
英語が話せるようになりたい初心者にとって、最初の壁は何から始めればいいのかわからないことではないでしょうか。
そんな方に役立つのが、自宅でも移動中でも場所や時間を選ばずに取り組める英会話アプリです。
この記事では、英語が話せるようになりたい初心者の方に向けて、英会話アプリの選び方、おすすめのアプリ、さらに、アプリを使った英語学習の方法まで詳しく紹介します。
2014年に英語学習を本格的に開始。学習開始からおよそ2年半でTOEIC980点・英検1級に到達。現在は試験対策から離れ、英語を実用のツールとして使い続けている。この経験をもとに、言語や学びにまつわるテーマを中心に、学習者の視点を活かした執筆を行っている。
英語が話せるようになりたい初心者が英会話アプリを使うメリット

英語が話せるようになりたいなら、英語に触れる機会を増やすことが先決です。
ここでは、初心者が英会話アプリを使うおもなメリットを紹介します。
自宅で英会話の練習ができる
初心者にとって、自宅で英語を練習できる環境は大きなメリットになります。
英語を話すことに慣れていない段階では、準備や移動を伴う学習は負担になりやすく、始めるまでのハードルが高いからです。
その点、英会話アプリなら、自宅にいる時間をそのまま使えるため、レッスンに取りかかるまでの心理的な負荷が少なく、いつでも好きな時に英会話の練習ができます。
また、自宅なら周囲の目を気にしなくて済むのも初心者にとって大きなメリットだと言えるでしょう。
「間違えたら恥ずかしい」といったネガティブな思いに囚われることなく、好きなだけ声を出して練習できます。
それに、自宅という周りの雑音が少ない環境で取り組める点も、聞き取りに自信がない初心者にとっては有利な点です。
短時間でも英語学習を続けやすい
ほとんどの英会話アプリは、1回あたりのレッスンが短い単位で区切られています。
通勤中の車内や家事の合間など、ちょっとしたスキマ時間を有効活用したい方におすすめです。
初心者の場合、英語の音や語順に慣れていないため、長時間の学習は負荷が大きく、途中で内容を理解できなくなることがあります。
短時間のレッスンであれば、1回あたりに登場する語彙や表現が限られるため、負担を感じずに続けやすいです。
人前で英語を話す不安を減らせる
英会話アプリでは、対人の会話と違って不安なく取り組める点も、初心者にとっては大きなメリットです。
先述の「間違えたら恥ずかしい」などと気にする必要がない点に加え、自分のペースで会話を進められる点が、初心者こそ英会話アプリで練習する理由となります。
初心者のうちは、言いたい内容を英語に置き換えるまでに時間がかかるものです。
対人の会話の場合、沈黙が続くことが不安になり、英会話と聞くだけで緊張してしまう人も多いのではないでしょうか。
その点、英会話アプリなら、会話相手はAIなのでどれだけ時間がかかっても大丈夫です。
落ち着いて考えてから話せる点が、初心者にとっては大きな安心材料となるでしょう。
また、AIは、不自然な表現や語順をその場で指摘し、自然な言い方を提示してくれるため、間違えても安心です。
一度で理解できなければ、理解できるまで何度でも聞き返せます。
これも対面では得にくい英会話アプリならではのメリットです。
英会話教室より始めやすく続けやすい
英語を話すことに慣れていない初心者にとって、最初の一歩を踏み出しやすいことはとても大切です。
英会話アプリなら、申し込みや予約といった手続きがなく、思い立ったときにすぐ始められます。
教室に通う場合のように、曜日や時間に合わせて予定を調整する必要がありません。
また、英会話アプリは、教室と違って自分のペースで取り組めることもメリットです。
疲れている日や気分が優れない日でも、数分だけ取り組むなどそのときの状況に合わせることができます。
料金の面でも、英会話アプリは教室と比べて続けやすいです。
英会話教室に通う場合、安くても月々1万円以上かかりますが、アプリなら有料プランでも月1,000円から3,000円ほどで利用できます。
英語が話せるようになりたい初心者向け英会話アプリの選び方

