“begin”と“start”の違いは?中学生の英文法をわかりやすく解説

“begin”と“start”の違いは?中学生の英文法をわかりやすく解説

中学生で習う英単語“begin”と“start”の違いを説明できますか?

“begin”と“start”は、日本語に訳すとどちらも「〜を始める」という意味ですが、実は細かなニュアンスや好んで使われるシーンには違いがあります。

この記事では、“begin”と“start”の意味と違い、使い分けの方法を例文を用いてわかりやすく解説します。

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“begin”と“start”の意味

まず、“begin”と“start”の違いを説明する前に、それぞれの英単語の基本的な意味を確認しておきましょう。

“begin”と“start”は、いずれも「〜を始める」という意味の英単語で、意味自体に大きな違いはありません。

begin start
意味 〜を始める 〜を始める
英英辞典 ・To start to happen
・To start to do something
・To begin doing something
・to begin to happen or to make something begin to happen
品詞 動詞
(※名詞形:beginning)
動詞・名詞
例文 She began to cry.
(彼女は泣き始めた)
He started laughing.
(彼は笑い始めた。)

“begin”の意味

“begin”は、「〜を始める」という意味の英単語です。

他動詞または自動詞として使うことができます。

“begin”は、やや硬くフォーマルな響きを伴い、ビジネスシーンなどでよく使われます。

【例文】

The presentation will begin at 12:00.
(プレゼンテーションは12時に始まります。)

It began to rain.
(雨が降り始めました。)

Do you know what time the movie begins?
(映画が始まるのは何時か分かりますか?)

“start”の意味

“start”は、「〜を始める」を意味する英単語です。

「〜を始める」という動詞、または「始まり」「初め」を意味する名詞として使うことができます。

“begin”より口語的な響きを伴い、カジュアルなシーンを中心に日常的によく使われる英単語です。

【例文】

Let’s start practicing.
(練習を始めましょう。)

I started reading the book.
(私はその本を読み始めました。)

He knows what time the game starts.
(彼はその試合が何時に始まるか知っています。)

“begin”と“start”の違い・使い分け

“begin”と“start”の違い・使い分け

“begin”と“start”は、どちらも「〜を始める」という意味をもつ英単語なので、使い分けに悩みますよね。

中学生で習うレベルの英単語・英文法であっても、「違いを説明できない」「使い分けの方法がわからない」という方は少なくないでしょう。

ここでは、“begin”と“start”の細かなニュアンスの違いや、使い分けの方法について詳しく説明していきます。

違い1.フォーマル度

begin start
よりフォーマル よりカジュアル

“start”のほうが、“begin”と比べてやや口語的です。

そのため、友達や家族との日常会話では“start”が、ビジネスシーンをはじめとしたフォーマルな場面では“begin”がそれぞれ好んで使われる傾向があります。

たとえば、「家族と週末の予定について考え始めよう」というシーンであれば、“Let’s start thinking about the weekend.”と“start”を使う方がしっくり来ます。

一方、会社で上司や同僚と会議を始めるシーンであれば、“Let’s begin the meeting.”と“begin”を用いる方が、ビジネスのフォーマルな雰囲気に適しています。

もちろん、どちらの英単語を使っても文法的には正しいですし、意味自体に大きな違いはありません。

ただし、“begin”はよりフォーマルなシーンで、“start”はカジュアルなシーンで使うとよりしっくり来ます。

違い2.始める内容

“start”を使う場合
・機械やゲームなどを始める場合
・新たにビジネスを始める場合

“begin”と“start”は、フォーマル度に差があっても、基本的には入れ替えて使うことができます。

ただし、「何を始めるのか」「何が始まるのか」の内容によっては、“begin”ではなく、“start”を使用することがあります。

機械やゲームなどを始める場合

機械やゲームなどを立ち上げる場合、“begin”ではなく“start”が使われます。

“begin”と“start”は、意味に大きな違いはなくても、機械やゲームなどの”machine”を始めることを表したいときは、”start”を用いることが一般的です。

この場合、”start”を”begin”に置き換えることはできません。

【例文】

Press this button to start the game.
(ゲームを始めるにはこのボタンを押してください。)

Do you know how to start the printer?
(プリンターを開始する方法を知っていますか?)

