
マルタ留学に興味はあるけれど、「本当に留学先としてマルタを選んでいいのか不安」「マルタ留学が自分に合っているのか知りたい」と悩んでいませんか?
そこで今回はマルタ留学のメリット・デメリットに加え、マルタ留学でよくある失敗例や向いている人について解説します。
マルタへ留学しようか悩まれている方は、この記事を参考にどこを留学先にするか検討してください。
マルタってどんな国?

マルタは地中海のヨーロッパ側に位置する小さな島国で、マルタ島・ゴゾ島・コミノ島の3島から成り立っています。
面積は東京23区の半分ほど、気候は1年を通して温暖です。
ヨーロッパ諸国の人々には観光地として知られ、世界遺産の街バレッタやリゾート地のセントジュリアンズには多くの観光客が訪れます。
また、マルタはマルタ語だけでなく英語も公用語となっているため、英語を学ぶための留学先としても注目されています。
そんなマルタ留学にはどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
マルタ留学のメリット

マルタ留学のメリットは、以下の5つが挙げられます。
- 他の欧米諸国より留学費用が安い
- 90日以内ならビザ不要で留学できる
- 温暖な気候で過ごしやすい
- 多国籍の留学生と交流できる
- 語学留学しながら観光も楽しめる
それぞれ詳しく解説します。
他の欧米諸国より留学費用が安い
欧米への留学は高額な費用がかかると思っている方は多いかもしれませんが、マルタの留学費用は他の欧米諸国に比べて高くありません。
なぜならマルタは経済規模が小さく、観光業が中心であることから、イギリスやフランス、ドイツなどのヨーロッパ諸国と比較すると物価が安いからです。
物価の安さが留学費用にも大きく影響し、授業料や生活費が高くありません。
例えば、イギリス留学にかかる1ヶ月の費用が約40〜90万円であるのに対し、マルタ留学の費用は1ヶ月約30〜75万円です。
同じヨーロッパでも、留学費用に数十万円の差があります。
マルタの物価は東京と同じくらいですが、外食費は高いといわれていますので注意しましょう。
なお、マルタ留学にかかる具体的な費用については、記事後半で解説します。
90日以内ならビザ不要で留学できる
90日以内のマルタ留学なら、ビザの取得は必要ありません。
マルタにビザなしで留学できるのは、マルタがシェンゲン協定に加盟しているためです。
シェンゲン協定とは、ヨーロッパ諸国間において出入国審査なしで国境を行き来できることを許可する協定です。
日本のパスポートを持っていれば、マルタを含むシェンゲン協定加盟国にはビザなしで入国できます。
ただしマルタに91日以上滞在する場合は、学生ビザを取得しなければなりません。
2024年5月以降、学生ビザは事前に日本で申請しなければならなくなりました。
学生ビザの申請には、以下の書類が必要です。
- 銀行口座の英文残高証明書
- 医療費保証額が最低30,000ユーロ以上の海外旅行保険に加入し、その内容が英文で書いてある保証証明書
- 有効なパスポートの全ページのコピー
- 往復の航空券
- パスポート用サイズの証明写真
- 必要事項を記入したビザ申請書類
- 語学学校の入学許可証
- 語学学校発行の支払い証明書
温暖な気候で過ごしやすい
地中海性気候に属するマルタは1年を通して温暖で、快適に過ごせます。
夏季は晴天の日が多く気温が30度を超えることがありますが、乾燥しているため日本のような蒸し暑さはありません。
6〜9月の降水量は、日本の梅雨時のおよそ100分の1といわれています。
晴れている日は日差しが強くなるため、日中に外出するときや海水浴に行くときは、帽子やサングラス、日焼け止めが必須です。
冬季は昼間でも10度を超える日があり、日本の冬ほど寒くありませんが、朝晩は冷え込むため防寒対策も忘れてはいけません。
多国籍の留学生と交流できる
マルタ留学は多国籍の生徒と交流できるため、英語を勉強するかたわら多様な文化や価値観に触れることができます。
マルタはヨーロッパ諸国からアクセスしやすく、リゾート地としても人気があるため、たくさんの国の留学生や観光客が訪れます。
ヨーロッパの中でもイタリアやスペイン、ドイツ、フランスからの留学生が多く、それだけでなくコロンビアやブラジルといった南米から訪れる留学生もいます。