英会話アプリは種類が多く、どれを選べばいいか迷いやすいものです。
ここでは、アプリの選び方で押さえておきたいポイントを説明します。
英語初心者でも操作しやすい設計になっているか
アプリが操作しやすい設計かどうかは、初心者が英会話アプリを選ぶうえで大事なポイントです。
設定画面やメニュー画面が複雑だと、英語そのものよりアプリの使い方を覚えることに労力を使います。
操作に迷うと肝心の英語学習に集中できなくなるので、一目見て何をどうすればいいか把握できるアプリの方が初心者には使いやすいでしょう。
アプリを選ぶときは、まず少し触ってみて、「これなら迷わず使えそうだ」と感じられるかを基準にするとわかりやすいです。
有料アプリなら、無料体験を利用して、画面の構成やレッスンまでの動線を確認しておきましょう。
進めやすい仕組みになっているか
英会話アプリは、会話が途中で止まらず、自然に進められるかどうかがとても大事です。
英語を学び始めたばかりの頃は、「何を返せばいいのかわからない」という場面が必ず出てきます。
初心者の方は特に、アプリが会話をうまく誘導してくれる仕組みになっているかどうかを、必ず確認しておきたいところです。
実際には、日本語の説明が一切なかったり、質問が急に難しくなったりする英会話アプリもあります。
英語に慣れた人なら問題ありませんが、初心者にとっては負担が大きく、途中で挫折しがちです。
そのため、無料体験やチュートリアルを利用して、数ターンだけでも会話をしてみましょう。
返答に迷ったときにヒントが出るか、誘導があるかなどはチェックしておきたいポイントです。
1回の学習が短時間で完結するか
1回のレッスンが短くまとまっているかどうかもチェックポイントです。
アプリを選ぶ際は、1回のレッスンが何分ぐらいあるか、短時間でも切りの良いところで終えられるかを確かめましょう。
通勤中や休憩時間などのちょっとしたスキマ時間でもアプリを開きたくなるかどうかが、継続しやすさを分けます。
たとえ忙しくても、「5分だけでもやろう」と思えるアプリなら、英語学習が習慣化しやすいでしょう。
反対に、1レッスンが長すぎたり、途中でやめにくいアプリは、つまずきやすいです。
「切りの良いところまでできないから、今日はやめておこう」と感じるようでは、アプリを開く頻度が少なくなってしまいます。
無料体験で自分に合うと感じるか
どんなアプリでも、実際に使ってみないことには自分に合うかどうか判断できません。
ほとんどの有料アプリには無料体験期間が用意されていますので、ぜひこれを活用しましょう。
ただし、なんとなく触るだけでなく、自分との相性を確かめる目的を持って利用してください。
ポイントは、まずアプリを開いて画面を見た際に、直感的に操作のイメージが湧くかどうかです。
また、会話のテンポも、自分の考えるスピードと大きくずれていないか確認しておきましょう。
レッスンを数回やってみると、テンポや難しさが自分に合っているかが自然とつかめます。
数レッスンやってみて、「また明日も使ってみよう」と思えるかどうかが基準です。
英語が話せるようになりたい初心者におすすめの英会話アプリ10選

