英語の敬語・丁寧表現を身につけるためのポイントを徹底解説

英語の敬語、丁寧表現を身につけるためのポイントを徹底解説

「英語には敬語がないからフランク!」、「英語でのお願いは、Pleaseをつけるだけだからシンプル!」と考えている人は一定数いるのかもしれません。

しかし、実際はそのようなことはなく、英語には多種多様な丁寧表現が存在します。そして、多くのネイティブスピーカーは、状況、場所、相手との関係性を考慮しながら、適切な表現を使用しています。

今回は、英語における敬語の概念と相手に敬意を表すときに用いる丁寧表現について、詳しく解説します。

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英語には敬語があるのか?

英語には敬語があるのか?

「英語には日本語のような敬語はない」というようなことを耳にしたことがあるかもしれません。

だからといって、英語を話す人たちが、無礼な表現を使っているわけでもありませんし、失礼な表現を受け入れているわけでもありません。

英語の丁寧表現を学習するまえに、まずは、日本語と英語の敬語のとらえかたの違いについて、大まかに理解しておきましょう。

日本語の敬語に対する考え方

日本語の敬語にさまざまな種類があり、主なものに尊敬語・謙譲語・丁寧語があります。

・尊敬語:相手の人を持ち上げることで敬う気持ちを表す表現
・謙譲語:相手に対して自分がへりくだることで敬意を示す表現
・丁寧語:相手に対して丁寧に表現することで敬意を示す表現

日本語の敬語は、おもに目下から目上に対して敬意を表すために用います。

動作に対して、尊敬語・謙譲語・丁寧語のいい回しが考えられますが、「食べる」という動詞を例に、それぞれの使い方を見てみましょう。

基本形 食べる 朝食を食べる
尊敬語 召し上がる
お食べになる
朝食を召し上がりください
朝食をお食べになる
謙譲語 いただく頂戴する 朝食をいただきます
朝食を頂戴します
丁寧語 食べます 朝食を食べます

以上のように、日本語では、基本の動詞とは違った尊敬語や謙譲語の語句があることが多く、また、基本の動詞に「です・ます」を加えると丁寧語になります。

私たち日本人は、相手や状況に応じてこれらの使い分けをしています。

英語の敬語に対する考え方

英語の敬語の有無は、敬語という概念をどのように認識するかで異なります。

英語では、日本語の尊敬語や謙譲語に相応する表現が存在しませんので、「英語には敬語がない」という人がいるのかもしれません。

しかし、英語では、Formal ExpressionやPolite expressionといった丁寧表現があります。これらを敬語としてとらえるなら、「英語には敬語がある」ということになります。

英語での丁寧表現は相手によって使い分けるというより、マナー的な要素が強いです。

例えば、商談・交渉やプレゼンテーション、面接などで、自分の品格を高めるときや控えめな姿勢を示したいときなど、「自分をどのように見せるべきか」という意識が強く働いています。

また、礼儀や形式を表す表現を無視してしまうと、「失礼な人」、「プロ意識の低い人」と思われてしまうこともあります。

したがって、どのような表現を用いるかによって、その人の人格や印象が左右されてしまう、といっても過言ではありません。

それでは、日本語の例と同じく、「食べる」という動詞を例に考えてみましょう。

eat 食べるという行為を表すニュアンス
have 食事をするというニュアンス

eat、haveは、多少ニュアンスの違いはありますが、あくまでも同義語です。どちらの単語を動詞として選択したとしても丁寧の度合いに大きな差が生じるわけではありません。

詳しくは次章で解説しますが、丁寧な表現をしたいとき、多くの場合、文章に敬称やクッション言葉、助動詞などを加えます。

【例文】

Have you had your breakfast, Mr. Smith?
(スミスさん、朝食はお食べになりましたか?)

If you’d like, we could have breakfast together.
(もしよろしければ、一緒に朝食を食べましょう。)

英語の丁寧表現の特徴

英語の丁寧表現の特徴

英語の丁寧表現は、pleaseをつける以外にも多種多様な表現の仕方があり、場面に応じた使い方が求められます。

微妙なニュアンスの違いは経験をとおして身につけることが多いでしょうが、相手に対して失礼にならないようにするためには、丁寧表現の主な特徴を理解しておく必要があります。

