保育園・幼稚園は英語で?日本のプリスクールと英語教育についても解説

保育園・幼稚園は英語で?日本のプリスクールと英語教育についても解説

保育園・幼稚園は英語で何と言うのでしょうか?

日本で、早期英語教育を受けられる施設といえば「プリスクール」が有名ですが、英語では意味が異なります。

この記事では、英語圏で使われている保育園・幼稚園を意味する英単語や、日本におけるプリスクールの意味と英語教育について解説します。

保育園・幼稚園は英語で何と言う?

保育園・幼稚園は英語で何と言う?

保育園・幼稚園を意味する英語は、主に以下の4つです。

意味
Daycare親が仕事などで家を離れる間に子ども(赤ちゃん〜幼児)の世話をする施設アメリカ
Preschool3歳〜5歳ほどの子どもに義務教育が始まる前の準備教育を提供している施設アメリカ、イギリス
Nursery3〜4歳の子どもが保育園教育を受けられる施設イギリス
Kindergarten5歳の子どもが小学校に備えるために通う就学前教育機関のことアメリカ
Reception4歳の子どもが、小学校入学前の準備期間として通う施設イギリス

単語によって使われている国や意味することが異なるので、それぞれ詳しく紹介していきます。

Daycare:保育園(アメリカ)

Daycare(デイケア)とは、親が仕事などで家を離れている間に子どもを預かって世話をしてくれる施設のことを指します。

通常、乳児期から幼児期までの子どもだちを受け入れており、保育時間が長かったり、夏休みや春休みがなく通年預けられたりすることが特徴です。

Daycareでは、食事や睡眠、遊びなどの基本的なニーズが提供され、子ども達が新しいことを学んだり、社会的な経験を積んだりする場となっています。

デイケアは日本だと「介護施設」を意味する言葉として使われることが多いですが、アメリカなどの英語圏では、日本の「保育園」に近い感覚で幅広く使われています。

Preschool:幼稚園(アメリカ・イギリス)

Preschool(プリスクール)は、3歳〜5歳ほどの子どもに義務教育が始まる前の準備教育を提供している施設です。

アルファベットや数字などのアカデミックなスキルや社会的なスキルを身につけることを目的としていることが一般的です。

日本でプリスクールと言うと、英語教育に特化した保育施設のことを指しますが、英語圏でプリスクールは単純に日本で言うところの「幼稚園」に近い施設である点に注意が必要です。

Nursery:保育園(イギリス)

Nursery(ナーサリー)とは、主にイギリスで使われている英語で、3歳〜5歳の子どもを預けられる保育園のような施設のことです。

基本的には子どものお世話がメインとなりますが、教育の時間も含まれます。

Kindergarten:就学前教育機関(アメリカ)

Kindergarten(キンダーガーテン)とは、5歳の子どもが小学校に備えるために通う就学前教育機関のことです。アメリカの州によっては、小学校付属の施設になっていることもあります。

義務教育の一環として、主に読み書きや算数を学びます。

ちなみに、Kindergartenはドイツ語由来で「子どものための庭」を意味する単語です。

Reception:就学前教育機関(イギリス)

Reception(リセプション)は、イギリスで4歳の子どもが、小学校入学前の準備期間として1年間通う施設です。上で紹介した、アメリカのKindergartenのイギリス版のような施設です。

イギリスでは5歳で小学1年生になるため、満4歳になった時点で小学校のリセプション・クラスに入園して読み書きのスキルや社会的なスキルを身につけることが一般的です。

日本のプリスクールとは?

日本のプリスクールとは?

日本におけるプリスクールとは、子どもたちが幼いごろから英語を学ぶための環境を提供している施設のことです。

通常、乳幼児から幼児期の子どもたちを対象としており、英語を母国語とする先生やスタッフが指導を行います。

プリスクールでは、子どもたちが自然に英語に触れ、英語の発音やリスニング能力を身につけることが重視されているため、日常生活におけるコミュニケーションは基本的にすべて英語で行われます。

多くのプリスクールでは、保育園や幼稚園のように子どもを丸一日預けることができ、スクールによっては延長保育や送迎にも対応しています。

ただし、ほとんどのプリスクールは、日本の学校教育法や児童福祉法で定められた基準に該当しないため、各スクール独自の基準で運営されている「許可外」の施設である点を理解しておく必要があります。

