プラトー期(学習停滞期)を乗り越えるための対処法とは

プラトー期(学習停滞期)を乗り越えるための対処法とは

英語学習者の中には、「最近、以前ほど上達を感じない…」、「学習しているのにスコアが伸びない…」と感じている人は多いのではないでしょうか。

英語の学習を続けていると壁を感じることがあります。このような学習の停滞期は「プラトー期」とよばれ、ある一定レベルに到達した人の多くが経験しています。

プラトー期に突入することは、決して学習努力がたりないわけでも恥ずべきことでもありません。むしろ「成績が上がる前兆」としてとらえられています。

しかし、その存在を知らないと必要以上にがむしゃらに努力をして疲弊してしまったり、結果がでないことに嫌気がさしたりして、挫折するきっかけになるかもしれません。

そうならないためには、プラトー期というものを理解しておくことをおすすめします。 今回は、英語学習におけるプラトー期と、その対処法について解説します。

プラトー期とは

プラトー期とは

第二言語の習得は長いプロセスであり、継続的に学習する努力が必要です。英語を使いこなせるようになるには何年も、人によっては何十年もかかり、かなりの時間を費やすことになります。

学習を始めてしばらくすると、多くの学習者が学習のマンネリ化を感じ、学習がほとんど、あるいは全く進まないように感じるということがあります。このような状況をプラトー期(学習停滞期)といいます。

まずは、プラトー期の語源と、プラトー期を経験する時期について理解しておきましょう。

プラトーの語源

「プラトー(Plateau)」とは、一般的に頂部が比較的平坦な場所である「高原」や「台地」を意味しますが、教育心理学においては、「成長がストップした状態」のことを指します。

技術や学問を習得中の人が、勉強や練習の努力にもかかわらず、大きな進歩がないように感じる一定期間を「プラトー期(Plateau period)」、そして、その状況を「プラトー現象(Plateau Effect)」とよびます。

学習過程におけるプラトー期

英語学習にかぎりませんが、何事においても技術を習得するには多くの学習と練習が必要です。

しかし、習得の過程において、学習や練習時間の量に比例して上達していくわけではなく、途中で何度か停滞する時期を経験します。

個人の能力の差があるためグラフの線は一定ではありませんが、学習の成長の過程を線であらわすと、以下のように階段の踊り場のような形状で習熟度が上がっていきます。

【学習の成長曲線】

プラトー期学習の成長曲線

英語学習の初級レベルは、基礎的な難易度が低い内容を学ぶことから速いスピードで習得します。比較的短い学習時間で中級レベルに到達できるので、初期段階のグラフの線は急速に上昇します。

そして、中級レベルになると、初級のころとは違って学習するボキャブラリーや文法などが複雑になり、難易度が上がってきます。そのため、中級からレベルアップするには、かなりの時間を要します。

これにより、グラフの線は徐々になだらかになり、やがてほぼ平坦な線を描くようになります。この平坦な状態がプラトー期です。

プラトー期は、学習や練習を重ねても上達をほとんど感じず、全く前進していないように感じますが、この期間脳は習得した内容を使えるよう整理する作業を行っているといわれています。

停滞期であってもあきらめることなく学習を続けていると、次第に応用が効くようになり、レベルアップを感じるようになります。

そして、グラフは再び上向きの線を描きはじめ、上級レベルへと移行していきます。

プラトー期を認識するには

一般的に、中上級((Upper-Intermediate))レベルの英語学習者がプラトー期におちいるとされています。

語学の国際コミュニケーションの国際標準規格であるCEFRのレベルを目安にすると、B2レベルが中上級に該当します。

ほかには、学習プロセスにおいて努力しているにもかかわらず、英語学習の達成度を測るTOEICやTOEFLなどのテスト結果が思わしくない場合があります。

あるいは、勉強していても以前のように英語学習に対して興味を感じなくなることもあります。そのような場合はプラトー期に入っている可能性があります。

もし、プラトー期だったとしてもあせる必要も気落ちする必要もありません。むしろ「上級レベルになる前兆」と前向きにとらえ、学習を放棄することなくかんばりましょう。

プラトー期におちいる原因

プラトー期におちいる原因

プラトー期は、言語学習プロセスの中では全く正常な学習段階のステージです。だれにでも起こりえることではありますが、一般的にどのような原因でおちいりやすいのか、理解しておきましょう。