特に夏は留学生が増加する傾向があります。
留学先として人気が高いオーストラリアやカナダに比べて、マルタは日本人の割合が少ないため、日本以外の国の留学生と交流を深めることができるでしょう。
語学留学しながら観光も楽しめる
マルタには観光スポットがたくさんあるため、語学留学しながら観光も楽しむことができます。
例えば、街全体が世界遺産として登録されている首都のバレッタには、城壁に囲まれた街並みや聖ヨハネ大聖堂、騎士団の宮殿など、マルタの歴史を感じられる観光スポットがたくさんあります。
船が浮かんで見えるほど透明度が高いブルーラグーンは、マルタの中でもっとも有名な観光スポットです。
多くの商業施設が建ち並ぶセントジュリアンズは大勢の若者で賑わっており、都会の雑踏を味わうことができます。
またマルタはヨーロッパ諸国へ気軽に旅行できるのも魅力です。
数時間で渡航できる国が多く、格安航空会社を利用すれば往復1〜5万円ほどという手軽さで旅行できます。
マルタ留学のデメリット

マルタ留学のデメリットは、以下の5つが挙げられます。
- 直行便がなくアクセスが悪い
- 物件数が少なく滞在先の確保が難しい
- 娯楽が少なく長期滞在の場合の過ごし方には工夫が必要
- 観光地なので遊びの誘惑が多い
- マルタ訛りの英語に戸惑うかもしれない
それぞれ詳しく解説します。
直行便がなくアクセスが悪い
残念ながら日本からマルタへの直行便は運航されていません。
日本からマルタへ渡航するには、ヨーロッパの主要都市を経由する北回りか、中東の都市を経由する南周りかのどちらかを選択することになります。
ヨーロッパを経由してマルタへ渡航する場合のフライト時間は15時間ほどですが、中東を経由してマルタへ渡航する場合は20時間以上かかります。
ただし、中東を経由する方が航空券が割安になるため、時間と費用のどちらを優先するかによって、渡航経路は異なるでしょう。
海外の渡航に慣れていない方は、うまく乗り継ぎができるか不安に感じたり、乗り継ぎ待機時間が長くて疲労を感じたりするかもしれません。
さまざまな飛行機が発着する巨大な空港で乗り継ぐ場合は、空港内の移動距離が長くなることがあるので、特に注意が必要です。
物件数が少なく滞在先の確保が難しい
マルタは広大なアメリカやカナダと比較して物件の数や種類が限られています。
特に夏季は多くの留学生が訪れるので、宿泊施設の需要が一層高まり、物件を確保するのが難しくなります。
セントジュリアンズやバレッタなどの人気エリアでは、物件の争奪争いがさらに激しくなるでしょう。
マルタの滞在先としては、ホームステイやシェアハウス、学生寮、コンドミニアムなどがありますが、多くの留学生はホームステイか学生寮を選択します。
日本のような一人暮らし用の物件はほとんどないため、一人部屋に滞在したい方は物件探しに苦労するでしょう。
希望条件に合う物件を見つけるには、早めの行動が必要です。
娯楽が少なく長期滞在の場合の過ごし方には工夫が必要
マルタには魅力的な観光スポットがたくさんありますが、島の面積が小さいため、数ヶ月ほどで主要なエリアは回れてしまいます。
そのためマルタに長く滞在すると、当初は美しいと思った景色が見慣れた景色になってしまいます。
しかしマンネリ化しないための工夫をすれば、長期滞在であっても楽しく生活することは可能です。
例えば、語学学校のイベントやアクティビティに参加して行動範囲を広げたり、さまざま人と交流する機会を作ったりすると、刺激のある生活がおくれ、退屈する暇はなくなるでしょう。
観光地なので遊びの誘惑が多い
ヨーロッパを始め世界各国から多くの観光客が集まるリゾート地マルタには、多くの誘惑があります。
例えば、バレッタやセントジュリアンズの近くには観光客向けのレストランやバーなどがたくさんあり、さまざまな人と交流することができます。
充実した時間を過ごすのは良いことですが、英語の勉強に集中したい方にとっては、デメリットになるかもしれません。
遊びの誘惑に負けないためには、留学の目的をしっかり決め、勉強と遊びのメリハリを意識することが大切です。
マルタ訛りの英語に戸惑うかもしれない
マルタは1934年までイタリアに植民地支配されていたため、イタリア語が公用語として使われていました。
イタリアの植民地支配が終わったあとのマルタは、イギリスに占領され、英語が公用語となりました。
