海外留学費用はどれぐらい必要？国・目的・期間別の平均費用と節約術

海外留学を考えるにあたって、まず気になることの1つが費用です。

留学にかかる費用は、渡航先や留学の目的、滞在期間などの要素によって大きく変わってきます。

また、学費や生活費に加えて、航空券代や保険料など見落としがちな出費も少なくありません。

本記事では、海外留学の平均費用を国・目的・期間別に詳しく解説します。

留学費用を決める要素とは？

一般的に、海外留学にかかる費用は、以下の要素によって決まります。

• 留学する国・地域
• 留学の目的（留学方法）
• 留学期間

これら3つとその他の要素について、順に詳しく解説していきます。

留学する国・地域

留学費用は、渡航先の国・地域によって大きく幅があります。

国・地域によって物価に差があり、物価が高いほど、生活費や学費などの留学費用も高くなるためです。

たとえば、アメリカやイギリス、オーストラリアなどの英語圏は、語学学校や大学の授業料が高額な傾向にあり、生活費も都市部ではかなりの出費になります。

一方で、フィリピンなどの東南アジア諸国は学費も生活費も比較的安く、費用を抑えて留学したい人に人気です。

また、同じ国であっても、都市部と地方では生活費に大きな差があります。

さらに、為替レートの変動によって日本円での支払い額も変わるため、留学先を決める際にはその国の経済状況や物価水準を事前にリサーチしておくことが大切です。

留学する国・地域選びは、学びの環境だけでなく、費用面にも大きく影響する重要なポイントと言えるでしょう。

留学の目的（留学方法）

留学にかかる費用の内訳や総額は、語学留学や大学留学、高校留学、専門留学、ワーキングホリデーなど、留学の目的によって大きく変わってきます。

語学留学は、比較的短期での渡航が可能なため、学費や滞在費の合計を比較的安く抑えられる傾向があります。

一方、大学や高校の正規留学は、学費だけで年間数百万円にのぼることもあり、最も費用がかかる留学スタイルです。

専門留学は、学ぶ分野によって授業料が大きく異なり、調理や美容、ITなど実習中心のカリキュラムの場合は追加費用が発生することも珍しくありません。

ワーキングホリデーは、現地で働いて収入を得ながら生活できるため、トータルの費用を抑えられる可能性があります。

このように、どのような目的で留学するかによって必要なお金や予算の立て方は大きく変わります。

留学期間

留学の期間も、費用を決定する大きな要因の1つです。

一般的に、期間が長くなるほど学費や生活費、保険料などが積み重なり、留学にかかる費用の総額は増えていきます。

たとえば、1か月の語学留学であれば20〜40万円程度に収まることもありますが、3か月、半年、1年と延ばすごとに、数十万円から数百万円の単位で増加していきます。

一方で、割安な滞在先契約や交通定期券の利用など、長期滞在ならではのコストを抑えられる側面もあります。

逆に、留学は短期であっても航空券代などの初期費用は発生するため、1日あたりのコストで見ると割高になる場合も。

費用と学習効果のバランスを考慮し、目的に合った適切な留学期間を設定することが大切です。

その他（滞在方法・航空券・為替など）

国・目的・期間以外にも、留学費用に影響を与える要素は多くあります。

代表的なものの1つが滞在方法です。ホームステイや学生寮、シェアハウス、アパートなど、滞在方法によって費用は大きく異なります。

また、航空券代は、渡航時期や予約のタイミングによって大きな差があり、繁忙期の航空券は高額になりがちです。

公共交通機関の使い方や自炊の頻度など、現地での過ごし方によっても、留学中の生活費は大きく変わってきます。

さらに、為替レートの変動によって、同じ現地通貨でも日本円換算時の費用が変動するため注意が必要です。

このように、見落とされがちな要素にも目を向けて、余裕のある資金計画を立てることが重要です。

語学留学の平均費用

語学留学の費用は国や期間によって異なります。

期間ごとの平均的な費用の目安を紹介します。

参考：留学ジャーナル

※上記の費用は、授業料・滞在費・食費を含めたおおよその合計金額の平均です。

※実際の費用は、学校の種類や立地、滞在方法、為替レートなどにより変動する場合があります。あくまで平均的な目安としてご確認ください。

アメリカ

アメリカは語学留学先として人気が高いものの、費用は他国と比べて高めです。

特にニューヨークやロサンゼルスなどの大都市では、授業料や生活費が高額になる傾向があります。

一方で、地方都市や州立の語学学校を選ぶことで、費用を抑えることも可能。

また、学校の選択肢が豊富で、目的に応じたプログラムを見つけやすいのも魅力です。

カナダ

カナダは比較的費用を抑えつつ、質の高い教育を受けられる国として人気があります。

バンクーバーやトロントなどの都市部では生活費がやや高めですが、地方都市を選ぶことでさらにコストを下げることが可能です。

