グローバル化が進む昨今、「将来は海外で働きたい!」とか「世界で活躍できる人材になりたい!」などと考えている人は多いでしょう。
英語を使って仕事をするためには、高い言語能力を身につけることに加えて、ビジネス英語も習得する必要があります。
とはいえ、英語初心者〜中級者にとって、「ビジネス英語を使えるようになる」というのはハードルが高いと感じてしまうと思います。
そこで本記事では、ビジネス英語の勉強に着手する前に知っておきたい「職種ごとに必要な英語レベル」と「ビジネス英語の効果的な学習方法」を紹介します。
ビジネス英語の学習方法で悩んでいるという方は、参考にしてください。
職種によって異なる英語のレベル
英語学習者の中には、「英語を使って仕事をしたい!」と考えている人が大勢います。とはいえ、一口に「英語を使う仕事」と言っても、実際には職種によって求められる英語力が大きく異なります。
例えば、英語で接客業をする場合、中級レベルの英語力があれば充分ですが、大使館職員として働く場合は上級レベルの英語力が必要です。ここでは、中級・上級レベルの英語力を活かせる仕事をそれぞれ紹介します。
中級レベルの英語力が必要な仕事
まず、英検2級・TOEIC600点程度の中級レベルの英語力が求められる仕事を紹介します。
接客業
多くの外国人観光客が訪れる観光地のホテルやレストランなど、英語で接客をするためには少なくとも中級レベルの英語力が必要です。
日常英会話はもちろん、勤務地の客層や雰囲気によっては、フォーマルなビジネス英語を身につけておくことも必要になります。
英会話講師
子ども向け英会話教室で英会話講師として働くには、中級レベル以上の英語力が必要不可欠です。その上のレベルの学生・大人向けの英会話教室では、より高い英語力が求められます。
また、中学校や高校などで働く場合は、中級レベルの英語力に加えて、教員免許も必要です。
ツアーコンダクター
ツアーコンダクターとして、旅行中のお客様のサポートをするためには中級レベルの英語力が必要です。
お客様や現地の人たちと日常会話をすることはもちろん、予期せぬ出来事にも落ち着いて対応できるレベルの英語力が求められます。
上級レベルの英語力が必要な仕事
続いて、上級レベルの英語力(TOEIC800点以上)が求められる仕事を紹介します。これらの仕事に就くためには、高い言語能力はもちろん、ビジネス英会話もしっかりとマスターしておく必要があります。
大使館職員
大使館職員として働くためには、海外とメール・電話でのやり取りや、外交官のサポートを外国語でこなせる高度な英語力が必要です。
英文事務
英語を使用して事務業務を行うには、上級レベルの英語力を有していること、そして英文の読み書きが得意であることが求められます。また、企業や業務内容によっては、専門用語などの知識も必要になることもあるでしょう。
ビジネス英語は「目的」を持って勉強しよう!
ここまでで、同じ「ビジネス英語」「仕事で生かす英語」でも、就きたい仕事によって求められるレベルが大きく異なることが分かっていただけたと思います。
必要とされる英語力が異なれば、当然ながら勉強法や必要な勉強量も大きく異なります。そのため、ビジネス英語の勉強に着手する際は、まず「目的」を明確にする必要があります。
例えば、「大使館職員として働くために、必要なビジネス英語を身につける」「ツアーコンダクターになるために、ビジネス英語を勉強する」など、目的・目標を明確にすることで、より効果的な学習ができるようになります。
- なぜビジネス英語を習得したいのか
- 自分に求められているビジネス英語のレベルはどのくらいか
これら2つを自分の中で明確にした上で、これから紹介する勉強法を参考にビジネス英語の習得を目指しましょう。
ビジネス英語の勉強方法と上達のコツ
続いて、ビジネス英語の勉強方法と上達のコツを紹介します。ビジネス英語を使えるようになるには、インプットとアウトプットをバランス良く行うことが欠かせません。
- 定型表現と頻出単語を勉強する(インプット)
- TOEIC対策をする(インプット/アウトプット)
- オンライン英会話を利用する(アウトプット)
ここでは、これら3つの勉強方法について詳しく解説していきます。
1.定型フレーズと頻出単語を勉強する(インプット)
まず、ビジネス英語を使えるようになるためには、ビジネス英会話に必要な知識を身につける必要があります。当然ながら、ビジネスシーンで使われる表現や単語を知らなければ、ビジネス英会話はできません。
ですので、まずはビジネスで困らない程度の知識をインプットすることを目標に、ビジネスシーンでよく使われる表現や単語を学習しましょう。
定番フレーズを覚えよう!
ビジネス英語には、日常英会話と同じようにシチュエーションごとに「定番のフレーズ」が存在します。
例えば、ビジネスシーンにおける「自己紹介」では、
Hello, my name is Taro.
「こんにちは、私の名前は太郎です。」
It’s a pleasure to meet you.
「お会いできて光栄です。」
I’m looking forward to working with you.
「一緒に仕事できるのを楽しみにしています。」
決まってこれらのフレーズが使われます。もちろん別のフレーズが用いられることもありますが、最低でもこれらのフレーズを知っていればビジネスシーンの自己紹介に対応できます。
このように、シーンごとに使われる定番のフレーズや表現を覚えることで、ビジネス英語は上達します。
頻出単語を覚えよう!
