
英語でのコミュニケーションに自信がなくても、翻訳アプリを活用すれば言葉のハードルを大きく下げることができます。
近年のAI技術の進歩により、今では無料アプリでも高度な翻訳が可能です。
この記事では、英会話に役立つ最新の翻訳アプリと翻訳デバイスをジャンル別に紹介するとともに、その選び方やシーン別の活用方法などを紹介します。
英会話で使える翻訳アプリとは?

翻訳アプリとは、ある言語で音声やテキストなどを入力すると、即座に別の言語に翻訳してくれるアプリのことです。
翻訳アプリには、おもに下記3つの機能があります。
- テキスト翻訳
- 音声翻訳
- カメラ翻訳
テキスト翻訳
テキスト翻訳は翻訳アプリの基本となる機能で、スマホやタブレットの画面に表示される入力欄に、キーボードを使って単語、フレーズ、文章などを入力すると、その内容が別の言語に翻訳されるというものです。
たとえば、英会話の途中で「この単語の意味がわからない」と思ったときは、その単語を入力欄に打ち込むだけで、すぐに日本語訳が表示されます。また、英語から日本語だけでなく、日本語を打ち込んでも即座に英語に翻訳されて表示されるという機能です。
音声翻訳
音声翻訳とは、スマホのマイクに向かって話しかけるだけで、その声を自動で認識し、他の言語にリアルタイムで翻訳する機能です。
翻訳結果は画面上に文字として表示されるだけでなく、多くのアプリでは機械音声による読み上げ機能も備わっています。
日本語で話した内容を自然な英語の音声で伝えられるため、海外旅行や出張などの場面でも活用しやすいです。
カメラ翻訳
カメラ翻訳とは、スマホのカメラを翻訳したいテキストにかざすだけで、その内容を読み取って即座に他言語に置き換えて表示してくれる機能です。
看板やメニュー、パンフレット、掲示物、パソコンや書類など何でもカメラをかざすだけで翻訳できるので、たとえば、海外でレストランのメニューや交通標識の意味を知りたいときなどに便利です。
英会話での翻訳アプリの活用シーン

翻訳アプリは、「英語が聞き取れない」「言いたいことを英語でどう表現すればいいかわからない」といった場面で心強い味方になります。ここでは、具体的なシーンごとに翻訳アプリの活用例を紹介します。
英語学習や英会話レッスンで
英語を勉強していると、聞き取れないフレーズに出会ったり、「この単語の意味がわからない」と感じたりすることは少なくありません。そんなとき、翻訳アプリが手元にあると、その場ですぐに疑問を解決できます。
たとえば、リスニング教材や英会話のレッスン中にわからない言葉が出てきた場合、翻訳アプリにその単語やフレーズを入力するだけで、日本語訳が瞬時に表示されます。
読み上げ機能もあるので、正しい発音を確認するのも容易です。また、レッスン中に自分の英語がうまく伝わらなかったときに、日本語で伝えたい内容をアプリに話しかけると、その場で適切な英訳が表示されます。
英語学習や英会話レッスンでは、わからない単語やフレーズが出てくるたびに立ち止まってしまうと、学習や会話の流れが途切れ、リズムや集中力が失われやすくなります。
つまずくたびに辞書を引いたり解説を探したりしているようでは、英語を話したいという意欲も削がれやすいものです。
翻訳アプリを使えば、その場ですぐに意味を調べたり適切な言い回しを確認できるため、学習や会話の流れを途切れさせることなく、英語を使う時間を最大化できます。
実際に自分で英語を使う回数を増やし、アウトプットの練習量を確保できるという点で非常に有益です。
アプリ1つで英語学習が完結するアプリは英会話アプリおすすめ人気ランキングで紹介しているので気になる方はチェックしてみてください。
旅行や出張で
海外旅行や海外出張では、英語でのやりとりが必要な場面が頻繁にあります。
たとえば、空港の入国審査で質問内容が聞き取れずに戸惑ってしまうことは珍しくありません。そのようなとき、翻訳アプリのマイク機能を使えば、相手の英語をその場で日本語に訳すことができます。
レストランでの注文も同様です。スマホのカメラで現地語のメニューを写せば、料理名や食材の意味が瞬時に表示されるため、どんな料理かわからないので選べないという心配も軽減されるでしょう。
