翻訳チェッカーやネイティブが2重チェックを行うので、重要なページの翻訳を安心して任せられます。

その代わり、翻訳料金が1文字あたり15円~20円と高い上、納品まで時間がかかることがあるため、使いどころの見極めが重要です。

費用の目安 1文字15円~20円
メリット ・訳文のクオリティが高く、自社サイトの信頼性向上につながる
・様々な業界・専門分野のニーズに応えてくれる
・訳文のチェック体制やセキュリティ対策がしっかりしている
デメリット ・翻訳料金が高く、大量の翻訳を依頼するとコストがかさむ
・納期が長くなることがあり、急ぎの案件には向かない
こんな場合におすすめ ・サイトのメインページや会社情報といった重要な部分を翻訳したい
・専門用語が多いページを正確に翻訳してほしい
・複数の翻訳者と契約する手間を省きたい

フリーランスの翻訳者

「クラウドワークス」や「ランサーズ」といったクラウドソーシングサイトでは、フリーランスの翻訳家に直接仕事を発注できます。

費用の相場は、翻訳者のレベルや文書の種類によって変動しますが、相場では翻訳会社よりも安い料金で請け負ってもらえます。(日英翻訳の場合は1文字あたり5円~10円が目安)

EC分野に強みを持つ翻訳者に発注すれば、低コストで海外SEOに対応してもらうことも可能です。

また、平日・休日や時間帯を問わず、翻訳者と手軽にコミュニケーションが取れるため、急な要望にも臨機応変に応じてもらえます。

「急いでサイトを更新したい」「顧客とのやり取りに困っている」など、緊急で対応してほしい時は、クラウドソーシングサイトで稼働中の翻訳家を探してみましょう。

費用の目安 1文字5円~10円
メリット ・翻訳会社よりも低料金で人の手による翻訳ができる
・細かな要望にも柔軟に対応してもらえる
デメリット ・人によって翻訳のクオリティや納品スピードに差がある
・希望に見合うフリーランスを探して契約する手間が生じる
こんな場合におすすめ ・商品ページの更新やメール対応など、急ぎの案件を発注したい
・英語の商品コピーの作成や海外SEO対策を安価に行いたい

越境EC代行サービス

越境EC代行とは、ECサイトの翻訳を含め、サイトの構築や受注管理、プロモーションといった運用業務全般を支援するサービスのことです。

関税の手続きやトラブル対応といった面倒なことも全て任せられるため、初めての海外出店でも失敗するリスクが低く、スムーズに販売を開始できます。

出店の準備や市場リサーチに無駄な時間をかけず、本格的な越境ECサイトを直ぐに立ち上げたい場合におすすめの方法です。

代行費用は業者によって幅がありますが、料金の安さだけで判断せず、ECを展開したい国の事情に精通している業者や、開店後のサポートが充実している業者を選ぶようにしましょう。

費用の相場 10万円~500万円
メリット ・越境ECの知識がない状態でも、スムーズに海外出店ができる
・業務の大部分をプロに任せることで、効率のいいサイト運用ができる
デメリット ・サービス内容によっては代行料金が高くつく
・顧客と直接関わらないため、信頼関係を築きにくい
こんな場合におすすめ ・本格的な越境ECサイトをすぐに立ち上げたい
・越境ECで失敗するリスクを極力減らしたい

ECサイトを翻訳する際の注意点

ECサイトを翻訳する際の注意点

国や地域に合わせた英語表現を使う

英語圏といっても国や地域が違うと、単語のスペルや言い回しが異なることがあります。

例えば、アメリカとイギリスで使われる英単語には、下の表のような違いがあります。

単語の使い方のような些細な違いであっても、注意を怠っていると、ちょっとしたミスや誤解が、クレームやトラブルに発展する恐れがあります。

特に、食べ物や素材、単位など、自社で扱う商品に関する表現については、国・地域別にどんな英語が使われているのか、入念に調べておきましょう。

ターゲットの国・地域に合わせた表現を使うことで、現地の人にとって親切で読みやすいサイトになり、ページ滞在率・購買率にプラスの効果をもたらします。

商品説明などの重要な文章に関しては、翻訳会社を通じてネイティブチェックを受け、間違いなく伝わる表現になっているか確認すると安心です。

同じ意味に異なる単語を使う例
アメリカ イギリス
缶詰 can tin
セーター sweater jumper
郵便番号 zip code post code
予約する reserve book
同じ単語でも異なる意味を表す例
アメリカ イギリス
bill 紙幣 勘定書
chips ポテトチップス フライドポテト
pants ズボン 下着
単語のスペルが異なる例
アメリカ イギリス
color colour
お気に入り favorite favourite
小切手 check cheque

原文をシンプルな日本語にする

機械翻訳を利用するケースでは、込み入った文を正確に読み取れず、原文とは違う意味に訳したりニュアンスが伝わらなかったりすることがあります。

特に、誤字脱字や略語、話し言葉の多い文章、一文が長く情報量の多い文章は、機械翻訳と相性が悪く、誤訳が生じやすくなってしまいます。

機械翻訳の精度を上げるには、原文の日本語をシンプルな言い回しに直して、一文一文をできるだけ短くする必要があります。

また、文章が多少くどくなっても、主語と目的語を省略せず、「誰が何をするのか」を明確に表すことも重要です。

機械翻訳に適した文を書くには、教科書や新聞記事の文章の書き方をお手本にするといいでしょう。

現地の法律や規制を理解する必要がある

越境ECに関わる法律や規制は、国や地域によって大きく異なるため、販売先の事情に合わせ慎重な対応を行う必要があります。

取り扱う商品によっては、輸入許可が必要とされたり、高額な関税・送料がかかったりするので要注意です。

例えば、アメリカで食料品や医薬品を販売する場合は、FDA(アメリカ食品医薬品局)にメーカー施設の登録を行い、販売許可を得なければなりません。

違反した場合は、現地での販売活動禁止命令や罰金といった厳しいペナルティが科されてしまいます。

関税・消費税に関するルールは特に複雑なので、越境ECを始める前に、国際税務に強い税理士・会計士に相談しておくと安心です。

翻訳にかける適正なコストを見極める

越境ECは低コストで運用できるのが魅力ですが、ECサイトの翻訳方法によっては、無駄な費用や時間がかかってしまうことがあります。

最初から翻訳の品質を重視しすぎると、翻訳会社に依頼するコストばかりがかさんでしまい、利益とのバランスが取れなくなります。

翻訳の費用対効果を高めるには、ページの重要度に応じた翻訳方法を選び、重要度の高い方から順に費用を振り分けることが重要です。

プロの翻訳家に依頼する内容は、商品と会社のイメージ・信頼性に関わる重要な文章だけに留めましょう。

その他の部分(ショッピングカートや会員ページ、自動返信メールなど)に関しては、機械翻訳やフリーランスによる翻訳でも十分に対応できます。

月数万文字程度の翻訳を定期的に依頼したい場合は、月額定額制の翻訳サービスを利用することで、人の手による翻訳コストを10分の1程度に抑えられます。

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