高校生の留学を徹底解説!留学プログラムの種類やメリット・デメリット

高校生の留学を徹底解説!留学プログラムの種類やメリット・デメリット

高校生のうちに海外での生活や学びを経験する「留学」は、将来に大きな影響を与える貴重なチャンスです。

英語力の向上はもちろん、異文化への理解や自立心も育まれます。

一方で、費用や手続きの面で不安を感じる人も多いでしょう

本記事では、留学の種類やメリット・デメリットを分かりやすく解説します。

黒須千咲

執筆者
黒須千咲

中学時代に英語に惹かれ、外国語科の高校と法政大学GISに進学。英語漬けの学生時代を過ごし、アメリカ・イギリスへ短期留学もしました。大学卒業後はオーストラリアでワーキングホリデーを経験。以来、大好きな英語や海外に関する情報を発信するライターとして活動しています。

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高校留学とは?

高校留学とは?

高校留学とは、高校生が在学中に海外での学びや生活を経験することです。

その形は多岐にわたり、現地の高校へ通う長期留学だけでなく、春休みや夏休みを利用した短期の語学研修や国際交流プログラムも含まれます。

高校留学では、英語力の向上だけでなく、多様な文化に触れることで視野が広がり、自立心や柔軟性も育まれます。

また、日本の高校と提携している制度を利用すれば、単位の互換が可能なケースも。

目的や期間に応じて選べるため、まずは短期間で挑戦してみたい人から本格的に海外で学びたい人まで、それぞれに合ったスタイルでの留学が可能です。

高校生向け留学プログラムの種類

高校生向け留学プログラムの種類

高校生が参加できる留学プログラムには、さまざまな種類があります。

「英語力を伸ばしたい」「国際的な視野を広げたい」「海外の高校を卒業したい」など、留学に求める内容によって最適なプランは異なります。

ここでは、代表的な4つの留学スタイルについて、それぞれの特徴やメリット、注意点を紹介します。

  • 春休み・夏休み・冬休みの短期留学
  • 1年間の長期留学
  • 卒業留学
  • 交換留学

春休み・夏休み・冬休みの短期留学

短期留学は、春休み・夏休み・冬休みなどの長期休暇を利用して数週間を海外で過ごすプログラムです。

語学学校での英語研修や現地の学生との交流、アクティビティを含んだサマースクールなど、内容は多岐にわたります。

期間が短いため、初めての留学やお試し感覚での参加にも適しており、比較的気軽に挑戦できる点が魅力です。

ただし、英語力の飛躍的な向上は期待しづらく、「英語に触れる機会を増やしたい」「国際感覚を体験したい」という目的に向いています。

費用は30〜60万円程度で、他の留学プランと比べて負担が軽いのも特長です。

1年間の長期留学

長期留学は、1学年間(約10か月〜1年)を海外の高校で過ごすプログラムです。

現地の授業に参加し、ホームステイや学生寮などで生活することで、語学力だけでなく実践的な生活力や国際感覚を身につけられます。

日本の高校に在籍したまま「休学留学」として行うケースも多く、帰国後は元の学校に復学することが可能です。

滞在先や通学先の学校を選べる自由度の高い私費留学が一般的ですが、交換留学として1年間派遣されることもあります。

語学力に不安がある人にはESL(英語補習)クラスのある学校も選択肢となり、安心して挑戦できる留学スタイルです。

卒業留学

卒業留学は、海外の高校へ入学し、現地で3〜4年間を過ごして卒業資格の取得を目指すプログラムです。

中学卒業後にすぐ海外の高校へ進学するケースや、日本の高校を中退して留学するケースもあります。

卒業後は、現地の大学や他国の大学への進学も視野に入れられるため、将来的に海外での進学・就職を希望する学生にとって有力な選択肢です。

長期間にわたるため、語学力の習得はもちろん、学習意欲や自立心も求められます。

費用は高額になりやすいですが、その分、国際的な学歴や経験を得られることから、大きな価値のある留学スタイルといえるでしょう。

交換留学

交換留学は、国や学校が運営する制度を通じて、一定期間海外の高校に通う留学プログラムです。

多くの場合、1学期間または1年間が期間の目安となり、授業料や滞在費が支援される点が大きなメリットです。

一方で、滞在地域や学校は選べないことが一般的で、一定の英語力や選考試験が求められます。

現地の生徒と同じ授業を受けながらホームステイで生活するため、積極的なコミュニケーション力も必要です。

また、文部科学省の制度により、日本の在籍高校での単位として認められる場合もあり、帰国後にスムーズに復学できるのも特長です。

費用と学びのバランスがとれた留学方法です。

高校生が留学するメリット

高校生が留学するメリット