ホテルのチェックインやショッピングの際などでは、相手の早口や独特な表現が理解できないことがあります。そんなときもアプリの音声認識を利用するだけで、すぐに日本語に翻訳してくれます。
逆に、自分の言いたいことが英語でうまく表現できない場合も、言いたいことを日本語で入力すれば、自然な英語に即座に変換してくれます。自分の発音に自信がないとしても、相手に画面を見せたり、音声を再生したりすれば、意思疎通がスムーズに進むでしょう。
翻訳アプリがあれば、「英語が苦手だから」と消極的になる必要はありません。新しい場所や初めての体験でも、自信を持って行動できるようになります。
また、海外旅行で使うフレーズなどを学べるアプリは海外で役立つ旅行英会話アプリで紹介していますで合わせて確認してみてください。
ビジネス・会議・リモートワークで活用
ビジネスやリモートワークの現場でも、翻訳アプリはコミュニケーションの強い味方になります。
たとえば、海外の取引先とのオンライン会議で英語の発言内容が聞き取れなかったときなどです。会議中にリアルタイムで字幕や翻訳を表示できるので、その場の流れを止めずに内容を理解できます。
また、会議後に議事録をまとめる際などにも翻訳アプリは有用です。最近では、「Notta」や「UDトーク」のように、音声をテキスト化したうえで、その内容を多言語に翻訳できる機能を持つアプリも増えつつあります。
ビジネス英語を学べるアプリはビジネス英語の上達に役立つおすすめの英会話アプリで紹介しているので気になる方はぜひチェックしてみてください。
英会話に使える翻訳アプリの選び方

数ある翻訳アプリの中から、自分に合ったものを選ぶ際に押さえておきたいポイントを紹介します。
無料で使えるアプリから始める
まずは無料で試せるアプリから始めるのがおすすめです。
現在リリースされている個人向けの主要な翻訳アプリは、基本機能が無料で使えます。もちろん有料版の方が高度な機能が制限なしに使えるなどの利点がありますが、いきなりお金を払う必要はありません。
最初はいくつか無料で使ってみて、翻訳の精度や使い勝手を比べてみましょう。
使ってみると、「自分にはこのアプリが見やすい」「音声入力の反応が良い」など好みがわかってきます。無料版で物足りなくなったら、そこで初めて有料プランへの加入を検討すればよいでしょう。
自分が使いたい機能で選ぶ
翻訳アプリと一口に言っても、それぞれに異なる特徴や得意な機能があります。自分はどんな場面で翻訳アプリが必要なのかを考え、その用途に最適なものを選びましょう。
たとえば、外国人と直接会話したいのであれば、音声翻訳の精度や、1台のスマホを2人で使える「会話モード」の有無がポイントです。
会話モードとは、1台のスマホに交互に話しかけるだけで、自動的にそれぞれの言語に訳して画面表示・音声読み上げをしてくれる機能で、「Microsoft翻訳」などに搭載されています。
グループ会話にも対応したアプリなら、旅行先で複数人が同時にやり取りする場面でも便利です。
一方、「英語の記事やメールをじっくり読解したい」「自分の英文をより自然に直したい」といった場合は、テキスト翻訳に特化した「DeepL翻訳」ようなアプリが役立ちます。長文や微妙なニュアンスの和訳も自然なので、英文読解やライティングのサポートにおすすめです。
また、渡航先で目にする看板やメニューを即座に訳したい場合は、カメラ翻訳の性能が高いアプリがよいでしょう。
たとえば「Google翻訳」や「Papago」なら、スマホのカメラをかざすだけでその場で訳文が表示されるため、文字入力の手間もかかりません。
このように、「自分はどんな場面で困りそうか」「どんな機能があれば不安が解消できるか」をイメージしながら、それぞれの強みを持つアプリを選びましょう。
オフライン対応や対応言語もチェック
英会話用として翻訳アプリを使う場合でも、利用シーンによっては「オフラインで使えるか」「どの言語まで対応しているか」も大事なチェックポイントです。
たとえば、海外旅行や出張で現地SIMが使えない場合、Wi-Fiがつながりにくい場合などでは、オフラインにも対応した翻訳アプリなら、事前に言語パックをダウンロードしておくだけで現地でも安心して使えます。
