英文法の「間接疑問文の使い方がわからない…」、「間接疑問文なのか、関係代名詞なのかみわけがつかない…」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
「間接疑問文」とは、疑問詞を含んだ節が文の一部に取りくまれている英文のことです。
文法用語で解説されると多少難しく感じるかもしれませんが、使い方は比較的シンプルです。語順とどの疑問詞を用いたらいいのかがわかれば、しだいに使いこなせるようになります。
間接疑問文は、日常生活やビジネスのシーンにおいて、予定を確認したり助けを求めたりするときに頻繁に用いる表現です。
きちんと使いこなすことで、丁寧ないい回しができるようになりますので、マスターしておくことをおすすめします。
今回は、おもに中学英語で習う間接疑問文とその使い方について、例文と練習問題をまじえて詳しく解説します。
目次
間接疑問文についての解説動画
YouTube動画では記事内の英文の発音も確認することができますので記事と合わせてチェックしてみてください。
間接疑問文とは
基本的な間接疑問文は、文中に「疑問詞 + 主語(S) + 動詞(V)」という名詞節を含んだ文章のことをいいます。
文頭に序文の節を置き、その後に疑問詞を含んだ節を組み合わせることで、間接疑問文を作ることができるのですが、先ずは、間接疑問文の基本の構造を理解しておきましょう。
間接疑問文の構造
「What type of person do you like? (どんなタイプの人が好きですか?)」のような疑問文があります。
このようにwhatやwhoなどの疑問詞を用いた疑問文は、ものごとの詳細について相手にダイレクトに質問して答えを求めているので、直接疑問文に分類されます。
一方、間接疑問文は、「I wonder what type of person you like.(あなたはどんな人がタイプなのかしら。)」のように文中に疑問詞を含んだ名詞節を取り入れます。
質問がストレートではなく、婉曲的な印象になります。
以下、直接疑問文と間接疑問文を対比させながら説明しますので、それぞれの語順に注目してください。
【例1】
名詞節(疑問詞 + S+V or V+S) 序文の節
Who is he?
(彼はだれですか?)
Do you know who he is?
(あなたは彼がだれだか知っていますか?)
【例2】
Where is Broadway street?
(ブロードウェイ通りはどこですか?)
Can you tell me where Broadway street is?
(ブロードウェイ通りがどこにあるか教えてもらえますか?)
上記例文の「who he is(彼がだれであるか)」や「where Broadway street is(ブロードウェイ通りはどこか)」の部分は、名詞節です。
これらの名詞節自体は、相手になにかをたずねる表現ではなく、序文の節と一緒になることによって意味をなします。
よって、「序文の節 + 疑問詞 + 主語(S) + 動詞(V)」という語順が、間接疑問文の基本の型になります。
間接疑問文はどんなときに使う?
間接疑問文は、丁寧な表現方法とされており、おもに以下のような状況でよく使われます。
- 見知らぬ人や、上司など、よく知らない人や目上の人に何かをたずねるとき。
- 頼みごとをしたいとき。
- 厳しい言い方を避けたいとき。
- 聞きにくいことをたずねるとき。
- 報告書などのフォーマルな文章を書くとき。
直接疑問文は、家族や友人などよく知っている人に用いるのは問題ありませんが、英語では、知らない人と話すときは、間接的に質問をしたほうがいいとされています。
「Who is he?」や「Where is Broadway street?」などと直接質問を投げかけた場合、状況によっては相手にぶしつけな印象を与えかねません。
よからぬ印象を与えないために、丁寧な表現を用いて質問や依頼をしましょう。
基本的な間接疑問文の使い方
間接というその名称からつねに疑問形であると勘違されることがありますが、肯定形や否定形や疑問形の形をとることもあります。
次に、間接疑問文の肯定、否定、疑問の形をそれぞれ解説します。
間接疑問文の肯定形
肯定形の間接疑問文は、序文の節の後に適切な疑問詞を置き、主語と動詞がつづきます。
疑問詞を用いていますが、何かをたずねるわけではありませんので、文の最後にクエスチョンマーク(疑問符)をつける必要はありません。
間接疑問文で最もよくある間違いは、疑問形ではない場合でも文の最後にクエスチョンマークを使ってしまうことです。
繰り返しになりますが、語順に注意し、クエスチョンマークはつけないようにしましょう。
序文の節 + 疑問詞 + 主語(S) + 動詞(V)….