明確な学習目標を設定していない

英語学習をはじめるにあたり、なにかを達成したいという明確な目標は大切です。

もし目標がなければ、具体的になにをしていいのかわからず、集中して学習する気力がなくなります。また、モチベーションを維持できなくて、学習の進捗がさまたげられる場合もあります。

学習初期に目標を設定していたとしても、その目標が「基本的な会話ができるようになりたい」、「TOEICテストで500点をとりたい」というようなものであったなら、中級レベルに移行した段階ですでに到達しているかもしれません。

目標をクリアできたことは喜ばしいのですが、次の目標が設定されていないと、その段階で学習の目標を見失って学習が一時的にはかどらなくなってしまうと考えられます。

同じ方法ばかりで学習している

同じ学習方法や同じ問題集に繰り返し取り組んで習得を目指すのは、学習のテクニックの一つです。しかしずっと同じことばかりやっていると、同じ結果しかえられなくなってしまいます。

ある程度やりつくしてしまうとマンネリ化し、新たな学習方法や問題集をとりいれないと学習が停滞してしまいます。

自信がなくなっている

初級レベルのころは「できなくても当たり前」と、英語学習に気負いなく向き合えていたのではないでしょうか。

しかし、中級レベルになりある程度知識が増えてくると、間違えることに恥ずかしさを感じたり、ほかの人と比べて自信がなくしてしまったりすることがあります。

過度な心理的な負担は、円滑なコミュニケーションを鈍らせます。モチベーションを低下させ、学習の進み具合をさまたげる要因になりかねませんので注意が必要です。

プラトー期の乗り越え方

プラトー期の乗り越え方
つぎに、プラトー期の対処法を紹介します。学習が停滞してきたと感じた時、乗り越えるためのヒントにしてください。

ポジティブにとらえる

英語学習は短期間でマスターできるものではなく、長距離マラソンのようなものです。正しい方法で学習していても、時には学習の進捗度合いがスローダウンしてしまうことがあります。

速度が落ちてくると自分の努力が足らないのではないかと思いがちですが、自分を責める必要はありません。

スタートしたばかりの時は早く進むのは簡単です。しかし、ある一定のところまできたらペースが落ちてくるのは自然なことです。

「学習の停滞を経験しているのは自分だけではない!」、「プラトー期を乗り越えたら上級レベルに到達できる!」と前向きにとらえましょう。

目標を設定&再確認する

明確な指標をもつことで、具体的な計画をたてて学習を進めることができます。学習目標は、現状レベルと目標レベルの差に開きがありすぎると失敗を招きかねません。

ですので、「ネイティブ並みに話せるようになりたい」、「1か月でTOEICスコア900点をとる!」といった実現の可能性が低いものはやめましょう。

多少の苦労はあっても達成できる現実的な範囲で目標を設定することが重要です。

そして、学習の進捗状況に応じて当初設定した目標を再設定する必要があります。当初設定した目標が達成済みの場合もあるので、こまめに目標を見なおして現状にあう目標を設定するようにしましょう。

そうすることで、つぎにするべきことが具体化され、学習に集中できるようになります。

新しい学習コンテンツを活用する

学習の進み具合が停滞してきた時は、マンネリ化を解消するために、新しい学習アプローチや教材を試してみることをおすすめします。

学習のアプローチの仕方は人それぞれです。もし、これまでテキストを中心に勉強してきた人は、動画を視聴できる自習用のコースや英会話学習アプリを試してみるといいでしょう。

