「ライティングの練習をしたいけど独学では難しい…」
「英作文を添削してくれるネイティブの知り合いが身近にいない…」
と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。急速なグローバル化がすすむ近年、国際共通語である英語の必要性がますます高まっています。
中でも、自分の意見や考えを文章にして適切に相手に伝えるためのライティング力が求められる傾向にあります。
ライティングは英語の4技能の中でも一番難しいイメージがあり、英作文に苦手意識を感じている方は多いかもしれません。
しかし、コツをおさえて学習し添削と修正をくりかえすことで、しだいにスムーズに英作文を書けるようになります。この機会に英作文の練習に取り組んでみることをおすすめします。
今回は、今回は英作文を上達させる法と便利な添削サービスについて詳しく紹介します。
目次
英作文が求められている状況
グローバル化を背景に、実践的な場で自信を持って使える英語が必要とされています。
少し前の日本の英語教育は、リーディングとリスニングに比重が置かれていました。
しかし最近は、スピーキングに加えてTPOに応じて使えるライティング力の向上も求められるようになっています。
まずは、どのような場面で英作文の能力が必要とされるのか、具体的に理解しておきましょう。
大学受験
2020年の大学入試制度の改革にともない、英作文を入試の科目にしている国公立大学や私立大学が増えてきています。
大学入試の英作文の問題には、
- 日本語の文章を英語に訳す「和文英訳」
- あるテーマや題材にそった英文を書きあげる「自由英作文」
この2つのタイプがあります。
和文英訳では、日本語の単語をそのまま英語の単語に変換するだけでは不自然な英文になってしまうので、日本語特有の慣用表現にマッチした言葉に置き換えて英訳するような訓練が必要です。
また、自由英作文では、テーマにそって自分の考えを主張し、その主張の根拠をしめさなくてはなりません。制限字数内で、適切な表現を用いて理論的に話しを展開する力が求められます。
大学によって出題傾向や範囲は異なりますが、過去問題を参考にし、ある程度予測しながら効果的な対策を講じなくてはなりません。
英語の能力試験
英語の能力試験である
- 英検
- TOEIC Speaking & Writing
- TOEFL
- IELTS
などでもライティングの問題が導入されています。各試験のライティング関連のテスト内容は以下のとおりです。
英検(3級以上) | 指定されたテーマで意見や具体例を記述する (受験する級によって内容が異なります) |
---|---|
TOEIC Speaking & Writing |
①出題された写真を見て何が描写してあるか記述する ②Eメール作成する ③意見を記述する |
TOEFL | ①英文を読み音声録音を聞いたあとに、 その内容について文章で解答する ②自分の意見を記述する |
IELTS | <アカデミック> ①図や表などを見て情報を文章にまとめる ②自分の意見を記述する |
<ジェネラル> ①先生や友人などに手紙を書く ②自分の意見を記述する |
各試験の基準にそって、内容の完成度、構成、語彙、文法などが評価されます。
出題のテーマは、日常生活、ビジネス、社会問題などさまざまですので、自分が受験する能力試験に焦点をあてて対策すると高得点を狙えるでしょう。
ビジネス
ビジネスのシーンにおいても英文を書く機会がたくさんあります。たとえば、
- 海外の取引先とのEメールでのやり取り
- 会議
- プレゼン
- チャット
など、限られた時間の中で精度の高いライティングの能力が求められます。作成した英文から、書いた人の能力、識見、そして人格まで判断されてしまうことがあります。
話し言葉と違って書いた内容はあとあとまで残ります。正しく、明確で簡潔に、読み手に伝わりやすい英文を書くよう心がけなくてはなりません。
英作文で必須の基本スキル
与えられたテーマや課題から文章を作成するには、豊富な知識や想像力はあったほうがいいでしょう。
しかし、英文を作成するにあたっては、
- 語彙力
- 文法力
- 構成力
この基本スキルは必要不可欠です。
語彙
語彙が少ないと自分の考えを正しく伝えることはできませんので、英作文では語彙が多ければ多いほど有利です。
しかし、語彙が多いということは、単にたくさんの単語を認識できているということではなく、実際にそれらの単語を正しく使用できるということを意味します。
英作文で使える語彙を身につけるには、単語を単体でやみくもに暗記するのではなく、単語と一緒使う前置詞もセットで覚えるようにするといいでしょう。
また、英語では、同じ単語やフレーズを繰り返し使うと、読み手に単調な印象を与えてしまいます。
それを避けるためには、別の言葉に置き換えるというテクニックを使うのですが、ある単語やフレーズを覚えるときに、それと同じ意味や反対の意味を持つものも関連づけて覚えると、知っている語彙が格段に増えます。
他には、英文と英文をつなぐ表現や、反対の例を述べるときに使える切り返しの表現なども覚えておくと、スムーズに文章を展開できるようになります。
文法
英文法の習得は、正しく表現をするための重要なスキルです。
