
「留学をしたいと考えているけれど、渡航前に英語力ってどれくらい必要なんだろう?」
「留学前に英語力を伸ばしておきたいから、自分に合った勉強法が知りたい」
そんな悩みを持っている留学を検討中の方に向けて、この記事では、留学前に必要な英語力、英語力向上におすすめの勉強法、勉強を継続するコツなどを紹介します。
留学前に英語力を伸ばしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

高校時代にオーストラリア、大学時代にアメリカへそれぞれ1年間留学をしていました。 現地での生活や学びを通して、英語を話す楽しさや、異文化に触れる大切さを実感しました。 その経験を活かし、海外留学の魅力やおすすめの英語学習サービスなど、わかりやすくお伝えしていきます。
学校別の留学前に必要な英語力は?

留学を検討する際に、「どのくらいの英語力が必要なのか」は多くの人が気になるポイントです。
留学前に必要な英語力は、通う学校の種類によって大きく異なります。ここでは、大学・大学院、高校、語学学校の3つに分けて、留学前に求められる英語力の目安について紹介します。
大学・大学院
大学や大学院へ進学する場合、留学前から一定以上の英語力が求められます。
英語力の基準は、留学先の国や学校によって異なりますが、一般的には語学試験のスコア証明の提出が必須となります。
参考までに、大学と大学院に進学する際に必要となる英語力の目安は以下の通りです。
大学進学に必要な英語力の目安
- IELTS:6.0以上
- TOEFL iBT:61点以上
- TOEIC:700〜780点以上
大学院進学に必要な英語力の目安
- IELTS:6.5以上
- TOEFL iBT:80〜100点程度
- TOEIC:875点以上
ただし、これらのスコアはあくまでも一般的な目安であり、難関大学や専攻によっては、より高いスコアが求められることもあります。
そのため、希望校の出願条件を事前に確認し、計画的に英語学習に取り組むことが大切です。
高校
現地の高校へ留学する場合も、必要な英語力は留学先の国や学校によって異なります。
一般的には、英検3級〜準2級程度の英語力が求められることが多く、基礎的な英語力をしっかり身につけていれば、授業や日常生活で大きく困ることは少ないでしょう。
ただし、全寮制の私立高校や教育レベルの高い学校を目指す場合は、より高い英語力が求められるケースもあります。
なかには、英検準1級程度の英語力が求められたり、入学前にエッセイや面接、英語試験のスコアの提出が必要になったりすることもあります。
また、授業は基本的にすべて英語で行われるため、「読む・書く」だけでなく、「聞く・話す」スキルもバランスよく身につけておくことが大切です。
語学学校
語学学校は英語習得を目的として通うため、基本的に留学前に高い英語力は求められません。
多くの語学学校では、入学時に英語力を測るテストを実施し、レベル別にクラスが分けられます。
そのため、自分の英語力に合った授業を受けることができ、初心者から上級者まで、どんなレベルの方でも無理なく学べる環境が整っています。
ただし、留学前に基礎的な語学力を身につけておいたほうが、授業への理解が深まり、留学での学習効果も高まります。
また、留学生活をスムーズにスタートさせるためにも、自己紹介や買い物など、日常生活でよく使う簡単な表現を覚えておくと安心です。
留学前の英語力向上におすすめの勉強法

留学を充実したものにするためには、出発前に英語力をしっかりと向上させておくことが大切です。
英語力といっても、単語・文法・リーディング・リスニングなど、身につけるべきスキルはさまざまです。
それぞれの分野で自分に合った勉強法を実践すれば、より効果的に英語力を伸ばすことができます。
そこでここでは、留学前に重点的に学んでおきたい英語のスキルごとに、おすすめの勉強法を紹介します。
単語
英語力を伸ばすためには、まず単語をしっかりと学ぶことが重要です。
リスニングやリーディングで知らない単語が出てくると、話の全体像がつかめず、理解が難しくなってしまいます。
効率よく単語力を伸ばすためには、1冊の単語帳を何度も繰り返し勉強する方法がおすすめです。
いろいろな教材に手を出さず、まずは1冊を選んで、掲載されている単語をすべて覚えるつもりで取り組みましょう。
わからない単語には付箋を貼ったり、マーカーで印をつけたりしながら、毎日欠かさず勉強を続けることが大切です。
たとえば「1日に5ページ覚える」といったように学習量を決めておくと、習慣化しやすくなります。
前日の復習から始めて、その日の新出単語を覚えるという流れで進めれば、記憶の定着にもつながります。
さらに、実践的な単語を身につけたい場合は、映画や海外ドラマを活用した学習も効果的です。
わからない単語が出てきたらメモして覚える習慣をつけておくと、日常会話力の向上にもつながります。
また、大学進学を予定している人は、英語資格試験に出てくるアカデミックな単語の習得も必要になるため、早めに勉強を始めましょう。

