「英語が話せるようになりたいけどなかなか上達を感じない…」とモヤモヤしていませんか?
英語は一朝一夕で話せるようになるものではなく、日々の学習の積み重ねが必要です。
その点NHKラジオの英語番組は、毎週継続して視聴できるようカリキュラムを充実させ、英語学習を習慣化しやすい構成にしてあります。
無理なく楽しく続けられるので、おうちで英語学習したい人におすすめです。
ここでは、そんなNHKラジオの英語番組の魅力とその番組を活用した勉強法を紹介します。
目次
NHKラジオの英語番組の魅力
NHKラジオ番組とは、言わずと知れたNHKが提供するラジオ放送です。
英語関連の番組が豊富でコンテンツも充実しています。
テレビや動画は視覚からの情報に頼ってしまい、聴きとろうとする注意力がおろそかになってしまうことがあります。
その点、ラジオ放送は音だけなので集中して聴くことができ、「英語の耳」をきたえるのに適しています。
聴くのは無料・テキストは格安
NHKのラジオ放送は無料で受信できます。
またインターネットでも放送していますが、インターネット環境が整った場所でラジオストリーミングを聴く場合、通信料はかかりません。
ラジオ番組のテキストはNHK出版から発行されており、書籍版とKindleの電子版のテキストがあります。
テキストは購入しなくても学習できますが、深く学習するなら購入したほうがいいでしょう。
購入したとしても一冊数百円と格安です。
現在ではラジオをオンラインで聞くのが一般的になってきました。
ラジオを利用せずにスマートフォンや、タブレット、パソコンを通してクリアな音で再生することができる上、オンデマンド視聴できるので時間の制約を受けずに学習できます。
さらに全て無料。お金をかけずに英語を学習したい人にはとても嬉しい学習法です。
短時間の番組と継続学習
英語学習は、コツコツ続けるという「習慣化」ができるかどうかが鍵です。
少しずつでも楽しみながら続けるということが重要です。
英語学習の習慣化に成功すると、それが生活の一部となり、学習することが億劫でなくなります。
1番組5分から15分と短時間ですので、忙しい人でも無理なくとりくめます。
しかも、重要語句の解説などを含んだしっかりとした構成になっていますので、短時間で質の高い内容を吸収できます。
NHKの英語番組は、まさに継続学習にぴったりなツールといえます。
コンテンツが豊富
NHKラジオの英語番組は、全13番組とコンテンツが豊富で、小学生向けから社会人向けまで幅広い層に対応しています。
講師は、有名大学の教授、英語通訳、英会話コーチなどさまざまなバックグラウンドを持った英語のエキスパートばかりです。
そして、ネイティブスピーカーがパートナーを務めているので、正しい発音に触れることができます。
また、人気コメディアンが出演している番組があったり、実践会話で役立つアドバイスがあったりと、かた苦しくない番組構成になっているため、楽しみながら学ぶことができます。
英語番組は4月に始まり3月に終了するので、会話の内容にストーリー性があるものもありますが、途中からスタートしても大丈夫です。
放送を聞き逃しても大丈夫
一昔前は放送時間に間に合うようにラジオの前にスタンバイしたり、放送内容をカセットテープに録音したりしていましたが今はとても便利です。
ラジオ番組の放送時間に時間がとれない場合でも心配はいりません。
現在は「NHKゴガク」のアプリやネットラジオ「らじる☆らじる」を通してオンラインで聴くことが可能になりました。
放送から1週間以内であれば、何回でも再生して聞くことができます。
学習者それぞれのライフスタイルに合わせて視聴ができるのも魅力です。
英語初級者から上級者までレベルに応じて番組を選択
NHKラジオ講座の英語関連の番組は、英語初級者から上級者まで幅広く対応しています。
全13番組あるので、その中から自分の目的にあったもの、現状のレベルにあったものをみつけましょう。
番組紹介
それぞれの番組名と学習者の対象目安は以下のとおりです。
番組名 | 対象目安 | レベル |
---|---|---|
基礎英語0 | 小学生 | A0 易しい |
基礎英語1 | 中学1年生 | A1 |
基礎英語2 | 中学2年生 | A1~A2 |
基礎英語3 | 中学3年生 | A2 |
ボキャブライダー | 全般 | なし |
エンジョイ・シンプル・イングリッシュ | 基本の日常会話が理解できるレベル | A1~B1 |