「Google翻訳」、「Microsoft翻訳」、「Papago」などはオフライン機能に対応しており、さまざまな言語の翻訳に利用できます。
ただし、オフライン時はオンライン翻訳よりも訳文の精度が落ちる場合があるため、重要な内容はネット接続時に確認する方が安心です。
もし、英語だけでなく韓国語や中国語など他の言語も必要になるなら、対応言語数もしっかり確認しておきましょう。
「Google翻訳」のように100言語以上に対応するアプリもあれば、「DeepL翻訳」のように精度を重視して主要言語に特化しているもの、「Papago」のようにアジア言語に強いものなどさまざまです。
公式サイトやストアの説明欄で事前にチェックしてください。
スマホとの相性に注意
翻訳アプリを選ぶときは、自分のスマホで問題なく使えるかも必ず確認しておきましょう。多くのアプリはiPhoneとAndroidの両方に対応していますが、なかにはiOS専用やAndroid専用のアプリもあります。
また、OSのバージョンが古い場合、最新のアプリがインストールできなかったり、一部機能が使えなかったりすることもあります。特に音声認識やARカメラ翻訳などの高機能は、端末の性能が不足していると動作が遅くなるだけでなく、翻訳精度が下がる原因です。
加えて、音声翻訳を多用するなら、マイクの感度やノイズの入りにくさも重要です。スマホ本体のマイクの認識精度に不安がある場合は、イヤホンマイクや外付けマイクを検討しましょう。音質が改善することもあります。
このように、せっかくの便利な翻訳アプリでも、自分のスマホや環境に合っていなければ本来の力を発揮できません。アプリを選ぶ際には、対応OSや必要なスペック、マイクの性能なども併せて確認しておいてください。
【シーン別・特徴別】英会話におすすめの翻訳アプリ28選

ここからは、英会話に役立つおすすめの翻訳アプリを利用シーンや特徴別に紹介します。それぞれのアプリの強みやおすすめポイントに触れつつ、2025年7月時点でサービスが提供されている最新のものを中心にピックアップしました。
日常英会話・学習におすすめのアプリ
まず、日常的な英会話や英語学習に役立つ定番アプリから見ていきましょう。
アプリ名 | 特徴 | 言語数 | 音声翻訳 | カメラ翻訳 | オフライン | 無料/有料 | 対応OS |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Google翻訳 | ・多機能 ・全方位に対応 | 220 | ○ | ○ | ○ | 完全無料 | ・iOS ・Android |
DeepL翻訳 | ・自然な訳文 ・長文に強い | 36 | × | × | △ (有料) | 基本無料 | ・iOS ・Android |
Microsoft翻訳 | ・会話モード ・グループ翻訳 | 70以上 | ○ | ○ | ○ | 完全無料 | ・iOS ・Android |
Papago | ・韓国語 ・アジア言語に強い | 14 | ○ | ○ | ○ | 基本無料 | ・iOS ・Android |
今すぐ翻訳 (Translate Now) | ・110超の言語に対応 ・Apple端末限定 | 110以上 | △ | × | △(一部) | 基本無料 | iOS |
SayHi翻訳 | ・完全無料 ・高精度音声認識 | 50以上 | ○ | × | × | 完全無料 | ・iOS ・Android |
VoiceTra | ・日本開発 ・音声認識が得意 | 31 | ○ | × | × | 完全無料 | ・iOS ・Android |
翻訳 | ・iOS標準 ・シンプル | 19 | ○ | × | ○ | 完全無料 | iOS |
UDictionary | ・辞書 ・学習機能 ・多機能 | 108(テキスト翻訳) | ○ | ○ | × | 基本無料 | ・iOS ・Android |
iTranslate Voice | ・音声会話特化 | 40以上 | ◎ | × | × | 有料 | ・iOS ・Android |