ここでは、高校留学がもたらす主な4つのメリットについて詳しく紹介します。

  • 英語力が向上する
  • 国際感覚が身につく
  • 進路選択の幅が広がる
  • 自立心や柔軟性が育まれる

英語力が向上する

高校生が留学するメリットは、英語力を伸ばせることです。

高校生は言語吸収力が高く、現地での生活や授業を通して英語を実践的に習得することができます。

特に留学先では日常的に英語を使う機会が多く、自然とリスニングやスピーキング力が身についていきます。

ESL(英語補習)クラスがある学校では、英語力に自信がない人でも安心して学び始めることが可能です。

また、英語でプレゼンテーションやディスカッションを行う授業を経験することで、自己表現力や論理的思考力も育まれます。

留学で培った英語力は、帰国後の大学入試や将来の進学・就職においても大きな強みとなるでしょう。

国際感覚が身につく

留学中に異なる文化や価値観に日常的に触れることで、国際感覚が身につきます。

たとえば、授業のスタイルや生活習慣、人との接し方など、海外では日本と異なるルールや考え方に出会うことが多々あります。

そうした違いを受け入れながら生活することにより、多様性を尊重する姿勢柔軟な思考が身につきます。

また、日本という国を外から見つめ直すことで、自国に対する理解や愛着も深まるでしょう。

国際社会で活躍するための第一歩として、高校留学は大きな意味を持ちます。

進路選択の幅が広がる

留学中に得られる経験は、将来の進路の幅を広げてくれます。

海外の高校では、専門性の高い科目や実践的な授業が行われていることも多く、自分の興味や適性に気づくきっかけになります。

帰国後は、大学受験で「帰国子女枠」などの選択肢を利用できる場合もあり、受験の幅が広がるのもメリットです。

また、英語力を活かして海外大学への進学を目指すことも可能に。

将来的には、外資系企業や国際機関など、グローバルな舞台でのキャリアを見据えた進路選択も視野に入れられるようになるでしょう。

自立心や柔軟性が育まれる

慣れない環境の中で生活する留学では、自ら考え行動する力が自然と鍛えられます。

語学の壁や文化の違いに直面する場面では、困難を乗り越えるための工夫や対応力が求められます。

身の回りのことを自分でこなす日常生活はもちろん、授業中の発言や友人との交流など、積極的な姿勢が必要です。

こうした環境に身を置くことで、精神的にも大きく成長し、自信やたくましさを身につけられます。

将来、どんな状況にも柔軟に対応できる人間力の基礎を築くことができるのが、高校生のうちに留学する大きな魅力です。

高校生が留学するデメリット

高校生が留学するデメリット

高校留学には多くのメリットがある一方で、注意しておきたいデメリットも存在します。

ここでは、留学を検討する際に知っておきたい代表的な3つのデメリットを紹介します。

  • 費用がかかる
  • 途中で挫折する可能性がある
  • 大学入試に影響が出ることも

費用がかかる

高校留学は、国内の高校に通う場合と比べて大幅に費用がかかるのが現実です。

授業料に加え、滞在費や渡航費、保険料などが必要となり、1年間でおおよそ220万円〜500万円程度かかることもあります。

期間が長くなればその分コストも増し、卒業までの留学では通算すると1,000万円を超えるケースも。

費用は国や地域、プログラムの内容によって異なりますが、家庭の経済状況によってはハードルになることもあるでしょう。

奨学金制度などの支援策を活用するのも一つの手段です。

途中で挫折する可能性がある

期待に胸をふくらませて渡航しても、実際の留学生活は決して楽しいことばかりではありません。

言葉の壁や文化の違い、孤独感などにより、思うように馴染めず途中で帰国を選ぶケースもあります。

その場合、復学先や単位の認定がスムーズにいかなければ、学歴面で不利になる可能性もあるでしょう。

自分で選んだ道であっても、現地でのストレスやプレッシャーからくる挫折は誰にでも起こり得ます。

事前に覚悟を持ち、万が一の際の対応策を考えておくことが大切です。

大学入試に影響が出ることも

高校2〜3年での留学は、大学受験の準備時期と重なりやすく、進学スケジュールに支障が出ることがあります。

特に1年間の留学を考える場合、日本と海外で学期開始の時期が異なるため、帰国後にうまく復学できなければ、受験対策の時間が不足するおそれも。

加えて、留学先で取得した単位が日本で認められないと、留年のリスクもあります。

こうした事態を避けるためにも、出発前に在籍校としっかり相談し、単位認定の可否や受験への影響を把握しておくことが重要です。

高校生の留学にかかる費用

高校生の留学にかかる費用

高校生の留学にかかる費用は、時期や期間、留学先の国やプログラムの種類によって大きく異なります。

