
ChatGPTを活用すれば、英語のスピーキング練習を自宅にいながら手軽に始められます。
面倒な予約や相手探しも不要で、思い立った瞬間に英語でのやり取りを何度でも試せるのが魅力です。
この記事では、ChatGPTを使ってスピーキング力をアップさせるための方法を詳しく紹介します。

2014年に英語学習を本格的に開始。学習開始からおよそ2年半でTOEIC980点・英検1級に到達。現在は試験対策から離れ、英語を実用のツールとして使い続けている。この経験をもとに、言語や学びにまつわるテーマを中心に、学習者の視点を活かした執筆を行っている。
AI英会話とは?なぜ今ChatGPTが注目されているのか

AI英会話とは、文字通りAI(人工知能)を相手に英会話の練習をすることです。
従来は英会話スクールやオンラインレッスンで人間の講師と話す必要がありましたが、AI相手なら予約も不要、24時間いつでもどこでも好きなときに会話できます
たとえばChatGPTのような生成AIを使えば、自宅にいながら留学さながらの英語環境を作り上げることも可能です。
数ある生成AIのなかでもChatGPTが特に話題となっているのは、その優れた対話性能と圧倒的なユーザー数にあります。
OpenAI社が開発したChatGPTは、公開からわずか2か月で1億人以上に達する利用者を獲得し、史上最速で普及したサービスとして大きな注目を集めました。
その後も成長を続け、2025年初頭には週間アクティブユーザー数が3億人を突破しています。
また、ChatGPTは、ユーザー自身がプロンプト(AIへの指示文)を工夫することで、会話内容を自由にカスタマイズできます。これもChatGPTが支持される大きな理由です。
2025年現在、ChatGPT以外にもさまざまな生成AIが存在しますが、ChatGPT(特に最新モデルのGPT-4o)は自然な対話やプロンプトによるカスタマイズの幅において依然として高い評価を得ています。
GoogleのGemini(旧Bard)やMicrosoftのBing Chat(Geminiモデル統合)も急速に進化していますが、深い対話や表現力の面では現時点でもChatGPTが優位とされています。
ChatGPTを使ったAI英会話のやり方

ChatGPTでAI英会話を始める方法は大きく分けて2つあります。
1つはテキストチャットでやり取りをして、自分で音読する方法、もう1つは音声機能を活用して実際の会話のように練習する方法です。
それぞれのやり方とポイントを解説します。
テキストチャットでの練習方法
テキストチャットでChatGPTと会話する方法の一例を紹介します。
英語初心者の場合、いきなり英語で会話を始めるのはハードルが高いかもしれませんが、簡単な英語でいいので英語でメッセージを入力してみましょう。
まず、こちらの英語レベルをChatGPTに伝えます。
“I am a beginner in English. I want to practice simple conversations with you. Please use easy words.”
(私は英語の初心者です。あなたと簡単な会話の練習をしたいです。易しい単語を使ってください。)
そうすると、ChatGPTは初心者向けに簡単な英語だけを使ってくれるはずです。
もしChatGPTの使う英語が難しい場合、わからない旨を伝えましょう。
たとえば「I don’t understand, could you explain that?」と入力すると、ChatGPTは直前の発言をさらにわかりやすく丁寧に説明してくれます。
また、会話の後はぜひフィードバックをお願いしてみましょう。
たとえば「Can you tell me if I made any mistakes? Please correct me.」と尋ねると、ChatGPTはそれまでの会話の文法や表現の誤りを指摘してくれます。
以上のように、最初に自分のレベルを伝え、わからないことがあれば質問し、フィードバックをもらうのが、テキストチャットを使った会話練習のコツです。
なお、ChatGPTにはテキストの読み上げ機能があります。
ChatGPTの返答の下にいくつかアイコンが表示されていますが、そのなかのスピーカーアイコンをクリックしてください。
すると、選択したChatGPTの返答がネイティブ風の発音で読み上げられます。
その際、発音やイントネーションを真似して、自分でも音読するのがおすすめです。
また、自分の入力する英文も、頭の中で考えるだけでなく声に出すことで、実際の会話に近い練習になります。
音声を活用したAI英会話の方法
