語学留学で利用できる奨学金は？「給付型（返済不要）」と「貸与型」の奨学金6選

「語学留学をしたいけど、費用が高くて実現できそうにない……」とお悩みではありませんか？

語学留学に必要な資金調達方法の一つに、奨学金の利用という方法があります。

本記事では、語学留学で利用できる給付型・貸与型の奨学金制度や探し方、選び方のポイントについてわかりやすく解説します。

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執筆者
黒須千咲

中学時代に英語に惹かれ、外国語科の高校と法政大学GISに進学。英語漬けの学生時代を過ごし、アメリカ・イギリスへ短期留学もしました。大学卒業後はオーストラリアでワーキングホリデーを経験。以来、大好きな英語や海外に関する情報を発信するライターとして活動しています。

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奨学金を申請するなら知っておきたい基本知識

まず、奨学金を申請するなら知っておかなければならない、奨学金の基本知識を紹介します。

奨学金とは

そもそも奨学金とは、経済的な理由や家庭の事情などで、修学・進学が難しい方を対象に、学費を支援する制度のことです。

一般的には、修学・進学をサポートするための制度ですが、中には留学の支援を目的とした奨学金も存在します。

留学資金を自前で調達するのが難しい方でも、奨学金制度を利用すれば海外留学を実現することが可能です。

また、最近は海外留学とあわせて「国内留学」を取り入れる人も増えています。

日本にいながら語学漬けの環境を体験できるうえ、海外に比べて費用を抑えられるのが特徴です。

海外留学の準備段階として利用する方も多く、学び方の選択肢が広がっています。

語学留学でも奨学金は利用できる？

語学留学を対象にした奨学金制度はあるにはありますが、残念ながらあまり多くありません。

留学を対象とした奨学金の多くは、正規留学や交換留学、海外大学への進学のみを対象としており、語学留学は対象外としています。

たとえば、日本学生支援機（JASSO）が支給する奨学金の一つに「海外留学のための貸与奨学金」がありますが、対象となるのは「学資取得を目的とした海外大学・大学院への進学」および「海外の大学・大学院への短期留学」です。

