英語のリスニング力を向上させる方法の一つに「聞き流し」があります。
しかし、「英語をただ聞き流すだけでいいなら、ラクそうだから…」という軽い気持ちで「聞き流し」に取り組むと、思うような効果を得ることはできません。
聞き流しでしっかりと効果を出すためには、「基礎学習を終えてから取り組む」「ディクテーションを取り入れる」など、様々なポイントを押さえた上で取リ組むことが重要です。
そこで、この記事では英語の聞き流しを始めるにあって、その効果と、より高い効果を実感するためのコツ、そして聞き流しにおすすめのコンテンツ(YouTubeチャンネル・英語アプリ)などについて紹介します。
英語の聞き流しに興味がある人や、効果について知りたいという人はぜひ参考にしてくださいね。
目次
YouTube動画で英語の効果的な聞き流し
英語の聞き流しに効果はある?
英語の聞き流しを始めるにあたって、一番気になるのが「効果があるのかどうか」ですよね。
結論から言うと、英語学習初心者が英語の音声をただ漫然と聞き流すだけでは、英語のリスニング力が伸びることはありません。
その理由は、英単語や英文法などといった英語の基礎知識が身についていない初心者は、英語の音声を聞いても聞いている内容を理解することができないからです。
私たちが何の基礎知識がないまま「お経」を聞いていても、意味を理解できるようにならないのと同じです。
まったく意味の分からない「音」をただ聞いているだけでは、英語を理解できるようにはなりません。
しかし、だからと言って、「聞き流し」が英語力向上にまったく意味をなさないということではありません。
この記事で紹介するポイントを押さえて「聞き流し」に取り組めば、しっかりと効果的な学習ができるようになります。
「聞き流しをして、英語力を伸ばしたい!」という方は、ぜひ以下で紹介しているポイントを確認してくださいね。
英語の聞き流しで効果を出すための4つのコツ
ここまでで、「聞き流し」は英語学習初心者が取り組んでも、効果がほとんど得られないということをお伝えしました。
しかし、以下の5つのポイントを押さえれば、初心者でもしっかり効果的な学習ができます。
- まずは基礎学習に専念する
- 「英語の勉強をしている」という意識を持つ
- 自分のレベルに合った英語音声で学習する
- ディクテーションをする
- バイリンガル形式になっている音声を選ぶ
それぞれどういうことか、具体的に説明していきますね。
まずは基礎学習に専念する
まず、大前提として「聞き流し」をするためには、基礎的な英単語と英文法の知識が必要です。
その理由は、先ほどお伝えしたとおり、英語の意味をまったく理解できない状態で「聞き流し」をしても、英語力の向上は望めません。
「聞き流しをしてみたい!」という英語学習初心者は、まず英単語帳や文法の参考書を使って、英語の基礎知識を身につけることをおすすめします。
知っている単語の数が増えると、「音」としてただ聞き流していた音声が「単語」として認識できるようになります。
英語学習経験者が、「英語の音声を聞き流して英語が上達した!」と語っているのをよく耳にするのは、聞き流しに取り組んだ際、すでに英語の基礎が身についていたからだと考えられます。
そのため、英語の「聞き流し」は、英語の基礎知識があってこそ効果を得られる学習方法だと思っておくといいでしょう。
「英語の勉強をしている」という意識を持つ
「聞き流し」は、スキマ時間を使って手軽に英語に触れることができるという点で優れています。
しかしその一方で、「聞き流し」はどうしても「質より量」になってしまい、「英語の勉強をしている」という意識が薄れてしまうという懸念があります。
聞き流しでしっかりとリスニング力を向上させるためには、「英語の勉強をしている」という取り組み姿勢が欠かせません。
具体的には、
- 英語の音声を聞いた後に、スクリプトを確認して、分からない英単語を辞書で調べる
- 英語の音声とスクリプトを活用して、ディクテーションに取り組む(ディクテーションについては後述します)
- 解説や理解度テストなど、英語学習者向けのコンテンツが充実しているアプリやサイトを活用する
- 音声を聞いた後に、実際に発音を真似てみる(シャドーイング)
などといった取り組みが効果的です。
ただ漫然と英語の音声を聞き流してしまわないように、英語の音声をしっかりと「英語学習のコンテンツ」として活用しましょう。
自分のレベルに合った英語音声で学習する