I don’t know how to start this car.
(私はこの車のエンジンのかけ方を知りません。)

また、乗り物のエンジンをスタートする時や、ATMの取引を開始する時にも”start”を使用します。

たとえば、ATMの取引を開始する際、”begin the transaction”よりも”start the transaction”の方がよく使われます。

新たにビジネスを始める場合

会社やレストランなど、新たにビジネスを始める場合も、“begin”ではなく“start”を使います。

日本語でも創業して数年の革新的な企業のことを「スタートアップ企業」と言いますね。

機械やゲームなどを始める際と同様、”start”を”begin”に置き換えることはできないので注意しましょう。

【例文】

He started his company when he was a university student.
(彼は大学生の時にこの会社を立ち上げました。)

I’m thinking of starting a new business.
(私は新しいビジネスを始めることを考えています。)

違い3.名詞として使う場合

begin start
名詞として使えるか ✕※

※beginningを用いる

「始まり」「初め」など、名詞として使う場合は、“begin”ではなく“start”を使います。

【例文】

I knew I was going to win from the start.
(初めから私が勝つことは分かっていました。)

I needed a fresh start.
(私には再出発が必要でした。)

“start”は名詞としても使えますが、“begin”は動詞としてしか使用することができないので注意しましょう。

詳しくは後述していますが、名詞として“begin”を使う場合は、名詞形の“begining”を使います。

【例文】

I didn’t like Thai food in the beginning.
(初めのうちは私はタイ料理が好きではありませんでした。)

She likes the beginning of the song.
(彼女はその歌の導入部分が気に入っています。)

“begin”の使い方と例文

“begin”の使い方と例文

ここでは、“begin”の使い方を例文を用いてわかりやすく解説します。

「beginの使い方がイマイチ掴めていない」「yahoo!知恵袋などで調べたけどよくわからない」などとお困りの方は、参考にしてください。

動詞として使う場合

”begin”は、後ろに目的語を取る他動詞、または後ろに目的語を必要としない自動詞として使うことができます。

なお、動名詞(-ing)とto不定詞のどちらでも目的語としてとることができます。

動名詞(-ing)

主語  + begin + 動名詞(-ing)+ 名詞

to不定詞

主語 + begin + to + 動詞の原形 + 名詞

【例文】

She began to work hard.
(彼女は一生懸命に働き始めました。)

She began working hard.
(彼女は一生懸命に働き始めました。)

目的語は、動名詞(-ing)のto不定詞のどちらでも意味に大きな違いはありません。

ただし、現在進行形の文の場合は、動名詞ではなくto不定詞を使いましょう。

〇 It’s beginning to look like spring.
(春らしくなってきました。)

✕ It’s beginning looking like spring.

以下は、“begin”を用いたよく使うフレーズの一例です。

ネイティブがよく使うフレーズなので、覚えておいて損はないでしょう。

“begin”を使ったフレーズ
・to begin with〜(最初は、まず第一に)
・begin by 〜(〜から始める)

名詞として使う場合

”begin”は、動詞としてしか使うことができません。

「始まり」「初め」といった名詞として使いたい場合は、名詞形の”beginning”を用いる必要があります。

【例文】

The beginning is important.
(始まりが大切です。)

I was very busy at the beginning of the project.
(私はプロジェクトの開始時、とても忙しかったです。)

“beginningを使ったフレーズ
・at the beginning of〜(〜の初めに)
・from the beginning(最初から)
・a beginning 名詞(新米の〇〇)

“start”の使い方と例文

“start”の使い方と例文

続いては、”start”の使い方を例文とともに分かりやすく説明します。

動詞として使う場合

“start”は、”begin”と同様、動名詞(-ing)とto不定詞のどちらも目的語に取ることができます。

動名詞(-ing)

主語  + start + 動名詞(-ing)+ 名詞

to不定詞

主語 + start + to + 動詞の原形 + 名詞

【例文】

He started studying Chinese.
(彼は、中国語を勉強し始めました。)

He started to study Chinese.
(彼は、中国語を勉強し始めました。)

後ろに動名詞とto不定詞のどちらを置くかによって、意味の違いはありません。

ただし、現在進行形の文の場合、to不定詞が好んで使われます。

〇 I’m starting to realize that this job is right for me.
(私はこの仕事が自分に合っていると気づき始めています。)

✕ I’m starting realizing that this job is right for me.