音声&翻訳-翻訳機 | ・音声対応 ・テキスト対応 ・iOS専用 | 117 | ○ | × | × | 基本無料 | iOS |
TranslateLess | ・Android向け ・シンプル | 60以上 | ○ | ○ | × | 基本無料 | Android |
スキャナ& 翻訳 | 画像から翻訳 | 約50 | × | ◎ | × | 基本無料 | ・iOS ・Android |
Google翻訳
「Google翻訳」は言わずと知れた翻訳アプリの代表的存在で、テキスト・音声・カメラなどオールマイティーに使えます。対応言語は現在世界最多クラスの220言語以上にのぼり、翻訳の手軽さと速さではトップクラスです。カメラをかざすだけで画面上にリアルタイムで翻訳を表示する機能もあり、メニューや看板などの翻訳にも重宝します。
DeepL翻訳
「DeepL翻訳」は近年急速に評価を高めているサービスで、特に翻訳結果の自然さに定評があります。ニューラルネットワークAIによる高度なテキスト翻訳エンジンのおかげで、長文や複雑な表現でも違和感のない滑らかな訳文を出力可能です。対応言語は36とGoogle翻訳と比べると多くはありませんが、主要言語はカバーしており、英和翻訳の品質の高さに定評があります。
Microsoft翻訳
「Microsoft翻訳(Microsoft Translator)」も無料アプリで、こちらは会話モードが充実しています。1台のスマホを2人で共有する対面会話モードや、複数のデバイスをQRコードで接続してグループ会話できるモードがあり、留学生同士の会話や語学練習などに活用されています。またテキスト翻訳や音声読み上げもしっかり対応しており、オフラインで使える言語パックも豊富です。
Papago(パパゴ)
「Papago(パパゴ)」は韓国のNAVER社が提供するアプリで、英語はもちろん韓国語・中国語(簡/繁)・スペイン語・フランス語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語・ロシア語・ドイツ語・イタリア語・アラビア語に対応しています。特に日韓・日中翻訳の自然さで評価が高いです。また、音声対話やカメラ翻訳にも対応しています。
上記アプリは基本無料で多機能なので、インストールして損はないでしょう。上記以外にも、日常会話や英語学習の助けになる良質な翻訳アプリは数多くあります。
今すぐ翻訳(Translate Now)
「今すぐ翻訳(Translate Now)」は、110以上の言語に対応したテキスト翻訳アプリです。iPhone、iPad、Apple Watchで利用でき、入力した文章の翻訳やフレーズ保存などの基本機能を備えています。なお、無料版には利用制限や広告表示があり、全機能を使うには有料サブスクリプションの契約が必要です。また、Androidでは使用できません。
SayHi翻訳
「SayHi翻訳」はAmazon傘下の完全無料アプリで、広告表示や課金なしで全機能が使えます。シンプルなインターフェースながら音声の認識精度が高く、選択した2言語間の会話をリアルタイムに音声で読み上げてくれるため、対面でのちょっとした会話に便利です。
VoiceTra(ボイストラ)
日本の国立研究開発法人NICTが提供する「VoiceTra(ボイストラ)」も覚えておきたいアプリです。無料ながら31の言語に対応し、音声入力した内容を即座に他言語へ翻訳・音声出力してくれます。強みは音声認識の精度の高さで、多少カタコトの発音でもしっかり認識して翻訳してくれるので、発音に自信がない人でも使いやすいでしょう。
翻訳
iPhoneユーザーであれば、Apple純正の「翻訳」アプリも要チェックです。これはiOS14から搭載された翻訳アプリで、シンプルなUIで使いやすく、英語・日本語を含む19言語の音声・テキスト翻訳に対応しています。オフラインモードにも対応しているため、ネットが使えない状況でも利用可能です。
UDictionary
「UDictionary」は辞書機能と翻訳を融合させたようなアプリで、単語の詳細な意味や用例も調べつつ翻訳できます。2025年7月時点の対応言語は、テキスト翻訳が108、カメラ翻訳が93言語、音声翻訳が33言語と豊富です。英語学習者に嬉しい単語帳機能やクイズなどの機能もあります。