ここでは、短期・長期・交換・卒業留学の4つに分けて、それぞれの費用目安を紹介します。

自分に合ったスタイルを見つける参考にしてください。

夏休み・春休み・冬休みの短期留学

学校の長期休暇を活用した短期留学は、比較的費用を抑えられるため、初めての留学体験に最適です。


1〜4週間の短期留学では、費用は総額30万円〜70万円程度が目安です。

主な費用内訳は、航空券や授業料、ホームステイ代、保険料など。

期間が短いため、渡航費や滞在費が最小限に抑えられるのが特徴です。

国によっても差があり、アジアやオセアニア地域は比較的安く、欧米はやや高額になります。

まずは「英語に触れたい」「海外生活を体験してみたい」という高校生におすすめの留学スタイルです。

1年間の長期留学

1年間の長期留学は、トータルで220万円〜500万円程度の費用がかかります。

長期留学は、現地の高校に通いながら生活全体を海外で送るスタイルで、生活費や学費が大きな割合を占めます。

欧米諸国では年間で400万〜500万円、比較的物価が安い国であれば250万円前後が一般的です。

費用には、授業料や滞在費、航空券、ビザ申請費、現地サポート料などが含まれます。

奨学金制度を活用することで、負担を軽減できる場合もあるため、情報収集と事前準備が重要です。

卒業留学

卒業目的の留学は、3〜4年の通学を見据えた高額な投資となります。

高校卒業を目的とした海外留学、いわゆる「卒業留学」では、年間約300万〜400万円が目安で、通算すると1,000万円を超える場合も。

通常の高校生活以上のコストがかかるため、計画的な資金準備が不可欠です。

交換留学

交換留学は費用が抑えられ、実質的に「格安」での長期留学が可能です。

学費や滞在費が免除されることが多く、必要なのは渡航費や保険料、ビザ費用などに限られます。

総額で見ると50万〜100万円前後で収まるケースもあり、コストパフォーマンスに優れています。

ただし、応募条件や審査もあり、事前の準備と選考対策が重要です。

高校生向け奨学金制度と無料で留学する方法

高校生向け奨学金制度と無料で留学する方法

留学にかかる費用は決して安くありませんが、奨学金制度をうまく活用すれば、費用を抑えたり、場合によっては実質無料で海外留学を実現することも可能です。

特に高校生向けの支援制度は、公的機関や地方自治体、民間団体などさまざまなところで提供されており、給付型の制度も多く存在します。

ここでは、主な奨学金の種類と無料で留学するための方法、応募時の注意点についてわかりやすくご紹介します。

高校生向け奨学金の種類

高校生向けの奨学金には、返済不要の「給付型」と、返済が必要な「貸付型」があります。

給付型は人気が高く、文部科学省主導の「トビタテ!留学JAPAN」などが代表的です。

公的機関や自治体、民間団体が支給元となり、対象や条件は制度ごとに異なります。

たとえば、自治体の奨学金ではその地域に居住していることが条件となる場合が多く、また、成績や推薦書、エッセイの提出が求められることも。

こうした制度を理解し、自分に合った奨学金を探すことが、費用の壁を越えて留学を実現する第一歩になります。

無料で留学するには?

交換留学や全額給付の奨学金制度を活用すれば、実質無料での留学が可能です。

ロータリークラブやAFSなどが実施する交換留学プログラムでは、学費や滞在費をカバーしてくれるため、渡航費や保険代などの一部負担で留学できます。

また、「トビタテ!」などの給付型奨学金は、条件を満たせば数十万円以上の支援が受けられ、ほぼ無料での留学も夢ではありません。

費用面の不安から留学をあきらめる前に、まずは利用できる制度を調べ、積極的に活用していくことが重要です。

応募時の注意点とポイント

奨学金制度を利用するにあたっては、応募条件や提出書類を正しく理解し、準備を早めに始めることが大切です。

多くの奨学金は、家計基準や学業成績、留学先からの受け入れ証明など、詳細な条件や書類の提出が求められます。

給付型の場合は特に審査が厳しく、エッセイや面接、帰国後の報告義務などが含まれることも。

制度によっては他の奨学金との併用が可能なものもあるため、複数を組み合わせて利用することも一つの戦略です。

募集時期を逃さないよう、早めに情報収集し、計画的に準備を進めましょう。

高校生の留学を成功させるためのポイント

高校生の留学を成功させるためのポイント

留学を成功に導くために押さえておきたい5つのポイントをご紹介します。

  • 目的を明確にする
  • 基礎的な英語力を身につけておく
  • 信頼できる留学エージェントやプログラムを選ぶ
  • 帰国後の進路や学業にどう活かすかを考えておく
  • 健康管理や安全対策を徹底する