ChatGPTでは、2025年2月以降、無料ユーザーにもGPT-4oを用いたAdvanced Voice Modeが解放され、音声入力と音声応答の機能が無料でも利用できるようになりました。この機能を使うことで、よりリアルな英会話練習ができます。
無料版でも毎月一定回数は音声会話が可能なので、まずは気軽に試してみましょう。
音声入力の方法は簡単です。パソコンでもスマホでも、入力欄のマイクのアイコンをクリック(タップ)して、話しかけるだけで音声入力ができます。
回答も音声で返ってくるので、人と電話で話しているかのような感覚で英会話の練習ができます。
音声での会話はテキストよりもハードルが高いかもしれませんが、気にしなくて大丈夫です。
簡単なフレーズでいいので、まずは英語で話しかけてみましょう。
たとえば、「Can you practice English conversation with me?」と話しかけるだけで練習相手になってくれますし、話題も向こうから振ってくれます。
なお、自分とChatGPTが発話した内容は、後からテキストでも確認できます。
また、ChatGPTの返答は何度でも聞き直すことが可能です。
音声機能を使う最大のメリットは、発音を確認しながら練習できる点です。
ChatGPTの発音はネイティブに近いので、その発音を真似して繰り返すことで、リスニングとスピーキングの両方を同時に鍛えることができます。
最初は簡単な単語やフレーズを繰り返し発声し、慣れてきたら少し難しい表現や文を使ってみましょう。
加えて、テキストチャット同様に、音声でもフィードバックをもらってみてください。
ChatGPTとのAI英会話に役立つプロンプト例

ChatGPTで英会話練習をする際は、「どのようにAIに指示を出すか」が重要です。
自分のレベルや目的に合った練習をするには、適切なプロンプト(指示文)を与える必要があります。
ここでは、初心者から中上級者まで、それぞれのレベルに応じたプロンプト例を紹介します。
なお、ここで紹介するプロンプトは、ChatGPTのテキストチャットで入力することを想定したものです。
初心者向けのプロンプト例
初心者向けに、日本語でのプロンプトを紹介します。
シンプルな日常会話から始めたい場合、次のようなプロンプトが有効です。
「私は英会話の初心者です。これから英語で簡単な会話の練習に付き合ってください。あなたは英語の先生として、簡単な単語と短い文章で返答してください。私の英語に間違いがあれば、日本語で直して教えてください。」
このプロンプトを使えば、ChatGPTは初心者に合わせて、たとえば天気や趣味のような身近な話題でシンプルな質問を投げかけてくれるでしょう。
こちらの英語の返答に間違いがあれば、ChatGPTは日本語で「○○という表現の方が自然です」といった具合にフィードバックしてくれます。
中上級者向けの英語のプロンプト例
中級以上の方は、英語でプロンプトを書いてみることをおすすめします。
英語で指示を出すことで、スピーキングだけでなくライティング力や表現力も鍛えられるからです。
また、英語でプロンプトを書くとChatGPTからの返答もすべて英語になるため、より没入感のある練習が可能になります。
プロンプトを作成する際は、自分の練習したいシチュエーションや目的を英語で明確に伝えましょう。
たとえばビジネス英語や旅行英語を練習したい場合、次のようなプロンプトが考えられます。
“I would like to practice a business meeting in English. Please act as my colleague and discuss a new project with me. Correct my English mistakes subtly as we go, and use business-related vocabulary.”
(英語でビジネスミーティングの練習をしたいです。あなたは同僚になりきって、一緒に新しいプロジェクトについて話し合ってください。私の英語に間違いがあれば、会話の流れを止めずにさりげなく直してほしいです。また、ビジネス用語を使って話してください。)
“Let’s role-play a hotel check-in conversation. You are the receptionist and I am a guest. Please speak naturally and wait for my responses. If I say something unnatural, please rephrase it correctly for me.”