敬称をつける

フォーマルな場や敬意を表すとき、英語では相手の名前にきちんとした敬称をつけることが求められます。

日本語での敬称は「○○様」を用いれば無難ですが、英語では性別、職位、学歴などに応じて、敬称を使い分ける必要があります。

名前のスペルだけ見ると男性か女性かわからないことがあります。また、一面識もない場合は、相手の職位や学歴までわからないことがあります。

しかし、公式な場面やビジネスの信頼関係が求められる場合は、あらかじめ調べておくことが大切です。

主な敬称
Mister 男性に対しての敬称
(略称はMr.)
Mises 既婚女性に対しての敬称
(略称はMrs.)
Miss 未婚女性に対しての敬称
Ms. 女性に対しての敬称
(既婚・未婚は問わない)
sir 男性に対しての敬称
madam 女性に対しての敬称
(既婚・未婚は問わない)
doctor 医師に対しての敬称
(略称はDr.)
博士号を持っている人の敬称
(略称はPh.d)
professor 大学教授に対しての敬称
(略称はProf.)
attorney 弁護士に対しての敬称

質問形を用いる

人に何かを手伝ってもらいたい場合、頼みたいことを質問形で伝えましょう。

「○○してください。」と命令形で表現するより、「○○してくれますか?」と質問形を使うとことで、思いやりがあるように聞こえます。

また、質問形にすることは、相手に断るチャンスをあたえていることになるので、相手も心理的な負担が減ります。

そのときの状況にもよりますが、一般的に対応可能な状況であるなら、相手は喜んで手伝ってくれるはずです。

【例文】

Will you help me with this assignment?
(この課題を手伝ってもらえませんか?)

Can you please give me a hand to move this desk?
(この机を動かすのにちょっと手をかしてもらえませんか?)

理由や説明を加える

仕事や日常でのコミュニケーションでは、説明を加えたほうがいい場合が多々あります。

誰かに何かをお願いしたり、問題を説明したりするときは、少しでも詳しく知らせたほうが、相手は安心しますし、親切に聞こえます。

説明をつけ加えるときには、becauseso、やthat’s why…などの単語やフレーズを使います。

【例文】

I have a meeting tomorrow, so I need you to finish preparing this document today.
(明日ミーティングがあるので、今日中にこの資料の作成を終わらせてほしいのですが。)

I can’ t attend your party because I am not feeling well.
(私は体調がよくないので、あなたのパーティーには参加できません。)

助動詞を用いる

would、couldなどの助動詞を用いることでも、丁寧な表現になります。これらの助動詞は、「~かもしれないし、~でないかもしれない」というニュアンスを含みます。

明確にいいきっていないので、受け取り方に幅ができ、やわらかな印象をあたえます。

また、断定を避けることができる助動詞の表現は、フォーマルなスピーチなどでもよく使われます。

【例文】

It could be helpful if you could send me the documents for tomorrow’s meeting.
(明日の会議の資料を送っていただけたら、助かります。)

I would appreciate it if you would deal with this issue.
(この問題に対処していただけたら、大変ありがたく思います。)

受動態を用いる

「be動詞+過去分詞」の受動態は、動作の主体を明確にしない方法です。

特定の誰かを主語にしないですむので、その人に責任を負わせることがなく、意地悪な感じをあたえずに問題に対処できます。

ビジネスの場では、丁寧表現としてよく使われています。

【例文】

The wrong information was sent to me.
(間違えた情報が送られてきました。)
→誰が情報を送ったのかを明らかにしていない。

My favorite mug has been broken.
(私のお気に入りのマグカップが壊れてしまいました。)
→誰がマグカップを壊したのか特定していない。

アカデミックな語彙を用いる

他には、会議や面談などのフォーマルな場では、意識してアカデミックな語彙を使うことがあります。

アカデミック(academic)は、「学術的」という意味ですが、それらの表現を用いることで、文化的で知的な印象をあたえることができます。

以下、アカデミックな表現をいくつか紹介します。必ずしもこれらの単語を用いないといけないわけではありませんが、このような置き換えができるということを知っておくと便利です。

ノーマル アカデミック
tell(話す) inform
buy(買う) purchase
choose(選ぶ) select
get(得る) receive
sorry(詫びる) apologize
book(予約する) reserve
about(だいたいの) approximately

いろいろな英語の丁寧表現

いろいろな丁寧表現

英語で丁寧表現を用いるのが望ましい場面は、日本語で丁寧な言葉遣いが求められる場面とそれほど違いはありません。

顧客や同僚とのミーティング、教授や医師との面会、あるいは、ちょっとした助けや情報を求めるとき、お礼やお断りなど、フォーマルな場面では、丁寧な話し方をすることは大切です。

つぎに、状況別に丁寧表現の例文を紹介します。また、使える表現が掲載されているウェブサイトもありますので、参考にしてください。

依頼

人は命令されると、フラストレーションを感じることがあります。人に何かをリクエストするときは、やんわりとした表現でお願いしましょう。

【依頼の例文】

Could you pass me that newspaper?
(その新聞をとってもらえませんか?)

Do you mind if you wait here for a minute?
(ここで少しお待ちいただいてもよろしいですか?)