また、多文化社会であるため、さまざまなバックグラウンドを持つ人々と交流できる点も魅力です。

イギリス

イギリスは、歴史ある教育機関が多く、質の高い英語教育を受けられます。

しかし、ロンドンなどの都市部では生活費が高く、全体的に留学費用は高めです。

地方都市を選ぶことで、費用を抑えることができます。

イギリス英語を学びたい人には最適な環境です。

オーストラリア

オーストラリアは、温暖な気候とフレンドリーな国民性で留学生に人気があります。

語学学校の質も高く、都市部では生活費がやや高めですが、地方都市を選ぶことで費用を抑えることが可能です。

また、学生ビザでの就労が認められているため、アルバイトをしながら学ぶこともできます。

ニュージーランド

ニュージーランドは、自然豊かな環境で落ち着いて学びたい人に適した留学先です。

語学学校の数は多くはありませんが、質の高い教育を提供しています。

生活費も比較的安価で、治安も良好なため、初めての留学にもおすすめです。

フィリピン

フィリピンは、マンツーマンレッスンが主流で、短期間で英語力を伸ばしたい人に人気です。

費用も他国と比べて格安で、1年間の留学でも160万円程度に抑えられます。

また、日本からのアクセスも良く、時差も少ないため、初めての留学にも適しています。

大学留学の平均費用

海外大学への進学にかかる費用は国ごとに大きく異なります。

ここでは、授業料や生活費を含めた1年間の平均費用について解説します。

参考：留学ジャーナル

※上記の費用は、授業料・滞在費・食費を含めたおおよその合計金額の平均です。

※実際の費用は、学校の種類や立地、滞在方法、為替レートなどにより変動する場合があります。あくまで平均的な目安としてご確認ください。

アメリカ

アメリカの大学留学は、学費が高額であることが特徴です。

平均は約540万円ですが、私立大学や都市部の大学では年間600万円を超えることもあります。

一方で、州立大学やコミュニティカレッジを利用することで、費用を抑えることも可能です。

また、奨学金や編入制度を活用することで、経済的負担を軽減できます。

カナダ

カナダの大学は、他の欧米諸国と比べると費用を抑えられるのが特徴です。

また、教育の質も高く、留学生に対するサポート体制も整っています。

都市部では生活費が高めですが、地方都市を選ぶことで、全体の費用を抑えることが可能です。

イギリス

イギリスの大学は、3年間で学士号を取得できるため、留学期間を短縮できます。

しかし、学費や生活費は高額で、特にロンドンなどの都市部では費用がかさみます。

奨学金や地方都市の大学を選ぶことで、費用を抑えられるでしょう。

オーストラリア

オーストラリアの大学は、原則3年間で卒業できるため、トータルの留学費用を抑えられます。

また、学生ビザでの就労が認められており、アルバイトをしながら学ぶことが可能です。

ニュージーランド

ニュージーランドの大学は、教育の質が高く、留学生に対するサポートも充実しています。

学費や生活費も比較的安価で、自然豊かな環境で学ぶことができます。

また、学生ビザでの就労も可能で、生活費の一部を補えるのもうれしいポイントです。

高校留学の平均費用

授業料や生活費を含めた高校留学の費用平均を国ごとに紹介します。

参考：留学ジャーナル

※上記の費用は、授業料・滞在費・食費を含めたおおよその合計金額の平均です。

※実際の費用は、学校の種類や立地、滞在方法、為替レートなどにより変動する場合があります。あくまで平均的な目安としてご確認ください。

アメリカ

アメリカの高校留学は、私立校が主流であり、学費が高額になる傾向があります。

一方で、交換留学を利用することで、費用を抑えることが可能です。

カナダ

カナダの高校留学は、公立校への留学が一般的で、学費は比較的安価です。

また、多文化社会であるため、さまざまな価値観を学ぶことができます。

留学生に対するサポート体制も整っており、安心して学ぶことができます。

イギリス

イギリスの高校留学は、伝統ある教育制度と進学実績の高さが魅力です。

費用は比較的高めですが、その分学習環境や進路サポートが充実しており、将来に直結する留学体験が可能です。

オーストラリア

オーストラリアの高校留学は、公立校と私立校の選択肢があり、費用は学校によって異なります。

教育の質が高く、留学生に対するサポートも充実しています。

また、自然豊かな環境でのびのびと学ぶことができるのも魅力です。

ニュージーランド

ニュージーランドの高校留学は、公立校への受け入れが一般的で、費用も比較的抑えやすい傾向があります。

自然豊かな環境と治安の良さから、初めての海外留学先としても人気です。

フィリピン

フィリピンの高校留学は、英語を公用語とする環境でありながら、費用が非常にリーズナブルな点が大きな魅力です。

