憧れの国「オーストラリア」に1年間滞在して就労できるワーキングホリデー(ワーホリ)。
「ワーホリ制度を使ったオーストラリア渡航にチャレンジしてみたい。けれど、実際に掛かる費用が気になる…」という方は多いでしょう。
この記事では、オーストラリアでのワーホリ経験者が実際に掛かった費用と費用を節約する方法を紹介します!
目次
実際に掛かった費用
オーストラリアにワーキングホリデービザで渡航するのに、実際にいくら必要なのか詳しく解説していきます。
ワーホリの渡航準備にお役立てください。
基本費用
まず、ワーホリを実現するにあたって必須となる基本費用は以下の3つです。
- ビザ申請費用
- 航空券代金
- 生活費(家賃、食費、交通費など)
ビザ申請費用
ビザ申請費用とは、ワーキングホリデービザを申請するときに発生するもので、渡航前に支払いが必要な初期費用のひとつです。
数あるビザの中で、ビザ申請費用が比較的安価なワーキングホリデービザですが、オーストラリアは485ドル($1=75円計算で36,375円)とワーホリビザで渡航できる英語圏(オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、イギリス)の中では最高額となっています。
ビザをオンラインで申請する際、クレジットカードかデビットカードでの支払いが必要です。
航空券代金
ワーキングホリデービザでオーストラリアへ渡航するには、航空券の手配が必要です。
1年という長期間にわたって滞在可能なワーキングホリデービザの場合は、往復航空券でも片道航空券でもオーストラリアへの入国は可能です。
一般的には、片道航空券での渡航が推奨されており、その理由としては以下の点が挙げられます。
- ワーホリ終了後に他の国へ旅行して帰国する可能性がある
- ワーホリビザの期限が切れたあと、セカンドビザや学生ビザで滞在を延長する可能性がある
- 帰国日や搭乗する空港は帰国直前に決める方が便利である
そんな片道航空券は、シーズンや発着都市によって差がありますが、3万?5万円程度で購入することができます。
生活費
生活費は、家賃、食費、交通費など現地での生活に必要な費用を含みます。
1年分の生活費となるとかなりの額になるので、渡航時はとりあえず3カ月分の生活費を目処に用意しておくとよいでしょう。
具体的な金額については、下記の「シミュレーション」にて紹介しています。
追加費用
続いて、基本的な費用に加えて必要となる費用をご紹介します。
留学のプランに合わせる場合は、それぞれの費用を別途準備しましょう。
- 海外旅行保険
- 語学学校の学費
- セカンドビザ申請費用
海外旅行保険
オーストラリアに学生ビザで滞在する場合、OSHCという海外留学生健康保険への加入が義務付けられていますが、ワーキングホリデービザの場合、保険加入の有無は自由です。
とはいえ、長期間オーストラリアで生活するにあたって、無保険だとリスクが高いうえ、病気やケガの心配を抱えながら不安な1年を過ごすことになります。
もし現地で病気やケガをしてしまったら、高額な医療費を全額負担することになるので、基本的には海外旅行保険に加入しておくのがおすすめです。
1年間の保険料の相場としては、日本の保険会社で20万円、現地の保険会社で10万円程度となっています。
日本の保険会社の方が、保証内容が幅広いため保険料がより高価になっている傾向があります。
「万が一」に備えて加入しておきたい海外旅行保険は、日本と現地の保険会社の料金や補償内容を比較し、予算やニーズに合ったものを選びましょう。
語学学校の学費
就労を目的としたワーホリですが、オーストラリアでは最大4カ月間(17週間)就学することが可能です。
渡航後にいきなり働き始められるほどの英語力がない…という人は、まず語学学校に通って現地での生活に慣れていくのがよいでしょう。
オーストラリアの語学学校の費用は、学校や学習プランによってさまざまですが、平均で1週間200?350ドル($1=75円計算で15,000?26,250円)程度です。
セカンドビザ申請費用
ワーキングホリデービザでのオーストラリア滞在を延長したい場合は、政府が指定する地域で3カ月以上働くことで「セカンドワーキングホリデービザ」を申請することが可能です。
1年目のビザの有効期限内であれば、オーストラリア国内からいつでも申請できますが、ビザの申請費用として$485($1=75円計算で36,375円)が必要です。
ワーキングホリデーのビザ
ワーキングホリデーに興味があるけど、制度の特徴について詳しくは知らないという人に向けて、ワーキングホリデービザの特徴を紹介します。
