
海外留学にあこがれたことはありますか。テレビやインターネットで目にした海外の学生生活や自分のスキルアップなど、様々なきっかけで自分も留学してみたいと考える一方、どの国に行けば自分の目的が叶うのかわからない、という方もいらっしゃるでしょう。この記事では、初めての留学におすすめの国を、目的別に紹介します。
目次
留学する国を選ぶときに考えること

留学先を選ぶにあたり、考えなければならないことはたくさんあります。ここでは、留学先を選ぶときに考慮すべきことや注意することを紹介します。
留学する目的によって、適している留学先は変わります。言語を学びたいという目的であれば、学びたい言語が学べる場所はどこなのか、と考えて留学先を選ぶ必要があります。また、海外の高校の卒業資格を取りたい、海外の大学で学位や単位を取得したい、などといった目的であれば、自分が学びたい分野だけでなく、その国の文化や自然など学業以外の面にもフォーカスを当てて留学先を選ぶ必要があります。
留学する国によって、かかる費用は大きく変わります。留学先への渡航費や現地の学校に通う学費はもちろんですが、生活に必要な食費や家賃などは国や地域によって様々です。予算はあまりないけど行きたい国は物価が高い、ということであれば、その国の中でも物価の安い地域を探したり、格安航空会社を利用して交通費を抑えたりといった工夫をすることが大切です。
留学する国や地域によっては、治安が悪かったり、気候や食事が合わなかったり、病気やけがをしても気軽に治療が受けられなかったりするかもしれません。安心して生活し、留学した目的に集中できるような場所を留学先として選ぶことは、充実した留学生活を送るうえでとても大切です。
語学留学におすすめの国ランキング

言語を学ぶことを主目的とした語学留学であれば、効率よく集中して言語を学ぶことができる環境選びが大切です。
1位:圧倒的人気を誇るカナダ
メリット
ここ数年の海外留学人気国ランキングで、多くの1位を獲得しているのがカナダです。カナダ英語は癖が少なく、聞き取りやすいのが特徴で、住んでいると自然に英語を吸収しているという特長があります。また、カナダではフランス語も公用語としているので、地域によってはフランス語も学ぶことができます。また、移民が多く、英語が第一言語ではない人に寛容で、偏見の少ない環境の中で英語を学ぶことができます。留学先として人気があるカナダでは、留学生を受け入れる側の語学学校や寮などに、留学生対応や言語指導のノウハウが整っていることが多いので、充実したサポート体制のもとで、安心して言語学習に集中できるでしょう。
デメリット
冬の厳しい気候と物価高がカナダ留学の最大のデメリットです。冬のカナダの気温は、寒いところだと都市部でもマイナス20度、場所によってはマイナス40度くらいまで下がることもあります。物価は日本の1.2倍から1.5倍ほどと高めです。自炊するとか、ルームシェアをするなどといった節約が必要でしょう。
2位:日本人のあまりいない穴場、マルタ
メリット
語学留学に行く人に時々見られるのは、留学したのはいいものの、現地の日本人とばかり交流し、結局現地の人との交流が少なくあまり言語を学べずに帰国するパターンです。マルタには、日本人があまりいないため、日本人同士がつるんでしまうことがない、言語の勉強に真剣に向き合える最適な環境があります。世界中から多様なバックグラウンドを持つ留学生が訪れる場所なので、様々な文化の人と交流することができるのも魅力の一つです。また、ヨーロッパのリゾート地でもあるマルタは温暖な気候で過ごしやすく、観光資源も充実しています。ヨーロッパは交通網が発達しているので、費用に余裕があれば休日に近隣の国へ旅行に行くことができるかもしれません。さらに、ほかの欧米諸国に比べて費用が安いのも特長として挙げられます。
デメリット
観光大国であるがゆえに、勉強よりも観光やアクティビティなど娯楽に気を取られてしまい、勉強がおろそかになる可能性があります。また、観光地であるマルタは、ハイシーズンの6月から9月にかけての期間は、渡航費やホテル代などが高くなる傾向があるので、ハイシーズンを外した時期に留学するなどの工夫が必要です。
3位:低予算留学で人気のフィリピン
メリット
英語留学で人気のフィリピンは、欧米諸国に比べて物価や人件費が安く、日本からも比較的近いため、留学費用を抑えることができます。また、朝から夕方まで授業があり、時にはマンツーマンでレッスンをすることもあるなど、真剣に英語を学びたい人に適した環境が整っています。こうした環境下で集中して学べば、短期間で英語を身につけることができ、留学期間を短くすることができるので、さらに費用を抑えることができます。また、セブ島のきれいな海、マニラなど急成長している大都市のダイナミックさなど変化に富んだ住環境と温暖で過ごしやすい気候も魅力です。
デメリット
都市部などは大気汚染や交通渋滞、治安の悪さなど、注意すべき点が多くあります。また、講師の質もばらばらで、ネイティブレベルの英語学習には対応できない講師もいるようなので、学校や講師選びには注意が必要です。さらに、フィリピン、特にセブ島は、日系の語学学校があるくらい日本人に人気の留学エリアなので、日本人同士で固まってしまうことが懸念されます。日本人としか交流しないということになれば、いくら英語学習のサポート体制やレッスン内容が優れていても、英語学習という所期の目的は達成できないかもしれません。