(ホテルのチェックイン場面をロールプレイしたいです。あなたは受付係、私は宿泊客という設定でお願いします。自然な英語で話して、私が返事をするまで待ってください。もし私の英語が不自然なときは、正しい表現に直して伝えてください。)
これらのプロンプトに対するChatGPTの応答はすべて英語になります。
ビジネスシーンの例では、「Alright, let’s get started. What are your thoughts on the new project?」のように返してくれるでしょう。
自信がついてきたら、プロンプトで「Please don’t simplify your English for me. Use natural expressions as if speaking to a native colleague.」(私のために英語を簡単にしなくて大丈夫です。ネイティブ同士で話すような自然な表現を使ってください)などと付け加えれば、より高度な表現に触れることもできます。
英語でプロンプトを書くこと自体が良い練習になりますので、中上級者の方は積極的にチャレンジしてみてください。
実践で使える応用プロンプト例
ChatGPTとのAI英会話に慣れてきたら、より実践的なプロンプトにも挑戦してみましょう。
以下にいくつか具体例を紹介します。
“I want to practice ordering food at a restaurant. Please act as a waiter and take my order in English. Feel free to make small talk beyond just the order.”
(海外のレストランで注文をする練習をしたいです。あなたはウェイターになって、英語で私の注文を取ってください。注文以外にも会話を少し交えてください。)
レストラン以外にも、ホテル受付・空港チェックイン・仕事の面接などさまざまな場面設定で応用可能です。
“I want to work on my pronunciation. Please give me some confusing word pairs like ‘rice’ vs ‘lice’. Provide example sentences for each and tips on pronouncing them correctly.”
(発音の練習をしたいので、“rice”と“lice”のように紛らわしい単語のペアをいくつか出してください。それぞれ例文を作り、正しい発音のコツも教えてください。)
ChatGPTの音声を聞くだけでなく、自分でも積極的に発音してみましょう。音声機能を使って、ChatGPTに「Did I pronounce these correctly?」と尋ねてみるのもおすすめです。完全な判定は難しいですが、明らかな発音ミスなどは指摘してくれます。
“I want to practice some useful idioms. Please give me 5 common idiomatic expressions used in daily conversation, with example sentences and explanations of their meaning. Then let’s have a short conversation where you and I use those idioms.”
(会話に役立つイディオムを練習したいです。日常会話で使われる表現を5つ取り上げて、それぞれ例文と意味の解説をしてください。そのイディオムを使って短い会話をしましょう。)
新しい表現を学びつつ実践で使ってみる訓練になります。ChatGPTは解説だけでなく実際の会話内でその表現を使ってくれるので、文脈の中で理解しやすくなります。
このように、目的別にプロンプトを工夫することでChatGPTとの練習の幅が格段に広がります。
自分が伸ばしたいポイントに合わせて指示を出し、オーダーメイドの英会話レッスンを楽しんでください。
ChatGPTを活用したAI英会話のメリット

ChatGPTとのAI英会話には、従来の学習法にはない多くのメリットがあります。
ここではそのなかでも特に大きなメリットを3つ紹介します。
時間や場所を気にせず練習できる
ChatGPTはインターネットに接続できる環境さえあれば、24時間いつでも利用できます。
深夜でも早朝でも、自分の好きなタイミングで英語を話す練習ができる柔軟性は大きなメリットです。
また、場所も選びません。スマホさえあれば通勤電車の中でも自宅のリビングでも、思い立ったその瞬間に英会話のアウトプットが可能です。
