海外で生活しながらスキルを身につけたり視野を広げたりしたい社会人には、オーストラリア留学がおすすめです。
現地での生活を通じて英語力を磨くだけでなく、異文化の中で働く経験や専門分野でのスキルを得られます。
本記事では、社会人がオーストラリアに留学する方法や費用、メリットとデメリットについて詳しく解説します。
目次
社会人にオーストラリア留学はおすすめ?
オーストラリアの社会人留学は、英語力や専門スキルの向上を目指す人におすすめです。
大人になった今、日本とは異なる新たな環境に身を置いて生活したり学んだりすることは、視野を広げる良い機会となり、特に国際的なキャリアを目指す場合に強みになります。
オーストラリアにはたくさんの留学プログラムがあり、目的や年齢に合わせた留学生活を送ることが可能です。
さらに、一般的な語学留学やワーキングホリデーに加えて、資格や学位を取得することを目的とした専門留学や大学・大学院留学も社会人留学では人気です。
英語力だけでなく、現地でも通用する資格や学位を取得できれば、留学後に現地で働くチャンスを得ることもできるでしょう。
オーストラリアに社会人留学する方法
社会人がオーストラリア留学を実現する方法は主に4つあります。
- 語学留学
- 専門留学
- 大学・大学院留学
- ワーキングホリデー
それぞれの留学方法について、順に詳しく解説していきます。
語学留学
語学留学は、英語力を向上したい社会人にぴったりの留学方法です。
オーストラリア現地で生活しながら語学学校に通って、英語の基礎や日常会話、ビジネス英語などを集中的に学ぶことで、実践的なスキルアップが期待できます。
特に、オーストラリアの語学学校は教育の質が高く、クラスのレベル分けが細かく実施されているため、自分のレベルやペースに合わせた学習が可能です。
語学留学のメリットは、2週間〜といった短期間から留学が可能な点や、短期間で集中して英語力を伸ばせる点、多国籍なクラスメートと交流できる点などです。
ただし、デメリットとして、短期間の語学留学の場合、留学中に英語力が完全には定着しないこともあるため、帰国後も継続して学習する意識が必要になります。
語学留学は、現在の自分のレベルに合わせて英語力を向上したい人、現地で語学学校に通って多国籍なクラスメートと一緒に英語を学びたい人に最適な留学プランです。
専門留学
専門留学は、特定の分野でスキルを磨きたい社会人におすすめの留学方法です。
オーストラリアには「TAFE(Technical and Further Education)」と呼ばれる職業訓練学校があり、ビジネスやIT、ホスピタリティといった分野で、実践的なスキルをしっかりと学ぶことができます。
現地の企業と提携したカリキュラムも提供されているため、学んだ内容を実際の仕事に役立てやすいことが魅力です。
専門留学のメリットは、英語力と専門スキルを同時に高められる点や、即戦力としてキャリアアップが目指せる点です。
また、カリキュラムは実践に重きを置いているため、帰国後や現地での就職にも有利です。
一方で、入学に一定の英語力が求められるため、事前準備が必要となる点はデメリットと言えるでしょう。
専門留学は、特定分野でのスキルを高め、キャリアの幅を広げたいと考える社会人に理想的なプランです。
大学・大学院留学
大学や大学院への留学は、学士や修士号の取得を目指し、キャリアに深みを持たせたい社会人に最適な選択です。
オーストラリアの大学は国際的にも高く評価されており、最新のカリキュラムで高度な専門知識を学べます。
日本で学ぶのとは異なり、オーストラリア現地での学生生活を通じて、異文化の中での適応力や柔軟な思考も養われるのが特徴です。
大学・大学院留学のメリットは、学位の取得がキャリアのプラス要素として大きく評価される点です。
オーストラリアで得た専門性は、帰国後のキャリアアップや現地での就職にも有利に働きます。
デメリットとして、学費や生活費がかさむこと、取得までに年単位の時間がかかることが挙げられます。
大学・大学院留学は、自分の専門分野に深く取り組み、国際的なキャリアを築きたい人におすすめの留学方法です。
ワーキングホリデー
ワーキングホリデーは、オーストラリアで働きながら学びたい社会人におすすめの留学方法です。
オーストラリアでアルバイトやフルタイムの仕事をしながら生活することで、日常生活や仕事を通じて英語力を自然に鍛えることができます。
