「英語を話せるようになりたいけれど、外国人と英語で話すのが怖い……」と感じていませんか。
英語を話すのが怖かったり苦手だったりするのであれば、それは「英語恐怖症」かもしれません。
英語恐怖症は実際に存在する病気ではありませんが、多くの英語学習者が経験する「間違った英語を話すのが怖い…」とか「ネイティブスピーカーを前にすると怖くなってしまう」などといった状況を総称する言葉と言えます。
そこでこの記事では、英語恐怖症のよくある原因とこの症状を克服するための方法を紹介します。
「英語を話すことが怖い…」と感じている英語学習者はぜひ参考にしてください。
目次
「英語恐怖症」とは?
英語恐怖症とは、英語を話すことを怖いと感じたり、外国人を前にすると緊張や恐怖心から英語が話せなくなってしまったりすることを意味します。
実際に存在する病気ではありませんが、英語学習なら誰でも経験することではないでしょうか。
- 英語を話して、“Pardon?”と聞き返されるのが怖い
- 英語のネイティブスピーカーを前にすると、「怖い」と感じる
- 英語を話すとなると、緊張してしまう
- 英語の知識はあるのに、不安や緊張から言葉が出てこない
- 自分の英語は間違っているんじゃないかと不安になり、黙り込んでしまう
一つでも当てはまる悩みがあれば、あなたは「英語恐怖症」かもしれません。
ただし、英語初心者が英語を話す際にこのような気持ちになるのは、当然のことですので、必要以上に焦ったり心配したりする必要はありません。
とはいえ、英語恐怖症が原因で英語学習を諦めようとしたり、英語のスピーキングが上達しないと悩んだりしているのであれば、英語恐怖症を克服してその先を目指しましょう。
以下で英語恐怖症の原因とその克服法について詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
英語恐怖症の原因
そもそもなぜ英語を話すことを怖いと感じてしまうのでしょうか。
英語を話すことや外国人とコミュニケーションを取ることに不安や恐怖を抱いてしまう原因としては、主に次の5つが挙げられます。
- 英語を話すことに慣れていない
- 理想が高すぎる
- 「間違えてはいけない」と考えている
- 自分の英語に自信がない
- 文化の違いを知らない
それぞれどういうことか、具体的に説明していきます。
英語を話すことに慣れていない
まず、英語を話すことを「怖い…」と感じてしまうのは、英語を話すことに慣れていないのが原因かもしれません。
というのも、人は誰でも慣れていないことや新しいことに対して「恐怖心」を覚えてしまうものです。
十分な英語の知識が身についていても、日頃から英語を話す習慣がなければ、いざ英語で話すとなってみると、緊張や不安から言葉が出てこなくなってしまいます。
逆に英語を話すことに慣れていれば、英語の知識が不十分でも“How do you say this in English?(これって英語でどう言いますか?)”や“What do you mean?(どういう意味ですか?)”などと質問することによって、円滑にコミュニケーションすることができます。
つまり、英語を話すことに慣れていないと、聞き取れなかった時の聞き返し方や言葉に詰まってしまった時の対処法が分からないため、「怖い」と感じてしまうと考えられます。
理想が高すぎる
次に考えられる原因として、「理想が高すぎること」が挙げられます。
例えば、自分の英語の発音をネイティブスピーカーの発音と比べて落ち込んだり、帰国子女が英語を流暢に話している姿を見て自分の英語力のなさに引け目を感じたりしてしまうと、英語を話すことがどんどん辛くなってしまうでしょう。
高い目標に向けてコツコツ勉強することは素晴らしいことですが、「理想の高さ」は時にプレッシャーとなり、英語を話すことを「怖い…」と感じさせてしまいます。
したがって、「最初から英語を完璧に話せる人はいない」「初めは誰でも間違えるもの」ということを頭に入れて、現時点でのベストを尽くすことを心がける必要があります。
「間違えてはいけない」と考えている
英語を話す際に「間違えたくない」「間違えてはいけない」という気持ちが強いと、英語を話すことを怖いと感じてしまいます。
