近年は多くの企業において、英語を使って仕事をする能力やグローバルに活躍できるリーダーが求められるようになっています。
このような背景から、大学や大学院での交換留学や海外の学校への進学を考える方が増えています。
その中でも、多くの有名大学が名前を連ねるアメリカは、留学先候補の第一位といえるでしょう。
一言でアメリカに留学するといっても、留学期間、留学先など様々な点を考慮する必要があります。
今回は、アメリカの留学において押さえておくべきポイントと準備をしておくべきことをお伝えします。
目次
アメリカ留学の期間とメリット
ここでは、アメリカの留学期間を6ヶ月以下の比較的短期の留学と、1年以上の長期の留学に分けて説明をし、それぞれのメリット、デメリットをお伝えしていきます。
短期留学:6ヶ月以下
6ヶ月以下の短期留学の場合は、ほとんどが語学習得を目的にしたものとなるでしょう。
在籍している大学や留学エージェントが用意をしている短期語学留学プランへ参加するという形態がほとんどです。
短期留学のメリット
短期とはいえ、日常会話も語学学校の授業も英語を使ってコミュニケーションを図ることになるので、英語力をアップすることができます。
6ヶ月ほど滞在すれば、自分の意見を英語でしっかりと相手に伝える程度の英語力を身につけることができるでしょう。
最近は、大学の中でも語学留学を単位認定する学校が増えています。
利用するプログラムにもよりますが、単位認定をされた場合、たとえ半年間大学を休学して現地に留学をしていても、留年することなく大学を卒業できるケースがあります。
詳しくはご自身の大学に問い合わせて確認をしてみてください。
短期留学のデメリット
半年で確実に英語力は伸びますが、大抵の場合は、日常会話や相手とコミュニケーションを取るための最低限必要な英語力しか身につけることができません。
大学、大学院の授業やビジネス上で使える英語力を身につけるためには、長期の留学が必要になります。
6ヶ月以下の短期語学留学では、学校に慣れたり、ホームステイ先や寮生活などの環境に慣れたりしたところで帰国するというケースがほとんどです。
そのため、ボランティア活動や、地域のクラブ活動など現地のコミュニティ活動への参加を通じて、留学先の環境にしっかり溶け込むことは難しいでしょう。
現地の文化にしっかり溶け込みたい場合は、1年以上の長期留学をおすすめします。
短期留学先となる語学学校に、多くの日本人がいるケースが考えられます。
特に大学のプログラムで短期の語学研修に参加する場合は、同じ大学から複数の学生が参加していることが多く、気がつくと周りは日本人だらけだったという状況になることが多々あります。
このように、6ヶ月以下の短期留学では、大学を休学せずに費用もある程度抑えて留学できるメリットがある一方、身につけられる英語力に限界があることや、周囲に多くの日本人がいる環境で留学生活を送るというケースが多い点がデメリットです。
長期留学:1年以上
1年以上の留学の場合は、現地校での単位取得や学位取得を目的とした留学がほとんどです。
そのため、日本で在籍する大学からの交換留学や現地単位取得型の留学プラン、現地の大学や大学院に進学することになるでしょう。
長期留学のメリット
1年以上の留学では、様々な場面で使用できる英語力を身につけることができるでしょう。
大学や大学院への留学では、学校の授業を英語で理解し、自分の意見を英語で発言する力、課題等を全て英語で取り組むことが求められるため、アカデミックな場面や、ビジネスの場面で通用する高い英語力を身につけることができます。
また、現地で1年間生活するとなると、お店や医療機関など様々な場所で英語を使うことが求められるため、日常生活においても高い英語力を身につけることができるでしょう。
アメリカの大学や大学院では、課題の中にグループワークが組み込まれていることがほとんどです。
グループワークでは、多国籍の5~6名程度のグループに別れ、プロジェクトを遂行するという経験を積むことができます。
日本の大学では、グループワークがあったとしてもほとんどが日本人のメンバーで構成されるため、同じような価値観の人たちとプロジェクトを遂行することになります。