渡航を決める前に、今一度ビザの特徴を確認しておきましょう。
ワーキングホリデービザの特徴
「ワーキングホリデー」とは、日本とワーキングホリデー制度の協定を結ぶ26カ国(2019年7月現在)で休暇・就労を目的とした滞在ができる制度のこと。
オーストラリアにおけるワーキングホリデービザの特徴は以下の通りです。
- 18歳~30歳が対象
- ワーキングホリデービザ取得の定員は無制限
- フルタイムでの就労が可能
- 最大4カ月間修学が可能
- 最長3年間滞在が可能(諸条件あり)
就労に制限のある学生ビザや観光ビザとは違い、フルタイムでの就労が可能な点がワーホリビザの最大の特徴です。
特にオーストラリアでは、ワーホリビザを取得できる定員に制限がないため、年齢制限さえクリアしていれば取得しやすいビザとなっています。
就学・就労が可能なのはもちろん、単純に休暇や旅行を楽しむのもまたOKと、自由度の高いビザなので、さまざまな渡航目的を果たせるでしょう。
滞在期限は1年!セカンド・サードビザ申請で最長3年間滞在が可能に
ワーキングホリデービザでオーストラリアに滞在できるのは1年間ですが、セカンドビザ・サードビザを申請することで最長で3年間滞在することが可能です。
- ファーストワーキングホリデービザ(条件なし)
- セカンドワーキングホリデービザ(1年目滞在中に、政府指定の地域で3カ月以上就労)
- サードワーキングホリデービザ(2年目滞在中に、政府指定の地域で6カ月以上就労)
政府が指定する地域のファームや工場で働くことで、ビザの延長を申請することができるようになります。
就労を証明するには、給料証明書の他に、申請費用の$485($1=75円計算で36,375円)や銀行の残高証明書が必要ですので、2年以上滞在しようと考えている人は、事前に詳細を確認しておきましょう。
シミュレーション
ワーキングホリデーにおいて必要な費用と、ビザの特徴が分かったところで、実際に1年オーストラリアに滞在する際の費用のシミュレーションしてみましょう。
※日本円表示は1ドル75円で計算しています。
語学学校に通う場合
オーストラリアでは、ワーキングホリデービザで最大4カ月まで修学が可能です。
現地でいきなり仕事をする英語力が備わっていないと感じるのであれば、最初の数カ月は語学学校に通って英語をみっちり勉強するのがおすすめ。
語学学校に3カ月間通い、フルタイムで9カ月間仕事をする場合の費用をシミュレーションすると以下のようになります。
【支出】
項目 | 費用 (ドル) |
費用(円 ※$1=75円 |
---|---|---|
ビザ申請費用 | $485 | 約36,375円 |
航空券代(往復) | $1,065 | 約80,000円 |
語学学校費用(3カ月) | $3,600 | 約270,000円 |
海外旅行保険 | $2,670 | 約200,000円 |
生活費(家賃) | $9,360 | 約702,000円 |
生活費(交通費) | $1,820 | 約136,500円 |
生活費(食費) | $3,200 | 約240,000円 |
その他(通信費や交際費など) | $4,160 | 約312,000円 |
合計 | $26,360 | 約1,976,875円 |
【収入】
項目 | 費用 (ドル) |
費用(円) ※$1=75円 |
---|---|---|
レストランでの収入 | $24,570 | 約1,842,750円 |
長期休暇を取ったり、ホリデーシーズンで職場がお休みになったりすることを考えると、実際にはもう少し収入は低くなる可能性があります。
1年を通して働く場合
次に1年を通してフルタイムで仕事をする際のシミュレーションを見ていきましょう。
【支出】
項目 | 費用 (ドル) |
費用(円) ※$1=75円 |
---|---|---|
ビザ申請費用 | $485 | 約36,375円 |
航空券代(往復) | $1,065 | 約80,000円 |
海外旅行保険 | $2,670 | 約200,000円 |
生活費(家賃) | $9,360 | 約702,000円 |
生活費(交通費) | $1,820 | 約136,500円 |
生活費(食費) | $3,200 | 約240,000円 |
その他(通信費や交際費など) | $4,160 | 約312,000円 |
合計 | $22,760 | 約1,706,875円 |
食費や交際費などは、必要最低限の金額です。
旅行へ行ったり、ショッピングを楽しんだり…と実際には支出は増えることがあるのでご注意ください!
