就職や転職に有利な英語の資格とは?

就職や転職に有利な英語の資格とは?

就職時や転職時には、「できるだけ条件のいい会社に入りたい」と誰もが思います。少しでも就職活動を有利にするために、資格取得やスキルの向上を目指す人は多いと思います。

中でも英語は、グローバル展開を推進している企業が多いこともあり、身に付けておきたいスキルの一つです。

しかし、英語の資格や試験の数が多いため、どれを選べばいいのか分からない人は多いでしょう。

そこでこの記事では、就職活動時に本当に役立つ英語の資格を紹介していきます。

また、国内で一般的に知名度の高い資格だけではなく、海外企業に就職する時に役立つ資格や、翻訳家や通訳者になりたい人にとって有利な資格などもあわせて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

YouTube動画で資格について詳しく解説

英検?それともTOEIC?TOEFLとIELTSは受けるべき?

そもそも就職時や転職時に英語の資格は必要?

そもそも就職時や転職時に英語の資格は必要?

就職活動や転職活動が有利になると言われている英語の資格ですが、英語に直接関係がないように見える業種や、国内で主にビジネスを展開している中小企業などは多く、本当に英語の資格が必要なのかどうかを疑問に感じる人は多いでしょう。

しかし、近年中小企業であっても海外進出するケースはどんどん増えており、この流れはますます加速すると言われています。

また、TOEICの主催団体である、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が2013年に行った調査では、上場企業のうち75%が「業務で英語を使用する」と回答しており、英語に直接関係のない職種に就きたいと思っていても、今後の海外進出や外国人労働者の受け入れなどがきっかけになり、英語力を求められる場面が出てくると予想されます。

従って、就活時に選択肢を増やすためだけでなく、入社後の仕事の幅を広げるためにも、英語の資格を取得しておいた方が、キャリアプランを描きやすいと考えられます。

就職時や転職時に本当に役立つ英語の資格3選

就職時や転職時に本当に役立つ英語の資格3選

就職や転職活動時だけでなく、今後仕事をする上で有利になることが多い英語の資格。

ただし、資格の数はかなり多く、中にはせっかく取得しても就職活動時にあまり活かせないものもあります。

そこでここからは、就職時や転職時に本当に役立つ、代表的な英語の資格を3つ紹介します。

TOEIC

TOEIC
© (一財)国際ビジネスコミュニケーション協会

TOEICは、社会人におすすめの英語資格として、抜群の知名度を誇ります。

国内企業の7割近くがTOEICのスコアを採用基準の一つにしているため、ハイスコアを取得していると、就職活動や転職活動を有利に進めることができます。

TOEICには、TOEIC Listening & Reading TestとTOEIC Speaking & Writing Testsの2種類の試験がありますが、今のところ就職や転職活動で必要になるのは、TOEIC Listening & Reading Testのスコアです。

TOEIC Listening & Reading Testの満点は、リスニングパートとリーディングパートをあわせて990点で、合否ではなくスコアで英語力が判定されます。

全受験者の平均点は560点前後です。英語力がある証明として履歴書に書く場合は、最低でも600点以上である必要があります。

なお、ハイスコアを取れば取るだけアピールできる業界や企業が増えていますので、例えば730点以上なら外資系企業への就職、800点以上なら一流企業への就職につながります。

知名度が高く、試験の頻度や受験できる会場が多くて受験しやすいTOEICは、就職や転職をする上で、まず受けておいて損はない英語の資格と言えます。

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実用英語技能検定

実用英語技能検定
© Eiken Foundation of Japan All rights reserved.

