就活や大学入試の際に注目を浴びるTOEIC。
そこで本記事では、2020年4月よりウェブで受験できるようになったTOEICのIPテストについて、会場で受験するTOEICと比較しながら解説します。
目次
会場受験(公開テスト)とオンライン受験(IPテスト)の違い
ウェブで受験できるのは「TOEIC L&R IPテスト」のみ。公開テストは会場でしか受験できません。
公開テストとIPテストの違いを簡単に説明しますと「個人で受験するか、団体で受験するか」という点だけです。
なので、オンラインのIPテストも「IPテストを主催する団体」でしか受験できません。
例えば、あなたが大学生で、在籍する大学においてIPテストが実施されていればIPテストを受験できるということです。
公開テスト・IPテスト・IPテスト(オンライン)の違いを表にまとめました。
公開テスト | IPテスト |
IPテスト (オンライン) |
|
---|---|---|---|
試験内容 | 新しい問題 | 過去問の再利用 | 過去問の再利用 |
申し込み | 個人 | 団体 | 1人~ |
受験会場 | 指定の場所 | 団体の敷地 | ネット環境のある場所 |
試験時間 |
120分 (L:45 R:75) |
120分 (L:45 R:75) |
約60分 (L:約25 R:37) |
問題形式 |
L:100問 R:100問 |
L:100問 R:100問 |
L:45問 R:45問 |
受験料 |
6,490円 (税込) |
4,230円 (税込) |
4,230円 (税込) |
結果発表 | 約4週間後 | 約5営業日後 | 受験当日 |
※2021年10月の受験より公開テストの受験料は7,810円(税込)になります。
それぞれ、具体的に解説します。
受験会場
オンラインのIPテストは、基本的にインターネット環境のある場所ならどこでも受験可能です。昨今のコロナ禍の影響により多くの団体が自宅で受験させているようです。
試験時間
ウェブテストで、大きく変更されたのが試験時間です。
今までのTOEIC試験は合計120分とかなり長かったのですが、新しいシステムの導入により、たったの1時間で受験することができるようになりました。
問題形式
1時間で受験できるようになったのは、「CAT(Computer Adaptive Test)」を導入したためと言われています。
CATとは、簡単に言うと「受験者のレベルに合わせて出題される問題が変わる」システムのことです。
具体的には、試験は以下のような流れで行われます。
- リスニング:Unit One(25問) → 受験者の能力判定 → Unit Two(20問)
- リーディング:Unit One(25問) → 受験者の能力判定 → Unit Two(20問)
受験料
IPテストは、公開テストより2,000円ほど安い受験料で受けることが可能です。
また、2021年10月より、公開テストの料金は7,810円(税込)に値上げされるので、IPテストがますますお得になります。
スコア確認までの時間
従来の公開テストやIPテストは、少なくとも数日間、テスト結果が出るまで待たないといけません。
ですが、オンラインのIPテストであれば、テスト終了後すぐにスコアを確認することができます。
TOEIC700点獲得に必要な英語力とは?勉強法とおすすめの参考書 TOEICで800点を取るための勉強法とおすすめの参考書を紹介!TOEIC IPテスト(オンライン)受験のメリット
オンライン受験のメリットは以下の3つです。
- 1時間で試験が受けられる
- インターネット環境さえあればいつでもどこでも受験できる
- テスト結果がすぐに分かる
1時間で試験が受けられる
TOEIC受験において、120分という試験時間は大きな障壁でした。一方、CATシステムを導入したオンライン受験の受験時間は、半分の60分に短縮されました。
「集中力が続かないから苦手だった」という方も、少しは気を楽にして取り組むことができるのではないでしょうか。
インターネット環境さえあればいつでもどこでも受験できる
オンライン受験の2つ目のメリットは、「24時間いつでもどこでも受験できること」です。
インターネットを介しての受験になるので、PC1台とネット環境があれば、自分都合に合わせて受けたいときにいつでも受験可能です。
自宅という慣れた環境で受験できるので、集中して試験に向き合えます。
テスト結果がすぐに分かる
3つ目のメリットは「結果をすぐに見られること」です。
公開テストの場合は、結果が出るのは約4週間先です。ネットで確認するにしても3週間は待たないといけません。
ですが、オンライン受験ならば、受験が終わったその瞬間にスコアを確認することができるのです。テスト結果をすぐに確認できるのは、大きなメリットだと思いませんか。
TOEIC IPテスト(オンライン)受験のデメリット
逆に、オンライン試験ならではのデメリットもあります。それは以下の3つです。
- リスニングの先読みができない