このように複数の言語を使用してきたマルタで使われる英語には訛りがあります。
日本の学校教育では主にアメリカ英語が使われるため、癖のあるマルタの英語は日本人にとっては聞き取りづらく感じてしまうことがあります。
マルタの訛りある英語が気になる方は、多くの留学生や観光客が訛りのない英語を使うバレッタやセントジュリアンズなどの都市部にある語学学校に通うことをおすすめします。
マルタ留学でよくある失敗例

マルタに留学した日本人の中には、失敗を経験した方もいます。
マルタ留学でよくある失敗例は以下の3つです。
- 遊びすぎて勉強が疎かになった
- 安さ重視で学校を選んだ結果内容に満足できなかった
- 日本語を使いすぎて英語力を伸ばせなかった
それぞれ詳しく見ていきましょう。
遊びすぎて勉強が疎かになった
マルタはヨーロッパ諸国の人々にとってはリゾート地であるため、多くの留学生は語学の勉強だけでなく休暇を楽しむことを目的の1つとしてマルタを訪れます。
そのため、語学学校で知り合った友達と一緒に行動すると、食事を楽しんだり、ビーチでのんびり過ごしたり、マリンスポーツに挑戦したりと、勉強以外のことに時間を費やすことが多くなってしまいます。
多くの観光客が集まるバレッタやセントジュリアンズには、レストランやバー、映画館など多くの誘惑があり、勉強が疎かになってしまったと感じる留学生は少なくありません。
特に夏季は観光客が増加し、街全体が浮かれた雰囲気になるため、つい遊びすぎてしまうこともあるでしょう。
本来の目的を忘れず、誘惑に負けないようにしましょう。
安さ重視で学校を選んだ結果内容に満足できなかった
マルタはヨーロッパの他国と比較して留学の費用を抑えられますが、安さ重視で学校を選んだ結果、授業の内容や現地での生活に物足りなさを感じる日本人留学生もいます。
例えば、費用が安さに比例して授業数が少なかったり、選択できるコースが限られていたりと、物足りなさを感じてしまう場合があります。
また費用が安い語学学校は、主要都市の中心地から離れた場所にキャンパスを構えていることが多く、買い物に出かけるのに時間がかかったり、外食する場所が限られたりと不便を感じことがあります。
留学の費用を抑えることは大切ですが、生活環境の質を落としてしまうと充実した留学生活は送れません。
語学学校を選ぶときは、学校の立地や授業数、コースの内容など多方面から確認するようにしましょう。
日本語を使いすぎて英語力を伸ばせなかった
マルタは他の英語圏と比較して滞在する日本人の割合が多くありませんが、日本人が全くいないわけではありません。
日本人の割合が少ないからこそ、日本人同士で固まってしまい英語を使わないという、何のために留学しているかわからなくなってしまう留学生がいます。
海外では同じ国の人といるのは居心地が良いと感じてしまいます。
特に初めての留学では言葉や生活に対する不安から、日本人がいると安心して話しかけてしまいます。
休憩時間や休日を日本人の友達と一緒に過ごしてしまうと、帰国してから英語力を伸ばせなかったと後悔することになってしまいます。
英語力を伸ばせなかったという失敗を避けるためには、日本人以外の生徒や地元の人に積極的に話しかけるようにしましょう。
また英語に不安がある方は、渡航前から英語の学習をしておくことをおすすめします。
マルタ留学に向いている人

ここまで解説してきたマルタ留学のメリットやデメリットなどを踏まえて、マルタ留学に向いている人を解説します。
- さまざまな国籍の留学生と交流したい人
- 日本人の少ない環境で英語を学びたい人
- 費用を抑えて欧米に留学したい人
- 短期の語学留学を希望する人
それぞれ詳しく解説します。
さまざまな国籍の留学生と交流したい人
留学先として人気が高いオーストラリアやカナダには、アジアから多くの留学生が訪れています。
しかし、マルタの留学生の半数以上はヨーロッパからといわれています。
そのため、さまざまな国籍の留学生と交流したい方や色々な国に友達を作りたい方は、マルタ留学が向いているでしょう。
日本人の少ない環境で英語を学びたい人
オーストラリアやカナダのような治安が良くて生活しやすい国には、多くの日本人が留学しています。
一方マルタは、近年日本人留学生が増えているとはいうものの、オーストラリやカナダほどではありません。