実用英語技能検定(英検)は、TOEICと同じく国内での知名度が抜群に高く、公的にも非常に信頼されている英語の試験です。

試験はレベルごとに7つの階級に分かれており、それぞれのレベルにあわせた問題が出題されます。

一番下の5級は中学初級程度の難易度ですが、準1級や1級の試験ではTOEICより難しい問題が出題され、国際社会で通用する英語力を証明するのに最適な試験となっています。

就職や転職活動時に履歴書に書けるレベルは2級以上からとされていますが、2級は「中高での英語教育を正しく理解できている」というレベルです。

就職活動を有利に進めたいのであれば、より上のレベルを目指すべきです。

なお、TOEICがリスニングとリーディングのみを試験科目にしている一方、英検は、3級以上の試験でライティングやスピーキング(面接)も試験科目としており、より総合的に英語力を判断できると言われています。

そのため、TOEICより英検を重要視する企業があるので、効率良く就職活動を進めるためには、可能であれば両方の試験を受けておくといいでしょう。

日商英語ビジネス検定試験

日商英語ビジネス検定試験
© The Japan Chamber of Commerce and Industry. All rights reserved.

日商英語ビジネス検定試験は、日本商工会議所が主催する、ビジネスの場で求められる英語力を証明するための公的資格です。

特にライティング能力を重視している試験で、英語で契約書や電子メール文書などを作成する能力があるかどうかが問われます。

貿易や売買などの海外取引に関する実務能力を問う問題や、国際マーケティングに関する問題なども出題されるため、ビジネスシーンにおいて英語で円滑にコミュニケーションできる能力を示すのに最適な資格であると言えます。

また、2級と3級の場合、受験から採点と合否判定までをインターネットを介して行うため、TOEICや英検などと違ってすぐに合否が分かるようになっています。

そのため、転職活動などすぐに英語力の証明がほしい場合は、TOEICや英検の代わりに日商英語ビジネス検定試験を受けることをおすすめします。

専門職への就職や特定の業界において有利な英語の資格まとめ

専門職への就職や特定の業界において有利な英語の資格まとめ

TOEICのように一般的に知名度が高い英語の資格は、どの業界の採用試験でもアピールになると考えられます。

しかし、専門職への就職を目指す場合や、英語を必要とする特種な業界に進もうとしている場合は、他の英語の資格もあわせて取得しておくことで、さらに有利に就職活動を進めることができます。

そこでここからは、専門職への就職や特定の業界において有利な英語の資格を紹介していきます。

国際連合公用英語検定試験

国際連合公用英語検定試験
© 国連英検:日本国際連合協会主催 国際連合公用語英語検定試験

国際連合公用英語検定試験(国連英検)は、約40年の歴史を持ち、外務省が後援している信頼度の高い英語の試験です。

国際的な場面で力を発揮する人材を育てることを目標にしているため、特に英語でのコミュニケーション能力を問われる設問が多く、リスニングやライティングの比率が高くなっています。

単なる英語力だけでなく、国際時事問題に関する幅広い理解や、様々な分野の問題を自由に討論する力があるかどうかなどが試されるため、上級レベルに合格すると、高い英語力をアピールできます。

外資系企業への就職に有利になるのはもちろん、国際公務員として働くチャンスにもつながるため、グローバルな舞台で活躍したいという人は取得しておきたい資格です。

観光英語検定

観光英語検定
© 全国語学ビジネス観光教育協会 All Rights Reserved.

観光英語検定は、全国語学ビジネス観光教育協会が主催しており、観光分野に特化した英語力が試される試験です。

レベルは3級から1級までの三段階に分かれており、空港やホテルなど、観光に関する場面に特化した内容の問題が出題されます。

観光業界の企業の中には資格取得者を優遇する企業が多く、旅行会社やインバウンド事業を行う企業に就職したい人におすすめの資格です。

最上級のレベルである1級は、様々な状況に対応するためのかなり高度な英語力や専門的な知識が問われるかなりの難関です。そのため、就職活動でアピールするには、まずは2級を目指すことをおすすめします。

2級の難易度をTOEICに当てはめると470点〜600点程度なので、しっかりと対策しておけば合格できる可能性は十分にあります。

なお、資格のための勉強を通して、国内外の観光資源や地理に対する知識が身に付くという側面もあるため、すでに観光業界で働いている人がスキルアップのために受験するのもおすすめです。

海外企業を受ける時に役立つ英語の資格は?