- 問題がPCの画面に表示されるので少し読みにくい
- 時間配分を自分で調整できない
リスニングの先読みができない
TOEICのリスニングにおいて、先読みは重要な技術です。
ですが、オンラインの場合、紙の試験と違って解いているPartが終了しないと次のPartにすすめないので、問題を「先読み」することができません。
400点以上取得できるリスニング上級者の方であれば問題ないかもしれませんが、リスニングが苦手な人にとっては、厳しい条件下での試験を強いられることになります。
ただ、日常の会話においては、先読みなんて概念はなく、瞬時にレスポンスするのが当然です。見方を変えれば、より実践的になったと考えることができます。
問題がPCの画面に表示されるので少し読みにくい
PCに表示される問題を解くので、好みの問題かもしれませんが、少し読みにくいと感じる方がいるかもしれません。
日頃からPC画面に慣れることによって克服できる問題なので、人によってはあまり大きなデメリットではないかもしれません。
時間配分を自分で調整できない
通常のTOEIC試験の場合、リーディングの時間配分がスコアアップのコツでした。
しかし、オンライン試験では、リーディングの時間がUnitごとに決まっているので、Unit内での時間配分しかできません。
Unit Oneが早く終わっても、Unit Twoを解くことができないということになります。
ちなみに、リーディング試験の時間は37分間で、そのうちUnit Oneは約23分、Unit Twoは約14分に振り分けられています。
得意不得意なく、万遍なく問題を解ける読解力が必要とされます。
TOEIC IP試験対策方法
オンライン受験は通常の受験と大きく異なることを伝えてきました。
「ビジネス英語力が求められる」という本質的なところは変わりませんが、オンラインに即した対策方法がありますので、その方法を解説していきます。
TOEICオンライン受験の対策方法
TOEIC試験対策においてまず大切になるのが「環境」です。オンライン試験は自宅で受験することになるので、集中しやすいよう身の回りの環境を整えておきましょう。
おすすめは、大きめのディスプレイを用意し、質の良いイヤホンを使用することです。
次に、PCで問題を見ることに慣れましょう。
ネットでTOEICの問題を検索すると、各パートの問題をPC画面で見ることができます。それらの問題を使って、PCでの受験に慣れておくとよいでしょう。
リーディングに関して言うと、「問題に書かれているか、PC画面に表示されるか」しか違いはないので、この対策で十分です。
あとは公式問題集などで通常の試験と同じように対策しましょう。
TOEICオンライン受験リスニング対策
リスニングは、先ほども伝えしましたが「先読み」ができません。対策は、公式問題集のリスニング問題を1問ずつ見ながら解いていくという方法です。
先読みは一切せず、1問解き終わるまで次の問題は絶対見ないようにして、問題を解いてみてください。
最初は難しく感じるかもしれませんが、聞くことに集中できるので、慣れると聞き取りやすくなるはずです。慣れるまで繰り返し練習しましょう。
TOEIC対策におすすめなオンライン英会話
各社 | 無料体験 | 料金 | 公式 |
---|---|---|---|
ロゼッタストーン | 1回 | 38回 4ヶ月 267,520円 | 公式サイト |
RIZAP ENGLISH | 1回 | 16回 2ヶ月 437,800円~ | 公式サイト |
イングリード | カウンセリング | 3ヶ月 440,000円 | 公式サイト |
シェーン英会話 | 1回 | 40分 週1回 19,800円~ | 公式サイト |
プログリット | カウンセリング | 2ヶ月 380,600円~ | 公式サイト |
カンニングは百害あって一利なし
Twitterで、ある大学生が「カンニングし放題だ」と言っていましたが、カンニングは百害あって一利なしです。
単語の意味を調べるだけでも数十秒捨てることになります。TOEICは時間との勝負ですので、イチイチ調べていたら時間内に問題を解くことはできません。
また、2021年3月より、受験者の不審な動きを感知する「AI監視サービス(仮称)」が導入されました。
受験生のPCに取り付けたカメラから【受験者の入れ替わり】【複数人の映り込み】【不正の可能性が高い目線の動き】をAIが解析するのです。
余計なことは考えず、普通に受けるのが一番ですね。
十分な対策をしてオンライン試験に臨もう
問題数が少なく、好きな場所、好きな時間に受けられ、受験時間も1時間。オンライン受験は、効率的に英語力を測れる素晴らしい仕組みです。
ですが、その分、1問の重みが大きくなるということですので、より慎重な対策が必須となってきます。
求められる本質的な力は変わりませんが、IPテスト(オンライン)の仕組みを十分に理解し、効率的な対策をすることで高いスコアをとることは十分可能です。
分からないところがあれば、もう一度記事を読み直し、十分な対策をしてから試験に臨みましょう!