「問題」を表す英単語issue, problem, matter, troubleの違いを徹底解説

「問題」を表す英単語issue, problem, matter, troubleの違いを徹底解説

英語には似たような意味を持つ単語がたくさんあります。例えば「問題」を表すissue、problem、matter、trouble、などは「どれを使えばいいのかわからない…」と英語学習をしていて戸惑う人は少なくはありません。

「問題」と一言でいっても日常生活やビジネス上での解決するべき課題であったり、批判・論争・研究などの対象となる事柄であったりさまざまです。

今回はissue、problem、matter、troubleのそれぞれのニュアンスの違いと具体的な使い方について、例文もまじえて解説しています。

それぞれの意味と例文

それぞれの意味と例文

issue、problem、matter、troubleは、英文や英会話の中でよく使われます。多少のニュアンスの違いはあってもそれぞれの意味は「問題」とシンプルに考えることで、その文章の大筋は読み解けますし、会話での意思疎通においても大きな食い違いはないでしょう。

しかし、状況によっては問題のもつ性質の違いにより使い分けたほうがいい状況があります。また、問題とは別の意味をしめす場合もあります。

まずは、目安として、それぞれの英単語の持つおもな意味と例文を紹介します。

issue

issueは、名詞と動詞として使われます。

発音 /ˈɪˌʃuː/
名詞 (人々が考え話している)問題やテーマ、論点、悩み

【例文】

She is interested in environmental issues.
(彼女は環境問題に関心を寄せています。)

The President’s speech addressed many important issues.
(大統領の演説では、多くの重要な問題が取り上げられました。)

We talked about recent issues in class.
(私たちは授業で昨今の問題について話しました。)

発行物、(定期刊行物の)号

【例文】

This is the latest issue of the magazine.
(この雑誌は最新号です。)

An article on baseball will feature in the next issue.
(野球の記事は次号で特集します。)

動詞 発行する、(公式なものを)出す、出版する

【例文】

The permit will be issued tomorrow.
(明日許可証が発行されます。)

The mayor issued an urgent statement.
(市長は緊急の声明を出しました。)

problem

problemは名詞と形容詞として使われます。

発音 /ˈprɒb.ləm/
名詞 (注意を必要とし、対処または解決する必要がある)問題、課題

【例文】

There is a problem with the internet speed.
(インターネットの速度に問題があります。)

This is not only your problem.
(これはあなただけの問題ではありません。)

I’m having problems with my computer.
(私のパソコンの調子が悪いです。)

形容詞 (人や性格などが)問題のある、扱いにくい

【例文】

He was a problem child.
(彼は問題児でした。)

One in five people are problem drinkers.
(5人に1人が問題飲酒者です。)

matter

matterは、名詞と動詞として使われます。

発音 /ˈmæt.ɚ/
名詞 (対処または考慮されるべき)問題、状況、事がら

【例文】

She told me personal matters.
(彼女は私に個人的なことを話してくれました。)

She explained the matter in detail.
(彼女はその状況を詳しく説明してくれました。)

This is a matter of great concern to the general public.
(これは、一般の方々にとって大変関心の高い問題です。)

動詞 重要である、(何が起こるかに)影響を与える

【例文】

It doesn’t matter.
(それは重要ではないです。どうでもいいですよ。)

Only results matter.
(結果だけが重要です。結果がすべてです。)

trouble

troubleは、名詞と動詞として使われます。

発音 /ˈtrə-bəl/
名詞 問題、トラブル、困難な状況、いやがらせ

【例文】

I’m having trouble with the new system.
(私は新しいシステムに困っています。)

She told me all her problems.
(彼女は自分の悩みをすべて話してくれました。)

動詞 心配する、悩む、動揺させる

【例文】

Many of us are troubled by the CEO’s decision.
(私たちの多くは、CEOの決断に悩んでいます。)

He has been troubled by a knee injury.
(彼はひざの怪我に悩まされています。)

それぞれの注意点と使い方

それぞれの注意点と使い方

issue、problem、matter、troubleはどれも「問題」という大意をしめすだけに、どれを使うのが適切なのか混乱することがあります。

それぞれの英単語において、注意するポイントとよくある用例を説明しますので参考にしてください。

issueのおさえておくべきポイント

issueは比較的フォーマルな言葉で外交的なイメージがあります。

議論のトピック、政治などの問題、多くの人が関心をよせる事がらなどに対してよく使います。多くの場合、「議題」と言い換えることができます。

【例】

He is interested in social issues.
(彼は社会問題に興味があります。)

Companies must address environmental issues.
(企業は環境問題に取り組まなければなりません。)

もし議論や話し合いにおいて、問題としている核心がよくわからないと感じる場合は、What’s the issue?(何が問題ですか?➡論点は何ですか?) とたずねるといいでしょう。

problemのおさえておくべきポイント 

problemは、より一般的に用いられる言葉です。issueやmatterと比べるとカジュアルな印象があります。

さまざまな場面で使える言葉ですが、ネガティブな問題で解決すべき事がらや克服すべき困難に対して使います。

【例】

I cannot solve this math problem.
(私はこの数学の問題が解けません。)

We urgently need to solve the poverty problem.
(貧困問題の解決が急がれます。)

また、have a problem with「(人/もの)と問題がある」という形でよく用いられます。

【例】

I have a problem with my neighbor.
(私は隣人と問題を抱えています。)

This restaurant has a problem with service.
(このレストランはサービスに問題があります。)

もし相手が不機嫌そうな顔をしていたら、What’s the problem?(何か問題ですか?➡どうしたのですか?) とたずねてみるといいでしょう。

matterのおさえておくべきポイント 

matterは、problemやissueよりもフォーマルな印象があり、肯定的で中立的な意味合いの状況や事がらを表すときにも使えます。

【例】

I discussed the matter with my wife.
(私は妻にそのことを相談しました。)

Let’s consider the matter at the next meeting.
(その案件は次回の会議で検討しましょう。)

もし、相手の様子が少し変だと感じたら、What’s the matter?(何か困っているのですか?➡大丈夫ですか?) と聞いてみるといいでしょう。

troubleのおさえておくべきポイント

troubleはネガティブな感情と結びついており、困っていることが起きる状況です。基本的にproblemとよく似た意味合いですが、こちらは解決策の有無は問いません。

have trouble with、have trouble -ingという形でよく使われ、「~が苦手です」という意味合いです。

【例】

She has trouble with cats.
(彼女は猫が苦手です。)

She has trouble speaking in public.
(彼女は人前で話すのが苦手です。)

また、in troubleというフレーズでもよく使われ、「トラブルに巻き込まれる」という状態を表します。

【例】

A couple is in trouble.
(ある夫婦がトラブルに巻き込まれている。)

He was in trouble with the police.
(彼は警察とトラブルになった。)

まとめ

本記事では、問題を表す英単語の基本的な意味合いに加え、それぞれのニュアンスの違いとよくある使い方について解説しました。

内容の特徴によって使い分ける

  • 議論や論争:issue
  • ネガティブな事がら:problem、trouble
  • 肯定/中立的な事がら:matter
  • フォーマル度合によって使い分ける

  • 高:matter
  • 中:issue
  • 低:problem、trouble
  • 問題を表す単語は置き換えが可能な場合がありますが、状況により使い分けをすることもあります。

    最初はそれぞれの使い分けを難しく感じるかもしれませんが、具体的な状況をイメージすることによりしだいにマスターできるようになっていきます。ぜひ実践してみてください。