英会話タイムトライアル | 簡単な日常会話が理解できるレベル | A2~B1 |
ラジオ英会話 | 高校生、大人の学び直し | B1 |
高校生からはじめる「現在英語」 | 大体の日常会話が理解できるレベル | B1~B2 |
遠山顕の英会話楽習 | 大体の日常会話が理解できるレベル | B1~B2 |
入門ビジネス英語 | 大体の日常会話が理解できるレベル | B1 |
世界へ発信!ニュースで英語術 | 大体の日常会話が理解できるレベル | B2 |
実践ビジネス英語 | 理論的な主張や議論ができるレベル | C1 難しい |
※上記の表の対象目安は、NHK講座レベル一覧と各講座案内を参照にして筆者が作成しました。
※上記の表のレベルは、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に準拠し、A0(易しい)~C1(難しい)で表しています。
目的に応じて番組を選ぶ
英語を学習する目的は、基礎からコツコツ学びたい、会話力をアップしたい、リスニング力をアップしたい、生涯学習として学びたいなど学習者によって異なるでしょうが、目的に応じて学習しなければ効率よく学習することはできません。
NHKラジオの英語番組は、さまざまなニーズに応えたラインナップを用意しています。それぞれの番組の特徴を簡単に紹介します。
英語に触れるところからスタートしたいなら小学生向けの「基礎英語0」 | 月、水、木、1回10分 |
中学英語を復習したいなら「基礎英語1~3」 | 月~金 1回15分 |
高校英語の復習+世界のニュースを知る感覚で勉強したいなら「高校生からはじめる現在英語」 | 木、金 1回15分 |
日常生活で使う会話を中心にいろいろな場面で使える英語を学びたいなら「ラジオ英会話」 | 月~金 1回15分 |
難易度が低めの英語で物語を楽しみながら学ぶなら「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」 | 月~金 1回5分 |
取り急ぎ日常会話を身につけたいなら「英会話タイムトライアル」 | 月~金 1回10分 |
豊富な話題を英会話で楽しく学ぶなら「遠山顕の英会話楽習」 | 月~水 1回15分 |
職場で使う英会話を学習したいなら、「入門ビジネス英会話」 | 月、火 1回15分 |
オンビジネスだけでなくオフビジネスでも役立つ社会・経済、文化などのトピックを学習する「実践ビジネス英語」 | 水~金 1回15分 |
NHKワールドのニュースを教材に英語の時事表現を学ぶなら「世界へ発信!ニュースで英語術」 | 月~金 1回5分 |
とにかくボキャブラリーを増やしたいなら英単語習得番組の「ボキャブライダー」 | 月~金 1回5分 |
自分のレベルに応じて番組を選ぶ
初中級レベルの人が「早く目標レベルに到達したい!」という思いから、いきなり上級者レベルの講座を受講するのはNGです。
わからない単語やフレーズがたくさんありすぎると理解が追いつかず、学習に嫌気がさしてしまいます。
学習する番組は簡単すぎず、難しすぎず、自分のレベルにあった番組を選びましょう。
もし自分のレベルがわからないのであれば、「NHKテキスト 英語力測定テスト2020」にアクセスしましょう。
全15問の設問に答えることにより英語力を測定してくれます。
自分にあった目的とレベルの番組で学習し、少しずつ理解を深めていくことが大事です。
基本の勉強法
ラジオ講座を活用した基本の勉強法をおさえておきましょう。今回は人気番組「ラジオ英会話」を例に案内します。
番組内容
講師の大西泰斗先生は、ベストセラーの文法書「一億人の英文法(東進ブックス)」の著書でもあります。
この番組は、英文法と会話の流れにフォーカスをあてています。
毎週月曜日~木曜日は使える表現と文法について学び、金曜日はその週に学んだ内容の復習です。
1回15分の番組の主な構成は以下の①~⑥です。
-
①KEY SENTENCE
その日に学習するトピックとキーセンテンスの説明があります。
-
②DIALOG
日常で頻繁に使われる会話を学びます。男女2人(ポール・クリス・マクベイさんと秋乃ローザさん)の会話を聴き、その後に1文ずつ解説があります。
-
③GRAMMER AND VOCABLARY
英語の基本となる文法について理解を深め語彙を増やせるよう、英文法や同音異義語などについてくわしく説明してくれます。
-
④DIALOG
解説をふまえてもう一度会話を聴きます。
-
⑤ABSORB THE FLOW!
