英文法の学習では、最初に肯定文を勉強し、その後すぐに否定文と疑問文が出てきます。
そのため、「肯定文は理解できたけど、否定文や疑問文は形が変わるので、ちょっと理解があいまいかも…」と感じている人が多いのではないでしょうか?
肯定文から否定文と疑問文への変換に対し、複雑なイメージがあり、瞬時に使いこなせないことがあるかもしれません。
しかし、それぞれの単語の並び方には一定の法則があり、その法則をつかむことさえできれば、難しく考えなくても使いこなせるようになります。
否定文と疑問文は会話において必須の表現方法ですので、この機会にきちんとマスターしておかれることをおすすめします。
今回は、中学英語で習う基本の否定文と疑問文の構造について、例文と練習問題をまじえてくわしく解説します。
目次
「否定文」と「疑問文」の作り方についての解説動画
「否定文」と「疑問文」の作り方を10分で解説しています!
基本の否定文の作り方
否定文とはnotを用いて「~ではない」と述べた内容を打ち消す文章のことです。
ここでは基本として、現在形の文全体を否定する文章の作り方を学びましょう。
動詞の基礎知識のおさらい
先ずは、述語の中心となる動詞についておさらいをしておきましょう。
動詞には、「be動詞」と、be動詞以外の「一般動詞」の2種類があります。
be動詞の原形「be /bi?/」は、単体では実質的な意味をともないません。
主語とbe動詞以下の内容を「~です」につなぐ役割をします。
そして、このbeは、主語が何であるかによって、am、are、isと変化します。
- 主語がI なら am
- 主語がYou なら areまた主語が
- 主語が単数なら is
- 主語が複数なら are
日本語にはない決まりなので「なぜ??」と思われるかもしれませんが、これはもう英語独特のルールとして覚えておくしかありません。
be動詞の形
単数 | 主語 | be動詞 | |
---|---|---|---|
一人称 | I(私は) | →am | |
二人称 | you(あなたは) | →are | |
三人称 (上記以外) |
she(彼女は)/he(彼は) this(これは) that(あれは)/it(それは) my son(私の息子は)など |
→is | |
複数 | 一人称 | we(私たちは) | →are |
二人称 | you(あなたたちは) | →are | |
三人称 (上記称以外) |
they (彼らは、彼女らは、それらは) brothers(兄弟は) students(生徒たちは) parents(両親は)など |
→are |
一方、一般動詞はbe動詞以外のすべての動詞を指します。
like(好き)、have(持つ)、play(遊ぶ、する)など限りなくあり、どれも実質的な意味をともなっています。
一般動詞の現在形は、主語が三人称単数の場合に限り、動詞の語尾に「-s」がつく形に変化します。
この変化のルールは「三単現のs」と呼ばれます。
否定文と疑問文を作る時には注意しなくてはならないポイントで、主語が三人称単数かどうかの見極めが重要です。
は最初は複雑に感じるかもしれませんが、こちらも英語独特のルールなので慣れるしかありません。
一般動詞の形
主語 | 一般動詞の形(原型) |
---|---|
三人称単数以外の場合 | like |
have | |
play | |
work | |
wash | |
study |
主語 | 一般動詞の形(三単現のs) | 動詞 基礎ルール |
---|---|---|
三人称単数の場合 | likes | likeの語尾に-sがつく |
has | haveはhasに変化する | |
plays | playの語尾に-sがつく | |
works | workの語尾に-sがつく | |
washes | washの語尾に-esがつく | |
studies | studyのyをiに変えて-esがつく |
これらの動詞の基礎ルールをふまえて、次に否定文の作り方を学習します。
文の述語がbe動詞と一般動詞では、否定文の形が異なりますので気をつけてください。
be動詞の場合
述語がbe動詞の場合の否定文は、be動詞の後にnotを置きます。
それにより、notより後にある内容を否定し、「(主語は)~ではありません」という意味になります。
[例]
肯定文:I am a student.
(私は学生です。)
否定文:I am not a student.
(私は学生ではありません。)
肯定文:She is from Tokyo.
(彼女は東京出身です。)
否定文:She is not from Tokyo.
(彼女は東京出身ではありません。)
肯定文:His parents are usually busy.
(彼の両親は普段は忙しいです。)
否定文:His parents are not usually busy.
(彼の両親は普段は忙しいわけではありません。)
また、be動詞 + notの形を以下のように短縮形にして表現することもできます。
are not | aren’t |
is not | isn’t |
一般動詞の場合
述語が一般動詞の場合の否定文は、一般動詞の前にdo notまたはdoes not置きます。
それにより、notより後にある内容を否定し、「(主語)は~しません」という意味になります。
主語によって、do notなのか、does notなのか変わります。
主語が三人称単数以外の場合は、do not、主語が三人称単数の場合は、does notと覚えましょう。
また、do notとdoes notの後にくる動詞は、どちらも原形になります。
[例]
肯定文:I like fish.
(私は魚が好きです。)
否定文:I do not like fish.
私は魚が好きではありません。)
肯定文:We have a cat.
(私たちは猫を飼っています。)
否定文:We do not have a cat.
(私たちは猫を飼っていません。)
肯定文:You wash dishes after dinner.
(あなたは夕食後にお皿を洗います。)
否定文:You do not wash dishes after dinner.
(あなたは夕食後にお皿を洗いません。)
[例]
肯定文:My father likes fish.
(私の父は魚が好きです。)
否定文:My father does not like fish.
(私の父は魚が好きではありません。)
肯定文:He has a cat.
(彼は猫を飼っています。)
否定文:He does not have a cat.