しかし、アメリカの大学で行われるループワークでは、文化や価値観が違うメンバーをまとめ、成果を出すことが求められるため、日本におけるグループワークよりも難易度は格段に高くなります。
ミーティングを開催しようとしても時間通りに集まらないとか、意見が割れるといったことは日常茶飯事です。
こういった環境下でリーダーシップを発揮し、成果を出す経験はアメリカに長期留学したからこそできる経験といえます。
長期の留学は就職活動において有利に働きます。
長期間海外の大学や大学院に通い、生活してきた経験は、企業人事担当者に対して、「困難な中でも道を切り開けるタフな人材」という印象を与えることができるでしょう。
近年グローバル化が進む中では、英語が第一言語でない国への海外赴任や海外出張するケースは少なくありません。
そこで、企業としては英語ができる人材というよりも、あらゆる環境下で周囲とコミュニケーションを取り成果を残せる人材を採用したがっています。そのため、長期留学を自ら選択し、現地で生活してきた人材は、企業の人事にとって魅力的に捉えられるのです。
長期留学のデメリット
大きな出費を伴う
長期留学の一番のデメリットは、大きな費用を伴うことです。
大学の交換留学制度などを利用すればある程度費用を抑えることはできますが、通常アメリカに留学し、大学や大学院の学費と生活費を支払うとなると、1年間で100万円以上の出費は覚悟をしていた方が良いでしょう。
最近は国や地方自治体の奨学金が充実しているので、利用できる制度をフル活用して、必要となる留学費用を確保してから長期留学することをおすすめします。
日本の大学を休学、留年しなければならない
長期留学する際は、ほとんどの場合日本の大学を休学または留年しなければなりません。
そのため、同年度に入学した友人からは1年遅れて卒業することになります。
卒業時期によっては、社会や景気の状況が変わり、それに伴って就職の環境も変化します。
予定どおり4年で卒業していたら就職活動で困ることはなかったのに、留学をしたために社会の状況が変わり、就職活動で苦労したという話はよく聞きます。
これにはタイミングだけでなく運もありますが、少なくとも留学をすることには一定のリスクが存在することを頭に入れておいた方が良いでしょう。
留学前に準備をしておくこと
それでは、充実した留学生活を送るためにはどのような準備をしておくことが必要なのでしょうか。
ここでは、留学前に準備をしておきたいことをお伝えします。
留学の目的や目標を設定する
短期留学、長期留学両方において、留学にはある程度の費用が必要となりますし、長期留学においては留年か休学をしなければならないため、ある程度のリスクを抱えることになります。
そこで、留学前に「何のために留学をするのか」「留学経験を将来のキャリアにどのように生かしたいのか」を明確にしておくことをおすすめします。
中には英語の勉強だけを目的とされている方もいますが、できれば現地の多国籍の学生との交流の中で、英語圏以外の国の文化を理解することも視野に入れて留学すると、今後の人生の大きな財産になるでしょう。
留学の目的や目標をしっかり定めることで、現地で自分が取る行動が変わり、そこで得られるものも変わってくるかと思います。
また、奨学金や大学内での交換留学選考に応募される方は、留学の目的をしっかり伝えられるかどうかが非常に重要な要素となってきます。
留学前に自分の言葉で留学の目的や目標を語れるようにしておきましょう。
必要な生活費の確保
アメリカの物価は非常に高く、日本の1.5倍程度と考えておいた方が良いでしょう。
そのため留学では、学費だけでなく生活費もかさみます。
アメリカでは基本的に留学生がアルバイトをすることを禁止しているため、生活費に困ったら働けば良いという選択肢はないと思っていた方が良いでしょう。
一部の大学では、大学内のカフェや図書館等におけるアルバイトを許可するケースはありますが、それ以外はアルバイトをすることはできません。
そのため、留学前には学費だけでなく、現地で生活していくために必要な金額を大まかでも良いので計算し、しっかり準備をしておくことが必要です。
健康診断、歯科検診を受ける
留学中に病気や体調不良になっても、現地の医療サービスを受けることは可能ですし、保険に入ってさえいればある程度医療費を保険で賄うことができます。
しかし、アメリカの医療費は日本の倍以上と言われており、非常に高額です。