日本のプリスクールと保育園・幼稚園の違い

日本のプリスクールと保育園・幼稚園の違い

日本におけるプリスクールと保育園・幼稚園の違いについて紹介します。

プリスクール保育園幼稚園
英語教育
英語メインの環境
活動時間9時〜14時ごろ
13時〜19時ごろなど
※施設によっては延長保育あり
7時半〜18時ごろ9時〜14時ごろ
学費年間100〜180万円保育無償化の対象
※高額な施設でも年間30〜50万円以下
先生の免許施設ごとの基準
※高い英語力が必要
保育士の資格幼稚園教諭免許

※上記の表の内容は一般的な目安です。具体的な活動時間や学費などは施設によって異なります。

英語教育

プリスクールと保育園・幼稚園の大きな違いは、英語教育です。

保育園・幼稚園は未就学児を対象とした一般的な教育施設である一方、プリスクールは英語教育に特化した施設です。

プリスクールは英語教育を行うための施設ですので、先生が全員英語のネイティブスピーカーであったり、日常生活におけるコミュニケーションをすべて英語で行ったりと、英語漬けの環境が用意されています。

一般的な保育園・幼稚園でも英語教育が行われることもありますが、日常生活におけるコミュニケーションは日本語で行い、週に数回ほどネイティブの英囲碁教師によるレッスンが行われるなど、子どもが英語に触れられる時間はプリスクールと比べるとやや限定的です。

プリスクールは、子どもの英語教育を重視したいという親御さん向けの施設だと言えます。

活動時間

プリスクールと保育園・幼稚園には、活動時間にも違いがあります。

施設によって異なりますが、一般的に保育園の保育時間は7時半〜18時ごろ、幼稚園の保育時間は9時〜14時ごろとなっています。

プリスクールの保育時間は6時間程度であることが一般的です。活動時間は、9時〜14時や13時〜19時などスクールによってさまざまです。

学費

プリスクールは、一般的な保育園・幼稚園と比較して学費が高く設定されている傾向があります。

一般的な保育園・幼稚園の場合、高額とされる民間保育所や私立のよう遅延であっても、年間30万円〜50万円以内であることが多いです。

しかし、プリスクールの場合、教育方針や活動時間、通う日数などにもよりますが、年間100〜180万円ほどの学費がかかることが一般的です。

また、日本では幼稚園や保育所、認定こども園を対象とした「幼児教育・保育の無償化」という制度があります。

幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳児クラスのこどもたち、住民税非課税世帯の0歳から2歳児クラスまでのこどもたちの利用料が無料になります。

こども家庭庁

ただし、プリスクールの多くは「許可外」の保育施設であるため、無償化の対象にはなりません。

プリスクールの利用を検討するにあたっては、経済的に無理がないかどうかを確認しましょう。

先生の免許

プリスクールと保育園・幼稚園では、先生が取得している資格や免許が異なります。

保育園で保育士として働くには、厚生労働省が管轄する「保育士」の資格が必要です。

また、幼稚園教諭になるためには、文部科学省が管轄する幼稚園教諭免許が必要です。

一方、プリスクールは保育園にも幼稚園にも該当しない「許可外」の施設であるため、先生になるのに特別必要な資格はありません。

必要な免許英語力
プリスクール「保育士」の資格特になし
保育園「幼稚園教諭免許」特になし
幼稚園特になし必須

ただしその代わり、プリスクールは英語教育に特化した施設であることから、先生として働くには各スクールが求める高い英語力を有している必要があります。

プリスクールによって「英語のネイティブスピーカーである」「英語教授の資格がある」「海外の大学を卒業している」などの基準が設けられているので、質の高い英語教育を受けられるのが特徴です。