実際に私は、単語学習に『英単語ターゲット』という単語帳を使っていました。毎日欠かさず単語帳を見るようにし、覚えていない単語に付箋を貼ってチェックしていました。
最初のうちは付箋だらけでしたが、繰り返し復習することで徐々に付箋の数が減っていき、着実に単語が定着していることを実感できました。
また映画やドラマを見ているときに初めて出会った単語は、専用のノートにメモして自分だけの単語ノートを作成していました。表現をストックしておくことで、記憶に残りやすく、実践的な会話の際に役立ちました。
文法
英語力をバランスよく伸ばすためには、文法を勉強することも大切です。
文法を学んでいないと、リスニングやスピーキングで意味を正しく理解できず、ライティングでも自然な文章が書けません。
特に留学先の授業では、エッセイやプレゼンテーションなど、自分の意見を正しく伝える力が求められるため、文法の基礎はしっかりと固めておきましょう。
文法の勉強は、自分にとって簡単だと感じるテキストから始めるのがポイントです。
中学から高校レベルを目安に、1〜2冊のテキストを何度も繰り返すことで、知識が自然と定着していきます。
たとえ1日1ページでも、継続することが大切です。毎日取り組むことで理解が深まり、確実に文法力が身につきます。
また文法に苦手意識がある人も、難しい教材ではなく簡単な教材から始めて基礎を固めることで、挫折しにくくなります。
中学・高校レベルの文法をしっかり身につけておけば、日常会話や現地での生活に困ることなく対応できるようになるでしょう。
リーディング
留学先では教材や課題などがすべて英語で書かれているため、英文を読むことに慣れておくことが大切です。
リーディングの勉強を始める際は、まず自分のレベルに合った教材を選びましょう。
初心者の人は、英語の絵本や小学生向けの本など、文章が短くてやさしい内容のものからスタートすると無理なく続けられます。
わからない単語が出てきたら、その場で調べる習慣をつけることで、語彙力向上にもつながります。
最近は電子書籍やアプリを使えば、移動中やちょっとした隙間時間でも手軽に英語の本を読むことができます。
こうしたものを活用して少しずつ英文を読む習慣をつければ、自然とリーディング力が身についていきます。
簡単な文章に慣れてきたら、徐々に新聞記事や海外の小説など、少し難易度の高いものにも挑戦してみましょう。
読みづらいと感じた文や、わからない単語が多い部分にはチェックをつけておくと、後から復習しやすくなります。
チェックをつけた部分は、文法や単語のテキストを使って確認し、理解が深まったらもう一度読み直すのがおすすめです。
こうすることで、リーディング力だけでなく単語力や文法力も一緒に伸ばすことができ、スムーズに長文を読めるようになります。