また、学校で英会話のクラスを受講してきた人は、プラトー期にこそテキストを読んで基礎の英文法を深く理解するように学習方法をシフトしてみるのもいいでしょう。

今やっているものだけに固執せず、ほかの方法を試してみることで、新たな発見があり学習が活性化されるかもしれません。

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苦手分野を明確にする

中級レベルになると、間違いの癖が定着している場合があります。自分の苦手な部分に焦点をあててそれを修正するトレーニングが必要です。

例えば、話すのが苦手な人は、話す機会をみつけましょう。書くことが苦手な人は、書くことに集中しましょう。

たくさん練習することで苦手分野を克服できます。そして、スキルの向上だけではなく、自信を高めることにもつながります。

もし、自分の苦手分野がわからない場合は、英検やTOEICといった英語の能力テストを受験してみるといいでしょう。英検の個人成績表には、技能ごとのスコアがCEFRのレベルと比較して記されています。

また、TOEICのスコア認定証の「Ability Measured」欄には、語彙や文法など、各項目問題の正解率が記されています。成績表から苦手分野を把握し、集中的に対策をおこなうようにしましょう。

ネイティブスピーカーと交流する

自分が学んできたことをネイティブスピーカー相手に使ってみて、それが通じると嬉しいものです。

またネイティブスピーカーと交流し生の英語に触れることで、新たな表現を学んだり発音を修正できたりします。

実際に会って話す以外にも、オンラインクラスやオンラインサロンに参加したり、チャットでメッセージをやり取りしたりなど、いろいろな交流手段があります。

ネイティブスピーカーと交流することでモチベーションのアップにもつながるので、可能な範囲で交流できる場所を探してみましょう。

ほかの学習者と交流する

プラトー期を経験しているのは自分だけではありません。同じように英語学習をしている友人や知人と交流して情報交換をするといいでしょう。

中にはすでにプラトー期を乗り越えた人がいるでしょうから、体験談から参考になるアドバイスを引き出せるかもしれません。

もし、身近に英語学習をしている人がいない場合は、英語学習関連のSNSのアカウントをチェックすれば、同じような仲間がたくさん見つかります。

英語学習の記録を投稿している人もいるので、参考になるアイデアがみつかるかもしれません。

気分転換をする

プラトー期という少しやっかいな時期に突入にしている現状を自覚し、「いまは思うように結果がでないのはしかたのないこと」、「これが限界なのではない、いずれ乗り越えられる」と自分に言い聞かせることも大切です。

根性論でやみくもに机に向かって練習問題を解いていても、集中できず思うように効果がでない場合があります。

そんな時には、勉強する場所を変えてみたり、好きな音楽を聴いたり、映画を観たり、気分転換をしてみるのもいいでしょう。上手くリフレッシュすることで、また集中して取り組めるようになります。

まとめ

本記事では、英語学習におけるプラトー期と、その対処法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

プラトー期におちいる原因まとめ

  • 明確な学習目標を設定していない
  • 同じ方法ばかりで学習している
  • 学習への自信がなくなっている
プラトー期の対処法まとめ

  • ポジティブにとらえる
  • 学習目標を設定&再確認する
  • 新しい学習コンテンツを活用する
  • 苦手分野を明確にする
  • ネイティブスピーカーと交流する
  • ほかの学習者と交流する
  • 気分転換をする

英語学習の長い道のりにおいて、学習の停滞期はだれもが経験する正常なプロセスです。

もし、きちんと勉強しているのに英語力が伸びないと感じたら、それは一時的なものであると認識しておくことが大切です。

英語学習の成果が現れず、同じところでとどまっていると感じたら、それはプラトー期かもしれません。

あきらめずに学習を継続すれば、停滞期の壁は乗り越えられます。今回紹介した乗り越えるための対処法を参考にしていただき、さらなるレベルアップを目指してがんばりましょう。