プリスクールで英語教育を行うメリット・デメリット

プリスクールで英語教育を行うメリット・デメリット

子どもにプリスクールで早期英語教育を受けさせるメリット・デメリットについて解説します。

メリットデメリット
・早期から楽しく英語を学べる
・英語の音に慣れる
・英語の学習時間を確保できる
・日本語の習得に影響が出ることがある
・一定の費用がかかる

メリット

子どもにプリスクールで早期英語教育を受けさせるメリットを3つ紹介します。

早期から楽しく英語を学べる

子どもをプリスクールに通わせるメリットは、子どもが小さいうちから楽しみながら自然に英語が身につくことです。

プリスクールでは、遊びや歌、工作などのアクティビティを通じて、楽しく英語を学ぶことができます。

楽しみながら英語を学べる環境が整っているため、子どもたちは早期から英語学習に対する興味やモチベーションを高めることができます。

英語の音に慣れる

プリスクールでの英語教育を受けることで、子どもたちは英語の音に自然と慣れることができます。

プリスクールでは、日常生活におけるコミュニケーションをすべて英語で行うため、自然と正しい英語のアクセントやイントネーションや、英語の聞き取り能力が身につきます。

プリスクールでの英語環境に触れることで、自然な英語のリズムや音のパターンを獲得することができます。

英語の学習時間を確保できる

プリスクールでの英語教育を受けることで、子どもたちは英語の環境に浸る機会が増えます。

毎日の学校生活やコミュニケーションの中で、英語を使う機会が多いため、英語圏に住む子どもたちのように自然な形で英語を学ぶことができます。

デメリット

子どもにプリスクールで早期英語教育を受けさせるデメリットを3つ紹介します。

日本語の習得に影響が出ることがある

プリスクールでは、英語を学べる一方で、母国語である日本語の発達に影響を与える可能性があります。

プリスクールでは、日常生活におけるコミュニケーションをすべて英語で行うなど、英語教育が主体となるため、母国語の日本語の習得が遅れてしまう場合があります。

英語教育は重要ですが、それだけに偏り過ぎると、他の重要な学習や発達領域が犠牲になる可能性があるため注意が必要です。

自宅では日本語をメインで使ったり、日本語の読み書きを学ぶ時間を確保したりと、英語と日本語の適切なバランスを保つことが重要です。

一定の費用がかかる

プリスクールでの英語教育は、通常の保育園・幼稚園と比べて高額な学費が必要となる傾向にあります。

一般的にプリスクールの学費は年間100〜180万円ほどと言われており、家計に負担となる場合があります。

プリスクールの利用を検討するにあたっては、経済的に無理がないかどうかを確認することが大切です。

プリスクールの選び方

プリスクールの選び方

日本で子どもをプリスクールに通わせるにあたって、スクール選びで重視したいポイントは以下の4つです。

  • 教育方針・カリキュラム
  • 先生の質
  • 学費
  • 送迎サービスの有無

教育方針・カリキュラム

プリスクールを選ぶ際には、そのスクールの教育方針とカリキュラムが重要です。

プリスクールは、保育園や幼稚園と異なり、学校教育法や児童福祉法の決まりに則っていないため、スクールごとに実有に教育方針やカリキュラムを決めることができます。

このことから、スクールによって教育方針やカリキュラムに差が出やすいため、子どもや親が重視する価値観や教育目標に合っているかをしっかり確認することが大切です。

先生の質

プリスクールを選ぶにあたっては、先生の質を確認することが大切です。

上述したとおり、プリスクールは保育園・幼稚園と違って特別必要な資格はありません。

先生の質は各スクールが定めている採用基準やトレーニングなどによって大きく左右されるため、英語力が高いことはもちろん、子どもに適切な教育と保育を提供できる質の高い先生が在籍しているプリスクールを選びましょう。

学費

学費も、プリスクールを選ぶにあたって重要な要素の1つです。

学費はスクールによって異なりますので、自身の予算と比較しながら、慎重に検討する必要があります。

また、予算内に収まるかどうかに加えて、学費に見合った英語教育やサービスが提供されているかもしっかり確認しましょう。

安価な学費であっても教育の質や提供されるサービスに満足できなければ本末転倒です。

学費とサービス内容の両方に満足できるプリスクールを選ぶことが大切です。

送迎サービスの有無

プリスクールを利用するにあたっては、送迎サービスがあるかどうかも確認しておきましょう。

スクール専用の送迎サービスがある場合、スクールまでの送り迎えが不要になるため、忙しい親の負担を軽減できます。

ただし、送迎サービスには追加料金が発生したり、利用可能なエリアが限定されていたりすることがあります。

送迎サービスの有無と合わせて、送迎サービスの内容や料金についても確認しておくと安心です。

保育園・幼稚園の英語とプリスクールについてのまとめ

保育園・幼稚園を意味する英単語や、日本におけるプリスクールの意味と英語教育について解説します。

プリスクールは、英語圏では義務教育が始まる前の準備教育を提供している日本の「幼稚園」に近い施設を意味しますが、日本では英語教育に特化した施設のことを指します。

プリスクールは、日常生活におけるコミュニケーションをすべて英語で行うなど、子どもに英語漬けの環境で楽しく英語を学んでほしい親御さんにおすすめです。

「子供が小さいうちから英語を学ばせたい」「子供に英語漬けの日常を送らせたい」などとお考えの親御さんは、ぜひプリスクールの利用を検討してみるといいでしょう。