英語が話せるようになりたい初心者の方におすすめの英会話アプリを10個厳選しました。
それぞれ特徴が異なるため、ご自身の目的や使い方に合わせて参考にしてください。
スピークバディ

| ストア | AppStore / GooglePlay |
| 評価 | AppStore: 4.5 GooglePlay: 4.3 |
| 対応OS | iOS:17.0 以上 Android:8.0 以上 |
| 料金 | ■1か月プラン ・月額:3,980円 ■12か月プラン ・月額:2,367円 ・総額:28,400円 ※税込価格です。 |
| 内容 | ・日常英会話 ・旅行英語 ・ビジネス英語 ・留学準備 |
| 特徴 | ・英語力診断の後にカリキュラム作成 ・AIとの会話練習 |
| 無料体験 | 3日間無料 ※すべての機能が利用可能 |
「スピークバディ」は、AIキャラクターを相手に英語を話す練習ができるアプリです。
生成AIを使ったフリートーク機能では、発言内容に応じて返答が変わり、実際の会話に近いやり取りができます。
また、AIが発音やイントネーションを細かく分析し、自分の英語のどこが聞き取りにくいかを判定してくれるのも特徴です。
最初にレベル判定があり、そのレベルに合わせて自動でカリキュラムが組まれます。
1回15分から取り組めるので、忙しい人でも続けやすいでしょう。
Speak(スピーク)

| ストア | AppStore / GooglePlay |
| 評価 | AppStore: 4.6 GooglePlay: 4.4 |
| 対応OS | iOS:15.0 以上 Android:7.1 以上 |
| 料金 | ■プレミアム ・月払い:3,800円 ・年払い:19,800円(月あたり1,650円) ■プレミアムプラス ・月払い:5,800円 ・年払い:29,800円(月あたり2,483円) ※税込価格です。 |
| 内容 | ・日常英会話 ・旅行英語 |
| 特徴 | ・ChatGPTの会社と提携したAI英会話 ・AIとの会話練習 |
| 無料体験 | 7日間無料 ※すべての機能が利用可能 |
「Speak(スピーク)」は、AIのスピークチューター相手に会話できる英会話アプリです。
SpeakのAIは意図を汲み取る能力が非常に高く、文法や語順が多少間違っていても、こちらの話そうとした内容を推定して、自然な表現を示してくれます。
また、会話内容からユーザーの誤りや弱点を抽出し、その場で復習用のミニコースを自動作成してくれる機能があるのも大きな特徴です。
AIの反応は非常に早く、まるで人間と会話しているかのようなスムーズなやり取りができます。
トーキングマラソン

| ストア | AppStore / GooglePlay |
| 評価 | AppStore: 4.1 GooglePlay: 3.6 |
| 対応OS | iOS:12.4 以上 Android:6.0 以上 |
| 料金 | ■無料プラン ■1か月プラン ・月額:3,980円 ■1年プラン ・月額:1,983円 ・年額:23,800円 ※税込価格です。 |
| 内容 | ・日常英会話 ・旅行英語 ・ビジネス英語 ・おもてなし英語 |
| 特徴 | ・6秒で英語のフレーズを解答する ・スキマ時間でレスポンスのスピード強化 |
| 無料体験 | 3日間無料 |
「トーキングマラソン」は、アルクの「キクタン英会話」をもとに開発された、瞬発的に英語を話す力を鍛えるアプリです。
最大の特徴は、「6秒瞬間英作文」といって、日本語を見て6秒以内に英訳して発話するクイックレスポンス形式のスピーキング練習ができる点です。
短いタスクを続けることでレスポンスのスピードを高めやすい設計で、英語がすぐに出てこない初心者でも練習しやすくなっています。
音声認識による判定結果が表示されるため、改善ポイントが把握しやすいのも特徴です。
enja AIトーク

| ストア | AppStore / GooglePlay |
| 評価 | AppStore: 3.8 GooglePlay: 3.2 |
| 対応OS | iOS:11.0 以上 Android:5.0 以上 |
| 料金 | ■サブスクリプション ・月額:650円 ・1日あたり:22円 ※税込価格です。 |
| 内容 | ・日常英会話 ・ビジネス英語 |
| 特徴 | ・AIキャラクターは5種類 ・レベル調整機能で自分に合った難易度を選べる |
| 無料体験 | 7日間無料 |
「enja AIトーク」は、英語学習系YouTubeチャンネル「enja」と連動したAI英会話アプリです。
レストランや空港などのテーマ別会話、最新ニュースを扱う英語ディスカッション、AIとのフリートークなど、目的別のコンテンツが用意されています。
5種類のAIキャラクターと自由に会話でき、性格や話し方の違いによって対話の雰囲気が変わるのも特徴です。
レベル調整機能があり、会話の難易度を自分の英語力に合わせて変更できる点もポイントです。
レシピー