忙しくて決まったレッスン時間を確保しづらい社会人や学生でも、自分のペースで継続練習しやすくなります。
「今から10分だけ」といった短時間の練習にも応じてくれるのがAI相手の強みです。
個々のレベル・ニーズに応じた練習ができる
従来の画一的な教材やクラスとは異なり、ChatGPTとの練習は自分のレベルや目的に完全に合わせることができます。
たとえば初心者なら、「小学生レベルの簡単な英語で話してください」と指示すれば易しい表現に調整してくれますし、中級以上であればくだけたスラングや高度な表現にも対応してくれます。
自分が学びたいジャンルや具体的な場面を指定してできるのも大きなメリットです。
旅行英会話、ビジネス会議、プレゼンテーションなど、特定のニーズに特化した練習が思いのままにできます。
また、自分の苦手克服にフォーカスした練習もできます。
たとえば「冠詞の使い方に自信がない」と感じたら、その旨を伝えて会話中に間違えた冠詞を指摘してもらうよう設定することもできます。
自分の要望に合わせてどのようにでも遠慮なくカスタマイズできるのは、AIならではのメリットと言えるでしょう。
リアルタイムのフィードバックで上達しやすい
ChatGPTを英語学習に使う大きなメリットの一つが、リアルタイムでフィードバックが得られることです。
こちらが英文で発言すると、ChatGPTに「文法的にはこう言うと自然です」「より適切な言い回しは○○です」と即座に教えてもらうことができます。
間違いをその場で直せるので、学んだことが記憶に定着しやすく、次回から同じミスを繰り返しにくくなります。
また、前述のプロンプト例のように、会話の最後に「今日の会話のフィードバックをください」と依頼すれば、自分の発言ごとに詳しい改善点をリストアップしてくれるでしょう。
自分では気づかなかった弱点やより良い表現方法を知ることができます。
AI英会話・ChatGPTと他サービスの比較ポイント

AIを使った英会話練習は魅力的ですが、世の中には他にもさまざまな英語学習サービスがあります。
ChatGPTとその他のサービスにはどのような違いがあるのでしょうか。
ChatGPTと他の生成AIの違い
GoogleのGemini(旧Bard)やMicrosoftのBing Chatなど、ChatGPT以外にも高度な生成AIが登場しています。
どのAIを使っても英会話練習は可能ですが、ChatGPTは会話の自然さや文脈の一貫性で一歩リードしていると言えるでしょう。
また、ChatGPTは生成AIのなかでも圧倒的なユーザー数を誇ります。そのため、ネット上には、一般のユーザーだけでなく、英語やAIの専門家が考案したさまざまな英語学習用プロンプトが多数公開されています。
他のAIもプロンプトを工夫すればさまざまな会話ができますが、自分の目的や練習したいシチュエーションに応じたプロンプトがすぐに見つかるのもChatGPTの強みです。
とはいえ、他の生成AIも急速に進化しており、それぞれ独自の強みを持っています。
どのサービスが自分にとって最適かは実際に使ってみないとわからない部分も多いので、気になるAIは実際に試してみるとよいでしょう。
いろいろと比較しながら、自分にとって続けやすいサービスや、目的に合った使い方を探してみてください。
オンライン英会話サービスとの違い
オンライン英会話サービスとは、英語ネイティブや英語話者とマンツーマンで会話練習をするサービスです。
ChatGPTなどのAI英会話との最大の違いは、相手が生身の人間であることです。
人間の講師は豊かな表情や抑揚、リアルなコミュニケーションを提供してくれます。
文化的背景に根ざしたニュアンスや、咄嗟のジョークなど、人間同士でしか得られない学びも多いでしょう。
また、発音に関しても細かなクセまで指摘してもらえます。
一方、ChatGPTはAIなので表情や身振りはありませんし、会話のテンポも人間とは異なります。
しかし、気軽に始められることやと継続のしやすさでは、AI英会話が有利です。
オンライン英会話はレッスン時間が決まっており、予約やスケジュール調整が必要ですが、ChatGPTなら好きなときに好きなだけ練習できます。
オンライン英会話の場合、相手が人間の講師であること自体が、多くの学習者にとって大きな心理的ハードルになります。
初対面の相手とうまく話せるかという不安や、言葉が通じなかったときの気まずさ、レッスン中に沈黙が続いてしまうことへのプレッシャー、「何をどう聞けばいいのかわからない」という戸惑いもつきものです。
その結果、つい遠慮して本当は聞きたかったことを我慢したり、疑問点をそのままにしてレッスンを終えてしまったりすることも少なくありません。
AIが相手の場合、こうした余計な気遣いや遠慮は不要です。どんな初歩的な質問でも気兼ねなく尋ねることができ、自分のペースで何度でもやり直すことができます。
