英語の「関係代名詞のつかい方がわからなくて苦手意識がある…」、「どの関係代名詞を選んだらいいのかわからず混乱する…」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
関係代名詞とはwho、which、thatなどを用い、文と文をつないで名詞を修飾する働きをします。用法がいくつかあるため、最初は多少複雑に感じるかもしれません。
しかし、基本の語順と、修飾するほうと修飾されるほうの関係を意識することで、しだいに理解できるようになります。
関係代名詞は、日常生活やビジネスのシーンでも頻繁に用いられる便利な表現の一つです。
きちんと使いこなすことで、会話や文章での表現力が格段にアップしますので、マスターしておくことをおすすめします。
今回は、おもに中学英語で習う関係代名詞とその使いかたについて、例文と練習問題をまじえて詳しく解説します。
目次
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動画でも「関係代名詞」について解説しています。動画では例文などの英語の発音も聞けるのでぜひチェックしてみてください!
関係代名詞とは
関係代名詞は、代名詞の機能と接続詞の機能をかねそなえています。who、which、whose、などのwh語を関係代名詞として用いて、文と文をつなぐ働きをします。
そして、名詞に対して後ろから説明を加えるという後置修飾の用法もかねています。
先ずは、関係代名詞の基本の構造と種類を理解しておきましょう。
関係代名詞のつくり方
関係代名詞の文をつくるには、「名詞(先行詞)+ 関係代名詞」の型をとります。先行詞である名詞を関係代名詞以下の節が修飾し、後ろから名詞を修飾します。
例えば、以下のような2つの文章があるとします。
①This is a boy.
(こちらは少年です。)
②He speaks five languages.
(彼は五か国語を話せます。)
それぞれ文法的に間違いではないのですが、このように同じ対象について短い文が複数続くと、多少ぎこちない印象を与えてしまいます。
そこで、関係代名詞を用いることによって、二つの文を一つに結合し文章の流れをすっきりさせます。
関係代名詞の文章をつくるには、それぞれの文章から同じ人や同じものを指している名詞(代名詞)をさがすのがポイントです。
上記の例文では、文章①の「a boy(少年)」と文章②の「he(彼)」は同じ人物を指していることがわかりますので、文章②の主語heを関係代名詞「who」に置き換えます。
そして、先行詞a boyの後に関係詞節「who speaks five languages」を形成します。
そうすることで、関係詞節が先行詞であるa boyに対して説明を加え「五か国語を話せる少年」という修飾関係が生じ、文章をつなぐことができるのです。
先行詞 関係詞節
This is a boy who speaks five languages.
(こちらは五か国語を話せる少年です。)
先行詞 | 関係代名詞によって修飾される名詞 | ⇒ a boy |
---|---|---|
関係代名詞 | 代名詞 + 接続詞の機能をもつ語 | ⇒ who |
関係詞節 | 関係代名詞を含む節、先行詞を修飾する | ⇒ who speaks five languages |
関係代名詞の種類
関係代名詞の基本として、
- 主語の働きをする主格
- 目的語の働きをする目的格
- 所有の意味を表わす所有格
の3種類があり、それぞれ用いる関係代名詞が異なります。
また、関係代名詞によって修飾される先行詞が「人であるのか」、「人以外であるのか」によって用いる関係代名詞が異なります。
よって、適切な関係代名詞を用いるには、「どのような格なのか?」、「先行詞がなになのか?」を理解することが重要なポイントといえます。
格先行詞/格 | 関係代名詞 (Relative Clause) |
||
---|---|---|---|
主格 | 目的格 | 所有格 | |
人 | who(that) | whom(that) | whose |
人以外 | which(that) | which(that) |
主格と目的格の関係代名詞であるwho、whom、whichの代わりとして、thatに置き換えることもできます。
また、関係代名詞としてthatを用いる場合は、先行詞が人か人以外であるかを問わず使うことが可能です。
基本的な関係代名詞の使い方
先でも述べたように、関係代名詞の基本的なつかい方として、
- 主格
- 目的格
- 所有格
があります。つぎに、それぞれの用法をくわしく解説しますので、どの語句が先行詞で、どの関係代名詞を用いて修飾しているのかを意識しながら学習しましょう。
主格の関係代名詞
主格の関係代名詞とは、関係代名詞が関係詞節の中で主語の役目をします。先行詞が人の場合は、whoを用い、先行詞が人以外の場合は、whichを用います。
先行詞の後に主語(S)の働きをする関係代名詞を置き、動詞(V)が続きます。そして、関係詞節を形成して、先行詞を修飾します。
先行詞が人の場合
She is a clerk who works in a law firm.
(彼女は弁護士事務所で働く事務員です。)
先行詞が人以外の場合
This is a bakery which sells delicious bread.