Would you mind not using your cell phone on the train?
(電車内で携帯電話を使わないでいただけますか?)

【参考ウェブサイト】

お礼

誰かが何かをしてくれた場合、その人がしてくれた行いに対して、感謝を述べることは礼儀です。Thank you以外にもさまざまな表現がありますので、覚えておくと役に立ちます。

【お礼の例文】

That’s very kind of you.
(ご親切にありがとうございました。)

Thank you for taking the time to talk with me today.
(今日は、私のために時間を割いてくださってありがとうございました。)

I appreciate your invitation to the party.
(パーティーへのご招待に感謝しています。)

【参考ウェブサイト】

引用:ENGLISH TIMES 
引用:Progrit Media 

断り

人からの誘いを断るのは、ときには難しいことがあります。ただNoと言うだけでは失礼にあたりますので、クッション言葉や理由をつけ加えて、相手に不快感をあたえないようにしましょう。

【断るときの例文】

Thank you for the invitation, but unfortunately, I am not available on that day.
(ご招待いただきありがとうございます。残念ながらその日は都合がつきません。)

I regret to say that I am busy studying for my final exams.
(残念ながら、期末試験の勉強で忙しいのです。)

It sounds like fun, but I have other things I need to do.
(それは楽しそうだけど、私には他にやらなければならないことがあるのです。)

【参考ウェブサイト】

引用:ECCフォリラン
引用:Rare Job

英語の丁寧表現を学べる本

丁寧表現を学べる本

英語の丁寧表現についてもっと理解を深めるには、英語の丁寧表現について書かれた書籍を読むといいでしょう。

以下は、どれも礼儀正しい表現が学べるおすすめの本ですので、言葉選びの参考してみてください。

礼儀正しく、的確に伝える敬語の英語

「礼儀正しく、的確に伝える敬語の英語」は、英語指導の第一人者であるデイビッド・セイン氏が手がけた一冊です。

質問、依頼、お礼、謝罪、提案など、シチュエーション別にカジュアル表現と丁寧表現を対比して解説しているので、ネイティブスピーカーの敬語の感覚をスムーズに理解することができます。

出版社 ジャパンタイムズ
価格 1,728円(税込み)
音声ダウンロード あり

ちょい足しで丁寧に!英語のクッションことば

同じくデイビッド・セイン氏の著書「ちょい足しで丁寧に!英語のクッションことば」では、口調をやわらげたり、相手の注意をひいたりするのに効果的なクッション言葉の使い方を学ぶことができます。

発言の初め・途中・終わりで使える便利なクッション言葉が73フレーズ掲載してあり、それぞれの意味と用法を詳しく解説してくれています。

出版社 ジャパンタイムズ
価格 1,540円(税込み)
音声ダウンロード あり

英語の品格

「英語の品格」は、国際ジャーナリストである大野和基氏と経営コンサルタントであるロッシェル・カップ氏の共著です。

相手を思いやる表現や人間関係を円滑にするための丁寧で気のきいた表現など、品格のある英語表現を学ぶことができる人気の一冊です。

出版社 集英社インターナショナル
価格 693円(税込み)
音声ダウンロード なし

英語のお手本―そのままマネしたい敬語集

英語学習のための本を多数執筆しているマヤ・バーダマン氏の「英語のお手本―そのままマネしたい敬語集」は、職場やプライベートで使える丁寧表現がつまっています。

さまざまな丁寧表現がある中で、単語を組み合わせて文章を調節するテクニックを身につけることができます。

出版社 朝日新聞社
価格 1,430円(税込み)
音声ダウンロード なし

ビジネス英語の敬語

「ビジネス英語の敬語」は、外資系メーカーで35年間英語を使って働いてきた浅見ベートーベン氏が執筆した英会話書です。

フォーマル度を段階別に分けて解説してくれているので、相手に敬意を示す微妙なニュアンスを学ぶことができます。

出版社 クロスメディア・ランゲージ
価格 2,288円(税込み)
音声ダウンロード あり

まとめ

本記事では、英語における敬語の概念と相手に敬意を示すときに用いる丁寧表現について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

英語の丁寧表現の特徴まとめ

・敬称をつける
・質問形を用いる
・理由や説明を加える
・助動詞を用いる
・受動態を用いる
・アカデミックな語彙を用いる

日本語と英語の敬語の概念は異なるところはありますが、丁寧表現が必要なシーンは日本語も英語もそれほど変わりはありません。

よって、英語でも、状況に応じて礼儀や形式を考慮した表現が必要となります。

コミュニケーションをより円滑にするためにも、ぜひ、今回紹介したポイントを参考にしていただいて、英語の丁寧表現を学んでください。