海外企業を受ける時に役立つ英語の資格は?

ここまで紹介してきた英語の資格は、あくまで国内企業を受ける際に有利になる資格です。これらの資格が海外でも通用するとは限りません。

従って、海外企業を受ける場合は、海外での知名度が高い英語の資格を取得しておかなければなりません。

そこでここからは、海外で就職したい場合に有利になる英語の資格を紹介していきます。

ケンブリッジ英語検定

ケンブリッジ英語検定
© 2021 UCLES

ケンブリッジ英語検定は、100年以上の歴史を持ち、イギリスやオーストラリアなど、世界中で実施されている英語の検定試験です。

日本で知名度は高くありませんが、ヨーロッパを中心によく知られており、世界の20,000以上の大学や企業、行政機関がケンブリッジ英語検定を採用しています。

海外企業への就職を目指す人が取得しておくと有利になることはもちろん、国内でも外資系企業を受ける場合はアピールにつながる可能性が高くなります。

レベルは全部で5段階あり、履歴書に書けるのは真ん中のレベルであるFCE(First Certificate in English )以上とされています。

試験科目はリスニングやリーディング、ライティング、スピーキングの4技能に加え、文法やイディオムの知識を問う科目も含まれるため、合格するとバランスの取れた英語力を身に付けていることの証明になります。

IELTS(アイエルツ)

IELTS(アイエルツ)
© Eiken Foundation of Japan All rights reserved.

IELTS(アイエルツ)は、海外移住や海外の大学へ入学する際に必要な英語力を証明するために使われる、世界的に通用する英語の資格です。

全世界で140万人以上の人が受験しており、近年は日本でも知名度がどんどん上がってきています。

基本的には、海外移住のためのビザ取得や海外の大学へ出願に使われることの多い資格ですが、TOEICや英検は海外では知名度が低いため、海外企業への就職を目指す場合は、ケンブリッジ英検かIELTSのどちらかを英語力の証明のために受験しておくことをおすすめします。

なお、IELTSは、合否はなくTOEICと同じようにスコアで英語力を示します。

1.0から9.0まで0.5刻みでスコアを出しますが、海外で働きたい場合は5.5以上を取っておく必要があります。

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BULATS(ブラッツ)

BULATS(ブラッツ)
© EF Education First 2020. All rights reserved.

BULATS(ブラッツ)は、英検を運営している日本英語検定協会が、イギリスのケンブリッジ大学英語機構と共同開発した、ビジネスシーンで必要な英語力を測るためのテストです。

日本での知名度はそこまで高くありませんが、世界ではすでに広く知られており、外資系企業や海外法人への就職を目指す人におすすめの英語試験です。

合否判定はなく、TOEICやIELTSのように0〜100点のスコアで英語力が示されます。十分なビジネス英語スキルを保持していることをアピールしたい場合は、75点以上のハイスコアを目指すようにしましょう。

なお、試験内容は、英語でのビジネスコミュニケーションスキルやビジネス文書作成スキルなどを問うものが中心になっていますので、BULATSのための勉強を通して、ビジネスで使う実践的な英語力を身に付けられるというメリットもあります。

ケンブリッジ英検やIELTSと比べると、学んだ内容が実際のビジネスの場で活かせることが多いため、海外就職を考えている人は受験しておいた方がいいでしょう。

BULATS(ブラッツ)は2019年12月6日に試験は終了していますが「Linguaskill Business」というBULATSと同じビジネスに必要な読む・聞く・話す・書くの技能がオンラインでテストできる英語試験があります。

翻訳家や通訳者になるために有利な英語の資格とは?

翻訳家や通訳者になるために有利な英語の資格とは?

ここまで、企業への就職を希望する場合に役立つ英語の資格を紹介してきましたが、中にはフリーランスの翻訳家や通訳者を目指したいという人もいるでしょう。

そこでここからは、翻訳家や通訳者になるために有利な英語の資格を紹介していきます。

JTA公認 翻訳専門職資格試験

JTA公認 翻訳専門職資格試験
© Japan Translation Association. All rights reserved.