間違いを指摘され笑われるのが怖かったり、ただただ間違えるのが恥ずかしかったり、理由は人によってさまざまですが、英語を話す時に「間違えたくない」と思うのは普通のことです。
しかし、英語のことわざに“Failure teaches success(失敗は成功のもと)”とあるように、英語の上達には「間違えから学ぶこと」が大事です。
詳しくは「英語恐怖症を克服する方法」の項で説明していますが、「間違えても大丈夫」という考え方を身につける必要があります。
自分の英語に自信がない
英語の聞き取りや発音、単語の知識などに自信がないと、英語を話すことに恐怖を感じてしまいます。
「話している途中で単語をど忘れしてしまったらどうしよう」「発音が悪くて、聞き取ってもらえなかったら…」などと不安に感じていると、当然ながら楽しく英語でコミュニケーションを取ることはできません。
自分の英語力に自信を持つためには、考え方を変えて英語学習に取り組む必要があります。(自分の英語力に自信を持つためのマインドセットや英語学習法は、「英語恐怖症を克服する方法」の項で説明しています。)
文化の違いを知らない
文化の違いを知らないと、外国人と英語でコミュニケーションを取る際に「怖い…」と感じることがあります。
というのも、日本と外国では会話における相づちの打ち方や反論の仕方、意見の伝え方などのマナーが大きく異なります。
例えば、日本では相手が言ったことを聞き取れなかった際、「何?」「もう一回言って?」などと聞き返します。
しかし英語では、カジュアルな会話の場合、“Huh?”と聞き返すのが一般的です。
英語の“Huh?”は、日本人には「は?」と威圧されているように聞こえてしまうため、文化(言語)の違いを知らないと「怖い」と感じてしまうかもしれません。
英語恐怖症を克服するためには、英語学習を通して英語力を高めることだけでなく、異文化の知識を身につけることも重要です。
英語恐怖症を克服する方法【マインドセット編】
ここまで、英語恐怖症の主な原因を紹介しました。
ここからは、英語恐怖症を克服する方法を紹介します。次の4つの考え方を身につけることで、英語に対する恐怖心を払拭することができます。
「恐れずに英語を話せるようになりたい」という人はぜひ参考にしてください。
- ネイティブスピーカーと比べない
- 「外国語を話す=すごい」と認識を改める
- 英語学習の目標を再確認する
- 「間違ってもいい」という気持ちを持つ
それぞれの考え方について、詳しく紹介していきます。
ネイティブスピーカーと比べない
まず、英語恐怖症を克服するには、自分の英語をネイティブスピーカーの英語と比べないことが大切です。
なぜなら、英語を母国語とするネイティブスピーカーが、英語を外国語として話す私達よりも英語を流暢に話せるのは当然のことだからです。
それにもかかわらず、「ネイティブスピーカーと比べて、発音が悪いから…」「まだネイティブスピーカーのように話せないから…」などと考えてしまうと、自信を持って話すことはできません。
ですので、自分の英語力をネイティブスピーカーや帰国子女、英語学習歴が長い英語上級者などと比べるのはやめましょう。
比べる対象は自分自身です。「過去の自分と比べて英語力が伸びているかどうか」日々確認しながら学習に取り組むといいでしょう。
「外国語を話せるのはすごいこと」と認識を改める
「英語を上手に話さなければいけない」とか「ネイティブスピーカーのように英語を話せるようになりたい」と、英語を話すことのハードルを上げてしまっている人は、「外国語を話せるのはすごいこと」と認識を変えましょう。
例えばアメリカには「一つの言語(英語)しか話せない」という人がたくさん存在しています。このことから、母国語以外の言語を話せるだけでも十分にすごいことです。
また、ほとんどの日本人は街中で日本語を話す外国人と出会った時、「日本語を話せてすごい」と感じると思います。
日本語を外国語として話す人に対して、「発音が悪い」「日本人と比べると日本語が下手だ」などのネガティブなイメージを抱く人は少数派でしょう。
「英語を話すのが怖い…」という人は、ぜひ「外国語を話せることはすごいこと」と認識を改めてください。