会話が途切れてしまっても、相手を困らせることはありません。納得できるまで繰り返し質問し、わからない部分をその場で確認できるのはAIならではの大きなメリットです
加えて、費用の面でも大きな違いがあります。ChatGPTは無料版でも十分使えるうえに、有料のPlusプランでも月額20ドル、3,000円程度です。
それに対してオンライン英会話は、サービスによりますが、月数千円~1万円以上が一般的です。
とにかくたくさん英語を話してアウトプット量を増やしたいだけなら、無制限で利用できるChatGPTの方がコスパが高いと言えるでしょう。
とはいえ、オンライン英会話にはAIにはない良さも数多くあります。
相手の反応や気持ちを直接感じながら会話できる臨場感や、場の雰囲気に合わせたやりとり、異文化交流を通じて得られる気づきや刺激など、生身の人間だからこそ学べることが多いのも事実です。
発音や自然な会話の流れをリアルタイムで体感したい場合や、実際のコミュニケーション力を総合的に高めたい場合は、オンライン英会話の方が適している場面もあります。
要は、自分の学習目的や目指すレベルに合わせて、AIと人間、それぞれの良さを活かした使い方をすることが大切です。
英語学習アプリとの違い
英語学習アプリとは、Duolingo(デュオリンゴ)やスタディサプリENGLISHなどの、スマホで手軽に使える学習ツールのことです。
これらとChatGPTを比較すると、体系立てられた学習カリキュラムという観点では英語学習アプリが勝りますが、汎用性と自由度の高さではChatGPTが勝るといった違いがあります。
一般的な英語学習アプリは、初心者向けに発音や単語、文法から段階的に学べるコースが用意されているほか、ゲーム感覚でクイズに答えながら学べるなど、さまざまな工夫が凝らされています。
学習記録が残り、レベルアップの要素があるものも多く、モチベーション維持にも役立ちます。
ただし、会話練習に関しては制限があることがほとんどです。
あらかじめ決められた会話フレーズを選ぶ形式だったり、AI相手の会話でもパターンが固定されていたりします。
ChatGPTにはそうした制約が一切ありません。好きなことを好きなだけ話せます。
自分でテーマ設定する必要はありますが、その分、今の自分に必要な練習をピンポイントで行えるのが魅力です。
もっとも、学習カリキュラムがないということは、自分で学習計画を立てる必要があるとも言えます。
どのように進めていいかわからない初心者の方は、まずは既存の英語学習アプリで基礎を学びつつ、ChatGPTはアウトプット練習の場として並行利用するのもよいでしょう。
両者をうまく組み合わせると、インプットとアウトプットをバランス良く伸ばすことができます。
ChatGPTとのAI英会話でスピーキング力を高めるコツ

ChatGPT相手に英会話の練習を続けていくためには、上達につながる工夫や押さえておきたいポイントがあります。
スケジュールを決めてAI英会話を習慣化する
語学上達の鍵は継続です。ChatGPTとの会話も、思いついたときにやるだけでなく、毎日の習慣にすると効果が上がります。
毎日でなくてもかまいませんが、たとえば「週に3回、夜8時から30分間、ChatGPTと英会話練習する」というふうに、スケジュールを固定することが継続しやすいポイントです。
スケジュールを決めておけば、「今日は疲れたから明日でいいか」とサボる言い訳も減りますし、何より繰り返しアウトプットすることで会話に慣れるスピードが速まります。
AI相手なので、予定通りでなくても困りませんが、自分との約束として可能な限りペースを守りましょう。
習慣化してしまえば「英語を話すこと」が日常の一部となり、抵抗感なくスピーキングに取り組めるようになります。
最初は短時間でもいいので、無理のない計画で始めてみてください。
具体的な目標を設定してモチベーションを保つ
闇雲に会話するよりも、短期の目標を設定した方が練習にメリハリが生まれ、モチベーション維持につながります。
たとえば、「今週中にホテルのチェックインで使う会話をマスターする」や「1か月で電話対応のフレーズをスラスラ言えるようにする」といった具体的な目標を立ててみましょう。
目標があると、「今日はチェックインのロールプレイを5回やろう」「電話対応の決まり文句をChatGPTに聞いてみよう」など毎回の練習内容も明確になります。
達成度も測りやすく、できるようになったことが実感できれば次への意欲が湧くはずです。
また、目標は定期的に見直してください。クリアできたら次は少しレベルを上げる、新しいシチュエーションに挑戦するといった形で段階的にステップアップしていきましょう。
常に適度なチャレンジを設定しておくと、飽きずに継続できます。