| ストア | AppStore / GooglePlay |
| 評価 | AppStore: 4.5 GooglePlay: 3.2 |
| 対応OS | iOS:13.0 以上 Android:7.0 以上 |
| 料金 | ■ベーシック ・3か月:7,280円(月あたり2,427円) ・12か月:19,000円(月あたり1,583円) ■スタンダード おすすめ! ・3か月:10,800円(月あたり3,600円) ・12か月:28,400円(月あたり2,367円) ■プロ ・3か月:18,000円(月あたり6,000円) ・12か月:49,000円(月あたり4,083円) ※税込価格です。 |
| 内容 | ・日常英会話 ・ビジネス英語 ・TOEICなどの資格試験対策 ・専門分野の英語 など |
| 特徴 | ・幅広い範囲をカバー ・マイレシピ機能でAIが最適な学習プランを提示 |
| 無料体験 | 無料プラン |
「レシピー」は、200万人以上が利用する英語学習アプリで、リーディングからリスニング、単語、文法、スピーキングまで幅広い内容をカバーする点が特徴です。
最大の特徴は、ユーザーの英語レベルや興味、利用できる学習時間をもとにAIが最適な学習プランを提示する「マイレシピ」機能で、自分のペースで進めやすくなっています。
世界の最新ニュースを材料に、実際に使われる語彙や表現を学習できる構成です。
また、TOEICやTOEFLなどの試験対策にも対応しています。
スタディサプリENGLISH 新日常英会話コース

| ストア | AppStore / GooglePlay |
| 評価 | AppStore: 4.5 GooglePlay: 3.2 |
| 対応OS | iOS:13.0 以上 Android:7.0 以上 |
| 料金 | ■月額:2,178円 ■お得な6か月パック ・月あたり:1,958円 ・一括払い総額:11,748円 ■お得な12か月パック ・月あたり:1,738円 ・一括払い総額:20,856円 ■英会話セットプラン お得な6か月パック ・月あたり:5,478円 ・一括払い総額:32,868円 ※税込価格です。 |
| 内容 | ・日常英会話 |
| 特徴 | ・「ごくせん」「ナースのお仕事」の脚本家が書いたストーリーでレッスン ・1回最短3分からできる |
| 無料体験 | 1週間無料 |
「スタディサプリENGLISH」は、リクルートが提供する英語学習アプリで、文法、単語、リスニングなど幅広い学習に対応しています。
その中で日常会話を学びたい人向けに用意されているのが「新日常英会話コース」です。
新日常英会話コースでは、ニューヨークを舞台にしたドラマ仕立てのレッスンを通して、海外旅行や日常場面で使われるキーフレーズを学びます。
大手ドラマの脚本家が手掛けたストーリーをもとに進行するため、会話の流れの中で自然に表現に触れられる構成です。
スピフル

「スピフル」は、口頭英作文と独り言英会話を中心に、スピーキングに特化した英会話習アプリです。
口頭英作文では、ビジネスで使われる実践的な例文を使い、日本語から英語へ短時間で言い換える練習を行います。
独り言英会話では、テーマに沿って自分の考えを英語で表現し、AIによる添削で文法や言い回しの改善点を確認できます。
AIは意図に沿った自然な表現かどうかを判断してくれるため、初心者でも気軽に取り組め、成長を実感しやすいアプリです。
Dia Talk