また、多様な職場環境で多国籍の同僚と働くことで、異文化理解や適応力も身につきます。
ワーキングホリデーのメリットは、現地で働くことで生活費を補いながら学べる点や、オーストラリアの職場での実務経験がキャリアのアピールポイントになる点です。
その反面、働きながら学ぶことになるため、学習時間が限られることがデメリットです。
ワーキングホリデーは、留学費用を抑えつつ現地での経験を積みたい方、仕事を通じて生きた英語力と実務スキルを身につけたい人にぴったりのプランです。
ワーキングホリデーでは、語学学校に通うことも可能です。前半は語学学校に通って英語力を強化して、後半では実際に現地で英語を使って働くといったプランもおすすめです。
オーストラリアの社会人留学に必要な費用
オーストラリアの社会人留学に必要な費用の目安は、留学期間によって以下の通りです。
1ヶ月間 | 25〜50万円 |
3ヶ月間 | 60〜120万円 |
半年間 | 115〜225万円 |
1年間 | 220〜435万円 |
参照:留学くらべーる
上記の費用には、往復航空券と学費、滞在費、食費が含まれています。
ただし、滞在費や食費は個人差が大きく、また滞在するエリアや現地での生活スタイルによって異なるため、あくまでも目安の料金です。
人によっては予想外の出費が発生することもあるため、多めに見積もって準備を進めておくと安心でしょう。
出発前に必要な費用
オーストラリア留学をするにあたっては、主に以下の費用が必要になります。
- 往復航空券
- ビザ申請費用
- 海外留学保険
- 入学金・学費
出発前には、滞在中に困らないように必要な経費をしっかりと準備することが重要です。
特に航空券やビザの申請費用は早めに確保し、ビザの申請に必要な書類や手続きを忘れないようにしましょう。
また、現地での万が一のトラブルに備えて、充実した海外留学保険に加入しておくこともおすすめです。
滞在中に必要な費用
オーストラリアの留学先でかかる費用は、主に以下の5つです。
- 家賃・光熱費
- 食費
- 交通費
- 通信費
- 娯楽・交際費
滞在中の費用は日々の生活に直接関わるため、予算管理が必要です。
住宅や食事、交通手段の選び方によって金額は大きく変わってくるため、工夫次第で節約も可能です。
また、通信費や交際費も現地での生活を豊かにするために重要な部分ですので、事前にどのような生活スタイルを目指すかを考えて予算を立てておくといいでしょう。
オーストラリアの社会人留学で必要なビザ
オーストラリアで社会人が留学するにあたっては、留学の目的や滞在期間に応じたビザの申請・取得が必要です。
代表的なビザには、観光目的でも利用できる「ETA」、3ヶ月以上の語学留学や専門的な学びに適した「学生ビザ」、そして観光・修学・就労を両立できる「ワーキングホリデービザ」の3種類があります。
ビザの種類 | 説明 |
---|---|
ETA (観光ビザ) | ・3か月以内の滞在向け観光 ・短期留学用ビザ ※就労不可 |
学生ビザ | ・3ヶ月以上の長期留学向け ・週20時間までの就労が可能 |
ワーキングホリデービザ | ・観光 ・修学 ・就労が可能なビザ ※最長3年間の滞在が可能 |
ETA(観光ビザ)
ETAは、観光や短期の学習を目的としたビザで、3ヶ月以内の滞在に限り申請が可能です。
語学学校に短期間通いたい場合に利用できる手軽なビザですが、就労は許可されていません。
学生ビザ
3ヶ月を超える長期の語学学校や専門コースの受講には、学生ビザの申請が必要です。
通常、学習内容に応じて3か月から最長で5年までの滞在が可能です。
学生ビザでは、就学期間中は週20時間までのアルバイトが許可されており、学びながら生活費の一部を補うことができます。
ワーキングホリデービザ
ワーキングホリデーは、観光や留学に加えて、現地で働くこともできる自由度の高いビザです。
18歳から30歳までの社会人が対象で、最長1年の滞在が可能です(※厳密には31歳の誕生日を迎える前までにビザを申請すれば、渡航時に31歳でもワーキングホリデーが可)
現地でフルタイムで働くことができるため、生活費を賄いながら語学や文化を学びたい人に適しています。
オーストラリアの社会人留学のメリット
社会人がオーストラリアに留学をするメリットは以下の4つです。
- 英語力を伸ばせる
- 多様な文化に触れられる
- 気分をリフレッシュできる
- 時差が少なくリモートワークがしやすい
それぞれのメリットについて順に詳しく解説していきます。