語学留学を対象とした奨学金制度は、かなり数が限られているというのが現状です。

この記事では、語学留学で利用できる奨学金制度に限定して紹介します。

語学留学で使える奨学金の種類は？

奨学金は、返済義務がない「給付型奨学金（助成金）」と、返済義務がある「貸与型奨学金（ローン）」の2種類に大別されます。

給付型奨学金

給付型奨学金は、返済が不要なタイプの奨学金です。

主に学業成績が優秀な学生や、特定の分野で活躍が期待される人材への支援として与えられます。

返済の義務がないというメリットがある反面、支給を受けるための条件や審査が厳しいという特徴があります。

海外留学はどうしても費用が高くなるため、返済不要の支援は魅力的ですが、その分支給のハードルは高めです。

成績や研究内容、課外活動の実績など、一定の基準をクリアする必要があり、中には書類審査や面接を行う制度もあります。

貸与型奨学金

貸与型奨学金とは、借りた分を後から返済する原則返済の義務がある奨学金のことです。

経済的な理由で留学が難しい人に向けて、無利子または低金利で資金を貸し出す仕組みが一般的です。

返済義務はあるものの、初期費用の負担を大きく減らせるため、「自費では難しいけれど、留学したい」という人におすすめ。

制度によって返済開始時期や応募条件、利率などは異なるため、条件を比較しながら検討することが大切です。

語学留学で利用できる奨学金：給付型（返済不要）

語学留学で利用できる給付型の奨学金を奨学金を紹介します。

トビタテ！留学JAPAN新・日本代表プログラム

「トビタテ！留学JAPAN」は、日本の高校生と大学生の海外留学を促進することを目的に、文部科学省が2013年に開始した返済不要の留学奨学金制度です。

2023年からは第2ステージとして、「新・日本代表プログラム」がスタート。

2027年までの5年間で5000名以上の学生に経済面を中心に留学支援を行い、留学機会を創出することを目的としています。

新・日本代表プログラムは、高校生等を対象とした4コースと大学生等を対象とした3コースから構成されており、自分の留学計画の内容に合わせて選んで応募が可能です。

審査では、意欲と留学計画の中身が重視され、学業成績や語学力の条件はありません。

ただし、語学学習にプラスアルファで、スポーツや科学といった探求活動を盛り込んだ留学計画を立てて申請する必要があります。

語学習得のみを目的とした留学は支援対象外となる点には注意しましょう。

参照：文部科学省

トビタテ！留学JAPANとは？高校生・大学生向け留学支援制度と倍率、受かるための条件を解説

iae留学奨学金

iae留学奨学金は、iae留学ネットのプログラムで留学する学生を対象にした、返済不要の奨学金制度です。

「金銭的な理由で留学を諦めてしまう学生を減らしたい」という目的で設けられています。

特徴は、一般的な奨学金で求められる 源泉徴収票・確定申告書・成績証明書・住民票・保証人・返済誓約書 などが一切不要であること。

対象となるのは学生のみですが、短期留学・長期留学・語学学校など形態を問わず利用できるのが魅力。

対応国もアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなど主要な語学留学先がそろっており、自分の目標に合わせて幅広い選択肢から選べます。