| ストア | AppStore / GooglePlay |
| 評価 | AppStore: 3.0 GooglePlay:評価なし |
| 対応OS | iOS:16.0 以上 Android:8.0 以上 |
| 料金 | ■1か月プラン ■1か月プラン ・月額:4,380円 ■お得な12か月プラン ・月額:3,283円 ・一括年払い:39,400円 ※税込価格です。 |
| 内容 | ・旅行 ・日常英会話 ・文化 ・恋愛 ・ビジネス 等 |
| 特徴 | ・日本語ヘルプ機能でつまずかない ・週単位のクレジット獲得でスケジュール調整しやすい |
| 無料体験 | 7日間無料 |
「Dia Talk(ディアトーク)」は、ビジネス英語に強いAI講師と24時間いつでも会話できる英会話アプリです。
アメリカ、イギリス、オーストラリア、インドの4か国のアクセントに対応し、実務で触れる機会の多い発音に慣れることができます。
レッスンはミッション形式で進み、会議、提案準備、業務連絡など、具体的な目的に沿って会話を行います。
状況に応じて目標が設定されるため、実際のビジネス場面を想定した練習ができるのが強みです。
Duolingo

| ストア | AppStore / GooglePlay |
| 評価 | AppStore: 4.6 GooglePlay: 4.4 |
| 対応OS | iOS:10.0 以上 Android:10.0 以上 |
| 料金 | ■無料プラン ■Super ・個人プラン(12か月):月額950円(総額11,400円) ・ファミリープラン(12か月):月額1,100円(総額13,200円) ・月額プラン:2,190円 ■Max ・個人プラン(12か月):月額1,900円(総額22,800円) ・ファミリープラン(12か月):月額2,500円(総額30,000円) ※税込価格です。 |
| 内容 | ・リーディング ・ライティング ・リスニング ・スピーキング |
| 特徴 | ・基礎固めに強いレッスン内容 ・学習スタート時のレベルに合わせて進められる |
| 無料体験 | 7日間無料 ※月額プランは除く |
「Duolingo(デュオリンゴ)」は、英語を含む40以上の言語に対応した語学学習アプリで、基本機能をすべて無料で利用できる点が大きな特徴です。
英語が話せるようになりたい初心者でも取り組みやすいよう、1回数分の短いレッスンで単語、文法、発音などをカバー、問題に正解するとポイントが加算されるなど、ゲームのように進められる構成になっています。
カラフルなキャラクターと音声を使った問題が中心で、英語学習が初めての人でも続けやすいところが魅力です。
Talkful

| ストア | AppStore / GooglePlay |
| 評価 | App Store: 4.6 Google Play: 4.2 |
| 対応OS | iOS:15.1 以上 Android:7.0 以上 |
| 料金 | ・3か月プラン:9,600円(1か月あたり3,200円) ・年間プラン:19,800円(1か月あたり1,650円) |
| 内容 | ・日常英会話 ・旅行 ・留学英会話 ・ビジネス英会話 ・英検 ・TOEFL ・IELTSのスピーキング対策 |
| 特徴 | ・デモレッスンで初めての人も安心 ・ヒント機能つき |
| 無料体験 | 7日間無料 |
「Talkful」は、AIとの英会話練習が中心のアプリです。
操作はシンプルで、最初にデモレッスンが用意されているため、英会話アプリが初めての人も直感的に使えるようになっています。
AIが文法や発音をチェックし、自然な言い換えを提示してくれる仕組みです。
回答に迷ったときはヒントを表示できるため、会話が切れる心配もありません。
超初級から上級までの4段階のレベルが用意されており、日常会話だけでなくビジネス会話にも対応しています。
英語が話せるようになりたい初心者のための英会話アプリ学習法

