英語学習において「なぜ英語を聞き取れないのかが分からない…」という悩みを抱えていませんか?
英語のリスニングに苦手意識を抱く英語学習者は少なくありませんが、その原因は「自分自身が英語を聞き取れない理由」を知らないからかもしれません。
そこでおすすめする学習法が、「ディクテーション」です。
ディクテーションとは、英語の音声を聴いて書き取るトレーニングのこと。
リスニング力の強化はもちろんのこと、自分の弱点(=英語を聞き取れない理由)を見つけられるなどの嬉しい効果が期待できます。
そこで今回は、ディクテーションの正しいやり方とコツ、ディクテーションに特化したおすすめアプリを紹介します。
「リスニングが苦手…」「英語を聞き取れない理由を知りたい」という人は、ディクテーションの正しいやり方をマスターして、リスニング力の向上を目指しましょう。
目次
動画でも詳しく解説!
YouTube動画でも英語力が伸びるディクテーションのやり方を詳しく解説しています。
ディクテーションとは?
ディクテーションとは、英語の音声を聞いて、その音声を聞いたまま書き取る練習のことです。
英語の音声を一語一句しっかりと聞き取る必要があるため、リスニング力の強化に最適です。また、実際にノートに英語を書き取ることで、単語やスペル、文法などの知識も身につきます。
ディクテーションの効果・メリット
次にディクテーションの効果について、詳しくお伝えしていきます。ディクテーションには、主に次の3つの効果・メリットがあると言われています。
- 自分の弱点を把握できる
- 文脈から推測する力が身につく
- 英語力を総合的に伸ばせる
ここでは、それぞれの効果・メリットについて詳しく説明していきます。
自分の弱点を把握できる
ディクテーションで期待できる効果の一つ目は、自分の弱点が明確になることです。ディクテーションで音声をしっかり聞いて書き取るためには、
- 英語を聞く力
- 英語を書く力
- 英単語・スペルの知識
- 英文法の知識
など、リスニング力のみならず英単語やスペル、英文法などの幅広い知識が必要です。
そのため、ディクテーションを行うことで「英語を聞き取ることはできるけど、英単語のスペルが分からない」「音声のスピードが速すぎて聞き取りが間に合わない」など自分の弱点が分かるようになります。
文脈から推測する力が身につく
続いて紹介するディクテーションの効果・メリットは、文脈から推測する力が身につくことです。
例えば、“He is famous for being modest.(彼は謙虚であることで有名だ。)”という英文の“famous”という英単語が聞き取れなかったとします。
ディクテーションの練習を重ねることで、文脈から“famous”という英単語を推測できる力が身につきます。
聞き取れなかった単語や文法を文脈から推測する力は、ネイティブスピーカーとの英会話でも役立ちます。
「高い英会話力を身につけたい」という方には、ディクテーションに取り組むことをおすすめします。
英語力を総合的に伸ばせる
一般的に、ディクテーションは主にリスニング力の強化に効果的だと言われています。
しかし実際には、ディクテーションの効果はリスニング力の強化だけには留まりません。
例えば、聞き取った英語を書き取ることで、英単語や英文法、スペルの知識が身につきます。
リスニングが得意という人でも、ディクテーションに取り組むことで新たな課題が見つかり、その課題を克服できれば英語力をさらに伸ばすことができるでしょう。
ディクテーションのやり方
ここまででディクテーションの効果とメリットについて理解していただけたと思います。そこで次に、ディクテーションの正しいやり方を見ていきましょう。
- 音声とスクリプトを用意する
- 音声を聞く(スクリプトを見ないで)
- ディクテーションをする
- もう一度音声を流す(1回目で聞き取れなかった部分を確認)
- 書き取った文章をチェックする
- 答え合わせ(弱点の分析)
ディクテーションは、英語の音声とスクリプト、ノートがあれば、簡単に取り組むことができます。
ディクテーションの正しいやり方を覚えて、毎日の英語学習に取り入れましょう。
音声とスクリプトを用意する
まず、音声とスクリプトを用意します。ディクテーションに使用する音声を選ぶ際は、次のことに注意してください。
- 音声が30秒〜1分以内に収まっているか
- 音声の内容に興味を持てるか
- 自分の英語レベルに対して、難しすぎたり簡単すぎたりしないか
- 訛りが強すぎないか
- 文字起こしスクリプトが入手できるか
中でも「スクリプトが入手可能かどうか」は必ず確認しておきたいポイントです。
というのも、スクリプトがないと、音声を書き取った後の「答え合わせ」ができないからです。
YouTube動画やポッドキャスト番組、海外ドラマなどから、上で紹介したポイントを押さえて音声・スクリプトを用意しましょう。
音声を聞く