私がリーディングの勉強をしていたときは、教材としてすでに日本語版で読んだことのある本や、映画などでストーリーを知っている原作を選ぶようにしていました。
内容をある程度知っているため、多少知らない単語が出てきても、前後の流れから意味を推測しやすく、読み進めやすかったです。
最初はざっと読みながら、わからない単語にチェックをつけておき、後から辞書などで意味を調べて答え合わせをしていました。
単語の意味をしっかりと理解してから、もう一度その文章全体を読み直すことで、理解度がぐっと上がりました。
ライティング
ライティング力を伸ばすためには、英文を自分で考えて組み立てる力が必要になります。
英文を読んで理解できても、自分で書こうとするとなかなか書けないケースはよくあります。そのため、日頃から英語で考える習慣をつけておくことが大切です。
英語で考える習慣をつけるのに特におすすめなのが、毎日2〜3行でもいいので英語で日記を書くことです。
たとえば「今日はこんなことがあった」といった簡単な内容でも、身近な出来事を英語で書くだけで、自分の考えを英語で伝える力が自然と養われます。
また日記を書く際には、その日に覚えた単語や文法を意識的に使ってみることで、学んだ内容が定着しやすくなります。
さらに留学先では、エッセイ課題が出されることもあるため、あらかじめ序論・本論・結論のような文章の型を練習しておくと安心です。
ただし、ライティングは自分の間違いに気づきにくいため、書いた文章はできるだけ学校の先生やネイティブの人に添削してもらうようにしましょう。
周りに添削してくれる人がいない場合は、オンラインで英文を添削してくれるサービスを活用するのも一つの方法です。
リスニング
留学前に英語力を高めるうえで、リスニング力を身につけておくことも大切です。
現地では、授業や日常生活で英語を聞き取る必要があるため、リスニング力が欠かせません。
特にネイティブの英語は話すスピードが速く、最初は聞き取りにくいと感じることも多いため、あらかじめ耳を慣らしておくと安心です。
リスニング力を伸ばす方法としておすすめなのが、映画や海外ドラマを用いた学習です。
なかでも学園ドラマなどの日常系のストーリーは、実際の会話に近い自然な英語が多く使われており、実用的な表現を学ぶのに適しています。
学習のステップとしては、最初は日本語字幕、次に英語字幕、最後は字幕なしで観る、という順番で繰り返すのが効果的です。
こうすることで、「この場面ではこの表現を使うんだ」という感覚を身につけることができて、記憶にも残りやすくなります。
また、YouTubeなどの動画を活用することも、リスニング力向上に役立ちます。
英語学習者向けのチャンネルやVlog、スピーチを観ることで、さまざまな話し方、スピード、アクセントに触れることができます。
耳が英語に慣れてくると、現地でも自然に英語が聞き取れるようになり、スムーズなコミュニケーションが取れるようになるでしょう。

私はリスニング力を伸ばすために、日常的に洋楽を聴くことを習慣にしていました。ただ洋楽を流すだけでなく、歌詞の単語やフレーズを意識して聞き取るようにしていたので、耳が少しずつ英語に慣れていくのを感じました。
また、映画やドラマを観るときは、留学先の国に合わせて作品を選ぶこともおすすめです。アメリカ英語とイギリス英語では、アクセントに違いがあるため、事前に慣れておくことで留学先での英語の聞き取りがスムーズになります。
スピーキング
スピーキング力は留学中に伸びやすいですが、出発前から準備をしておくことで、現地でのコミュニケーションがよりスムーズになります。
どれだけ単語や文法の知識があっても、実際に声に出す練習をしていないと、とっさに言葉が出てこないことがよくあります。
そのため、スピーキング力を伸ばすには、英語を話すことに慣れ、抵抗感をなくすことが大切です。
スピーキング力を伸ばす効果的な勉強方法の一つが、シャドーイングです。
シャドーイングとは、ネイティブの音声を聞いた後に、できるだけ同じ発音やスピード、イントネーションで真似しながら声に出す練習法です。
シャドーイングは映画やドラマ、英語アプリなどを活用して行うことができます。
毎日少しずつでもこうした練習を続けることで、発音やイントネーションの感覚も身についていきます。
また、英会話教室やオンライン英会話、AI英会話アプリを活用すれば、実践的な会話の練習もできます。
最初は簡単な自己紹介や日常会話から始めましょう。とにかく英語を話す回数を増やすことが、スピーキング上達の近道になります。
間違いを恐れずに、英語で話すことに慣れておけば、留学先でも自信を持って会話ができるようになります。
留学前に必要な勉強時間はどれくらい?

留学に向けて英語力を伸ばしたいとき、「どれくらいの時間を勉強にあてればいいの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、留学前に必要な勉強時間は留学の目的によって大きく変わってきます。
語学留学の場合、入学に英語力の条件はありませんが、事前に基礎的な英語力を身につけておくと授業の理解がスムーズになり、早く上達できます。
出発の3〜6か月前から1日1時間ほどの勉強をコツコツ続ければ、無理なく準備を進められるでしょう。
一方で、大学や大学院への進学を目指す場合は、入学時に一定の英語力が求められます。
現在の語学力にもよりますが、IELTS6.0を目指す場合は、一般的に300〜400時間ほどの学習が必要とされています。
仮に1日1時間のペースで勉強したとしても、1年以上前から準備を始める必要があります。
そのため、まずは自分の留学目的や求められるスキルを明確にし、それに応じた学習スケジュールを立てることが大切です。
早めに計画を立てて、無理のないペースで勉強を継続することで、現地での学びや生活をより充実したものにできるでしょう。
留学前に英語力を伸ばすために勉強を継続するコツ