iae留学ネットは世界16カ国に60拠点を持ち、年間2万人以上の留学生をサポートしてきた実績があり、出発前の相談から帰国後までのサポートが原則無料。

費用面の不安を減らしながら、安心して留学準備を進められる点も心強いポイントです。

参照：iae留学ネット関する相談やカウンセリングを受け付けていますので、気になった方はぜひチェックしてみてください。

JASSOの海外留学支援制度（協定派遣）

日本学生支援機構（JASSO）が実施する「海外留学支援制度」は、海外への派遣留学を希望する日本人学生を支える給付型奨学金です。

日本の大学や短期大学、専門学校などに在籍したまま協定校へ留学する学生を対象に、学費や生活費の一部をサポートします。

制度はいくつかの区分に分かれていますが、学位取得を目的としない語学留学で利用できるのは「協定派遣」です。

これは、在籍校と海外の教育機関が結んでいる学生交流協定に基づき、8日以上1年以内の期間で実施されるプログラムに参加する学生を支援する仕組みです。

支給額は渡航先によって異なり、月額8万〜12万円程度が目安。

加えて、一定の家計基準を満たす場合は渡航支援金（16万円）が支給されることもあります。

応募にはいくつか条件があり、学業成績や経済状況に加えて、協定校からの受け入れ許可や必要な語学力が求められます。

また、申請はすべて在籍している学校を通して行われるため、学生本人が直接JASSOへ申し込むことはできません。

まずは所属校に相談し、自分が参加できるプログラムがあるかどうか確認しましょう。

参照：JASSO

民間・地方自治体が提供する給付型奨学金・補助金

上記の制度以外に、民間団体や地方自治体が独自に提供する給付型奨学金や補助金もあります。

ただし、全国規模で広く知られた制度ばかりではなく、地域限定のものや、特定の目的に沿った小規模な募集が中心です。

こうした奨学金は、募集時期や要件が団体ごとに大きく異なり、毎年の実施が確約されているわけでもありません。

自分が利用できる奨学金制度を見つけるには、こまめに調べることが大切です。

JASSOが公開している「海外留学奨学金検索サイト」では、日本から海外留学を目指す学生向けの奨学金をまとめて検索できます。

「留学の種類（語学留学の場合は「語学」を選択）」「国・地域」「応募期間」などから絞り込めるため、自分に合う制度を効率よく探せるのが特徴です。

民間や自治体の制度は探しにくい一方で、条件さえ合えば大きな助けになることも。

少しでも可能性を広げたい場合は、検索サイトなどを活用しながら幅広く情報収集してみるといいでしょう。

語学留学で利用できる奨学金：貸与型

続いて、語学留学で利用できる貸与型の奨学金を紹介します。

教育一般貸付

「教育一般貸付」は、日本政策金融公庫が提供する教育ローンです。

留学期間が3カ月以上あれば対象となり、語学留学から正規留学まで、さまざまなプログラムに対応しています。

金利は年3.15%の固定で、最大450万円まで借り入れが可能です。

さらに、日本学生支援機構の奨学金との併用が認められているため、給付型・貸与型の制度と組み合わせて資金計画を立てることができます。

学費だけでなく、渡航費や生活費など、必要に応じてさまざまな用途に充てられる使い勝手の良さも魅力です。

留学準備の資金面に不安がある場合、選択肢の1つとして検討したい制度の1つでしょう。

民間教育ローン

留学費用をまかなう選択肢として、民間の教育ローンを利用する方法もあります。

銀行や信用金庫、労働金庫などが提供しており、学費の支払いから渡航準備費まで幅広く使えるのが特徴です。

借入額は数十万円～数百万円規模まで金融機関によってさまざま。

金利も固定型・変動型のどちらかを選べる場合が多く、目的や返済期間に合わせて柔軟に組み立てられます。

利用条件や金利は金融機関によって大きく異なるため、留学先や必要な金額が決まった段階で比較検討すると、自分に合ったプランを見つけやすくなります。

資金計画の一つとして、早めに情報収集しておくと安心です。

語学留学の奨学金を選ぶポイント

語学留学向けの奨学金は、制度によって条件や特徴が大きく異なります。

自分に合った制度を選ぶためのポイントを4つ解説します。

• 奨学金の種類（給付・貸与）
• 留学期間
• 留学の目的
• 必要書類と応募時期

奨学金の種類（給付・貸与）

奨学金は、返済不要の「給付型」と返済が必要な「貸与型」に分かれます。

給付型は経済的負担が少ない一方、募集人数が限られていたり、成績・語学力の条件が高めに設定されていたりします。

応募期間も短いことが多いため、早めの情報収集が欠かせません。

一方の貸与型は、比較的幅広い学生が申し込める上、留学費用の大部分をカバーできる場合もあります。

返済が必要とはいえ、金利が低く設定されている公的ローンも多く、計画的に利用すれば選択肢を広げやすい制度です。

自分の状況や将来の返済計画を踏まえ、「どちらなら無理なく利用できるか」を見極めて選ぶことが大切です。

留学期間

奨学金の対象となる留学期間は、制度ごとに大きく異なります。

数週間の短期留学でも応募できるものがあれば、長期留学に限定されているものもあります。

また、期間によって支給額が変わったり、選考基準が厳しくなったりするケースも少なくありません。

自分が希望する留学期間に合っていないと申請できないため、計画段階で条件とのズレがないか細かくチェックしておくと安心です。

留学の目的

語学力の向上だけではなく、将来のキャリアや専門分野の探究など、留学の目的は人によってさまざま。

多くの奨学金制度では、この「目的の明確さ」が重視され、帰国後の進路とのつながりや、留学経験をどう社会に還元するかといった視点まで問われることがあります。

実際、語学習得のみでは応募対象外となる制度もあり、現地でどのようなテーマを深めるのか、どんな問いに向き合うのかが重要になります。

たとえば、「トビタテ！留学Japan新・日本代表プログラム」では、科学・技術・芸術・数学といった分野で自分なりの問いを立てて探究する留学や、スポーツ・芸術の活動を通じて新しい価値を見出す計画などが求められます。