英語力を伸ばせる
オーストラリアでの社会人留学は、英語力を飛躍的に向上させる絶好のチャンスです。
英語を日常的に使う環境に身を置くことで、たくさんの英語に触れ、日常会話力やリスニング力を自然と伸ばせます。
また、語学学校では、ビジネス英語を学べるプログラムも充実しており、仕事に直結する英語力を養うことも可能です。
さらに、オーストラリア英語は、発音やアクセントが比較的聞き取りやすく、リスニング初心者でも理解しやすい環境だといえます。
自分の努力次第では、国際的なビジネスシーンで活躍できるような英語力を手に入れることもでき、今後のキャリア形成において大きな武器になるでしょう。
筆者はオーストラリアにワーキングホリデーで留学したことで、日常会話に加えて、実践的な接客英語を習得できました。
多様な文化に触れられる
さまざまな国から多様な文化をもつ人々が集まっているオーストラリアに留学することで、異文化に触れることができます。
クラスメートや職場の同僚と交流することで、異なる文化や価値観を学ぶことができ、異文化理解や柔軟な考え方を育むのに役立ちます。
特に、チームワークが求められる場面での協力やコミュニケーションは、日本ではなかなか経験できない貴重な体験です。
また、オーストラリアでの生活を通して、視野が広がり、多角的な視点で物事を捉えられるようになることも大きな魅力です。
こうした経験は、将来のキャリア形成にも役立ち、国際的な感覚を身につける上で大きな強みとなるでしょう。
気分をリフレッシュできる
日本での日常の忙しさから離れ、オーストラリアでの留学生活に挑戦することは、心身のリフレッシュにもつながります。
自然豊かな環境に囲まれたオーストラリアでは、ビーチやアウトドアを楽しみながら、リラックスした時間を過ごすことができるため、日々のストレスを忘れてリフレッシュできます。
また、新しい環境で生活することで、日本の日常生活では感じられない刺激を受け、新しい自分を発見するきっかけになることもあります。
リフレッシュすることで帰国後には新たな視点や意欲をもって仕事に取り組めるようになり、次のキャリアステップへと進むためのエネルギーも得られるでしょう。
時差が少なくリモートワークがしやすい
オーストラリアは日本との時差が1〜2時間ほどと少なく、リモートワークをしながらの留学にも適した環境です。
リモートワークができる社会人の場合、オーストラリア現地でも日本の仕事も継続し、キャリアを中断せずに留学生活を実現できる可能性があります。
特に、オンライン会議や日々の業務も日本とほぼ同じ時間帯で対応できるため、業務時間や業務効率を保ちやすい点が魅力です。
仕事と学びを両立することで、留学中の経験が日本での業務にも役立ちやすく、異なる環境で得た新しい視点や知識を日常の仕事に活かすことも期待できます。
オーストラリアの社会人留学のデメリット
社会人がオーストラリアに留学する際に懸念されるデメリットを3つ紹介します。
- 収入が減る
- 職歴に空白期間ができる
- 日本人留学生が多い
収入が減る
社会人留学の懸念点は、収入が一時的に減少する可能性があることです。
日本の仕事を辞めて長期でオーストラリア留学に挑む場合、一時的に本業の収入が途絶えてしまいます。
そのため、留学中に資金面で困ることがないよう、貯蓄や留学資金の計画が必要です。
現地でリモートワークやアルバイトをして生活費を稼げるケースもありますが、必ずしも安定した収入を確保できるとは限りません。
オーストラリア留学では、渡航費や学費だけでなく、現地での生活費や海外保険料などの費用もかかるため、事前にしっかりと資金計画を立てておくことが重要です。
とはいえ、オーストラリア留学を将来のキャリアアップや英語力向上への投資と考えられる人にとっては、一時的に収入が減るとしても有意義な経験となるでしょう。
職歴に空白期間ができる
社会人留学では、職歴に空白期間ができるデメリットについても考える必要があります。
留学のために長期にわたって本業から離れることで、次の転職活動やキャリア再開時に不利に働く可能性があります。
特に、日本の就職市場では、連続した職歴が好まれる傾向があり、無所属の期間があることがネガティブに捉えられたり留学中に積み上げたスキルや経験が評価されなかったりすることも。
帰国後のキャリア再開に備え、留学中も業界の最新情報の把握を続けるなど、将来を見据えた準備が必要です。
日本人留学生が多い