比較的日本人が少ない環境の中で英語の学習に集中したい方は、マルタ留学が向いているでしょう。
費用を抑えて欧米に留学したい人
留学費用が安い国と聞くと、フィリピンやフィジーなどの発展途上国をイメージする方が多いかもしれませんが、マルタも留学費用が安いことで知られています。
また、マルタならヨーロッパの主要都市に安く行けるのも大きな魅力です。
留学してさまざまな国籍の人々と交流したいけど金銭的に余裕がない方にとって、マルタはおすすめの留学先の1つになります。
短期の語学留学を希望する人
マルタには、最短1週間という短期コースを開講している語学学校があります。
中には、週40レッスンという短期間に集中して英語を学ぶことができる語学学校もあります。
そのためマルタ留学は、1週間から1ヶ月程度の短期間で英語力を伸ばしたい方の留学先としておすすめです。
マルタ留学にかかる費用と内訳

マルタ留学にかかる費用は、1ヶ月で約30〜75万円、3ヶ月で約80〜170万円、1年で約270〜480万円が目安です。
マルタは物価が安く、留学費用を抑えることができますが、渡航する時期や現地での過ごし方、為替レートなどによって費用が大きく異なります。
ここではマルタ留学にかかる費用の目安を「渡航費」「学費」「生活費」に分けて解説します。
渡航費
マルタ留学で必要な渡航費として計上するのは、航空運賃と海外旅行保険料です。
日本からマルタへの航空運賃は時期によって大きく異なり、往復で約10〜17万円かかります。
特に夏季やゴールデンウィークは航空券が高くなるため、観光シーズンではない9〜4月に出発すると航空運賃を抑えることができます。
ただし、冬季は留学生が減るため、受講したいコースが開設されない場合があります。
航空運賃の安さだけでなく、時期によって受講できるコースが異なることに注意する必要があります。
また、日本と違い海外でケガや病気になると高額な治療費がかかってしまいます。
そこで安心してマルタで生活するために、海外旅行保険に加入しておくことをおすすめします。
保険料の目安は、1ヶ月で約1.5〜2.5万円、1年間で約20〜30万円です。
海外旅行保険は加入プランによって補償内容や値段が異なるため、内容をよく確認した上で契約しましょう。
学費
マルタ留学でかかる学費は、通学する学校や時期によって異なります。
例えば、留学生が増える夏季は学費が高くなり、逆に留学生が減る冬季は学費が安くなります。
また、語学学校が都市部の中心に近ければ近いほど、学費は高くなる傾向があります。
語学学校にかかる授業料の目安は、1週間で約3〜8万円、1ヶ月で約13〜25万円です。
入学金や教材費については語学学校によって異なりますが、学費に含まれていることがほとんどです。
生活費
生活費の主なものは、滞在費、食費、交通費、通信費です。
滞在費は滞在先の種類によって異なります。
例えば、食事付きのホームステイの場合は1週間で約3.6〜5.5万円、1ヶ月で約14〜22万円。
学生寮やシェアハウスの場合は1週間で約1.6〜3.3万円、1ヶ月で約6.4〜13.2万円です。
学生寮やシェアハウスを利用すれば滞在費は安く抑えられますが、頻繁に外食をしていればホームステイより生活費が高くなることもあります。
マルタではレストランでランチをするだけで約2,000〜3,000円ほどかかるため、少しでも生活費を抑えたい場合は自炊することをおすすめします。
その他交通費や通信費、交際費などの生活費を合わせると、1週間で約5〜7万円、1ヶ月で約20〜30万円かかります。
現地での過ごし方は人それぞれ異なるため、あくまで目安として参考にしてください。
マルタ留学についてのまとめ
多くの日本人はオーストラリアやカナダ、イギリスなど人気のある国を留学先として選ぶため、マルタは広く認知されている留学先ではありません。
人気のある留学先は、住みやすく留学の種類も豊富にあることから、日本人が多く滞在していたり、費用が高かったりと語学留学にはデメリットになるがことあります。
しかし、マルタは滞在している日本人が少なく費用も抑えられる上、ヨーロッパや南米など多様な国籍の留学生と交流できます。
費用を抑えて、さまざまな文化や価値観に触れながら英語を学びたい方には、マルタ留学は良い選択肢になるでしょう。