「聞き流し」をするにあたって、英語の音声が自分の英語レベルに合っているかどうかはとても重要なポイントです。
どんなに評判のいい英語学習コンテンツでも、自分の英語レベルに合っていなければ、挫折する可能性が高くなってしまいます。
とはいえ、自分のレベルに合った英語音声を見つけるのは簡単ではありませんよね。そんな時は、初めて音声を聞いたときに、
- 7割程度すんなりと理解できる
- やや簡単に感じる
といった音声を選ぶようにすると、失敗は少ないでしょう。
ディクテーションをする
「聞き流し」でしっかりとリスニング力を向上させるためには、ディクテーションが効果的です。
ディクテーションとは、「英語の音声を聞き、聞き取った文章をそのまま書き出す」という英語学習方法のこと。
ディクテーションでは、一つ一つの単語をしっかりと聞き取る必要があるため、ただ音声を聞き流すよりも、リスニング力が鍛えられます。
ただし、一つ注意しなければならないことがあります。それは、ディクテーションをするのは1日最大でも10分程度にすること。
その理由は、ディクテーションはかなりの集中力が必要で、長時間に及んで行うと、英語の勉強が苦痛になってしまうかもしれないからです。
ディクテーションは、英語の音声を「学習コンテンツ」として扱う方法として効果的ですので、「聞き流し」と合わせて1日5分?10分程度取り組むといいでしょう。
バイリンガル形式になっている音声を選ぶ
英語学習者初心者の場合、初心者向けの音声を選んだとしても、英語だけだと理解できなかったり、あまりにも聞き取れなくて自信を失ってしまったりすることがあります。
そこでおすすめなのが、「日本語」と「英語」のバイリンガル形式で話を展開している音声です。
例えば、“Mike is funny, and great to be around.”という音声が流れた後に、「マイクはおもしろくて、一緒にいて楽しい。」という日本語が流れたとします。
そうすれば、もし英語の音声に分からない箇所があっても、日本語の音声から意味を理解して、「英語だとこうやって言うんだ!」と学習することができますよね。
ディクテーションをするのが初めてという方や、英語だけの音声を聞き取れるかどうか不安に感じているという方は、バイリンガル形式の英語音声を選びましょう。
英語の聞き流しにおすすめのYouTubeチャンネル
「聞き流し」を始めるにあたり、「英語の音声選びが難しい」と感じている人は多いでしょう。
そこで、英語の「聞き流し」におすすめのYouTubeチャンネルを3つ紹介します。
まず、実際におすすめのチャンネルを見ていく前に、聞き流し用のYouTubeチャンネルを選ぶ際のポイントを確認しておきましょう。
- 自分が興味のあるトピックを扱っているか
- バイリンガル形式かオールイングリッシュ形式か
- 英語のスピードが自分のレベルに合っているか
これらのポイントに注意して、自分に合ったYouTubeチャンネルを見つけましょう。それでは、実際におすすめのYouTubeチャンネルを紹介していきます。
Hapa英会話
Hapa英会話は、日本人とアメリカ人のハーフであるJunさんによるYouTubeチャンネルです。
このチャンネルでは、「日常英会話における“Supposed to”の使い方」や「“Want to”を『?したい』と覚えてしまうと…」など、日本人がつまずきやすいポイントが分かりやすく解説されています。
そんなHapa英会話は、日本語と英語のバイリンガル形式で話が展開しているため、英語の「聞き流し」コンテンツとして最適です。
英語だけだとレベルが高すぎて取り組むことができない英語学習初心者でも、英語の後に日本語でしっかり解説してくれるHapa英会話なら、安心して取り組むことができます。
バイリンガール英会話
バイリンガール英会話は、英語学習経験者なら誰でも一度は視聴したことがあるといっても過言でないほどの人気を誇るチャンネルです。
バイリンガール英会話が、英語学習初心者の「聞き取り」学習におすすめな理由は主に2つあります。
一つ目は、バイリンガール英会話を運営するChikaさんの英語がきれいなアメリカ英語発音でとっても聞き取りやすいことです。
私たち日本人が一番聞き慣れているアメリカ英語なら、英語のリスニングに自信がない英語学習初心者でも取っつきやすいですよね。
そして、2つ目は、先ほど紹介した『Hapa英会話』と同様に、「英語」と「日本語」のバイリンガル形式を採用しているところです。
英語→日本語→英語……とテンポ良く話が進むので、「英語だけだと聞き取れるか不安…」という方でも楽しく「聞き流し」をすることができますよ。
