canとbe able toのニュアンスの違いについて

canとbe able toのニュアンスの違いについて

canと be able toは、どちらも「~できる」という意味があり、能力や何かをする可能性について話すときに使います。

すべてにおいて置き換えが可能なわけではなく、ネイティブスピーカーは時と状況によって使い分けをしています。

今回はcanとbe able toの基本的な意味に加え、それぞれの適切な使い方について例文もまじえて詳しく解説します。

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canとbe able toの基本の意味

canとbe able toの基本の意味

canとbe able toはどちらも動詞を修飾する働きをします。それぞれの使い分けを把握するために、まずはそれぞれのもつ主要な意味を理解しておきましょう。

canの意味

canは助動詞で、何かの内部にある潜在的な力や性質を表します。動詞の前に助動詞canをおくことにより、

①能力(~できる)
②許可(~していい)
③可能性(~しうる)

といった意味を表します。

能力(~できる)

能力はcanの最も一般的な意味として知られています。「できる・できない」とその人の持つ能力やそのものの性能を表します。

肯定形 主語 + can + 動詞 …
I can play tennis.
She can drive a car.
He can speak Spanish.
(私はテニスができます。)
(彼女は車を運転できます。)
(彼はスペイン語を話せます。)
否定文 主語 + cannot / can’t + 動詞 …
I cannot / can’t play tennis.
She cannot / can’t drive a car.
He cannot / can’t speak Spanish.
(私はテニスができません。)
(彼女は車を運転できません。)
(彼はスペイン語を話せません。)
疑問文 Can + 主語 + 動詞 …?
Can you play tennis?
Can she drive a car?
Can he speak Spanish?
(あなたはテニスができますか?)
(彼女は車を運転ができますか?)
(彼はスペイン語を話せますか?)

許可(~していい)

canは「あなたは~することができるんだよ」といったニュアンスで、フレンドリーな軽さがある許可を表します。

また、否定文になると「~してはいけない」と不承認を表し、疑問文になると「~していいですか?」と許可を求める表現となります。

You can use my computer, if you need it.
You can go home now.
You can stay here.
(もし必要なら、あなたは私のコンピューターを使ってもいいですよ。)
(あなたはもう家に帰ってもいいですよ。)
(あなたはここにいていいですよ。)
You cannot / can’t use my computer.
You cannot / can’t go home now.
You cannot / can’ t stay here.
(あなたは私のコンピューターを使ってはいけません。)
(あなたはまだ家に帰ってはいけません。)
(あなたはここにいてはいけません。)
Can I use your computer?
Can I go home now?
Can I stay here?
(あなたのパソコンを使ってもいいですか?)
(もう家に帰ってもいいですか?)
(ここにいていいですか?)

依頼(~してくれませんか?)

Can you + 動詞 …?の形で、「(できることなら)~してくれませんか?」というニュアンスで依頼を表します。

Can you tell me the way to Central Station?
Can you pick me up at the airport?
Can you repair my watch?
(セントラル駅までの道を教えてくれませんか?)
(空港まで迎えにきてくれませんか?)
(私の時計を修理してもらえませんか?)

さらに、Can you …? をCould you …?とすることで、「~していただけませんか?」という意味合いとなり、より丁寧な依頼を表すことができます。

可能性(~しうる)

canは「~しうる」、「~することもある」というように、ある人や事がらの潜在的な可能性を表すことができます。

また、否定文になると「~のはずはない」と潜在的な可能性を否定し、疑問文になると「~はありえるだろうか?」と潜在的な可能性をたずねる意味合いになります。

He can be selfish.
That rumor can be true.
You can see her there.
(彼はわがままになることもある。)
(その噂は本当かもしれませんね。)
(あなたはそこで彼女に会うことがある。)
He cannot / can’t be selfish.
That rumor cannot / can’t be true.
You cannot / can’t see her there.
(彼はわがままになるはずはない。)
(その噂は本当のはずはない。)
(あなたはそこで彼女に会うはずがない。)
Can he be selfish?
Can that rumor be true?
Can you see her there?
(彼はわがままになることはあるのですか?)
(その噂が本当だなんてありえるのですか?)
(あなたはそこで彼女に会うことはありえるのですか?)

be able toの使い方

英語には助動詞に似た意味をもつフレーズがあり、be able toもその一つです。

ableは「能力がある」、「有能な」という意味の形容詞です。be able toのひとまとまりでcan相当のフレーズとして、「~できる」という意味で単純に能力の有無を表す場合に用います。