iTranslate Voice
「iTranslate Voice」は、音声会話に特化した翻訳アプリで、40以上の言語で音声チャット形式の翻訳が可能です。話しかけるだけで双方の言語にリアルタイムで翻訳してくれます。ただし、このアプリを利用するには有料のサブスクリプション契約が必要です。なお、このアプリは仕様やストアでの提供状況が頻繁に変わっているため、利用前には必ずApp StoreやGoogle Playで最新情報を確認してください。
音声&翻訳–翻訳機
イタリアのMosaic S.r.l.が開発した「音声&翻訳–翻訳機」も、音声とテキストの両方に対応した便利なアプリです。iPhone・iPad専用で、100以上の言語をテキスト翻訳でき、そのうち数十言語は音声の読み上げにも対応しています。UIが洗練されており直感的に操作できるのが魅力です。
TranslateLess
Androidユーザーには、「TranslateLess」というシンプルな翻訳アプリがあります。60言語以上に対応し、テキスト入力や音声入力、カメラ撮影からの翻訳など基本的な機能を備えています。
スキャナ&翻訳
看板や書類などの画像内のテキストを翻訳したい場合には、「スキャナ&翻訳」が便利です。カメラで撮影した画像から文字を読み取って翻訳してくれるもので、対応言語も50前後と豊富です。旅行先でメニューを読んだり、英語の書類を理解したりする際に活躍します。
ビジネス・会議向けアプリ
ビジネスやオンライン会議の場面でも、翻訳アプリやサービスは今や欠かせない存在です。ここでは、Web会議ソフト自体に最初から翻訳機能がついているもの(内蔵型)、Web会議とは別に専用のアプリやサービスを組み合わせて使うもの(独立型)、さらに、その両方の特徴をあわせ持つハイブリッド型を紹介します。
サービス名 | 特徴 | 対応言語数 | タイプ |
---|---|---|---|
Zoom | ・AI字幕翻訳 ・字幕表示 | 35言語以上 | 内蔵型 |
Microsoft Teams | ・AI同時通訳9言語 ・字幕翻訳多数 | ・音声通訳9 ・字幕約50~100言語 | 内蔵型 |
V-Cube | ・最大52言語のリアルタイム翻訳字幕 | 最大52言語 | 内蔵型 |
Webex Meetings | ・100言語以上のAI字幕翻訳 ・同時通訳 | 100言語以上 | 内蔵型 |
VoicePing | ・音声翻訳 ・AI要約 ・Zoom/Teams連携 | 45言語 | 独立型 |
Notta | ・音声認識 ・翻訳 ・リアルタイム字幕 | ・音声認識58言語 ・翻訳42言語 | 独立型 |
Happy Scribe | ・録音音声 ・動画の文字起こし/翻訳 | 125言語以上 | 独立型 |
Minutz | ・AI議事録作成 ・同時多言語翻訳 ・共有 | 30言語以上 | 独立型 |
ZMEETING | ・会議中リアルタイム文字起こし ・多言語翻訳 | ・日本語・英語 ・中国語・韓国語 ・ベトナム語・タイ語 ・ドイツ語 | 独立型 |
DeepL Voice | ・30言語以上の音声翻訳チャット | 30言語以上 | 独立型 |
ドコツーAI | ・遠隔多言語同時通訳サービス | 30言語以上 | 独立型 |
UDトーク | ・スマホ一台で音声認識 ・文字化 ・多言語翻訳 | 31言語 | 独立型 |
リアルタイム 翻訳ツール | ・Teams公式アプリ ・3言語同時字幕 ・専門用語辞書対応 | 131言語(翻訳) | ハイブリッド型 |
Zoom
Web会議サービスの定番である「Zoom」には、話した内容をAIがリアルタイムで翻訳し、字幕として画面に表示する機能があります。ただし、この機能は無料プランでは使えず、有料のビジネスプランや追加オプションが必要です。2025年7月時点で35言語以上の翻訳に対応しています。
Microsoft Teams
「Microsoft Teams」にも、会議中に自動で文字起こしや翻訳字幕を表示する機能があります。これらは有料の「Premium」やAI付き上位プランで利用できる機能で、9言語でのAI音声同時通訳ができるほか、多数の言語での字幕翻訳に対応しています。