Rachel and Jun
Rachel and Junは、アメリカ人と日本人の夫婦によって、オールイングリッシュで配信されているYouTubeチャンネルです。
英語学習者向けのコンテンツではありませんが、「国際恋愛」や「アメリカと日本の文化の違い」など、英語学習者が聞いていて楽しい内容が多いので、聞き流しに最適です。
夫のJunさんは日本人ですが、かなり英語が堪能なため、彼の話す英語を聞いていると、「自分もこんな風に英語を喋れるようになりたい!」とモチベーションを高めることができます。
「オールイングリッシュの音声の聞き流しに挑戦してみたい!」という方は、ぜひRachel and Junの動画を視聴してみてください。
英語の聞き流しにおすすめのアプリ
続いて、「アプリを使って聞き流しをしたい!」という方に向けて、おすすめ聞き流し英語アプリを3つ紹介します。
「聞き流し」をするためのアプリを選ぶ際のポイントとしては次の3つが挙げられます。
- 支出を抑えて利用できるか
- 自分の英語レベルに合っているか
- スキマ時間にサクッと使えるか
英語学習に対するモチベーションが高くても、使いにくいアプリを選んでしまうと学習を継続することはできませんのでご注意ください。
「聞き流し」学習を継続して、しっかりと効果を出せるように自分に合ったアプリを見つけましょう。
バイリンガルニュース
こちらは、世界のおもしろいニュースを「英語」と「日本語」の2カ国語で発信している、大人気ポッドキャスト番組の公式アプリです。
「英語」と「日本語」が交互に放送されるバイリンガルニュースは、「英語だけですべて理解できるか不安…」という英語学習初心者でも取っつきやすいでしょう。
公式アプリでは、ポッドキャストで毎週木曜日に配信されているバイリンガルニュースの「文字起こしテキスト」を読むことができます。
エピソード1?3の文字起こしテキストは無料で閲覧することができます。ただ、すべてのスクリプトを読むためには月額240円の「読み放題プラン」への加入が必要です。
すべてのテキストを閲覧できる「2週間の無料お試し機能」があるので、気になる方はぜひ試してみてください。
Learn American English Podcast
Learn American English Podcastは、アメリカの国営放送「VOA(Voice Of America)」による英語学習者向けのニュースを、ポッドキャストとして聞くことができるアプリです。
このアプリの一番の特徴は、非ネイティブ向けなので、音声がかなりゆっくりで聞き取りやすいスピードで流されるというところです。
そのため、「ナチュラルスピードの英語の音声だと、早すぎて聞き取れない…」という英語学習初心者にとてもおすすめです。
また、ビジネスや科学、テクノロジーなど、様々なジャンルのニュースが扱われているので、興味のあるトピックの音声を見つけやすいという点でも優れています。
ディクトレ
ディクトレは、無料で400以上もの音声を使ったディクテーションができる英語学習アプリです。
「聞き流し」にプラスして「ディクテーション」を取り入れたいという方には、ディクトレがおすすめです。
ディクトレには、400以上もの英会話の音声が収録されており、日常英会話からTOEICのリスニング対策まで幅広いジャンルの英会話を聞くことができます。
また、「スクリプト」「日本語訳」「重要単語・熟語」「解説」といった機能が充実しているため、聞き流し教材としてはもちろんのこと、英語学習コンテンツとしても活用できます。
「聞き流しだけでなく、ディクテーションもやりたい!」という方には、ディクテーションに必要な機能を満載したディクトレの活用がおすすめです。
まとめ
この記事では、英語の「聞き流し」学習を始めたい人に向けて、効果を実感するためのコツと、「聞き流し」学習を開始するにあたっておすすめできるリスニングコンテンツを紹介しました。
「聞き流し」学習は、意味が分からないままただ英語を聞き流しているだけでは効果が上がりませんが、以下のポイントを押さえれば、しっかりと効果を実感することができます。
- まずは基礎学習に専念する
- 「英語の勉強をしている」という意識を持つ
- 自分のレベルに合った英語音声で学習する
- ディクテーションをする
- バイリンガル形式になっている音声を選ぶ
これらのポイントを押さえて、英語の「聞き流し」学習にチャレンジしましょう。