オーストラリアの社会人留学のデメリットの一つに、日本人留学生が多いことも挙げられます。
オーストラリアは日本人に人気の留学先であり、語学学校やキャンパス内で日本人と多く出会う可能性が高いです。
そのため、現地での過ごし方によっては日本語でのコミュニケーションが増えてしまい、英語の上達に支障が出る場合もあるでしょう。
英語漬けの環境に身を置きたい場合は、積極的に現地の友人を作り、異文化交流の機会を増やすなど、意識して行動することが大切です。
日本人の多さをデメリットと感じる場合は、日本人が少ない地域や学校を選ぶなど、工夫をすることで充実した留学生活を送れるでしょう。
【年代別】社会人向けオーストラリア留学のおすすめプラン
一口に社会人留学と言っても、年代によっておすすめの留学プランは変わってきます。
ここでは、20〜50代の年代別におすすめのオーストラリア留学プランを紹介します。
20代のオーストラリア留学
20代でのオーストラリア留学には、以下の4つのプランが主な選択肢です。
- 語学留学
- 専門留学
- 大学・大学院留学
- ワーキングホリデー
20代は吸収力が高く、語学力を身につけやすい時期なので、現地の語学学校で学ぶことは大きな成長につながります。
また、専門留学はビジネスやIT、ホスピタリティなど実践的なスキルを磨き、早い段階でキャリア形成に役立てられることが魅力です。
さらに、ワーキングホリデーなら、働きながら生活費を賄い、多国籍な同僚との交流を通じて異文化理解も深まります。
ワーキングホリデーは、30歳までという年齢制限があるため、20代のうちに挑戦しておくのもいいでしょう。
筆者は、大学卒業後にオーストラリアでワーキングホリデーをしました。世界各国からワーキングホリデーで来ている20代の人とたくさん出会い、とても良い経験になりました。
学位取得を目指す方には、オーストラリアの大学や大学院進学もキャリアに大きなメリットをもたらすでしょう。
30代のオーストラリア留学
30代でオーストラリアに社会人留学を考える方には、主に4つの留学プランがあります。
- 語学留学
- 専門留学
- 大学・大学院留学
- ワーキングホリデー(※申請時31歳未満)
ワーキングホリデービザは31歳未満であれば申請が可能で、申請時に30歳なら31歳を迎えても渡航に問題はありません。
現地で働きながら生活費を補うことで、費用面の負担を軽減でき、異文化体験も深まります。
また、キャリアアップを考える方には専門的な知識や資格が得られるT専門留学や大学留学も魅力的です。
40代のオーストラリア留学
40代で社会人留学を目指す方には、以下の3つの留学スタイルが主な選択肢です。
- 語学留学
- 専門留学
- 大学・大学院留学
オーストラリアでは社会人経験がある人を対象とした語学学校も多く、仕事で求められる英語力やビジネスシーンでの会話力が身につく環境が整っています。
さらに、キャリアの深みを加えたい方には専門留学もおすすめです。
特に、オーストラリアの大学院では、社会人を対象とした柔軟なプログラムが用意されており、多様な年齢層が学び合う環境が魅力です。
40代からの学び直しを通じて、キャリアの幅を広げ、新たな機会を切り開くことが可能です。
50代のオーストラリア留学
50代以上の方がオーストラリアで社会人留学をする場合、語学留学や専門留学学が人気です。
短期で参加できる語学プログラムでは、現地の文化に触れながら英語力を高め、日常会話から旅行英会話まで幅広く対応するスキルを養えます。
また、趣味や関心の分野を追求できるTAFEもおすすめで、ホスピタリティやアートなど、ライフスタイルに合わせた分野で学べます。
年齢を問わず、新しい経験や異文化理解を楽しみながら、第二のキャリアやリフレッシュの機会として留学を活用することができます。
オーストラリアの社会人留学についてのまとめ
本記事では、社会人がオーストラリアに留学するための方法や必要な費用、メリット・デメリットなどについて解説しました。
オーストラリア留学は、語学力向上だけでなく、異文化理解やキャリアの幅を広げるメリットもあり、多くの社会人にとって有益な挑戦となります。
ただし、費用がかかる点や職歴に空白期間が出る点などのデメリットもあるので、今後のライフプランや目的に合わせて留学プランを選択することが大切です。
オーストラリアでの社会人留学に興味がある方は、本記事を参考に留学への一歩を踏み出してみてください。