保険を使ったとしても、高額な医療費を払う必要があるかもしれません。
そのため、渡航前は健康診断や歯科診断を受け、万全な健康状態で渡航することをおすすめします。
予防接種を受ける
アメリカの大学や大学院に長期留学するに当たっては、予防接種が必須となっています。
これは、学内や寮での集団感染を防ぐことが目的で、予防接種の英文証明書を提出しないと、留学自体を受け付けない大学がほとんどです。
大学によって予防接種の種類が多少異なりますが、下記の予防接種は済ませておくことをおすすめします。
ただし、母子手帳や予防接種記録を確認し、既に受けている予防接種があれば除いてもかまいません。
- MMR(麻疹、おたふく風邪、風疹)
- 破傷風、ジフテリア、百日咳
- B型肝炎
- 髄膜炎
- 結核
- 水ぼうそう
- ツベルクリン
現地生活の情報収集広大な面積を持つアメリカでは、留学する場所によっては大学の寮からスーパーまで車で30分以上かかるというケースはざらです。
そのため、留学する前に現地校の生徒とコンタクトを取り、どのような生活をしているのかを確認しておくと良いでしょう。
大学を通じた交換留学の場合は、以前同じプログラムを利用して留学をしていた方に確認できますし、その他のプログラムの場合は留学関係の事務局等にお願いをして話を聞ける方を紹介してもらい、現地の状況を聞いておくことをおすすめします。
アメリカ留学の申し込み
では、具体的に留学に当たってはどのような手続きや申し込みが必要となるのでしょうか。
ここでは、アメリカ留学に必要な申し込み手続きや準備を短期留学と長期留学に分けて紹介します。
アメリカ短期留学
短期留学プログラムへの申し込み
短期留学の場合は、自分で現地の語学学校や大学が開催しているショートプログラムを調べて手続きをするか、アメリカ留学を取り扱っている留学エージェントが開催しているプログラムに申し込みをするかのどちらかになります。
留学エージェントを通した手続きですと、ホームステイや入寮の手続き、ビザの申請など全ての手続きをエージェントが行ってくれるため、英語に自信がなく、手続き等の手間を省きたい方にはおすすめです。
しかし、その分手数料をエージェントに支払う必要があるため、留学費用は多少かさみます。
現地の語学学校や大学のショートプログラムを自分で探して申し込みをする場合は、英語で手続き等を進める必要があります。
また、ビザ申請手続き、宿泊場所の確保なども自分で進めなければならないので、多くの時間を手続きに取られてしまいます。
昨今はWEBを通じてほぼ全ての手続きをすることができますが、英語に自信がない方にとっては多少骨の折れる作業になります。
自分の英語力や留学準備に割ける時間を考慮して、どちらを選択するか考えてください。
ビザの準備
アメリカ渡航にはビザが必要になります。
3ヶ月以内の留学の場合は、ESTAといわれる短期滞在のビザで渡航することができるため、インターネット申請ですぐに取得をすることができます。
しかし、3ヶ月以上の留学をする場合は、学生ビザの取得が必要になり、下記の手続きをしなければなりません。
- 入学願書及び必要書類を留学先の学校に提出
- 入学許可書を留学先の学校から受領
- 学生ビザ申請のための書類を揃える
- SEVIS(Student Exchange Visitor Information System)の支払い
- ビザ申請料の支払い
- アメリカ大使館(または領事館)での面接の予約を取り、面接を受ける
このように、学生ビザの取得には多くの手続きが必要なため、一定の準備期間を設けて、抜けや漏れがないよう細心の注意を払いながら手続きを進めることをおすすめします。
現地滞在先の確保
現地での滞在先は、ホームステイ、大学の寮、シェアハウスなどが適しています。
ホームステイや大学の寮への滞在の場合は、事前にWEBで申し込みや手続きをすることで、現地に到着したと同時に滞在先に向かうことができます。
シェアハウスや自分でアパートを借りたい場合は、最初の数週間はホテルやAirbnbで滞在先を確保して、現地についてから内見等をすることになります。
留学が初めてという方には、ホームステイや大学の寮などあらかじめ確保できる滞在先をおすすめします。
アメリカ長期留学