(彼は猫を飼っていません。)
肯定文:Your son washes dishes after dinner.
(あなたの息子は夕食後にお皿を洗います。)
否定文:Your son does not wash dishes after dinner.
(あなたの息子は夕食後にお皿を洗いません。)
また、do notの、does not形を以下のように短縮形にして表現することもできます。
do not | don’t |
does not | doesn’t |
基本の疑問文の作り方
疑問文とは相手にたずねる文章のことです。疑問文の基本である一般疑問文の構造は、否定文の時と同じように、文の中で使われている述語がbe動詞か一般動詞かによって異なります。
be動詞の場合
述語がbe動詞の場合の疑問文は、be動詞を主語の前に出します。そして、文の最後に「?マーク」をつけ加えます。会話の場合は、文末を上げて(上昇調子で)発音します。
そうすることにより、「(主語)は~ですか?」と質問する意味になります。
[例]
肯定文:You are a student.
(あなたは学生です。)
疑問文:Are you a student?
(あなたは学生ですか?)
肯定文:She is from Tokyo.
(彼女は東京出身です。)
疑問文:Is she from Tokyo?
(彼女は東京出身ですか?)
肯定文:His parents are always busy.
(彼の両親はいつも忙しいです。)
疑問文:Are his parents always busy?
(彼の両親はいつも忙しいですか?)
一般動詞の場合
述語が一般動詞の場合の疑問文は、主語の前にdoまたはdoes置きます。そして、文の最後に「?マーク」をつけ加えます。会話の場合は、文末を上げて(上昇調子で)発音します。そうすることで、「(主語)は~しますか?」と質問する意味になります。
また、主語によってdoかdoesに変わります。主語が三人称単数以外の場合は、do、主語が三人称単数の場合は、doesと覚えましょう。また、主語の後にくる動詞は、どちらも原形になります。
[例]
肯定文:You like fish.
(あなたは魚が好きです。)
疑問文:Do you like fish?
(あなたは魚が好きですか?)
肯定文:They have a cat.
(彼らは猫を飼っています。)
疑問文:Do they have a cat?
(彼らは猫を飼っていますか?)
肯定文:You wash dishes after dinner.
(あなたは夕食後にお皿を洗います。)
疑問文:Do you wash dishes after dinner?
(あなたは夕食後にお皿を洗いますか?)
[例]
肯定文:Your father likes fish.
(あなたの父は魚が好きです。)
疑問文:Does your father like fish?
(あなたの父は魚が好きですか?)
肯定文:He has a cat.
(彼は猫を飼っています。)
疑問文:Does he have a cat?
(彼は猫を飼っていますか?)
肯定文:Your son washes dishes after dinner.
(あなたの息子は夕食後にお皿を洗います。)
疑問文:Your son does not wash dishes after dinner.
(あなたの息子は夕食後にお皿を洗いますか?)
練習問題
以下に、練習問題を出しておきます。それぞれの英文は、繰り返し声に出して読んでください。そうすることで、否定文と疑問文の使い方に慣れることができます。
否定文の練習問題
次の文を否定文にしてください。
問題1:It is Friday today.
(今日は金曜日です。)
It isn’t Friday today.
問題2:She looks sad.
(彼女は悲しそうに見えます。)
She doesn’t look sad.
問題3:Mike works in London.
(マイクはロンドンで働いています。)
Mike doesn’t work in London.
問題4:I’m at the office.
(私はオフィスにいます。)
I’m not at the office.
問題5:You go to the hospital.
(あなたは病院に行きます)
You don’t go to the hospital.
疑問文の練習問題
次の文を疑問文にしてください。
問題1:You are happy.
(あなたは幸せです。)
Are you happy?
問題2:Ken is a friend of Nancy.
(ケンはナンシーの友達です。)
Is Ken a friend of Nancy?
問題3:She comes to the office.
(彼女は会社に来ます。)
Does she come to the office?
問題4:You live in Canada.
(あなたはカナダに住んでいます。)
Do you live in Canada?
問題5:Mr. Smith teaches English.
(スミス先生は英語を教えます。)
Does Mr. Smith teach English?
まとめ
本記事では、否定文と疑問文の基本の作り方について例文をまじえて解説するとともに、その練習問題を出題しましたが、いかがでしたでしょうか?
基本の否定文まとめ
- 述語がbe動詞の場合:be動詞の後にnotを置く。 主語 + be動詞 + not + 補語 .
- 述語が一般動詞の場合 : 一般動詞の前にdo notもしくはdoes notを置く。
- 主語(三人称単数以外) + do not + 動詞の原形 + 目的語/補語 .
- 主語(三人称単数) + does not + 動詞の原形 + 目的語/補語 .
基本の疑問文まとめ
- 述語がbe動詞の場合:主語の前にbe動詞を置く。文末に?マークをつける。 be動詞 + 主語 + 補語 ?
- 述語が一般動詞の場合:主語の前にDoもしくはDoesを置く。文末に?マークをつける。
- do + 主語(三人称単数以外) + 動詞の原形 + 目的語/補語 ?
- des + 主語(三人称単数) + 動詞の原形 + 目的語/補語 ?
慣れるまでは文章の構造に迷うこともあるでしょうが、その場合は、動詞が「be動詞」か「一般動詞」かをチェックしてください。
そして、一般動詞の場合は、「主語が三人称単数か」、「三人称単数以外か」を見極めてください。
いろいろな例文で練習すれば次第に慣れてきます。
否定文と疑問文は欠かすことのできない会話表現です。
うまく使うことでスムーズな会話ができるようになります。
ぜひこの機会に練習をして、否定文と疑問文の使い方をマスターしてください。