間違った文法で書かれた文章は、たとえ素晴らしいアイデアを提案していたとしても、読み手には正しく伝わりませんし、悪い印象を与えてしまうかもしれません。
よって、文章の質を高めるためには、英語の文型や時制といった基礎の文法をマスターする必要があります。
正しい文法知識を増やしステップアップしていくことで、しだいにバリエーションに富んだ文章を書けるようになります。
構成
英作文において文章の構成力は重要です。一般的に英語の文章は、
- ①序論(introduction)
- ②本論(body)
- ③結論(conclusion)
という流れになっていて、この基本の型にそってパラグラフを展開します。
そうすることで、読み手に伝わりわかりやすく、説得力のある文章になるとされています。
①序論 | 序論で自分の意見を述べたり問題提起をしたりして、文章全体の一番核となる内容を記す。 |
---|---|
②本論 | 本論で主張した内容をサポートする根拠や具体例をしめす。 |
③結論 | 序論で述べた内容と本論で述べた内容を別の言葉にいい換え、まとめとして記す。 |
どんな文章でも基本ルールの型にあてはめて、順序だてて書く練習をすることが重要です。
最初は短文しか作成できなかったとしても、核となる主張に追加情報を加えることで、だんだんと理にかなった長文が書けるようになります。
英作文の上達法
英作文は、頭に浮かんだイメージを単語やフレーズに変換し、それらを文型にあてはめて正しい語順に並びかえるという作業のつみ重ねです。
状況に応じて、自分の考えを正しくスピーディに形にする必要がありますので、以下のポイントを心にとめてトレーニングすることをおすすめします。
たくさん練習する
ライティングは一朝一夕で習得できるものではありません。
さまざまなパターンの英文を書く練習を地道につみ重ねることで、上達していることをしだいに感じるようになります。
すでに語彙や文法をある程度マスターしている場合は、何度も書く練習をしましょう。
そうすることで、自分の意見を主張したり、話の展開を切り替えたりするときに使う英文独特のフレーズに馴れることができます。
一度覚えてしまうとテンプレートとして使い回しが利くので、スムーズに流れるような文章を書けるようになります。
また、いろいろな英文を読む機会を増やすことも大切です。
見本の英文に登場した「使える語彙」や、マーカーで印をつけた語彙をストックしておくと、自分が文章を書くときの参考にすることができます。
見なおしをする習慣をつける
英作文は見直しと訂正の繰り返しです。
作成したばかりの英文は思っているより間違いが多いので、書き終えたあときちんと見なおしをして訂正する癖をつけることが重要です。
どうやって見なおしをしたらいいのかわからないという場合は、以下のポイントに注意をして見なおしをしてください。
・スペルミスはないか?
・動詞の時制は適切か?
・主語が三人称単数の場合、三単現のsのつけ忘れていないか?
・使われている前置詞は適切か?
・名詞は可算名詞か不可算名詞か、または単数か複数か?
・名詞の前に冠詞の漏れはないか?
・ピリオド、コンマ、クエスチョンマークなどの漏れがないか?
・大文字と小文字の使い分けが適切か?
どれも中学生で習う基礎的な文法ルールですが、意外と見落としがちです。
ささいなことと思われるかもしれませんが、英作文では正確性が重要視されますので注意が必要です。
添削してもらう
作成した文章を誰かにチェックしてもらうことも大切です。第三者の目線で客観的に見てもらい、
- 文法はおかしくないか
- 文章に支離滅裂なところはないか
- 主張に矛盾はないか
といった点を添削してもらうことによって、自分では気がつかなかった改善点が明確になります。
「誰かに文章を見てもらうのは恥ずかしい…」と感じる人がいるかもしれませんが、他者からのフィードバックは文章のアップグレードにつながります。
スクールに通って専任講師から直接添削指導を受けたり、ネイティブスピーカーの知人に確認を依頼したりするのもいいですが、無料や格安で利用できるオンラインの添削サービスもあるので、これを利用してもいいでしょう。
おすすめのオンライン英語添削サービス
オンラインでの添削サービスは、場所や時間にしばられずに利用できる便利なサービスです。
AIによる自動添削機能、無料質問サイト、オンライン添削指導などさまざまなタイプのサービスがあります。
以下で代表的な添削サービスを紹介しますので、参考にしてみてください。
Fruitful English(フルーツフルイングリッシュ)
「Fruitful English」は、自然な英文を書く力や、文法的に正しい英語の使い方をアドバイスしてもらえる中上級者向けの学習サイトです。
海外経験が豊富な日本人講師かネイティブスピーカーの講師のどちらかを選択でき、マンツーマンで添削指導をしてくれます。
また、ビジネス英語、日常英語、受験対策など目的に応じてライティングの学習課題を選ぶことも可能です。
学習者が作成した文章のミスを指摘するだけではなく、「こういう表現のほうが自然ですよ」、「この表現だと誤解されることがありますよ」などと解説をし、文章で細かくフィードバックしてくれます。
対応デバイス | ・パソコン ・スマートフォン ・タブレット |
---|---|
費用 | チケット制 5枚:2,750円~ ※添削2回分の無料お試しサービスあり |