英語学習の目標を再確認する
英語を話すのが怖いと感じた時は、自分が英語を勉強している理由や英語学習のゴールを再確認してください。
自分の英語学習における目標を明確にしておけば、「夢に向かって頑張ろう」「楽しい」など前向きな気持ちになれます。
恐怖や不安などネガティブな気持ちになった時は、英語学習の目標や英語学習を始めたきっかけなどを思い出し気持ちを切り替えましょう。
「間違ってもいい」という気持ちを持つ
最後に、英語を話す時は「間違ってもいい」「間違っても大丈夫」と思うようにしましょう。
英語学習者が英語の文法や発音を間違えるのは当然のことですし、間違えたからといって誰も笑ったりからかったりしません。
間違いを恐れずに積極的に英語でコミュニケーションを取り、間違いから学ぶことで効果的な学習ができるようになります。
英語恐怖症を克服する方法【学習編】
ここまで、英語恐怖症を克服する方法を紹介しました。
次に、日々の英語学習を通して、英語を話すことに対する恐怖心を薄める方法をお教えします。
- まずは自分にとって楽しい方法で英語に触れる
- しっかりと基礎を身につける
- オンライン英会話で英語を話す練習をする
それぞれの方法を、順に詳しく紹介していきます。
まずは自分にとって楽しい方法で英語に触れる
まず、英語恐怖症を克服するには、英語を「楽しい」「好き」と思うことが重要です。
そのために、自分が「楽しい」と思える方法でたくさんの英語に触れてみましょう。
- 英語でディズニー映画を鑑賞する
- 海外ドラマを英語字幕で観る
- 好きな海外アーティストの楽曲を聴く
- 海外YouTuberの動画を視聴する
- 国際交流パーティーに参加する
このように自分が「楽しい」と思える方法で英語に触れることで、英語を話すことに対する恐怖心を薄めることができます。
しっかりと基礎を身につける
「英語で会話をするために必要な英語力が身についているか不安…」という方は、初心者向けの参考書を使って、基礎学習から取り組みましょう。
しっかりと基礎を身につけておけば、自分の英語力に自信を持てるようになり、自然と英語に対する恐怖心が薄らいでいきます。
基礎学習を通して、「こんなに勉強したから大丈夫」「聞き取れなくても聞き返せば大丈夫」などと思えるレベルを目指しましょう。
オンライン英会話で英語を話す練習をする
「英語の基礎は身についているけど、英語を話すことを怖いと感じる…」という方には、オンライン英会話の利用がおすすめです。
オンライン英会話を活用すれば、講師とのレッスンを通して「英語を話すこと」に慣れることができます。
英語恐怖症の人からすると、オンライン英会話レッスンを受講することはハードルが高いと感じてしまうかもしれませんが、ほとんどのオンライン英会話は、初心者向けのレッスンを提供しているので安心して受講できます。
英語を間違えたり言葉に詰まったりしても、先生が優しく英語を教えてくれるので、英語恐怖症を克服する場として最適です。
また、実際にネイティブ・ノンネイティブスピーカーと英語でコミュニケーションを取ることで、英会話におけるマナーや異文化コミュニケーションの知識も身につきます。
「英語に対する恐怖心を払拭して、楽しく英語を話せるようになりたい」という人は、オンライン英会話を積極的に利用しましょう。
まとめ
この記事では、「英語が話すのが怖い…」と感じてしまう英語恐怖症の主な原因とその克服方法を紹介しました。
英語学習者の多くが「英語恐怖症」を発症してしまうのは、そもそも英語を話すことに慣れていなかったり、「間違えてはいけない」と失敗を恐れたりすることが原因です。
「英語を話すのが怖くて、英語が上達しない…」という悩みを抱えている方は、ぜひ以下のマインドセットや学習方法を取り入れて、英語恐怖症を克服しましょう。
【マインドセットを変える】
- ネイティブスピーカーと比べない
- 「外国語を話す=すごい」と認識を改める
- 英語学習の目標を再確認する
- 「間違ってもいい」という気持ちを持つ
【英語学習を通して自信をつける】
- 自分が楽しいと思える方法で英語に触れる
- しっかりと基礎を身につける
- オンライン英会話で英語を話す練習をする