必要となる英語試験のスコア取得
アメリカの長期留学で現地大学への交換留学や進学を希望する場合は、英語力の証明が必要なります。
そのため、留学前にアメリカ留学に必要となる試験TOEFLを受験し、必要スコアを取得しておきましょう。
大学やコースによって必要となるスコアは異なりますが、大抵の大学がTOEFL IBT と呼ばれるリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの英語力4技能を測る試験でスコア80程度を取得することを求めています。
TOEFLでは、日本人が苦手とするスピーキングのスコアも必要とされていますし、TOEFLの出題問題が大学の授業などを想定したアカデミックな内容であることから、スコア80の取得は容易なことではありません。
英語をある程度勉強してきた方でも、スコア取得のために1年間を費やしたという話はよく聞きます。
長期留学を志す方は、TOEFLの勉強を早めに始めることをおすすめします。
アメリカに海外留学するならどの英語試験を受けるべき?大学・語学留学で必要なスコア目安海外送金等の準備
ある程度のまとまった現金を海外に持って行くのはリスクが伴いますので、長期留学の際は海外送金の手段を確保しておくことをおすすめします。
もちろん現地では日本のクレジットカードが使えますし、現地で口座を開設すれば、日本の銀行から海外送金をすることもできます。
しかし、クレジットカードの手数料や銀行からの海外送金の手数料は非常に高いため割高となってしまいます。
渡航前に、Transfer wiseなど海外送金を格安で行うことができるサービスに登録しておくことをおすすめします。
アメリカ留学に利用できる奨学金
学費、渡航費、生活費などにまとまった金額が必要とされるのがアメリカ留学の現状です。
ここでは、留学費の負担を軽減するために利用できる奨学金プログラムを紹介します。
ロータリークラブ奨学金プログラム
国際的な社会奉仕連合団体ロータリークラブが主催する奨学金プログラムで、地域や世界で活躍できる未来のリーダーを育てることを目的に、大学・大学院レベル学生を対象にした奨学金制度を運営しています。
ロータリークラブは各地域に支部を設けているので、申請に当たっては最寄りのロータリークラブに問い合わせをし、必要事項を確認することができます。
通常、ロータリークラブの奨学金制度を利用するに当たっては、留学の目的や留学経験を今後の自分のキャリアにどのように生かしたいかをしっかりとプレゼンすることが求められます。
留学の目的や内容によっては、学費全てをロータリークラブが奨学金として援助してくれたというケースもあります。
大学生以上のロータリークラブの奨学金は、1年以上の留学に適用されるケースがほとんどなので、短期留学を志される方は残念ながら利用をすることができません。
トビタテ留学JAPAN
文部科学省が2014年から民間の企業や団体と共同で始めた取り組みで、短期、長期両方の留学で利用できます。
トビタテ留学JAPANでは、留学生同士のネットワークを構築する場も用意されているため、留学前の情報収集や、留学後の進路やキャリアに関するサポートを受けることも可能です。
奨学金プログラムは目的に応じて多数用意されているため、ホームページで自分に合ったものを探してみてください。
フルブライト奨学金
日米教育委員会が運営する奨学金プログラムで、アメリカへの長期留学を志す方が応募対象となっている奨学金です。
奨学金の種類は、大学、大学院、博士課程への進学など様々なプログラムが用意されています。
フルブライトの奨学金応募に当たっては、留学の目的等を記載した書類だけでなくTOEFLのスコアが必要になりますので、募集要項を早めに確認し、TOEFL受験の準備も行うようにしてください。
フルブライト奨学金では、学費の大部分を補助してもらうことができるため、選考に通れば、留学費用の負担を大きく減らすことができます。
このようにアメリカの留学に当たっては、利用できる奨学金制度が複数あります。
留学を志す方は、早めに情報収集をし、万全の体制で留学の臨んで、自分の将来のキャリアに生かすことができる経験を積んでください。
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