(ここはおいしいパンを販売するパン屋です。)
先行詞 + 関係代名詞 who/which/that + 動詞…
【例文】
The woman who lives next door is very kind.
(隣に住んでいる女性は、とても親切です。)
I like movies which have happy endings.
(私はハッピーエンドの映画が好きです。)
目的格の関係代名詞
目的格の関係代名詞とは、関係代名詞が関係詞節の中で目的語の役目をします。先行詞が人の場合は、whomを用い、先行詞が人以外の場合は、whichを用います。
先行詞の後に関係代名詞を置き、主語と動詞が続きます。関係代名詞が目的語(O)の働きをし、主語(S)、動詞(V)が続いて関係詞節を形成し、先行詞を修飾します。
先行詞が人の場合
The person whom I met yesterday was a famous singer.
(私が昨日会ったその人は、有名な歌手でした。)
先行詞が人以外の場合
This is the car which Ken bought last month.
(これはケンが先月買った車です。)
先行詞 + 関係代名詞 whom/which/that + 主語 + 動詞…
【例文】
That’s the man whom I met at the conference.
(あちらは私が会議で会った男性です。)
This is the file which he is looking for.
(これは彼が探しているファイルです。)
また、目的格の場合は、関係代名詞がなくても修飾関係が成立するため、以下のように省略することも可能です。
- That’s the man I met at the conference.
- This is the file he is looking for.
所有格の関係代名詞
所有格の関係代名詞とは、「~の」と、関係代名詞が先行詞の所有をしめします。所有格では、先行詞が人でも人以外でもwhoseを用います。
先行詞の後に関係代名詞whoseを置きます。Whoseとその後の名詞が主語(S)の働きをし、動詞(V)が続きます。
I met a lady whose father is a doctor.
(私はお父さんがお医者さんをしている女性に会いました。)
⇒女性のお父さんはお医者さんであることをしめす。
I saw a house whose windows were broken.
(私は窓が壊れている家を見ました。)
⇒壊れた窓はその家の一部であることをしめす。
先行詞 + 関係代名詞 whose + 名詞 + 動詞…
【例文】
I have a friend whose sister is a pianist.
(私はお姉さんがピアニストをしている友達がいます。)
I bought a cell phone whose price was within my budget.
( 私は予算内で携帯電話を買いました。)
発展的な関係代名詞の使い方
続いて、関係代名詞の応用パターンと関係副詞についても理解しておきましょう。
関係代名詞what
whatも関係代名詞として用います。関係代名詞のwhatは、the thing(s)という先行詞を含んでいると考え、「the thing(s) which(~すること、~するもの)」を意味します。
よって、関係代名詞whatは、一般的な関係代名詞とは異なり先行詞を必要としませんので注意しましょう。
関係代名詞 what + 主語 + 動詞…
【例文】
This is what I want.
(これは私がほしいものです。)
I believe what she said.
(私は彼女がいったことを信じます。)
関係詞の非制限用法
関係代名詞の直前にコンマを置き、先行詞に対してエキストラの説明をつけ加えることを、関係詞の非制限用法といいます。
制限用法の場合(コンマなし)
The person whom I met yesterday was a famous singer.
(私が昨日会ったその人は、有名な歌手でした。)
非制限用法の場合(コンマあり)
The person, whom I met yesterday, was a famous singer.
(その人は、私は昨日会ったのだけど、有名な歌手でした。)
これまで紹介してきたコンマをともなわない関係代名詞は、制限用法とよばれます。
制限用法は、「私が昨日会った人」というように先行詞を限定・区別する働きがあったのに対し、非制限用法は、コンマ以下の内容を追加情報として述べているにすぎません。
コンマがついた関係詞節をつけ加えることで、「ところで~なんだけど」という意味合いになります。話の本筋から離れて、注釈を加えるイメージと覚えておきましょう。
先行詞 + ,関係代名詞+ 関係代名詞節…
【例文】
My oldest brother, who is a doctor, lives in the US.
(私の一番上の兄は、医師ですけど、アメリカに住んでいます。)
Tom, who is fluent in English, works as a tour guide.
(トムは、英語が得意ですけど、ツアーガイドとして働いています。)
関係副詞where/when/why/how
関係副詞は関係代名詞と同じような修飾の働きします。関係副詞は、副詞の機能と接続詞の機能をかねていて、文と文をつなぐとともに、名詞に対して後ろから説明を加えます。
場所、時、理由、方法など先行詞が表すものによって、用いる関係副詞は異なります。
以下の表に該当する単語を先行詞の後に置き、その後に主語と述語が続いて、完全な形の節を形成します。
先行詞 | 関係副詞 |
---|---|
場所 | where |
時 | when |
理由 | why |
方法 | how |
先行詞 + 関係副詞 where/when/why/how + 主語 + 動詞…
※主語+動詞…は完全な文である
【例文】
This is the university where I graduated.