準備が整ったら、ディクテーションを始めますが、その前に一度音声をリスニングします。この時、スクリプトを見ずに聞くことに集中しましょう。
音声コンテンツの全体像を把握するとともに、英文のレベルや長さもチェックしておくといいでしょう。
ディクテーションする
音声を流して、実際に聞き取った英語をノートに書き取っていきます。
30秒〜1分の音声を一度で書き取るのは容易ではありませんので、1回目は文章単位で区切って行うことをおすすめします。
一語一句を聞いて覚えようとするのではなく、文章の意味を理解することに注力してノートに書き取ります。
もう一度音声を流す
もう一度音声を流し、1回目で聞き取れなかった部分を補います。
2回目は、文章単位で区切らず全文を一気に聞いてみましょう。1回目で聞き取れなかった部分を加筆し、間違って書き取っていた部分は修正します。
文章の意味を意識しながら、集中してリスニングしましょう。
書き取った文章をチェックする
答え合わせの前に一度、書き取った文章をチェックしてみましょう。
例えば、自分が書き取った英文に“He plays tennis yesterday.”とあったとします。
この場合、現在形の“Plays”と過去を意味する“yesterday”が混ざっていることから、正しくは、“He played tennis yesterday.”という文章だと予測できます。
- 英文として意味が成り立っているか
- スペルミスはないか
- 文法が間違っていないか
解答(文字起こしスクリプト)を見る前に、これらのポイントを確認することで、自分のミスに気づくことができます。
また、聞き取れなかった部分がある場合は、文脈からどのような単語が入るかどうかを想像してみましょう。
このステップをはさむことで、英語学習において重要な「英単語・英文法力」「文脈から推測する力」を効果的に伸ばすことができます。
答え合わせ
一通り書き取りできたら、書き取った文章と文字起こしスクリプトを照らし合わせて答え合わせをします。
ディクテーションでは、正誤を確認するだけでなく「なぜ聞き取れなかったのか」をしっかりと分析することが重要です。
聞き取れなかった要因としては、
- 英語の音声変化の知識が不足している
- 英単語の知識が不足している
- 英文法の知識が不足している
- 英語のスピードに慣れていない
などが考えられます。自分の弱点を見つけ補強できるように、しっかりと分析しましょう。
初心者には「穴埋め形式」もおすすめ!
ここまでで、ディクテーションの正しいやり方を紹介しました。
ただし、ディクテーションを行うためにはある程度の「リスニング力」や「英単語・文法に関する知識」が必要です。
また、英語初心者の中には「スピードの速い音声を聴きながらでは、書き取りが間に合わない…」という人もいるでしょう。
ディクテーションのハードルを高く感じるようであれば、「穴埋め形式」のディクテーションがおすすめです。
穴埋め形式のディクテーションでは、“He said that you ( )( ).”のように文の一部分だけが空欄になっています。
全文ディクテーションと比較すると、効果は下がりますが、初心者がディクテーションに慣れるには、「穴埋め形式」は効果的な練習方法です。
効果的にディクテーションを行うコツ
続いて、効果的にディクテーションを行うためのコツを3つ紹介します。
- 自分のレベルに合った教材を選ぶ
- 集中して取り組む
- 答え合わせをして、弱点を分析する
これらのコツについて、それぞれ詳しく説明していきますね。
自分のレベルに合った教材を選ぶ
効果的にディクテーションを行うためには、自分のレベルに合った教材(音声・スクリプト)を選ぶことが重要です。
ディクテーションでは、自分の英語レベルよりもやや難易度の高い教材を選ぶと効果的な学習ができます。
一度聴いただけで単語や文章構成をすべて把握できてしまうような簡単な教材や、まったく聞き取れない難易度が高すぎる教材は、ディクテーションには不向きです。
初めて聴いた時に、内容が8割以上理解できる程度の教材を選びましょう。
集中して取り組む
ディクテーションを行う際は、「音声を流すのは2回だけ」などと自分の中でルールを決めて、緊張感を持って取り組みましょう。
初めから音声を流す回数を決めておくことで、より集中して英語を聞くようになります。
音声を流す回数を決めずに、ダラダラと取り組んでしまうと思ったような効果が得られないので注意が必要です。
答え合わせをして、弱点を分析する
ディクテーションを終えた後は、文字起こしスクリプトを活用して「弱点分析」することが重要です。
ただ答え合わせをするだけでは、十分とは言えません。聞き取れなかった箇所があったら、「なぜ聞き取れなかったのか」「どうすれば聞き取れるようになるのか」を考えましょう。