英会話アプリは、指示に従い進めていくだけで、英語の音に慣れるところから会話の練習まで無理なく進められるようになっています。
ここでは、英語が話せるようになりたい初心者の方のために、アプリで英語学習する際に意識したいポイントを紹介します。
英語の音に慣れる
初心者が英語のリスニングで最初にぶつかるのは、単に意味がわからないことではありません。
そもそも音のまとまりとして聞こえず、単語の区切りすらわからないということもよくあります。
聞き取れない音は、脳にとってはほとんどノイズに近く、意味ある言葉として処理できません。
その状態で無理に会話しようとしても、すぐに行き詰まってしまうでしょう。
そこで、まずはアプリを使って、英語の音そのものに耳を慣らすことをおすすめします。
聴覚の研究では、同じ音を何度も聞くと、その音を処理する脳の反応が少しずつ速くなり、安定していくことがわかっています。
英語の音も同じです。
英会話アプリには、短い例文を繰り返し聞いたり、再生速度をゆっくりにしたり、スクリプトを表示したりと、音に慣れるための機能がそろっています。
例文を何度か聞いてからスクリプトを確認するだけでも、英語が聞こえる感覚が育っていくはずです。
また、発音チェック機能があるアプリなら、自分が発音した音がどのように認識されるかを見ながら練習することも可能です。
自分の発音と正しい音の違いが視覚的にわかると、自分の耳がどの音を区別できていないのかが具体的に把握できるようになります。
そうすると、次に英語を聞く際に、どこに意識を向ければいいかがわかるため、効率的に弱点の克服ができるようになるでしょう。
大切なのは、短時間でもいいので毎日英語の音に触れることです。
英語の音のパターンが蓄積されてくると、脳が英語を知っている音と認識し始め、初めて聞く英語でもリズムやイントネーションをつかみやすくなります。
フレーズを口に出して定着させる
英語の音に慣れてくると、次は実際にフレーズを声に出してみる段階に入ります。
聞くだけでは英語の語順やリズムを自分の口で再現できるようにはならないため、音声を真似して発話する練習は必須です。
最初は短い文でもかまいません。
聞いたままの音を口に出してみるだけで、英語のリズムが身体の感覚としてつかめるようになっていきます。
英会話アプリでは、録音機能や発音チェック機能を使って、自分の声をその場で確認できます。
発音の位置や強弱がずれていると、アプリがその部分を示してくれるため、どこを修正すればよいかがわかりやすいです。
自分の声を聞き返すのは抵抗があるかもしれませんが、AIの判定をもとに少しずつ調整していくと、聞いた音をそのまま再現する精度が上がっていきます。
また、AIを使ったアプリでは、同じフレーズを繰り返し練習していると、学習履歴から「どの単語でつまずいているか」「どの音が発音しにくいか」などを判断し、練習すべき例文を優先的に出してくれるものもあります。
苦手な箇所が自然と多めに提示されるため、自分で教材を選び直す必要がなく、負荷の調整もスムーズです。
AI相手に英語での受け答えに慣れる
フレーズ練習をしながらも、AI相手の会話にもどんどん挑戦しましょう。
知っている表現を並べるだけでは英会話は成立しません。
相手の言葉を受けて、それに適した返答をすることでようやく会話になります。
この受け答えに慣れるには、AIと対話できる英会話アプリは最適なツールです。
AIとの会話は、人間を相手に話すときのような緊張がありません。
返事を考えるのに時間がかかっても大丈夫です。
黙ってしまっても問題ありません。
先述の通り、ヒントや誘導があるアプリもあるので、落ち着いて自分の言える英語を使って話してみましょう。
英会話アプリのAIは、多少語順や文法が乱れていても、ある程度はこちらの意図を汲んでくれます。
完璧な英文を作れなくても、伝えようとした内容に合わせて適切な表現を示してくれるため、自分がどの部分でつまずいているのかがわかりやすいです。
また、AIとの会話はテーマの幅が広く、同じ質問でも少し言い方を変えて返してくれるため、自然とさまざまな受け答えに触れられます。
英会話に必要な、「言われた内容を自分の言葉に置き換えて返す」というスキルが身につきやすい仕組みです。
いきなり複雑な内容を話す必要はありませんが、初心者であっても、単語だけで返すのではなく、主語と述語からなる文章で答える意識は持っておくといいでしょう。
日本語だと、主語がなくても語順が違っていても通じますが、英語の文章では、誰が何をするのかという枠組みが大切です。
「I’m tired.」や「I like it.」のような短い内容であっても、主語を省略せずに文章としてとして返す練習をしましょう。
学んだ表現を繰り返して定着させる
実際の会話では、覚えた表現を必要な場面で思い出せるようになることが大切です。
どんなに気の利いた言い回しを学んでも、必要な場面で出てこなければ意味がありません。
そこで、アプリに搭載された復習機能やクイズ機能を活用し、覚えた表現を何度も思い出す練習を取り入れましょう。
一度覚えたことを思い出そうとするとき、脳には負荷がかかります。
記憶の研究では、この負荷が大きいほど記憶に定着しやすいことがわかっています。
つまり、忘れかけた状態で思い出そうと努力する方が、脳がその情報を再構築しようと強く働き、長期記憶として定着しやすくなるのです。
英会話アプリの復習機能は、まさにこの仕組みを学習に応用しています。
最近の英会話アプリでは、AIが学習履歴からユーザーのつまずきやすいポイントを分析し、必要なタイミングで復習問題を提示してくれます。
自分では意識していなかった弱点が見えるため、闇雲に覚え直す必要がなく、復習効率が高いです。
なお、フリートーク機能のあるアプリでは、以前学んだ表現を別の文脈で再度使えるよう調整してくれるものもあります。
同じ内容でも場面が変わると表現も少し変わるため、いろんなバリエーションを練習できる点はAIならではの強みです。
英語が話せるようになりたい初心者がアプリで学習する際の注意点