学費や生活費を抑えつつ、英語力を集中的に高めたい学生に適しています。

専門留学の平均費用

専門留学にかかる1年間の平均費用を、国別に紹介します。

参考：留学ジャーナル

※上記の費用は、授業料・滞在費・食費を含めたおおよその合計金額の平均です。

※実際の費用は、学校の種類や立地、滞在方法、為替レートなどにより変動する場合があります。あくまで平均的な目安としてご確認ください。

アメリカ

アメリカの専門留学では、ビジネス、デザイン、IT、医療分野など多様なプログラムがそろっており、実践的なスキル習得を目指す人に最適です。

特に都市部の専門学校は施設も充実していますが、学費や生活費が高く、全体の費用は420〜470万円ほどが目安です。

カナダ

カナダの専門留学は、費用を抑えつつ高品質な教育を受けられる点が魅力です。

公立カレッジを中心に、ホスピタリティ、IT、グラフィックデザインなどのコースが人気で、費用の平均は約280万円。

また、Co-op（有給インターン）制度を利用することで、実務経験を積みながら生活費の一部を賄うことも可能です。

イギリス

イギリスではアート、デザイン、ファッション、音楽などのクリエイティブ分野に強い専門学校が多く、世界的な評価を受けています。

学費や生活費が高めなため、平均費用は約290万円とやや高額ですが、短期間で専門知識を身につけたい人に適しています。

ヨーロッパ各国とのアクセスの良さも魅力です。

オーストラリア

オーストラリアは専門留学の選択肢が豊富で、調理・看護・教育など職業直結型のコースが充実しています。

費用は約330万円が目安で、都市部ほど物価が高くなる傾向にあります。

学生ビザでの就労も可能なため、現地でのアルバイトを通じて生活費を補うことも可能です。

ニュージーランド

ニュージーランドの専門留学は、自然豊かな環境の中で落ち着いて学びたい人におすすめです。

観光、保育、スポーツ関連などの分野に人気があり、費用は約310万円が平均です。

就労ビザへの切り替えがしやすいプログラムもあり、移住を視野に入れる人にも選ばれています。

フィリピン

フィリピンの専門留学は、英語圏でありながら費用を大幅に抑えられる点が大きな魅力です。

平均費用は約220万円と他国に比べて非常にリーズナブルで、特に英語教育、ビジネス、IT、ホスピタリティ分野のプログラムが充実しています。

マンツーマン指導を導入している学校も多く、集中してスキルを習得できる環境です。

滞在費や生活費も安く、初めての海外留学としても人気があります。

ワーキングホリデーの平均費用

現地で働きながら生活できるワーキングホリデーで必要な費用について、1年間の平均額を国別に紹介します。

参考：留学くらべ〜る

※上記の費用（1年）は、滞在費・食費を含めたおおよその合計金額の平均です。初期費用にはビザ申請料や航空券、海外留学保険、学費などを含みます。

※実際の費用は、学校の種類や立地、滞在方法、為替レートなどにより変動する場合があります。あくまで平均的な目安としてご確認ください。

カナダ

カナダのワーキングホリデーはCo-op留学と組み合わせる人も多く、現地での就労体験を重視する人に向いています。

費用は1年で約160万円が目安で、都市部では生活費が高くなる傾向にあります。

教育水準が高く、安全な国という点でも、初めての海外生活に適した選択肢と言えるでしょう。

イギリス

イギリスのワーキングホリデー（Youth Mobility Scheme）は、他国と比べて物価や家賃が高いことから、1年間の平均費用は約220万円とやや高額です。

ただし、ヨーロッパ各国へのアクセスが容易なため、旅行を楽しみたい人には最適です。

ロンドンを中心に多様な職種があり、英語力を磨く環境としても魅力的です。

オーストラリア

オーストラリアはワーキングホリデー制度が充実しており、仕事も比較的見つけやすい環境が整っています。

1年間の平均費用は約180万円とされており、アルバイトで生活費をまかなう人が多いです。

特に農業やホスピタリティ系の求人が豊富で、英語を実践的に学びながら働けるのが魅力です。

ニュージーランド

ニュージーランドは治安が良く、自然に囲まれたのんびりとした生活が送れるため、ワーキングホリデー先として人気があります。

初期費用は約60万円と比較的安価で、現地でのアルバイトも見つけやすいのが特徴です。

農園や観光業での仕事が多く、英語を使う環境で実践的に学びたい人に適しています。

【節約術】留学費用を抑えるポイント

「費用がネックで留学するかどうか迷っている」という人に向けて、留学費用を安く抑える方法を6つ紹介します。

• 物価が安い都市を選ぶ
• ハイシーズンを避ける
• 滞在方法を工夫する
• 学校の割引キャンペーンを利用する
• 現地でアルバイトをする
• 奨学金制度を活用する