高校留学におすすめの国ランキング

高校時代という多感な青春期を海外で過ごすことで、多くの貴重な学びを得られるのが高校留学です。
1位:高水準の教育が魅力の英語の本場、イギリス
メリット
イギリスは、レベルの高い教育が魅力です。世界的にも評価の高い、ボーディングスクールと呼ばれる全寮制の高校に留学すれば、学問を志すほかの生徒とともに、高い水準の教育を受けることができます。このような学校は、治安や誘惑の多さに不安がある都会から離れた場所にあることが多いうえ、食事などの生活サポートもあるため、安全な場所で集中して勉強に取り組むことができます。さらに、生徒の文化的背景も多様であることが多いので、彼らとの交流を通して様々な文化を学ぶこともできます。寮生活では自立が求められるので、ボーディングスクールに留学した場合は自己管理能力も鍛えられるでしょう。
イギリスは、英語の本場です。イギリス生活を通して、キングスイングリッシュやクイーンズイングリッシュと呼ばれるきれいで品格のあるイギリス英語を学ぶことができるのもイギリス留学の特長です。
イギリスは、文学や音楽など、世界の文化や歴史の中心でもあります。休日にイギリス国内の文化遺産や文化財に触れることで、教養を深めることも、少し足を延ばしてヨーロッパのほかの国を訪れることもできます。
デメリット
イギリスは日本に比べて物価が高く、留学先の授業料も高額なことが多いうえに日本からも遠いので、低予算で留学するのには向いていません。また、イギリスの学校は入学基準が厳しいことで知られていますし、高額の留学費用を抑えるために利用したい奨学金制度はイギリスではあまり普及していないため、これらのことを考慮すると、イギリス留学は、かなりの狭き門ということになります。
そのうえイギリスは、天候が不安定で、曇りや雨の日が多いことで有名です。変わりやすい気候に対応するために様々な服が必要になるので、短期の留学であっても多くの荷物を持ち込まなければならなくなります。
また、イギリスでもう一つ有名なのが食事の質の悪さです。日本とはかなり違う食文化を有するイギリスでは、戸惑うことが多いかもしれません。自炊できる環境であれば自炊することで、生活費を抑えつつ美味しい食事が食べられる可能性はありますが、口に合う食材を揃えてそれを調理するのは大変です。
2位:人も気候も穏やかなニュージーランド
メリット
ニュージーランドは、穏やかな国民性と気候が特徴の国です。自然が豊かで、リラックスした雰囲気の中で留学生活を送ることができるでしょう。また、ニュージーランドは留学生の受け入れに力を入れており、英語力があまりない生徒に対応できるよう、留学生用の英語プログラムを用意しているところが少なからずあります。教育プログラムの自由度が高く、自分の興味のある科目を組み合わせることで、学習に自主的に向き合うようにしてあります。入学基準が易しい割に教育水準は高く、これから伸び代しがたくさんある高校生にはおすすめです。
さらに、ニュージーランドは、世界的な平和指数ランキングで日本よりも上位に位置しており、治安面でも安心して暮らせます。
英語圏では比較的費用が安いためめ、英語圏に高校留学したいけど予算があまりない、という方には、ニュージーランドはおすすめの国です。
デメリット
ニュージーランドは留学だけでなく、ワーキングホリデーなどで訪れる日本人も多いので、日本人同士で固まりがちになることが懸念材料として挙げられます。せっかくの留学生活なのに、日本人ばかりとつるんでしまい文化交流も勉強も進まない、という状況にならないよう注意が必要です。
また、ニュージーランドには大学が8校しかなく、どれもレベルが高いので、高校卒業後もニュージーランドに残り、大学進学する場合は、相当努力しなければなりません。さらに、教育の自由度が高い分、自己管理能力や計画性がないと、高校卒業時や大学進学にあたって大変な苦労をする可能性があります。
3位:あこがれの海外ドラマの世界、アメリカ
メリット
海外ドラマや洋画を見て、アメリカの高校生活にあこがれた方は多いのではないでしょうか。アメリカに留学すると、映画のようなとまでは行かなくても、それに近い高校生活を体験できるかもしれません。プロムやホームカミングなどイベントが多く、スポーツも盛んなアメリカでは、充実した高校生活を送ることも夢ではないでしょう。
また、アメリカは多様性あふれる国です。様々な文化的な背景を持った多種多様な人が住んでいるので、孤独を感じることは少ないかもしれません。学校側も外国人の学生の対応に慣れていることが多いので、しっかりとしたサポートを受けることができるでしょう。
さらにアメリカでは、日本の学校で学んだアメリカ英語によるコミュニケーションが取れるので、現地の生活にスムーズに入っていくことができます。
デメリット
アメリカは、治安や文化、物価の地域差が激しいため、留学先によって当たり外れが多いのがデメリットです。治安の悪い地域についての情報を得て、その場所以外に留学するなどの対策が必要です。また、アメリカは、高校や大学を卒業した後、外国人として就職するには、非常にハードルが高い国です。