英会話アプリは、初心者でも取り組みやすい便利なツールです。
ただし、どんな学習方法でもメリットがあればデメリットもあります。
ここでは、英語が話せるようになりたい初心者がアプリで英語学習する際に注意したいポイントを紹介します。
人間とのリアルなやり取りは再現できない
AIとの会話は、初心者が英語の受け答えに慣れるうえでとても役に立ちます。
ただし、人間同士のリアルな会話とまったく同じ体験が得られるわけではありません。
相手の表情や声の抑揚、会話の途中に生まれる間など、対面のコミュニケーションには言語以外の要素が多く含まれています。
英会話アプリは、こうした非言語の情報までは再現しにくいのが現状です。
そのため、アプリで英語を話すことに慣れても、実際に人と話すときには、緊張したり戸惑ったりするのはとても自然なことです。
だからといって、勉強のやり方に問題があるわけではありません。
アプリとリアルな会話では、一部必要とされるスキルが違っているだけということを知っておきましょう。
英会話アプリで英会話の基本を身につけたなら、その力はリアルな会話でも土台としてしっかり機能します。
アプリはあくまで英会話の基本に慣れるまでのツールと捉え、そのうえで、人との会話の機会を少しずつ増やしていくとよいでしょう。
強制力がないので習慣化には工夫が必要
英会話アプリは、思い立ったときにすぐ開けて、短時間でも学習できるのが大きな魅力です。
ただその反面、教室のように決まった時間に行く必要がないため、「今日はいいか」と後回しになりやすい側面もあります。
強制力がない分、気づいたら数日開いていなかったということも珍しくありません。
これは初心者に限らず、多くの人がぶつかる壁です。
英語学習は少しずつでも継続する必要があるので、アプリで学習するのなら、習慣として続く仕組みがあるかどうかが大切になります。
AIを搭載した英会話アプリには、継続を助ける仕組みが備わっているものが多いです。
自動で学習記録を残してくれたり、前回の続きからすぐに始められたりするので、準備の手間を最小限にできます。
また、学習ペースをもとに復習のタイミングを知らせてくれるアプリなら、次に何をやればいいかを自分で考える負担がなく、継続しやすいです。
とはいえ、最終的に習慣として定着させるためには、アプリの機能だけに頼らず、自分なりの工夫も必要です。
たとえば、「毎日決まった時間に最低1レッスンやる」「寝る前に復習クイズを解く」など、行動のきっかけをあらかじめ決めておくと続けやすくなります。
これは「If–Thenプランニング」といって、「もしAが起きたら、Bをする」とルールを決めておくことで、意思に頼らず行動できるようにするための手法です。
短時間で取り組める英会話アプリと相性の良い手法なので、ぜひ参考にしてください。
学習した内容を積極的にアウトプットする必要がある
英会話アプリは、レッスンを進めるだけでも達成感があり、学習が進んでいるように感じられます。
ただ、この仕組みにはひとつ弱点があります。
アプリ学習はインプット中心になりやすく、アウトプットの量が不足しがちになるという弱点です。
早く英語が話せるようになりたいなら、アプリで学んだことをその日のうちに使ってみるといった、積極的にアウトプットする意識が欠かせません。
アプリのAI相手でもいいので、学んだことはどんどん使っていきましょう。
先述のように、英会話アプリのAIはこちらの意図を汲んでくれますし、正しい表現や別の言い回しを教えてくれるものもあります。
独学では難しいアウトプット量の確保も、今の英会話アプリならある程度は可能です。
初心者ほど積極的に活用しましょう。
英語初心者が英会話アプリ利用時に抱きやすい疑問