【例文】
The teacher knows where the students live.
(先生は、生徒たちがどこに住んでいるか知っています。)
She guesses what will happen next.
(彼女は次に起こることを予想しています。)
He believes he can buy a car within his budget.
(彼は予算内で車を購入することができると信じています。)
間接疑問文の否定形
間接疑問文を否定形にするには、序文の節にnotなどの否定を表す語を用います。
そして、適切な疑問詞を置き、主語と動詞がつづきます。この場合も疑問形ではないので、クエスチョンマークは不要です。
notを含む否定形の序文の節 + 疑問詞 + 主語(S) + 動詞(V)….
【例文】
I don’t know when she will leave.
(私は彼女がいつ出発するのか知りません。)
I was not informed when the deadline was.
(私はその締め切りがいつか知らされていませんでした。)
She is not sure where he went.
(彼女は彼がどこに行ったのかわかりません。)
間接疑問文の疑問文
間接疑問文で何かをたずねたい場合は、序文の節を疑問形にします。そして、適切な疑問詞を置き、主語と動詞がつづき、文の最後にクエスチョンマークをつけます。
また、間接疑問文の疑問形の序文の節として、次のようなフレーズがあります。どれも丁寧な表現として頻繁に使われますので、フレーズごと覚えておきましょう。
Can/Could you tell me…?
(~をわたしに教えていただけますか?)
Do you know…?
(あなたは~を知っていますか?)
Would you mind…?
(~してもいいですか?)
Do you have any idea…?
(~について何かアイデアはありますか?)
Would it be possible…?
(~は可能でしょうか?)
基本の文型:疑問形の序文の節 + 疑問詞 + 主語(S) + 動詞(V)…?
【例文】
Can you tell me where the post office is?
(郵便局がどこにあるか私に教えてもらえませんか?)
Do you know when she will leave?
(あなたは彼女がいつ出発するか知っていますか?)
Do you have any idea when the deadline is?
(あなたはその締め切りがいつなのかわかりますか?)
発展的な間接疑問文の使い方
つづいて、間接疑問文の応用パターンとしての使い方と間違えがちな関係代名詞との見分け方について解説します。
疑問詞を使わない間接疑問文
疑問詞を用いた疑問文だけではなく、Yes/Noを問う一般疑問文や選択を問う疑問文も間接疑問文にすることができます。
その場合は、文中に疑問詞を用いるのではなく、以下のようにwhetherかifを使います。
【例1】
序文の節 whether/ifを使った名詞節
Have you finished the report?
(あなたはレポートを完成させましたか?)
I wonder whether/if you have finished the report.
(あなたはレポートを完成させたのかしら。)
【例2】
Will he succeed or not?
(彼は成功しますか、または失敗しますか?)
Let me know whether he will succeed or not.
(彼が成功するかしないか、私に教えてください。)
序文の節の後にwhetherまたはifを置き、その後に主語と動詞がつづくことで、「~かどうか」 という意味になります。文章表現ではifよりwhetherのほうをよく使います。
また、例2のように、選択してもらうときは、whetherを用います。文末のor notは、ダメ押しですので、つけなくても意味は通じます。
序文の節 + whether/if + 主語(S) + 動詞(V)…
【例文】
I don’t know whether/if she will come.
(私は彼女が来るかどうか知りません。)
He’s afraid whether/if he can pass the test.
(彼は試験をパスできるかどうか心配しています。)
She asked me whether he was in Tokyo or Osaka.
(彼女は私に、トムは東京にいるのか大阪にいるのかたずねました。)
間接疑問文と関係代名詞の違い
間接疑問文と関係代名詞の文章は、どちらも文中に疑問詞があることから区別があいまいになってしまうことがあります。
間接疑問文
I know who he is.
(私は彼がだれだか知っています。)
He was asked how he speaks English well.
(彼はどのようにして英語を上手に話すのかたずねられました。)
関係代名詞
I know the man who just met.
(私はさっきあった男性を知っています。)
He has a friend who speaks English well.