翻訳専門職資格試験は、社団法人日本翻訳協会(JTA)が主催している英語の資格試験です。

その難易度は、TOEICで高得点を取っている人でも難しいと言われるほどで、一度の試験で認定されるのは1〜2人程度となっています。

試験は2段階に分かれており、1次審査では、翻訳文法技能試験や翻訳IT技能試験などの4科目の試験が行われ、全ての科目に合格すると、認定のための条件を一つクリアしてことになります。

2次審査は、2年以上の翻訳経験を積んだ人に受験資格が与えられますので、必ず実務経験を積まなくてはなりません。

このように、資格取得までにかかる時間や難易度を考えると、決して楽な試験ではありませんが、この超難関試験に対する企業の信頼は非常に厚く、この資格を取得すると、翻訳家として活躍できるチャンスが広がります。

また、JTAはこれから翻訳者を目指す人向けに、「翻訳専門職資格基礎試験」という試験も主催しています。

こちらは、名前の通り翻訳者として基礎的な英語力が身に付いているかどうかを測る試験なので、これから翻訳専門職資格試験を受験しようとしている人や、まだ翻訳専門職資格を受ける自信がない人は、まず基礎試験の合格を目指すことをおすすめします。

ほんやく検定

ほんやく検定
© 2013 Japan Translation Federation. All rights reserved.

ほんやく検定は、一般社団法人日本翻訳連盟(JTF)が主催している、英語の翻訳試験です。

翻訳専門職資格試験ほどの専門性は問われませんが、実際に仕事で翻訳する時と同じスピードで正しく翻訳するスキルを持っているかどうかが問われるため、合格すると高度な実務翻訳能力を持っていることをアピールできます。

試験は大きく、「基礎レベル」と「実用レベル」に分かれており、一番下の5級や4級は基礎レベル、3級〜1級が実用レベルとなっています。

実用レベルは、3級の合格率が20%前後、2級と1級の合格率が5%以下とかなり難関ですが、2級以上を取得すると、翻訳の仕事を受注する際にトライアル等が免除される場合が多く、翻訳者として活動する上で大きなメリットになると考えられます。

試験は自宅でインターネットを介して受験することができるので、翻訳者として提示できる実績や資格が何もない場合は、まずほんやく検定の合格を目指すことをおすすめします。

全国通訳案内士試験

全国通訳案内士試験
© 2017 Japan National Tourism Organization. All Rights Reserved.

言語系資格で唯一の国家資格となっている全国通訳案内士は、外国人向けの添乗員などを目指す人に人気の資格です。

以前は、外国人を有料で観光ガイドをする場合には必須だった資格ですが、外国人観光客の増加に伴い、現在は通訳案内士を取得していない人でも、外国人向けの観光案内ができるようになりました。

しかし、国家資格というだけあって信頼性は高く、外国人向けのガイドを目指す人や、海外からのクライアントが多い会社への就職を目指す場合は、取得していると高い英語力やスキルをアピールすることが可能です。

試験は1次試験と2次試験の2回に分かれており、1次試験は筆記、2次試験は外国語の口述となっています。

筆記は英語や日本地理、歴史など5科目を受験する必要がありますが、TOEICで900点以上のスコアを取っている場合や、英検1級を取得している場合は英語の試験は免除されます。

従って、TOEICや英検で高得点を取得してから受験をするのもおすすめの方法です。

まとめ

国内での就職や転職に有利な英語の資格や、海外企業への就職時に使える英語の資格などを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

英語の資格には様々な種類があり、自分が目指す業界や希望の就職場所にあわせた資格を選ばないと、苦労して取得した資格が無駄になってしまう可能性があります。

就職活動や転職活動を有利に進めるためにも、自分のキャリアプランにあった英語の資格を取得するよう心がけましょう。

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