肯定形 主語 + be動詞 + able + to不定詞 …
She is able to speak five languages.
He is able to swim 50 meters.
I was able to catch the first train.
(彼女は5つの言語を話すことができます。)
(彼は50メートル泳ぐことができる。)
(私は始発電車にのることができました。)
否定文 主語 + be動詞 not + able + to不定詞 …
She is not / isn’t able to speak a foreign language.
He is not / isn’t able to swim 50 meters.
I was not / wasn’t able to catch the first train.
(彼女は外国語を話すことができません。)
(彼は50メートル泳ぐことができません。)
(私は始発電車に乗れませんでした。)
疑問文 be動詞 + 主語 + able + to不定詞 …?
Is she able to speak five languages?
Is he able to swim 50 meters?
Were you able to catch the first train?
(彼女は5つの言語を話すことができますか?)
(彼は50メートル泳げますか?)
(あなたは始発電車に乗れましたか?)

be able toは、人や動物などの能力を表すときに使用し、生き物以外の無生物を主語に持つことはできません。

例えばコピー機(The copy machine)や理由(The reason)などが主語でなんらかの能力や性能をしめす場合は、be able toではなくcanをともないます。

また、be able toは、canのように許可や潜在的な可能性を意味しません。置き換えが可能なのは、ほとんどの場合が能力を表す意味合いだということに注意しましょう。

canとbe able toの使用上の注意点

canとbe able toの使用上の注意点

能力を表すcanとbe able toは互換性があることが多く、英語学習の初級レベルにおいてどちらを使っても意味に大きな違いはないと解説されることがよくあります。

しかし、文法的に置き換えができない場合があったり置き換えによって微妙にニュアンスが変わってしまったりする場合もあり、中・上級レベルになると使い分けに悩むことがよくあります。

つぎに、現在、過去、未来、否定の4つの状況において、それぞれの用法を説明しますので使いわけをする際の参考にしてください。

現在の能力を表す

「~することができる」と現在の能力を表すcanとbe able toには大きな意味の違いはありません。どちらの使用でも可能ですが、ネイティブスピーカーは一般的にcanを用います。

canが使えるケースなのにあえてbe able toを用いるとネイティブスピーカーは「できることを強調している」ととらえて、その強調する理由について推測を働かせてしまうこともありえます。

また、be able toを用いると少し堅苦しい印象をあたえます。口語ではcanを優先して使用するほうが自然であるということを留めておきましょう。

【例文】

I can speak English.
(私は英語を話せます。) 

I am able to speak five languages.
(私は5か国語が話せます。) 
⇒5か国語を話せることを強調している。

過去の能力を表す

could や was/were able to は「~することができた」と過去の能力を表す場合に使用します。

canの過去形であるcouldは、「(過去の一定期間に継続して)~することができた」という場合に使い、一回のできごとに対してできたことには用いません。

一方、was/were able toは「(一回のできごとに対して実際に)~することができた」というニュアンスがあり、特定の状況を達成したことを表す場合に用います。過去の一定期間できたことには使いません。

【例文】

My mother could dance well when she was young.
(私の母は若いころ上手に踊れました。) 
⇒過去のある一定期間の能力を表している。

I was able to arrive at the office on time, although I was stuck in traffic.
(渋滞に巻き込まれたが、時間通りに会社に着くことができました。) 
⇒特定の状況を表している。

未来の能力を表す

「~できるでしょう」というように、現在はまだ持っていないが将来的に持つことになる未来のスキルや能力について話す場合は、will be able toとします。

助動詞はwill canというように重ねて使うことはできません。よって、将来的な能力について表現する時はcanを使えないということに注意しましょう。

【例文】

After attending this seminar, you will be able to write business letters.
(このセミナーに参加したら、あなたはビジネスレターを書けるようになるでしょう。)

能力の否定を表す

「~できない」と否定を表す場合は、cannot / can’tまたはbe not able toを用います。

単に「~できない」という意味合いであるなら一般的にcanを使います。

しかし、「けがをしているからできない」、「体調がよくないからできない」というようになんらかの理由を示唆する場合は、be not able toを用います。

【例文】

I can’t drive a car.
(私は車の運転ができません。) 
⇒単に車の運転ができないことを表わしている。

I am not able to drive a car because I have had alcohol.
(私はお酒を飲んだので車の運転はできません。) 
⇒理由があり運転できないことを表している。

canとbe able toのニュアンスの違いについてのまとめ

本記事では、canとbe able toの基本的な意味に加え、それぞれの適切な使い方について例文もまじえて解説しましたがいかがでしたでしょうか?

使用上の注意点

  • 主語が無生物の場合: canを使用。
  • 現在の能力を表す場合:一般的にcanを使用するのが自然。
  • 過去の能力を表す場合:過去のある一定期間に継続してできたことを表す場合はcouldを使用。一度きりのできごとに対してできたことを表す場合はbe able toを使用。
  • 未来の能力を表す場合:助動詞を重ねて使うことはできないので、will be able toを使用。
  • 能力の否定を表す場合:一般的にはcannot / can’tを使用。できない理由を示唆する場合はbe not able toを使用。

最初はcanとbe able toの使い分けに悩むかもしれません。しかし、具体的な状況をイメージして例文をつくる練習することでしだいにマスターできるようになっていきます。

ぜひ、使い分けを意識し実際の会話でも取り入れていってください。そうすることで表現の幅が広がります。