1日7時間、週5日、時給18ドルのレストランで11カ月間就労した際の収入例です。
仕事探しに1カ月要することを仮定しています。
【収入】
項目 | 費用 (ドル) |
費用(円) ※$1=75円 |
---|---|---|
レストランでの収入 | $29,610 | 約2,220,750円 |
ワーキングホリデーの費用を抑える5つの方法
数ある留学方法の中でも、比較的に低コストで海外渡航ができるワーキングホリデーですが、航空券代や現地での生活費など、まとまったお金が必要なことに変わりはありません。
渡航費用を貯めて、一刻でも早く出発したい!という人に向けて、ワーキングホリデーの費用を抑えるコツを5つ紹介します。
ハイシーズンを避けて渡航
ワーキングホリデーの初期費用として避けては通れないのが、航空券代ですよね。
そんな航空券は、時期や曜日をずらすといった一手間で、お得に購入できることがあります。
ワーキングホリデービザは発行されてから出発するまでの期間が1年間あるので、航空券予約サイトを使ってチケットが安い時期を探してみましょう。
8月の3週目などとピンポイントでチケットを探さず、8月?9月などスケジュールに余裕を持って探すと、チケットが安い出発日を見つけることができます。
一般的には、夏休みや春休みといった海外旅行のハイシーズンはもちろん、土日祝日もチケットの料金が高くなる傾向があるということは覚えておきましょう。
シドニーなどの大都市を避ける
ワーキングホリデーの費用の多くを占めるのが、家賃や食費などの生活費。
特にオーストラリアは物価の高い国なので、給料のほとんどが生活費に消えてしまうことも珍しくありません。
そんな生活費を少しでも安く抑えたいというのであれば、シドニーなどの大都市を避けた渡航先選びがおすすめです。
中でも生活費の大部分を占める家賃は、都市ごとに相場が大きく違う傾向があります。
もちろん同じ都市内でも、地域や物件の条件によって違いますが、一般的なシドニー・メルボルンの家賃相場は、ルームシェアで週180?200ドル($1=75円計算で約13,500円?15,000円)と他の地域に比べて圧倒的に高額です。
アデレードやパースなど、留学先として比較的マイナーな都市を選ぶことで、毎週の家賃を50ドルほど節約、もしくは同じ料金でオウンルームにステイすることができるでしょう。
1週間に50ドル節約できれば、年間にするとなんと2,600ドル($1=75円計算で約20万円)もお得になります。
滞在先はシェアハウスの「ルームシェア」を選ぶ
上記でも少しシェアハウスについて触れましたが、ワーキングホリデーをはじめとした留学生の多くは、滞在先としてシェアハウスを選びます。
というのも、オーストラリアの家賃相場はかなり高く、日本のように月5?6万円で自分専用のアパート1室を借りることは不可能です。
滞在方法にこだわりがなく、少しでも費用を浮かせたいという場合は、ルームシェアがおすすめ。
シェアハウスに滞在することで、交友関係が広げられるというメリットもあります。
無料の留学エージェントを利用する
ビザの申請や現地でのサポートなど、渡航前は不安でいっぱいです。そこで現地情勢に詳しい留学エージェントを利用する人は多いでしょう。
留学エージェントとは、ビザ申請や語学学校の手続きなどを代行・サポートしてくれる会社のこと。
ただ一口に留学エージェントといっても、サポート料金が数万円掛かるものから、完全無料のものまでさまざまです。
留学準備の費用を抑えたい!という人は、無料の留学エージェントを利用しましょう。
無料といっても、留学生に語学学校を紹介することで収入を得ているエージェントであれば、安全に利用できます。
有料の留学エージェントに依頼する場合も、サポート料金やサポート内容は、留学エージェントによって異なるので、自分のお財布事情に適した留学エージェントを選びましょう。
また、ワーキングホリデーのビザ申請だけであれば、留学エージェントを通さずに個人で簡単に申請することができるので、留学エージェントを使用しないという選択もありです。
必要な日本製品や食材は日本から持参する
海外での滞在が長くなると、日本のものが恋しくなるもの。
ただ、日本の食材・製品は、オーストラリアでは1.5?2倍の値段で売られていることがほとんどなので、現地で日本のものを購入するのはあまり経済的とはいえません。
愛用の化粧品や薬はもちろん、自炊では欠かすことのできない調味料など、スーツケースの大きさと相談しながらできるだけ日本から持参して、現地での出費を抑えるようにしましょう。
オーストラリアワーホリに関するよくある質問
最後にオーストラリアのワーキングホリデーに関して、よくある質問にお答えしていきます。
現地で仕事を見つけるのに、どのくらい時間が掛かる?