また、”start”は目的語を取らずに自動詞としても使うことができます。

【例文】

Let’s start!
(始めましょう!)

Shall we start?
(始めましょうか?)

When do you want to start?
(あなたはいつ始めたいですか?)

なお、以下は“start”を用いた頻出フレーズ、句動詞の一例です。

どれもネイティブがよく使うフレーズばかりなので、覚えておくといいでしょう。

“start(動詞)”を使ったフレーズ
・get started(スタートを切る)
・start over(やり直す)
start off(〜を始める)

名詞として使う場合

“start”は、名詞として使うと「始まり」「初め」という意味になります。

動詞と同様、日常的にとてもよく使われます。

【例文】

I missed the start of the film because I was late.
(私は遅れてしまったため、映画の初めの部分を見逃してしまいました。)

Let’s make a start on the homework.
(宿題に取りかかりましょう。)

なお、名詞の”start”は以下のようにフレーズの一部として使われることも多いので、セットで覚えておくといいでしょう。

“start(名詞)”を使ったフレーズ
・for a start(はじめに、第一に)
・make a start(着手する)
・head start(優先スタート)
・the start of 〜(〜の始まり)
・from start to finish(始めから終わりまで)

“begin”と“start”の言い換え表現

“begin”と“start”の言い換え表現

「〜を始める」と言いたい時、“begin”または“start”を使うことが大多数ですが、場合によっては他の英単語や表現が使われることもあります。

ここでは、“begin”または“start”の言い換え表現を紹介します。

commence

“commence”は、「〜を開始する」「〜を始める」という意味の英単語です。

“begin”と“start”と意味は同じですが、フォーマルな響きを伴う”begin”よりもさらに形式ばった語になります。

日常会話で使われることは少ないですが、英語資格試験や書面などで目にすることがあるかもしれません。

【例文】

We decided to commence production in December.
(私たちは12月より生産を開始することを決定しました。)

The investigation will commence from tomorrow.
(その検討は明日より開始されます。)

launch

“Launch”は、「〜を始める」「〜を発売する」という意味の英単語です。

ロケットや宇宙船などを発射する際にも使われる単語であることから、何か新しいことを始める躍動感を表すことができます。

会社で何か新しいことを始めるときや、新しいビジネスやサービスを成功に向けて立ち上げるときなどに使うとスマートな印象です。

【例文】

We will launch a new service in October.
(私たちは10月に新しいサービスをスタートします。)

I will launch a new product early this year.
(私は今年上旬に新しい商品を発売します。)

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“begin”と“start”の違いについてのまとめ

本記事では、“begin”と“start”の意味や違い、使い分けについて解説しました。

begin

  • フォーマルなシーンで好んで使う
  • 名詞の場合は”beginning”を用いる
start

  • カジュアルなシーンで使う
  • 機械類やゲーム、ビジネスを始める時に使う
  • 動詞または名詞として使える

“begin”と“start”は、意味に大きな違いはありませんが、響き的にしっくりくることから、フォーマルなシーンでは前者が、カジュアルなシーンでは後者が好んで使われます。

また、機械類やビジネスなど、始める内容によっては“begin”ではなく“start”を使うこともあります(※この場合、置き換え不可)。

“begin”と“start”は、中学生で習う基礎英単語ですが、どちらも日常的にとてもよく使われる英単語ですので、細かなニュアンスや響きの違い、適材適所を含め、使い方をマスターしておくといいでしょう。

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