V-Cube
日本発のWeb会議サービス「V-Cube」では、日本語・英語・中国語など最大52言語をリアルタイムに翻訳字幕表示できます。参加者が各自で表示言語を選択できるのが特徴です。シンプルな操作性も評価されています。
Webex Meetings
Ciscoが提供する「Webex Meetings」も、2022年以降AI同時通訳機能を実装しており、主要な会議ツールの中でもリアルタイム翻訳・字幕機能の進化が進んでいます。2025年現在、100以上の言語でリアルタイム字幕や通訳が可能です。
これら内蔵型のメリットは、別途ソフトを用意せずワンクリックで翻訳字幕を表示できる手軽さにあります。ただし、プランによって利用可能な機能や対応言語に制限がある場合も多く、ご利用前には必ず契約内容を確認してください。
会議ソフト自体に翻訳機能がない場合や、もっと多機能に使いたい場合は、専用の翻訳サービスを追加して使う方法があります。
VoicePing
「VoicePing」は、パソコンやスマホで利用できるビジネス向けの翻訳アプリです。45言語の音声翻訳に加え、すべての翻訳記録を保存し、AIによる要約機能まで備えています。ZoomやTeamsと連携できるデスクトップ版もあり、ウェビナーや国際会議で発言内容を逐次翻訳・要約して共有するといった使い方が可能です。
Notta
「Notta」は会議の音声をリアルタイムで文字起こし・翻訳するツールで、2025年7月時点で音声認識は58言語、翻訳は42言語に対応しています。会議の音声をNottaに入力するだけで、リアルタイムの字幕表示と多言語翻訳が可能です。また、ZoomやTeamsの画面を共有しながらNottaを使うことで、議事録も自動で作成できます。
Happy Scribe
「Happy Scribe」は、録音した会議の音声や動画を後から高精度に文字起こし・翻訳するサービスです。125言語以上に対応しており、字幕作成や研究用途でも活用できます(有料プランのみ)。
Minutz
「Minutz」は日本のクラウド型AI議事録作成サービスです。Web会議の内容を自動で文字起こしし、複数言語に同時翻訳して議事録を作成できます。各参加者が好きな言語で議事録を受け取れるため、グローバル会議後の情報共有に最適です。
ZMEETING
「ZMEETING」も日本発の多言語対応Web会議クラウドサービスで、会議の進行中からAIが自動で文字起こしと多言語翻訳を実施します。参加者はそれぞれ自分の得意な言語で会議内容をリアルタイムに確認できるため、多国籍メンバー間でも円滑なコミュニケーションが可能です。会議後は多言語で議事録の共有も行えます。
DeepL Voice
「DeepL Voice」は、2025年から提供が始まったリアルタイム音声翻訳サービスです。DeepLのWeb上で会議ルームを作り、30言語以上のリアルタイム翻訳チャットができます。DeepLらしい自然な訳文が強みです。
ドコツーAI
「ドコツーAI」は、日本のスタートアップ企業が提供する遠隔同時通訳サービスです。ホストが話した内容を複数の言語に同時通訳し、各参加者にリアルタイム配信します。インターネットさえあれば専用の機器は必要なく、自治体や医療現場などで利用が広がっています。
UDトーク
「UDトーク」は、聴覚障害者向けのコミュニケーション支援アプリです。スマホ一台で会話を自動で文字化・翻訳することができます。オンライン・オフライン問わず利用できる点が特徴です。
リアルタイム翻訳ツール
このほか、内蔵型の手軽さを持ち、独立型としても使えるハイブリッド型のツールとして、「リアルタイム翻訳ツール」があります。会議画面内に最大3言語の同時字幕を表示できるだけでなく、別のデバイスやWebブラウザからも翻訳内容を共有できます。医療や製造分野などの専門用語も正確に訳し、プレゼン資料への字幕表示や参加者ごとに言語切り替えができるなど、ビジネスシーンで役立つ機能が豊富です。
端末型翻訳機
端末型翻訳機とは、翻訳機能のみに特化して設計された専用の携帯型デバイスのことです。