過去に短期留学や海外旅行で海外を訪れたことはあっても、海外で働くのはワーホリが初めてという人は多いのではないでしょうか。
渡航後の資金プランを立てるにあたって知っておきたいのが、仕事が見つかるまでの期間の目安ですよね。
シーズンや都市、そして個人のスキルにもよりますが、現地で仕事を見つけるまでにはだいたい1?2カ月程度掛かると思っておくのがよいでしょう。
シドニーやメルボルンの求人サイトだけ見ていると、求人情報が多いのですぐに仕事が見つかるのでは?と思ってしまいがちですが、実際には応募してくる人の数もかなり多いので、そう簡単に仕事は見つかりません。
また、職によっては面接→トライアル→採用と、最初の給料日まで日数を要することもあるので、安定した収入を得られるまでの期間は長めに見積もっておく方がいいでしょう。
渡航後1カ月以内に仕事が見つかればラッキーくらいに思って、準備を進めていきましょう。
現地で働けるなら貯金は必要ない?
語学留学と違ってフルタイムで働けるなら、貯金はなくても大丈夫では?と思う人もいるでしょう。
貯金0で渡航して大成功を収めた!というサクセスストーリーを語る人が中にはいますが、貯金なしでの渡航はリスクが高いのでおすすめできません。
フルタイムで就労できるとはいえ、上記で説明したように仕事を見つけるまでに数カ月を要することがほとんどです。
また、仕事が見つかっても、雇い主とトラブルになってクビになったり、体調を崩してしまったり…と、何が起こるか分かりませんよね。
ビザ申請費用や航空券代など、ワーホリの初期費用をすべて支払い終えた時点で、現地で3カ月は職がなくても生活できるほど貯金に余裕があると安心です。
数カ月や半年だけ滞在することはできる?
オーストラリアにワーキングホリデービザで滞在できるのは1年間です。
でも中には、数カ月や半年といった短期間のワーホリ生活を楽しんでみたいという人もいるでしょう。
ワーキングホリデービザの滞在期間というのは、あくまでも「1年間ビザが有効」ということなので、数カ月や半年だけ滞在して日本へ帰国することは可能です。
オーストラリアでの生活はもう満喫した!と、ビザの有効期限がたっぷり残ったまま帰国するワーホリ生は実は少なくありません。
ただ留意点としては、ワーキングホリデービザはそれぞれの国に対して1度だけ取得ができるビザなので、早く切り上げて帰国したとしてもビザは予定通り1年後に満了し、二度と申請することはできません。
人生に一度きりの長期間滞在ができるワーキングホリデービザを数ヶ月だけで使って後悔しないか?ということを事前に考えておきましょう。
まとめ
オーストラリアにワーキングホリデービザで渡航するにあたって必要となる費用の内訳や、具体的な金額を紹介しました。
語学留学と比べて低価格で1年間のオーストラリア滞在が実現しますが、具体的な費用を見てみるとやっぱり高い!と感じた人は多いのではないでしょうか。
とはいえ、ワーキングホリデービザを通して得られる海外経験は、お金には変えられない価値があります。
この記事で紹介した費用と節約術を参考に貯金計画を立て、憧れのワーキングホリデーを実現させましょう!