(彼は英語を上手に話す友人がいます。)
間接疑問文は、疑問詞以降の名詞節が、序文の節の目的語になります。
一方、関係代名詞は疑問詞の前に先行詞があり、疑問詞以降の関係代名詞節が後ろから先行詞を修飾しています。
したがって、疑問詞の前に先行詞となる名詞があるかどうかが、関節疑問文か関係代名詞かを見分けるヒントになります。
また、「I don’t know what he said.」のように文中にwhatを用いる文章は、間接疑問文とも関係代名詞ともとらえることができます。
間接疑問文であれば、「私は彼がなんといったのかわかりません。」と訳します。
そして、関係代名詞なら、whatにthe thing(s)という先行詞が含まれていると理解し、「私は彼がいったことがわかりません。」と訳します。
このような場合は、あえて見わける必要はありませんが、それぞれ意味に違いがあるということを認識しておきましょう。
練習問題
以下に、練習問題を出しておきます。一つ一つの英文は、繰り返し声に出して読んでください。英語のリズムに慣れることで、間接疑問文の構造をつかむことができます。
基礎問題
日本語にあうように( )内に適切な語を入れて間接疑問文にしてください。
問題1:We want to know ( ) he quit the company.
(私たちは、なぜ彼が会社を辞めたのかを知りたいです)
why
問題2:Please tell me ( ) I need to do.
(私は何をしたらいいか、教えてください。)
what
問題3:Mothers don’t always know ( ) their sons are.
(お母さんたちは自分の息子がどこにいるか、つねに知っているわけではありません。)
where
問題4:He didn’t ask ( ) he should finish his homework.
(彼は、いつまでに宿題を終えればいいのかたずねませんでした。)
when
問題5:Have you decided ( ) you want to go after this?
(あなたは、この後どこの行きたいか決めていますか?)
where
問題6:Do you have any ideas ( ) we should carry out this project?
(私たちがこのプロジェクトをどのようにすすめるべきかあなたはアイデアをもっていますか?)
how
問題7:I wonder ( ) she’ll be attending the party tomorrow.
(彼女は、明日パーティーに参加するのかしら。)
whether/if
問題8:I have no idea ( ) they want to speak at the meeting.
(彼らは会議で発言したいのかどうか、私にはわかりません。)
whether/if
応用問題
日本語と同じ意味になるように、( )内の単語を並びかえてください。
問題1:(how, was, I, asked, studied, I).
(私がどのように勉強したのかたずねられました。)
I was asked how I studied.
問題2:(me, let, know, I, where, can apply, please).
(申し込みはどこですればいいか、私に教えてください。)
Please let me know where I can apply.
問題3:(know, Bob, doesn’t, when, Tokyo, came to, she).
(彼女は、ボブがいつ東京に来たか知りません。)
She doesn’t know when Bob came to Tokyo.
問題4:(sure, I, not, am, Tom, what, wants).
(私は、トムが何をしたいか知りません。)
I’m not sure what Tom wants.
問題5:(you, when, be back, will, Nancy, do, know)?
(あなたは、ナンシーがいつ戻ってくるか知っていますか?)
Do you know when Nancy will be back?
問題6:(is, you, crying, know, Mary, why, do)?
(あなたは、メアリーがなぜ泣いているのか知っていますか?)
Do you know why Mary is crying?
問題7:(where, can, I, tell me, you, this book, can, buy)?
(この本はどこで買えるのか私に教えてくれませんか?)
Can you tell me where I can buy this book?
問題8:(speaks, wonder, I, French, he, if).
(彼はフランス語を話せるのかしら。)
I wonder if he speaks French.
問題9:(whether, I, Ken, wonder, good at, math or English, is).
(ケンは数学と英語のどちらが得意かしら。)
I wonder whether Ken is better at math or English.
問題10:(Mr. Smith, let, know, tomorrow, if, are leaving, you, please).
(あなたたちが明日出発するかどうか、スミスさんに知らせてください。)
Please let Mr. Smith know if you are leaving tomorrow.
まとめ
本記事では、間接疑問文について例文とともに解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
- 間接疑問文のまとめ
特徴 | 疑問詞を含んだ名詞節やwhether/ifを含んだ名詞節を文中に置くことで、婉曲的な表現が可能になる。 |
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基本の文型 | ①序文の節 + 疑問詞 + 主語(S) + 動詞(V)… ②序文の節 + whether/if + 主語(S) + 動詞(V)… |
間接疑問文は、相手が少し不快に思っていることを聞き出したり、少しやっかいなことをお願いしたりするのに有効な表現方法です。
語順に注意して練習することで、しだいに表現の幅が広がり、会話や文章作成に役立てることができるようになります。ぜひこの機会に練習をしてマスターしてください。