スマホやタブレットにインストールするアプリとは異なり、本体そのものが翻訳専用のハードウェアとなっているため、操作がシンプルで直感的に扱えるという特徴があります。
「ポケトーク(POCKETALK)」は、ポケトーク株式会社が提供する携帯型翻訳機です。
91の言語で双方向翻訳に対応しており、ボタンを押して話しかけるだけでリアルタイムの音声翻訳ができます。
専用のマイクとスピーカーを備え、騒がしい場所でもクリアな音声で通訳できるほか、カメラでメニューや看板などの文字を読み取って翻訳する機能も利用できます。
操作がシンプルなので、機械が苦手な方やシニア層にもおすすめです。
「Langogo Genesis(ランゴーゴージェネシス)」は、クラウド上の24種類のAI翻訳エンジンを活用し、104言語の音声翻訳に対応する中国発の携帯型翻訳機です。
ボタンを押して話すだけで現地の言語をその場で自分の言語に翻訳できるため、海外旅行や長期出張にも安心して使えます。また、内蔵eSIMによって60か国以上で通信ができ、翻訳機としてだけでなく、現地でWi-Fiルーターとしても使えます。
英会話で翻訳アプリを使いこなすコツ

翻訳アプリは英会話にとても便利なツールですが、使いこなすにはコツがいります。
また、ただ頼るだけでは自分の英語力の向上を妨げかねません。ここでは、翻訳アプリの使い方と、アプリを使って英会話力を伸ばすポイントをお伝えします。
状況に応じて複数のアプリを使い分ける
1つのアプリだけで何でも対応しようとすると、翻訳の精度が足りなかったり、使い勝手が悪かったりして困ることがあります。
たとえば、「Google翻訳」のカメラ翻訳はメニューや看板の文字を翻訳するのに便利ですが、複数人でリアルタイムに会話したい場合や、やりとりが速く続く場面では、「SayHi翻訳」や「VoiceTra」などの会話型のアプリの方がスムーズです。
複数の翻訳アプリをあらかじめスマホにインストールしておき、自分の使いやすいものを状況に応じて使い分けることで、さまざまなシーンでよりスムーズなコミュニケーションができるでしょう。
アプリに頼りすぎず、まず自分の言葉で伝える
翻訳アプリに頼りすぎると、自分で考えて英語を話す機会が減り、実際に英語を使える力がなかなか身につきません。英語力を伸ばすには、アプリに頼る前に自分の知っている単語や表現で伝えようと工夫することです。
そのうえで、翻訳アプリを答え合わせや補助として活用するのがおすすめです。
たとえば、英会話の練習では「DeepL翻訳」や「Google翻訳」を使い、自分で英語の文章を作った後、その英文が自然かどうかをアプリでチェックします。特に「DeepL翻訳」は自然な言い回しに強いので、細かな表現のニュアンスまで確認できます。
また、会話練習のときには「VoiceTra」や「SayHi翻訳」の音声入力機能が便利です。自分が発音した英語がどのように認識されているかをリアルタイムで確認できます。
発音がうまく認識されない場合は、認識されるように繰り返し練習することで、リスニングとスピーキングの力を同時に鍛えることが可能です。
会議や旅行など重要な場面では専用機器を併用
大切なビジネス会議や海外出張、現地でのコミュニケーションなど、絶対に失敗したくない場面では、翻訳の速さや精度、セキュリティまで考えて専用ツールを併用するのがおすすめです。
たとえば、ビジネス会議では「Notta」や「DeepL Voice」など、高精度な議事録作成やリアルタイム翻訳が可能な専用サービスがよいでしょう。専門用語の多い場面でも正確に内容を伝えることができます。
現地で対面の商談や打ち合わせをする場合には、「ポケトーク」のような携帯型翻訳機を準備しておくと安心です。
スマホを相手に渡すのは抵抗がある場合でも、小型の翻訳端末ならその場で一緒に使いやすいため、取引先との信頼関係づくりにも役立ちます。
英会話におすすめの翻訳アプリについてよくある疑問

最後に、翻訳アプリに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 翻訳アプリを使いすぎると英語力が伸びない?