練習内容を記録し、定期的に振り返る
ChatGPTとのやり取りは、テキストチャットでも音声モードでも、会話が終わるとすべて画面上に記録として残ります。それを活用しない手はありません。
ChatGPTとの会話の後で、自分がどんな表現を使い、どこで訂正やアドバイスを受けたのかを確認してみましょう。
たとえば、間違えたフレーズや初めて知った単語、AIから指摘されたポイントをピックアップしてメモしておくと、後から見返したときに自分の弱点や伸びた部分がはっきりわかります。
1週間ごとや1か月ごとなど定期的に過去の記録を読み返し、「前回はどんな間違いをしたか?」や「今回はどんな表現が自然に使えるようになったか?」などをチェックする習慣をつけるのがおすすめです。
気になった表現や苦手なポイントは、たとえば、「自分が間違えた英文」「AIが訂正してくれたフレーズ」「今回新しく学んだ単語」といったように項目ごとにまとめてみてください。
紙のノートを使って、左に自分の英文、右にAIからの訂正やアドバイスを書き分け、日付と一緒に記録しておくと復習しやすくなります。
次の練習の際に、前回どんな間違いがあったか、うまく言えなかった表現は何か、などを確認してみてください。
同じテーマで会話をする、苦手な表現をあえて使ってみるなどして繰り返し練習すると、理解した内容が定着しやすくなります。
ChatGPTとのAI英会話の注意点

便利なChatGPTですが、英会話練習の際には注意しておきたいポイントもあります。
AIならではの限界を理解し、ChatGPTを上手に活用しましょう。
人間同士の会話とAI英会話は違う
当たり前ですが、AIとの会話は人間同士のコミュニケーションとは異なります。
会話の間合い一つ取っても、実際の対面なら相手の表情や仕草から判断できますが、ChatGPTにはそれがありません。
また、話の展開の仕方も、人間相手とは少し違うと感じるかもしれません。
AIは基本的にこちらの質問や発言に忠実に答えるので、意外な方向に話が飛ぶといったことは少ないです。
そのため、良くも悪くも予定調和な会話になりがちです。
リアルな会話では、話を遮られたり、言葉に詰まったり、言い間違いがあったりなどさまざまなことがあります。
AIは常にユーザーを最優先して滑らかに会話を進めてくれますが、実際の人間相手の会話ではそうはいかないわけです。
AI英会話は、英語表現を増やせる、自分のペースで何度も練習できるなどという点で非常に便利です。
しかし、実際の英会話では、相手の反応や気持ち、会話の空気を感じ取りながら進める必要があります。
こうした力はAIとの会話だけでは十分には養えません。
したがって、基礎練習はAIで、実践的なコミュニケーションは人間相手のレッスンや実際の会話の場で積んでいくというふうに、使い分けを意識してください。
発音指導はAIだけでは不十分
ChatGPTは発音面でも良い練習相手になりますが、発音矯正に関しては限界があります。
音声入力の場合、AIはかなり高い精度でこちらの発話をテキスト化してくれます。しかし、実際には、ユーザーが話した元の音声は保存されません。
AIは入力された音声をテキストに変換したうえで、会話の流れや文脈に沿って応答します。
そのため、多少発音が曖昧でも、前後の文脈から正しい単語を推測して認識されてしまうのです。
たとえば、母音や子音が不明瞭だったり、イントネーションやアクセントがずれていたりしても、AIはあくまで会話全体の意味から補って返答します。
自分のどこが不自然だったのかを詳細に指摘してもらうことはできません。
細かな発音のクセを指摘してもらいたい、イントネーションやアクセントを改善したいという場合は、ネイティブ講師や発音矯正の専門家から直接フィードバックをもらうようにしましょう。
AIの言うことを鵜呑みにしない
ChatGPTは非常に高性能ですが、返答内容に誤りが混じることがある点には注意が必要です。
英会話の練習においても、時折不自然な例文や実際の用法と異なる表現が出てくる可能性はゼロではありません。
特に細かなニュアンスやスラングの適切さなど、人間でも判断が難しい部分でAIが間違ったフィードバックをするケースも考えられます。
そのため、ChatGPTから得たフィードバックや新しい表現は、自分でも辞書や信頼できるサイトで確認するクセをつけましょう。
「AIがこう言っていたから絶対正しい」と盲信するのは危険です。
要は、AIを先生として頼り切るのではなく、あくまで練習相手やアシスタントとして使うぐらいのスタンスが大切です。
ChatGPTとのAI英会話よくある質問

ChatGPTとのAI英会話に関して、よくある疑問・質問をまとめました。
- ChatGPTの無料版だけで英会話練習は十分ですか?