さらに、アメリカは不健康な食事が多いうえ、車社会で運動不足になりがちです。アメリカは医療費が高額なため、アメリカで体調を崩すと高額な医療費を請求されます。そのようなことにならないよう、日頃から健康管理に注意が必要です。
アメリカには日本人が多く滞在していますから、日本人同士でつるみすぎて留学本来の目的を見失しなわないよう気をつけましょう。
大学留学におすすめの国ランキング

大学時代に留学することで、海外の世界トップレベルの大学で学ぶチャンスを得られるかもしれません。
1位:選択肢も留学生サポートも充実、アメリカ
メリット
アメリカには4000校近い大学があり、様々な分野の最先端の研究を行っている大学が多数あります。中にはハーバードやスタンフォードなど世界的に有名でレベルの高い大学もあり、世界最高レベルの教育を受けたい人にはおすすめの国です。また、アメリカの大学には世界中から留学生がやってくるので、大学は留学生支援の様々なノウハウを持っています。そのような大学に留学すれば、大学から手厚いサポートを受けることができます。
さらに、アメリカの大学には才能豊かな学生が在籍していますから、様々な人との交流を通して視野を広げることもできます。また、大学時代に人との交流を広げておけば、人脈の少ない外国人にはハードルが高いといわれるアメリカでの就職で、有利に働く可能性があります。
そのうえ都市部はエンタメが充実しており、休日や長期休暇を楽しく過ごせるのもメリットの一つです。
デメリット
アメリカの大学の費用はとても高額です。授業料のほかに、住居費や食費も含めると年に数百万単位の出費が必要になります。留学のためにローンを組んだ結果、卒業後何年たっても首が回らない生活を送っている人が少なからずいます。奨学金制度を利用するという方法もありますが、成績の要件などかなり高いハードルを越えないと支給されません。
学費よりもさらに怖いのが医療費です。アメリカは日本のような国民皆保険制度はありません。多くの人は、民間の保険に加入しています。もし保険に入っていなかったり、保険でカバーできないような傷病を患った場合は、日本では考えられないほどの高額な医療費を請求されます。食生活の乱れや車社会による運動不足を防ぎ、健康管理をしっかりすることが大切です。
2位:意外に費用を抑えられるドイツ
メリット
ドイツは、学費が安い大学が多く、国公立大学の中には学費が無料の所もあります。また、社会全体が学生に優しく、交通機関や美術館など様々な機関や施設で学割が利用できます。さらに、ヨーロッパでも上位の先進国で、国際政治に対し大きな影響力を有し、人権や環境などに関する社会問題の解決にも積極的に取り組んでいるドイツに留学すると、様々な分野の学問を究めることができます。
ドイツには多くの文化遺産や史跡、芸術があります。歴史的な建造物を見たり、有名な芸術作品に触れたりすることで教養を深めることができるでしょう。また、休日に近隣のヨーロッパ諸国に出かけ、ほかの国の文化に触れることもできます。
デメリット
ドイツはヨーロッパの中では英語が通じやすい国ですが、ドイツ語が使えないと困る場面多々あります。地域によっては英語が全く通じないことがありますし、ドイツ留学で英語プログラムを選んだとしても、ドイツ語の授業を取らなければならなこともあります。
また、ドイツは英語圏やアジア圏に比べて留学情報が少ないため、留学準備が大変です。
さらに、地域によっては日本人街ができるほど日本人が多い場所があります。そのような地域に居住して日本人同士で固まってしまい、せっかくの海外留学が無駄になってしまった、ということにならないよう注意しましょう。
3位:住みやすく学びやすいカナダ
メリット
カナダにはレベルの高い名門大学が多く、高い水準の教育を受けられることが期待できます。また、カナダには留学生が多く、大学側も留学サポートに慣れていているので、困ったことがあれば親身になって助けてくれます。さらに、卒業後にカナダで働くことができる制度があります。学費が同じ北米のアメリカの大学と比べると安く、そのうえ、医療費もアメリカよりも安いため、アメリカ留学よりも費用を安く抑えられるでしょう。
カナダは外国人に寛容な風土があり、多様なルーツを持つ人々が共生しています。様々な背景を持つ人と交流し、共に学ぶことで視野を広げることができるでしょう。
このようなことから、カナダには留学生に優しい環境があります。実際、日本からの留学先として一番人気があるのはカナダです。
デメリット
カナダは物価が高いので、出費には気をつける必要があります。また、冬の気候は厳しく、地域によってはマイナス20度以下に気温が下がるので、防寒対策は必至です。
また、日本人に人気の国でだけあった多くの日本人が住んでいるので、日本人とつるみすぎてしまうと本来の留学の目的を見失ってしまう可能性が高くなります。同郷の者同士支えあうのはいいことですが、目的を見失わないよう注意しましょう。
留学におすすめの国ランキングについてのまとめ
いかがでしたか。今回は、目的に合わせたおすすめの留学先をランキング形式で紹介しました。せっかくの留学ですから、楽しみながら目的を達成できるように、お財布や健康の状態と相談しながら慎重に留学先を選びましょう。