目的が曖昧なままだと制度とのミスマッチと判断されやすいため、応募前に自分の軸をしっかり整理しておくことが大切です。

必要書類と応募時期

奨学金ごとに求められる書類や応募スケジュールは大きく異なります。

成績証明書や語学スコア、推薦書、留学計画書など、必要書類の種類は制度によって差があるため、自分が準備できるかどうかを確認して選ぶことが大切です。

また、応募時期も制度によってさまざま。年1回のみの制度もあれば、複数回チャンスがある制度もあります。

無理のないスケジュールで臨める制度を選ぶと、留学計画書や申請書類にも丁寧に向き合えるでしょう。

自分の準備ペースに合った制度を選ぶことが、応募成功への第一歩といえます。

語学留学で使える奨学金・補助金の探し方

語学留学で使える奨学金・補助金を探す方法を3つ紹介します。

• JASSOの海外留学奨学金検索サイトで探す
• 民間団体や地方自治体で探す
• 大学生なら所属校の制度もチェック

JASSOの海外留学奨学金検索サイトで探す

日本学生支援機構（JASSO）が運営する「海外留学奨学金検索サイト」は、日本から海外へ留学する学生向けの支援制度を検索できるツールです。

「留学の種類」「国・地域」「応募期間」「専攻分野」などで絞り込みが可能で、奨学金ごとの支給額や応募条件も確認できます。

また、各制度の問い合わせ先情報も掲載されているため、詳細は直接団体に確認することが可能。

まずはこのサイトで情報を整理することで、公的・民間問わず利用可能な奨学金の全体像を把握しやすくなります。

民間団体や地方自治体で探す

民間団体や地方自治体が提供する奨学金も、語学留学の資金補助として利用できる場合があります。

自治体ごとに対象年齢や留学期間、支給額は異なるため、自分の居住地域や希望する留学先に合った制度を確認することが重要です。

募集人数が少ない場合も多く、締め切りや提出書類も制度ごとに違うため、早めの情報収集が安心です。

公的機関の情報だけでなく、地域の教育支援団体や財団のサイトもあわせてチェックすると、思わぬ支援に出会えることがあります。

大学生なら所属校の制度もチェック

大学に在籍している場合は、所属校独自の奨学金制度を利用できることも。

学部や学科、留学先によって応募できる制度が異なる場合もあり、大学の国際交流センターや奨学金担当窓口に相談することで最新情報を得られます。

また、大学の制度は応募方法や書類提出がスムーズで、JASSOや地方自治体の奨学金と併用できる場合も。

自分の在籍状況に合った制度を確認し、複数の選択肢を組み合わせることで、より計画的に留学費用を準備できます。

留学エージェントは語学留学の資金計画をサポートしてくれる

語学留学を計画する際、費用や手続きの面で不安を感じる人は少なくありません。

そこでおすすめなのが、留学エージェントの活用です。

留学エージェントとは

留学エージェントは、海外留学を希望する人をサポートする専門機関です。

語学学校の手続きだけでなく、現地での生活情報や注意点の共有など、出発前に知っておきたいポイントも丁寧にサポートしてくれます。

初めての海外渡航でも安心して準備できるよう、経験豊富なスタッフが相談に乗ってくれるのが特徴です。

留学エージェントのサービス内容

留学エージェントの具体的なサービスには、下記になります。

• 学校選びや入学手続きの代行
• カウンセリング
• 資金計画のサポート
• 現地サポートなど

学費や生活費、奨学金・ローンの情報も提供してもらえるため、資金計画を現実的に組み立てやすくなります。

また、渡航前の不安を具体的に解消しつつ、現地の生活や文化に慣れるためのポイントも教えてくれるなど、ひとりでは気づきにくいポイントまでサポートしてもらえるのも魅力です。

自分に合った留学エージェントを見つけ、相談やサービスを上手に活用しながら、安心して留学準備を進めてみましょう。

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さらに、スマ留では渡航前のカウンセリングから学校選び、ビザ申請手続きに至るまでを一括サポート。そのため、留学が初めての方でも安心して準備を進めることができるのも魅力のひとつです。

こうしたサポート体制により、「手続きの不安が減って準備がスムーズに進んだ」「相談しながら費用を最適化できた」といった声も多く、費用と安心を両立させたい人に選ばれています。

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語学留学で利用できる奨学金についてのよくある質問

語学留学で利用できる奨学金についてのまとめ

本記事では、語学留学で利用できる奨学金の仕組みや選び方について解説しました。

給付型は返済不要で魅力がありますが、条件が厳しく募集枠も限られるため、早めの準備が欠かせません。

一方、貸与型は返済義務こそあるものの、初期費用の負担を抑えられるため、現実的な選択肢として魅力的です。

さらに、地方自治体や民間財団、大学独自の制度など、視野を広げれば利用できる支援は意外と多くあります。

目的や期間、必要書類を整理し、自分に合う制度を組み合わせながら、計画的に準備を進めて留学を実現しましょう。