- 無料版のChatGPTでも、英会話練習には十分に活用できます。
最新モデルのGPT-4oが無料で使えるため、テキストでのやり取りはもちろん、音声入力やAIの音声応答を使った練習も可能です。
無料でも有料でも応答精度に差はないため、初心者から中上級者まで幅広いレベルの学習者が会話相手として利用しています。
ただし、無料版には、GPT-4oの利用回数や音声機能の利用時間に制限があります。
長時間じっくり練習したい場合や、混雑時でも安定したレスポンスがほしい場合は有料版(ChatGPT Plus)を検討してもよいでしょう。
とはいえ、有料プランに切り替えるのは、ChatGPTが自分の学習スタイルや目的に合うかどうかを確かめてからでも遅くありません。
- 初心者でも簡単に音声やチャットで英会話できますか?
- 初心者の方でもChatGPTを使って十分に英会話を練習できます。
チャット形式の場合、画面下の入力欄に日本語で「簡単な英会話の練習をお願いします」などと指示するだけで、AIが英語でやり取りを始めてくれます。英語が苦手な方は、短い文や単語だけの入力でも問題ありません。
わからない表現があれば、その都度日本語で「今の英文の意味を教えてください」と頼めば大丈夫です。
音声での会話についても、マイクアイコンを押して簡単なフレーズや単語で話しかけるだけで会話が始まります。
一度に長い英文を話す必要はなく、単語だけでもAIはきちんと反応するので不安はありません。
AI英会話はどんなレベルからでも自分のペースで始められるので、間違えて当たり前ぐらいの気持ちでどんどん話しかけてみてください。
回数を重ねるごとに聞き取れる範囲が広がり、自分の言いたいことも徐々に言えるようになっていくでしょう。
- AIとの英会話練習で英語力は本当に伸びますか?
- 個人差はありますが、結論から言えば、ChatGPTを使って会話のアウトプットを増やすことで、英語で自分の考えを伝える力や表現の幅は確実に広がります。
ふだん英語を話す機会がない人にとって、好きなだけ英語でやり取りできる環境は貴重です。
自分の話したい内容で何度でも試せるため、英語に触れる時間を格段に増やせます。
ただし、AIとの練習だけですべて賄えるわけではありません。
AIは会話の間・表情・リアルな反応までは完全に再現できないため、実践的なコミュニケーション力を高めるには、他の学習法や人間相手の練習も組み合わせて取り組む必要があります。
アウトプットの場としてAI英会話を活用しながら、リアルな会話の機会も増やすことで、バランス良く英語力を伸ばせるでしょう。
- 発音や会話の自然さはどこまで身につきますか?
- ChatGPTの音声は、主としてアメリカ英語の標準的な発音をもとに作られています。
そのため、音声を聞いて繰り返し真似することで、アメリカ英語の標準的な発音やイントネーションを身につけるのに役立ちます。
また、AIが使用する英語表現は日常会話でも違和感なく使えるものが多いため、自然なフレーズの習得にも有用です。
ただし、細かな発音の違いや感情表現、会話の微妙な間やニュアンスはAIだけでは完全には身につきません。
本格的な発音やリアルな会話のリズムを身につけたい場合、また、アメリカ英語以外のアクセントを身につけたい場合は、ネイティブの音声教材や英会話レッスンも併せて取り入れることをおすすめします。
ChatGPTを使ったAI英会話についてのまとめ
ChatGPTを活用したAI英会話は、時間や場所を選ばず好きなだけ練習できる画期的な方法です。
うまく使いこなせば、スピーキングの機会が圧倒的に増え、英語を話す自信や表現力が向上します。
とはいえ、AIも万能ではないので、従来の英会話レッスンや学習法との併用も必要です。
注意点を押さえつつ、ぜひChatGPTを英語学習の味方として活用してください。