ダイアログからキーセンテンスを抜き出してさらに解説。話を1文で終わらせるのではなく、複数の文章をつなげて作りだす「フロー」を身につけることを目指して学びます。
-
⑥CREATE THE FLOW!
レッスンで学習した「フロー」を使って英文を作る練習をします。
ラジオ放送を聴く
具体的な勉強法として、先ずは集中して15分通しで聴いてみましょう。
聴きながら自分の理解があいまいなところやわからない単語があればメモをしておくといいでしょう。
もし、ダイアログの中にわからない単語や表現があれば、別途辞書で調べましょう。
会話において表現力を上げるにはボキャブラリーの充実が必要不可欠です。
一つの単語でも複数の意味を持っている場合があります。
わからなかった単語やフレーズをノートにまとめたり、単語帳アプリに入力したりして、時間があるときに見直して憶えるのも良い方法です。
番組は1週間遅れでオンライン配信されますので、時間に余裕があれば繰り返し聴いて復習をすることをおすすめします。
徹底的に活用する勉強法
聴く力と話す力を上達させるには、日常生活で使われる英語表現をたくさん身につける必要があります。
番組内で習ったフレーズに馴染むことができれば、実践の会話でそのフレーズがすらすら口から発せられるようになるはずです。
先で述べた基本の勉強に加えて、テキストの内容を徹底的に自分のものにする勉強法も取りいれてみましょう。
暗唱・音読
人と会話するときには、答える文章をじっくりと頭の中で組み立てるのではなく、反射的に応答する能力が必要です。
そのためにはダイアログの暗唱(暗記して声に出すトレーニング)と音読(声に出して読むトレーニング)がおすすめです。
ただやみくもに声に出して読むのではなく、文章の切れ目を意識し、発音やイントネーションをまねるようにトレーニングしましょう。
ディクテーション
ディクテーションとは、音源を聴いてその聴いた内容をノートに書きとるトレーニングです。
ダイアログを繰り返し聴いてその内容を書きとります。
そして、テキストを見ながら間違いがないか確認します。
何回も繰り返し聴きこむので忍耐力が必要ですが、どの部分が聴きとれていないのか明確になりますし、書くことによりフレーズの暗記がうながされるので練習の効果が一層上がります。
シャドーイング
音源を聴いて、少し遅れてその聴いた内容を声に出すシャドーイングもおすすめです。
同時通訳の訓練にも使われている高度な方法で、かなりの集中力が要求されます。
ダイアログの内容をシャドーイングする場合は、1文聴いてポーズを押して、それから聴いた内容を声に出すようにすればいいでしょう。
ポールさんとローザさんになりきって練習すると会話力のアップにつながります。
スキマ時間を活用する勉強法
「NHKゴガク」や「らじる☆らじる」のアプリをダウンロードしておけば気軽に放送を聴くことができ、スキマ時間や通勤・通学時間を活用して勉強するのに役立ちます。
アプリ
「NHKゴガク」は、語学学習をサポートするアプリのサービスも無料で提供しています。
アプリを開くだけで前週放送分のラジオストリーミングにアクセスできてとても便利です。
5秒きざみで早送りをしたり巻き戻しをしたりできるので、聞き取りにくい会話を何度も繰り返し練習するのに役立ちます。
また、クイズ形式のテストがあり、内容を理解しているかどうかの確認もできます。
ゴガクル
NHKの語学番組内で取りあげられたフレーズを、オンラインサイト「ゴガクル」を使って反復学習をすることができます。
会員登録(無料)をしておくと、好きなフレーズを選んでお気に入り登録をしたり、学習スケジュールを可視化して確認できたりと便利な機能があります。
また、初級・中級・上級とレベル別のミニテストにもチャレンジできます。
問題集が少なめなので負担を感じることなく、スキマ時間に学習できます。
まとめ
本記事では、NHKラジオの英語番組とその勉強法について紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
- 費用対効果が◎
- コンテンツが豊富
- 継続学習しやすい
さまざまな番組がありますが、自分の目的に応じて自分に合ったレベルの番組を選択することが重要なポイントです。
英語学習はこつこつとした学習の繰り返しです。何度も英語フレーズ聴いて自分のものにしていけば会話力は必ずアップします。
ぜひNHKラジオの英語番組をフル活用して学習してみてください。