物価が安い都市を選ぶ

留学費用を安く抑えたいなら、まず注目すべきは現地の物価です。

同じ国でも、都市部と地方では生活費に大きな差が出ます。

アメリカやオーストラリアなどの人気国でも、都市部を避けて地方都市を留学先に選ぶことで、家賃や食費などの現地での生活費を節約することができます。

特に、ホームステイや寮の費用は地域によって幅が大きいため、事前に情報収集して比較するのがおすすめです。

また、フィリピンやフィジーなどの非英語圏は、授業料も生活費も全体的に安く、費用を抑えた留学を実現しやすいです。

留学費用の多くは滞在中にかかるものなので、留学先選びの段階で物価を意識することで大きな節約につながります。

ハイシーズンを避ける

留学費用を節約するには、ハイシーズンを避けて渡航することが大切なポイントです。

留学費用の多くを占める航空券代や学費は時期によって大きく変動します。

特に、夏休みや冬休みなどのハイシーズンは、航空券が高騰するだけでなく、語学学校の授業料なども高めに設定されていることがあります。

そのため、時期を少しずらしてローシーズンに出発するだけで、数万円単位で留学費用を抑えられることも。

語学学校や留学エージェントによっては、オフシーズン限定の割引やキャンペーンを実施している場合もあるので、事前に情報をチェックしておくといいでしょう。

スケジュールに余裕がある場合は、留学時期を上手に選んで賢く節約しましょう。

滞在方法を工夫する

留学中の滞在費は、全体の費用の中でも大きな割合を占めます。

一般的なホームステイや学生寮は安心感がある一方で、長期間滞在すると費用が高くなりがちです。

そこで、費用を抑えたい人におすすめなのが、シェアハウスやアパートのルームシェアです。

現地の掲示板やSNSなどで見つけられることが多く、長期で済むほど割安になるケースも。

学生向けの滞在先を紹介してくれる現地エージェントや学生のサポートを利用すれば、信頼できる住まいをリーズナブルに見つけやすくなります。

また、自炊を取り入れることで食費を節約できることもシェアハウスやアパートに滞在するメリットです。

滞在スタイルを見直すことで、無理なく大きな節約につなげられます。

学校の割引キャンペーンを利用する

語学学校や専門学校などでは、期間限定の割引キャンペーンを実施していることがあります。

たとえば、「早期申し込み割引」や「長期申し込み割引」など、その内容は学校によってさまざまです。

特に、春や秋などの申し込みが少ない時期には、授業料が通常より10〜30％ほど安くなることも。

さらに、留学エージェントを通すことで独自の割引が適用されるケースもあり、自分で直接申し込むよりお得になることもあります。

割引キャンペーンの情報は、学校の公式サイトや留学エージェントのWebサイト、SNSなどで発信されていることが多いので、定期的にチェックするのがおすすめです。

現地でアルバイトをする

滞在中に現地でアルバイトをすることで、生活費の一部を自分でまかなうことができます。

特にオーストラリアやニュージーランド、カナダなどの国では、学生ビザやワーキングホリデービザで就労が認められており、レストランやカフェなどで働く留学生も多くいます。

時給も比較的高めに設定されているため、週数回の勤務でも家賃や食費の足しになることがあります。

ただし、学業との両立が前提であり、国によっては就労時間に制限があるため、ビザの条件は事前にしっかり確認しておきましょう。

現地での就労経験は、語学力の向上や文化理解にもつながるため、一石二鳥の節約方法と言えます。

奨学金制度を活用する

「留学＝お金がかかる」と思われがちですが、奨学金制度を利用することで、費用負担を軽減することが可能です。

日本の文部科学省や地方自治体、民間団体などが提供する奨学金のほか、留学先の大学や学校が独自に支給している奨学金もあります。

全額免除型から一部支給型まで内容は多岐にわたり、応募条件（学業成績や経済状況、志望理由など）も制度によって異なります。

一般的に、奨学金制度は競争率が高いですが、早めに情報収集し、しっかり準備することでチャンスを掴むことは十分に可能です。

また、エージェントが情報提供してくれる場合もあるので、気になる方は相談してみるのもおすすめです。

海外留学費用についてのよくある質問

海外留学費用についてのよくある質問と回答を紹介します。

海外留学費用についてのまとめ

本記事では、国・目的・期間別の留学費用や費用を抑えるための節約術を紹介しました。

留学費用は一律ではなく、選ぶ国や留学の内容などによって大きく変動します。

事前にしっかりと情報を集め、必要な予算を把握することで、無理なく現実的な留学プランを立てられるでしょう。

また、奨学金制度や節約方法をうまく取り入れることで、留学費用の負担を軽減することも十分に可能です。

これから海外留学を検討している人は、ぜひ本記事を参考に留学の資金計画を立ててみてください。