- 翻訳アプリは英語学習の強力なサポートになりますが、ただ画面を見ているだけでは英語力はなかなか伸びません。ただ「読んで終わり」にせず、出てきたフレーズを実際に自分でも声に出してみたり、繰り返し練習したりすることが大切です。
たとえば、気になった表現はメモして、次回からはアプリなしで使ってみるなど、自分の英語力としてアウトプットする機会を増やしましょう。また、「VoiceTra」や「SayHi翻訳」は、自分の発音がアプリで正しく認識されるかを客観的に確認できるため、発音練習や発音矯正に役立ちます。
- 無料アプリと有料アプリの違いって?
- 無料の翻訳アプリでも、テキスト翻訳や音声翻訳などの基本的な機能は十分に使うことができます。多くのユーザーにとって、日常会話で利用する分には、無料版だけでも大きな不便はありません。
一方、有料プランや有料アプリには次のような違いがあります。たとえば、広告が非表示にできたり、一度に翻訳できる文字数や回数に制限がなくなったりします。また、「より高精度な翻訳エンジンが使える」、「会議システムとの自動連携ができる」、「ビジネスメールや専門用語の翻訳に特化した機能が追加される」など、ビジネス用途やヘビーユーザー向けのメリットも多いです。
ちょっとした翻訳なら無料版でも十分ですが、仕事で大量の翻訳をしたい場合や、会議でのリアルタイム翻訳が必要な場合は、有料プランへのアップグレードを検討する必要があります。
- 発音や会話の自然さはどのくらい?
- 最近の翻訳アプリは、以前と比べて自然な日本語や英語を生成できるようになっており、「DeepL翻訳」や「Papago」、「Google翻訳」などは日常会話や一般的なビジネスメールの翻訳には十分な精度を持っています。ただし、まだ微妙なニュアンスまで正確に翻訳することは難しいです。
音声の読み上げも以前より流暢になっていますが、感情や細かいイントネーションまで完全に再現できるわけではありません。特に会議や契約書、重要なプレゼン資料など、翻訳の正確さが求められる場面では、アプリの訳を鵜呑みにせず、必ず自分でも内容を確認することをおすすめします。
英会話におすすめの翻訳アプリのまとめ
翻訳アプリを上手に活用すれば、日常会話から旅行、ビジネスまで、英語でのコミュニケーションの幅が確実に広がります。今は無料でも高性能なアプリがそろっており、目的やシーンに合わせて自分に合ったツールを選ぶだけで、これまでよりずっと気軽に英語でやりとりできるようになるでしょう。
ただし、どんなに翻訳技術が進化しても、いつもアプリに頼り切りでは英語力の向上は期待できません。アプリを使う際は、「こういうときは、英語でどう言えばいいんだろう?」「自分の伝え方のどこが通じにくかったんだろう?」などと考えながら、自分自身の英語力を高めていく意識も忘れないようにしてください。