(場所:これは私が卒業した大学です。)
The exact time when the accident happened is unknown.
(時:事件が起こった正確な時間は不明です。)
Honesty is the main reason why I like him.
(理由:誠実さが私が彼を好きな一番の理由です。)
This is the way how I studied English.
(方法:これが私が英語を勉強した方法です。)
関係代名詞と関係副詞は、どちらもwh語を用い後ろから先行詞を修飾する文型をとるため混乱しがちですが、見わけるにはコツがあります。
関係詞の後に続く節が完全な文であれば関係副詞で、主語や目的語が抜けた不完全な文であるなら、それは関係代名詞です。このように後に続く節が完全か不完全かで見わけることができます。
練習問題
以下に、練習問題を出しておきます。それぞれの英文は、繰り返し声に出して読んでください。英語のリズムに慣れることで、関係代名詞と関係副詞の構造をつかむことができます。
基礎問題
日本語と同じ意味になるように( )内に適切な関係代名詞を入れてください。
問題1:I have a friend ( ) is good at cooking.
(私は、料理が得意な友達がいます。)
who/that
問題2:In this museum, there are paintings ( ) were created by famous artists.
(この美術館には、有名な画家によって制作された絵があります。)
which/that
問題3:This is a book ( ) Bob recommends.
(これは、ボブがすすめする本です。)
which/that
問題4:She’s the woman ( ) I met at the party last night.
(彼女は、昨晩パーティで会った女性です)
whom/that
問題5:He talked about a novel ( ) content was difficult to understand.
(彼は、難しい内容の小説について話しました。)
whose
問題6:The boy ( ) shoes are yellow is my brother.
(黄色の靴をはいている少年は、私の弟です)
whose
問題7:I can’t believe ( ) he said to you.
(私は、彼があなたに言ったことが信じられません。)
what
問題8:London is the city ( ) John was born.
(ロンドンはジョンが生まれた街です。)
where
問題9:I remember the day ( ) I met her for the first time.
(私は彼女にはじめて会った日を覚えています。)
when
問題10:Mr. Smith, ( ) is 65, retired last month.
(スミスさんは、65歳で、先月退職をしました。)
who
応用問題
日本語と同じ意味になるように、( )内の単語を並びかえてください。
問題1:(who, the guitar, plays, my, is, sister, the woman).
(ギターを弾いているその女性は、私の姉です。)
The woman who plays the guitar is my sister.
問題2:(a book, I, which, bought, was I, interested in.).
(私は、興味があった本を買いました。)
I bought a book that I was interested in.
問題3:(a famous dancer, a friend, I, whose, have, is, brother).
(私は、お兄さんが有名なダンサーだという友達がいます。)
I have a friend whose brother is a famous dancer.
問題4:(to, is, this, do, what, wanted, I).
(これは私がしたかったことです)
This is what I wanted to do.
問題5:(why, successful, is, this, the main reason, he, was).
(これは彼が成功した主な理由です。)
This is the main reason why he was successful.
問題6:(I, where, I, her, the place, remember, met).
(私は、彼女に会った場所を覚えています。)
I remember the place where I met her.
問題7:(is, the day, today, when, his lecture, Mr. Smith, gives).
(今日が、スミスさんが講演をするその日です。)
Today is the day when Mr. Smith gives his lecture.
問題8:(the way, is, how, learned, she, to cook, this).
(これが、彼女が料理を学んだ方法です。)
This is the way how she learned to cook.
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まとめ
本記事では、関係代名詞について例文とともに解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
特徴:関係代名詞は、2つの文章をつなぐときや、なにかについての詳細な情報を加えたいときに使う。
それぞれの文の中から、同じ人もしくは同じものを見つける。
②片方を適切な関係代名詞に変換する。
③関係代名詞が先行詞の後ろにくるように配置し、その後に文をつなげる。
主格:先行詞 + 関係代名詞 who/which/that + 動詞…
目的格:先行詞 + 関係代名詞 whom/which/that + 主語 + 動詞…
所有格::先行詞 + 関係代名詞 whose + 名詞 + 動詞…
関係代名詞を用いて先行詞を修飾することで、シンプルな文章にさまざまな情報を盛り込むことがでます。
どの名詞が先行詞か、そして関係代名詞を用いてどのような働きをしているのかを意識することで、しだいにその修飾関係が識別できるようになります。
いろいろな例文にふれて少しずつ練習すれば表現の幅が広がり、複雑な文章も理解できるようになります。ぜひこの機会に練習をしてマスターしてください。