IDIY
「IDIY(アイディー)」は、翻訳家・通訳、教師・校正者など文章のプロフェッショナルが講師となって、低価格で添削指導してくれる添削サービスです。
仕事、試験対策、メール、趣味などさまざまな英文に対応しています。
文章の添削だけを依頼する「お手軽英語添削」と、添削と解説に加え講師に質問できる「学べる英語添削」があります。
講師が学習者の書いた英文を分析し丁寧に添削してくれるので、知りたい表現を効率的に学習することができます。
対応デバイス | ・パソコン ・スマートフォン ・タブレット |
---|---|
費用 |
■お手軽定期券(解説なし) ・ライト 50単語まで(1日1回):5,478円 100単語まで(1日1回):9,790円 200単語まで(1日1回):19,580円 ・スタンダード ■学べる定期券(解説あり) ・スタンダード |
Wordvice AI
Wordvice AIは、非英語圏のユーザー向けに設計され、自社所属の英語ネイティブの校正者による3億5000万単語以上の校正データと大規模言語モデルを活用して開発されたAIライティングツールです。
英文チェッカーを使うと、ユーザーは校正モード(Light/Standard/Intensive/Concise)や文書の種類を選択した上で、リアルタイムでニーズに応じた語彙や表現の改善が可能です。
また、校正箇所は修正理由ごとに色分けされ、フィードバックも確認できます。
さらに、パラフレーズ、要約、翻訳、剽窃チェック、AIコンテンツ検出など英語での文書作成に必要な多様な機能を備えたサービスです。
対応デバイス | パソコン/モバイル |
---|---|
費用 |
■ベーシック ・無料 ■プレミアム ・月額:1,245円~ ■チームプラン ・月額:1,245円/人~ |
HiNative
「HiNative」は、外国語学習者のためのQ&Aサイトです。世界中の英語、フランス語、日本語など15種類の言語を話す人300万人以上が利用しています。
自分が書いた英文に対し、「この表現は正しいですか?」、「〇〇はどのようなときに使いますか?」などと投稿すれば、それを見た登録ユーザーが回答してくれます。
レスポンスが早く、気軽にやり取りできるのが魅力です。
回答してくれる人すべてが英語教育のプロフェッショナルというわけではありませんが、外国語を教え合う「相互学習」の場として機能しています。
また、「HiNative Trek」という専任の講師から毎日自分の文章と英語の音声を添削してくれる有料のサービスもあります。特にビジネス英語を身に付けたい方やもっと伸ばしたい方という方におすすめです。
パソコンでの使い方 | HiNativeのホームページより質問を投稿 |
---|---|
費用 | 無料 |
アプリ対応 | iOS / Android |
Grammarly
「Grammarly」は、2009年にリリースされて以降、世界中で使われている人気の英文添削サイトです。
無料版は、英文のスペルミス、文法ミス、句読点漏れなどをAIが自動チェックしてくれて、リアルタイムでフィードバックが受けられます。間違った箇所に赤線が引かれ、修正候補が表示されます。
間違いを100%指摘してくれるわけではありませんが、日本人が間違えがちな時制や冠詞など基本的な間違いを確認できるので便利です。
また、アメリカ英語、イギリス英語、カナダ英語、オーストラリア英語の4種類の中から希望の英語を選ぶことができる機能があるので、利用範囲が広がります。
パソコンでの使い方 | Grammarlyのホームページより、Googleのブラウザchromeにダウンロードして使用 |
---|---|
費用 | 無料(一部有料機能あり) |
アプリ対応 | iOS / Android |
Ginger
「Ginger」も、世界中の多くの方が利用している人気の英文校正サイトです。
オンライン上でネイティブが使う1.5兆もの英単語を独自に解析し、その解析データに基づいて、AIが文法のミスやスペルのミスを修正してくれます。
修正が必要な言葉すべてに、緑色のアンダーラインが入り、そのアンダーラインをクリックすれば代替案となる単語が表示されます。
また、辞書機能、類語検索機能、日英・英日の翻訳機能もあるので、添削以外の用途にも利用できます。
パソコンでの使い方 | Gingerのホームページより、Googleのブラウザchromeにダウンロードして使用 |
---|---|
費用 | 無料(一部有料機能もあり) |
アプリ対応 | iOS / Android(有料) |
まとめ
本記事では、英作文の上達法と便利な添削サービスついて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
・たくさん書く練習をする
・見なおしをする習慣をつける
・第三者に添削をしてもらう
・AIによる自動添削
・外国語学習サイトに質問を投稿
・ライティング学習サイトより専任講師の添削指導を受ける
英作文の上達には、たくさん書いて自分で何度も見なおしをすることが重要ですが、第三者に添削してもらうことで改善点がより明確になります。
さまざまなタイプの英語添削サービスがありますので、今回紹介したものを参考にしていただき、ぜひこの機会に英作文の学習に取りくんでみてください。