留学前の準備として英語力を伸ばすためには、継続して勉強することが何よりも大切です。
しかし、忙しい毎日のなかで勉強を継続するのは、思っている以上に大変です。
そこでここでは、留学前に英語力を伸ばすために、勉強を継続するコツを紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
小さなタスクから始める
英語力を伸ばすために勉強を継続するコツは、小さなタスクから始めることです。
「毎日1時間勉強しよう」と思っても、忙しい日や疲れているときは続けるのが難しいものです。
また、いきなりハードルを高く設定してしまうと、やる気がなくなることもあるでしょう。
そんなときは、単語帳を1ページだけ見る、単語を1つだけ覚えるといった、すぐにできる小さなタスクから始めるのがおすすめです。
「これだけならできそう」と思えるくらいの小さな目標にしておくと、勉強を始めるハードルが下がります。
調子がいい日はそのまま勉強を続けてもいいですし、疲れているときは単語帳を1ページだけ見て終わっても大丈夫です。
毎日少しでも英語に触れることが習慣になれば、やらないと物足りなく感じるようになります。
小さなタスクから始めることで、無理なく勉強を継続でき、英語力も着実に伸びていくでしょう。
目標を決める
英語の勉強を継続するためには、まず明確な目標を設定することが大切です。
なんとなく「英語を話せるようになりたい」と思っていても、目標があいまいなままだと、途中でやる気が続かなくなることがあります。
たとえば、「3か月後のTOEFL iBTで60点を取る」など、具体的な目標と達成期限を設定しておくと、学習のモチベーションを保ちやすくなります。
目標があることで、「今日は何をするべきか」「どれくらい勉強すればいいのか」といった日々の学習の目安も明確になります。
さらに、目標を達成できたときには自信にもつながり、学習を継続するための活力にもなります。
まずは小さな目標からでもよいので、自分の留学目的に合ったものを設定してみましょう。
興味のある教材で勉強する
英語学習を無理なく継続するためには、興味のある教材で勉強することも大切です。
単語帳や教科書ばかり使って勉強していると、飽きてしまい、モチベーションが下がることもあるでしょう。
そんなときは、自分の好きなものを教材として取り入れてみてください。
たとえば、好きな映画やドラマを英語で観たり、YouTubeでお気に入りの海外インフルエンサーの動画を見たりするだけでも英語の勉強になります。
自分の興味のある内容なら、自然と夢中になれるので、楽しみながら学び続けることができます。
また、スポーツ・美容・旅行など、自分の趣味に関する英語記事を読むのもおすすめです。
興味のあるテーマであれば、学ぶことが義務ではなく楽しみになり、自然と英語が生活の一部になっていきます。
このように英語を身近に感じる環境をつくることで、語学力を無理なく着実に伸ばせるでしょう。
隙間時間を利用する
英語の勉強を継続するためには、隙間時間を上手に利用することも大切です。
通勤や通学の電車の中、寝る前の数分など、日常には意外と多くの空き時間があります。
このような時間に、スマートフォンで英語の本を読んだり、単語帳を開いたり、洋楽を聞いたりして、英語に触れる習慣を取り入れてみましょう。
短時間でも積み重ねることで、「気づいたら今日は1時間も英語に触れていた」という日も増えていきます。
移動中に英語の音声を聞く、休憩時間に単語を復習する、寝る前に海外ドラマを観るなど、自分に合った方法を試してみてください。
隙間時間を利用することで、無理なく勉強を続けられます。毎日少しずつでも英語に触れることが、留学前の英語力向上につながるでしょう。
留学前に必要な英語力とおすすめの勉強法のまとめ
この記事では、留学前に必要な英語力、英語力向上におすすめの勉強法、勉強を継続するコツなどを紹介しました。
留学前に必要な英語力とおすすめの勉強法についてまとめると、下記の2つになります。
- 留学の目的や通う学校によって、留学前に必要な英語力は大きく異なる
- 留学前の英語力を伸ばすためには、自分に合った勉強法で、無理なく継続していくことが大切
ここまでの内容を参考にして、留学前に英語力を伸ばすために、今からでも少しずつ勉強を始めてみてくださいね。