ビジネスシーンでは、当然ながらビジネスに関する英単語がよく使われます。
ビジネスシーンで使える実践的な英語力を身につけるためには、“advertisement(広告)”、“agenda(議題)”、“estimate(見積もり)”など、ビジネスに関連する英単語を網羅して覚える必要があります。
また、同じビジネスに関する英単語でも、職種によって頻出の単語は大きく異なります。
ですので、自分が就きたい職種や目的に合わせて、必要だと思われる英単語は欠かさずチェックしておきましょう。
2.TOEIC対策をする(インプット/アウトプット)
ビジネス英語を習得するには、TOEIC対策が効果的です。その理由は、TOEICはビジネスシーンでのコミュニケーション能力を測ることに特化した試験だからです。
実際に、TOEIC対策の参考書や単語帳には、ビジネスシーンによく登場する表現や単語が網羅されています。
試験対策をすることでビジネス英語の知識をインプットし、そして実際に試験を受けることで学習した知識をアウトプットすることができます。
「ビジネス英語を勉強するにあたって、どの参考書を手に取っていいか分からない…」という方には、TOEIC対策用の教材の活用がおすすめです。
TOEICの単語帳なら、スキマ時間を活用して効率よくビジネス英語に頻出の英単語を学習することができます。
3.オンライン英会話を利用する(アウトプット)
ビジネス英語をマスターするためには、インプットした知識を実際に使って知識を定着させると効果的です。しかし、学んだビジネス英語を実際に使う場所があるという英語学習者は少数派でしょう。
そこでおすすめなのが、オンライン英会話の利用です。オンライン英会話を利用すれば、自宅に居ながら気軽にビジネス英語を使う練習ができます。
実際にビジネスシーンを想定したレッスンでビジネス英語を使い、失敗から学ぶことで、より実践的な力が身につきます。
ビジネス英会話に対応したオンライン英会話サービスを選ぼう!
「オンライン英会話でビジネス英会話を練習したい!」という人は、事前にスクールがビジネス英会話の教材やコースを提供しているかどうかを確認しておきましょう。
詳しくは後述しますが、日常英会話とビジネス英会話ではフレーズや言い回しなどが大きく異なります。
そのため、ビジネス英会話を学ぶためには、ビジネス英会話に特化した教材やコースで学ぶことが必要です。
ビジネス英語と日常英語の違い
ビジネス英語と日常英語の1番の違いは、「丁寧さ」です。ビジネス英会話では、日常英会話と比べて、より丁寧でフォーマルな表現が好まれます。
これは、日本語でも会社の上司と話をする時、友人と話す時よりも丁寧でフォーマルな言葉遣いをするのと同じことです。
よく「英語には敬語が存在しない」と言われますが、これは日本語のように確立した敬語システムがないということで、丁寧・フォーマルな表現がないということではありません。
ここでは、ビジネス英語と日常英語がどう違うのか、具体的に解説していきます。
ビジネス英語では「丁寧な表現」を使う
ビジネス英語では、日常英語よりも丁寧でフォーマルな表現を使います。
ビジネス英語 | 日常英語 |
---|---|
Could you〜? (〜していただけますか?) |
Can you? (〜してもらえる?) |
May I〜? Shall I〜? (〜してもよろしいでしょうか?) |
Can I〜? (〜してもいい?) |
I would like to〜. (〜したいと思います。) |
I want to〜. (〜したい。) |
However, (しかし、) |
But, (だけど、) |
It’s a pleasure to meet you. (お会いできて光栄です。) |
Nice to meet you. (初めまして。) |
I appreciate it. (感謝します。) |
Thanks. (ありがとう。) |
これらはビジネスシーンと日常会話で好まれる表現の一例ですが、丁寧とフォーマルに違いがあることが分かっていただけると思います。
ビジネス英語では「短縮形」を使わない
ビジネス英語では、短縮形や省略形はほとんど使いません。
- wanna → want to
- gonna → go to
- I’m → I am
- Cause → Because
“Wanna”や“Gonna”などの短縮形は、カジュアルな表現ですから、ビジネスシーンにはふさわしくないので気をつけましょう。また、ビジネスメールを書く際は、“I’m”や“You’re”などの省略形を避けるのが無難です。
ビジネス英語には「専門用語」「業界用語」が登場する
ビジネス英語では、日常英語と比較してより多くの専門用語や業界用語が登場します。日常英会話では一切登場しないような難しい英単語も、業界によっては当たり前のように使われることがあります。
そのため、将来働きたい業界がすでに決まっている場合は、その業界の専門用語を学習しておくといいでしょう。
まとめ
今回は、職種別に必要な英語レベルの目安とビジネス英語の学習方法を紹介しました。ビジネス英語の学習に着手する際は、ぜひ次の3つのことを明確にしておきましょう。
- なぜビジネス英語を習得したいのか
- 自分に求められているビジネス英語のレベルはどのくらいか
- 憧れの職に就くには、どのくらいの英語力が必要か
これらのことをはっきりさせておくと、ビジネス英語を学習する「目的」が明確になるため、より効果的な学習ができるようになります。