目的を明確にする

留学を成功させるには、最初に「なぜ行くのか」を明確にしておくことが重要です。

目的が曖昧なままだと、現地での行動がブレやすく、せっかくの学びのチャンスを活かしきれない可能性があります。

 たとえば「英語を話せるようになりたい」だけでなく、「将来通訳になりたいから、英語でプレゼンできる力をつけたい」など、具体的な目的があると日々の学びにも方向性が出ます。

また、目的がはっきりしていれば、困難に直面した際の判断軸にもなり、モチベーションを維持しやすくなります。

出発前に自分の中で留学の意味を整理しておくことが、成功への第一歩です。

基礎的な英語力を身につけておく

スムーズなスタートを切るためには、出発前に最低限の英語力を身につけておきましょう。

授業内容を理解するためにはリスニングや語彙力が必要で、初期の段階で会話ができると現地での適応も早まります。

学校の英語授業に加え、オンライン英会話や英語での日常会話の練習なども効果的です。

語彙力や文法だけでなく、伝えたいことを簡潔に表現する力も意識して身につけておくことが重要です。

信頼できる留学エージェントやプログラムを選ぶ

安心して留学するためには、実績のあるエージェントやプログラムを選ぶことが不可欠です。

サポート体制が整っていないと、トラブル発生時に適切な対応が受けられず、学業や生活に支障が出る恐れがあります。

実績や口コミ、サポート体制を事前に確認し、自分に合ったプランを提案してくれるかどうかも判断基準にしましょう。

また、トラブル時の対応力や現地でのサポート内容まで含めて比較検討することが、安心・安全な留学につながります。

帰国後の進路や学業にどう活かすかを考えておく

留学で得た経験を将来にどう活かすかを考えておくことも大切です。

大学受験での帰国子女枠の活用や海外大学への進学、外資系企業への就職など、留学経験がプラスになる場面は多々あります。

留学中から「どんな学びを日本での進路に結びつけるか」を意識しておくと、目標に沿った学びや行動ができ、進路選択もしやすくなります。

帰国後の単位認定や学年編成の確認など、学業面の計画も含めた事前の準備を心がけましょう。

健康管理や安全対策を徹底する

海外留学をするにあたっては、体調管理や安全面にも十分な注意が必要です。

異なる環境では体調を崩しやすく、また日本と比べて治安事情や生活習慣が大きく異なることも多いためです。

留学前には予防接種や常備薬の準備を済ませ、健康状態を整えておきましょう。

また、現地の治安情報を把握し、緊急時の連絡方法や相談窓口を事前に確認しておくことも安心材料に。

安全と健康を守ることが、充実した留学生活の土台となります。

高校生の留学についてのよくある質問

高校生の留学についてのよくある質問

高校生の留学についてのよくある質問とその答えを紹介します。

英語力がなくても大丈夫?
はい、留学前に高度な英語力がなくても大丈夫です。
特に短期プログラムや私費の正規留学では、英語が苦手でも受け入れてくれる学校が多くあります。
また、多くの学校ではESL(留学生向け英語授業)を提供しており、基礎から英語を学べる環境が整っているのが一般的です。
ただし、ある程度の基礎英語力があると現地での生活や授業にスムーズに適応しやすくなるため、出発前に日常会話程度の英語力を身につけておくと安心です。
成績や推薦書は必要?
プログラムの種類によって異なります。
たとえば、交換留学の場合、選考があるため学校の成績や英語力の証明、推薦書などの提出が求められることがあります。
一方、私費で参加する短期や正規留学では、比較的条件が緩やかで、成績よりも本人のやる気や目的が重視されるケースが多いです。
どちらにしても、事前に応募要項をしっかり確認し、必要書類を準備しておくことが大切です。
現地での生活やサポート体制は?
多くの高校生向け留学プログラムでは、現地の受け入れ先家庭(ホームステイ)や学生寮に滞在します。
生活面の不安に対しては、現地スタッフやカウンセラーが定期的にフォローを行ってくれるので、トラブルが起きた場合もすぐに相談できます。
また、信頼できるエージェントを通じて参加すれば、日本語でのサポート窓口が用意されていることも多く、初めての海外生活でも安心です。

高校生の留学についてのまとめ

本記事では、高校生の留学について、プログラムの種類やメリット・デメリットを詳しく解説しました。

短期・長期・卒業目的・交換留学など、目的や期間に応じて選べる選択肢は多岐にわたります。

留学は語学力の習得に加え、自立心や柔軟な思考力を育む貴重な経験となる一方で、費用や学業との両立、生活面での適応といった課題も。

だからこそ、自分に合った留学プランを見極め、早めに準備を進めることが成功の鍵となります。

本記事を参考に、自分にとって最適な高校留学のかたちを考えてみてください。