例えば、“a lot of(たくさんの)”という熟語を知っているのに聞き取れていないのであれば、ネイティブ特有の音声変化やリズムに関する知識が不足していることが原因かもしれません。
このように、ディクテーションで「聞き取れなかった箇所」をしっかりと分析することで、より効果的な学習ができるようになります。
ディクテーションにおすすめのアプリ3選
続いて、ディクテーションにおすすめのアプリを3つ紹介します。
英語学習アプリを活用すれば、アプリを開くだけですぐにディクテーションできるので、より効率的に学習を進めることができます。
「音声コンテンツやスクリプトを探す手間を省きたい」「ディクテーションにぴったりの音声がなかなか見つからない…」などという人はアプリを活用しましょう。
ディクトレ
アプリダウンロード Appstore | GooglePlay
「ディクトレ」は、英語のディクテーションができるリスニング学習アプリです。
英語の音声と答えをタイピングするための空欄が用意されており、「音声を流す→タイピング→答え合わせ」という流れで、アプリ一つで手軽にディクテーションに取り組めます。
ディクテーションに取り組んだ後は、音声の文字起こしスクリプトと分かりやすい解説でしっかりと答え合わせができるのも魅力です。
また、本アプリに収録されている英語の音声は、「将来の夢を聞く」「街で友人に出くわした時」など短い英会話が中心なので、初心者でも無理なく取り組めます。
「通勤中や昼休みなど、スキマ時間を使ってディクテーションしたい」という人や、「簡単な英文でディクテーションを始めたい」という人におすすめのアプリです。
ディクトレは、すべての機能を無料で使うことができるので、気になった方はぜひダウンロードしてみてください。
料金 | 無料 |
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レベル目安 | 初心者〜中級者 |
主な機能 | ・音声ループ再生機能 ・タイピング ・問題文スクリプト ・単語訳 ・解説 |
POLYGLOTS
アプリダウンロード Appstore | GooglePlay
「POLYGLOTS」は、純日本製の英語学習アプリです。リスニングからリーディングまでの幅広い学習目的・レベルに対応した学習コンテンツが取りそろえてあります。
学習機能の一つである「Ordinary Day」を活用すれば、日常生活のワンシーンにおける音声を使ったディクテーションに取り組めます。
また、アプリ内では記事の配信も行われているので、スポーツや音楽、ファッションなど、自分の好きなジャンルの記事を使ってディクテーションすることも可能です。
「リーディングやリスニングの学習と合わせて、ディクテーションに取り組みたい」という方におすすめのアプリです。
料金 | 無料 Ordinary Dayの利用:月額480円 |
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レベル目安 | 初心者〜中級者 |
主な機能 | ・リーディング ・リスニング ・スピーキング ・ライティング |
スタディサプリ
「スタディサプリ」は、最短3分のスキマ時間を使って手軽に取り組める英語学習アプリです。
スタディサプリの「新日常英会話コース」と「TOEIC L&R TEST対策コース」には、ディクテーション機能が備わっています。
ドラマ仕立ての英会話に沿って、「会話理解クイズ→単語・イディオムチェック→ディクテーション……」という流れで楽しくディクテーションに取り組めます。
他のアプリと比較すると少し割高ですが、ディクテーション以外にも「スピーキング練習」「単語学習」「授業動画」などの学習機能も備わっている点を考慮すれば、コストパフォーマンスは悪くありません。
「本格的にディクテーションを行いたい」「ディクテーション以外の学習も並行して取り組みたい」という人には、スタディサプリがおすすめです。
料金 | 新日常英会話コース 月額2178円 TOEIC L&R TEST対策コース 月額3278円 |
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レベル目安 | 初心者〜上級者 |
主な機能 | ・会話理解クイズ ・ディクテーション ・キーフレーズチェック ・瞬間発話プラクティス |
まとめ
本記事では、ディクテーションの正しいやり方とコツ、おすすめのアプリを紹介しました。
- 音声とスクリプトを用意する
- 音声を聞く(スクリプトを見ないで)
- ディクテーションをする
- もう一度音声を流す(1回目で聞き取れなかった部分を確認)
- 書き取った文章をチェックする
- スクリプトと照合し答え合わせをする(弱点の分析)
この手順を参考にして、毎日の英語学習にディクテーションを取り入れましょう。
「音声やスクリプトの探し方が分からない…」という人は、ぜひこの記事で紹介したアプリを活用してください。