最後に、初心者が英会話アプリに対して抱きやすい疑問とその回答をまとめました。
- 英会話アプリだけで英語が話せるようになる?
- 英会話アプリだけでも、ある程度の会話力を身につけることは可能です。
ただし、先述の通り、人とのリアルなやり取りそのものは再現できません。
アプリ相手にある程度会話できるようになったら、実際に人と話す練習にも積極的にチャレンジすることをおすすめします。
- 初心者はどれくらい続ければ効果を感じる?
- 効果が感じられるタイミングは人によって異なりますが、毎日続けることで、数週間で「英語の音が聞こえるようになった」「短いフレーズなら苦労せずに言えるようになった」などの変化を感じる人が多いです。
英語は接触頻度が大切なので、できるだけ毎日続けてみてください。
- 英語がまったく話せない初心者でも英会話アプリから始めて大丈夫?
- はい、大丈夫です。
ここまで説明したように、最近の英会話アプリは、操作がわかりやすく、ヒントや誘導も多く、初心者でも取り組みやすい設計になっています。
また、学習履歴にもとづいて弱点や理解度を判断し、必要な練習を自動で提示してくれるので、何をどの順番で学べばいいかを自分で考える必要もありません。
加えて、AI相手なら、沈黙しても気まずくならず、返答に時間がかかっても問題ありません。
英語がまったく話せない初心者なら、むしろアプリの方が最初のハードルが低く、基礎固めに適していると言えるでしょう。
- オンライン英会話や英会話教室と併用した方がいい?
- 英語学習の段階によって答えが変わります。
英語がまったく話せない初心者なら、まずアプリだけで基礎固めをする方が続けやすいです。
一方、実際の会話には、表情や間の取り方などアプリでは練習しにくい要素があります。
アプリで基本の受け答えができるようになってきた段階で、対人の英会話にもチャレンジすることで、より早い向上が期待できるでしょう。
最初からオンライン英会話や英会話教室は必須ではありませんが、やりたい人、余裕がある人にとって大いにプラスになることは確実です。
英語が話せるようになりたい初心者向け英会話アプリのまとめ
英会話アプリは、英語が話せるようになりたい初心者の方にとって、気軽に取り組めるツールです。
通勤中や待ち時間などの短い時間にも取り組めるため、忙しい方でも続けやすいでしょう。
この記事で紹介した選び方や学習法を参考にしながら、ご自身に合うアプリを見つけてください。
