「TOEICで800点を取ることを目標に、英語学習に励んでいる」という人は多いでしょう。
2020年1月12日に実施された第247回テストの平均スコアが581.2点であったことから分かるように、TOEIC800点はかなり難易度が高い目標といえます。
そのため、TOEICで800点を取るためには、しっかりとした対策と、勉強時間の確保が欠かせません。
とはいえ、800点を目指すにあたって「どのように勉強すればいいか分からない…」「何から手を着けていいか分からない…」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、TOEICで800点を取るための勉強法とおすすめの参考書を紹介します。
TOEIC800点の難易度と取得のメリット
まず、TOEICで800点を取るために知っておきたいTOEIC800点の「獲得率」と「難易度」、「取得のメリット」について紹介します。
TOEICは、目標スコアによって、難易度や取得のメリットが大きく異なるので、しっかりと確認しておいてください。
TOEIC800点の獲得率
まず、TOEIC800点の獲得率を紹介します。
実施回によって多少のバラツキはありますが、基本的にTOEICで800点を取得する人の割合は、「10%程度」と言われています。
実際に第247回のスコア分布を見てみると、795点以上を取得した人の割合は全体の「13.3%」でした。
この数字からも、TOEICで800点の獲得率はかなり低いことが分かります。
TOEIC800点の難易度
続いて、TOEIC800点の難易度を、他の主要英語資格試験と比較しながら紹介します。
文部科学省が発表している『各資格・各試験とCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)の対照表』によると、
- TOEIC800点は英検の準1級程度
- TOEFL(国際基準の英語能力測定試験)の61点程度
の難易度だと考えられています。
具体的に必要な英語力については、以下で詳しく解説していますが、TOEIC800点の難易度はかなり高いといえます。
TOEIC800点を取得するメリット
TOEICで800点を取得していると、就職や転職において英語能力をアピールする際に役に立ちます。
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会が発表している『英語活用実態調査2019』によると、
- 新卒採用で求められるTOIECのスコアは「545点」
- 英語を使用する部署の中途採用で求められるスコアは「620点」
となっています。
そのため、TOEIC800点というスコアは、就職や転職の際にかなり大きな武器になります。
TOEIC800点を取得していれば、大手企業から超大手企業へ転職したり、外資企業で活躍したりすることも夢ではないでしょう。
TOEICで800点を取るのに必要な英語力とは?
ここまで、TOEICで800点を取ることの難易度やメリットについて紹介しました。
そこで次に、TOEICで800点を取るために必要な英語力について、具体的に解説します。
TOEIC公式が発表している「TOEIC L&R スコア別できること一覧」によると、TOEICで800点を取得するとできるようになることの例として、次の行為が挙げられています。
- ラジオのニュース番組で、アナウンサーが言う主なニュース項目を理解できる
- 担当者が不在の時にかかってきた電話で、要件を受け取ることができる
- 職場で発生したトラブルについて議論している同僚の話が理解できる
- 自分の専門分野に関するプレゼンを聞いて理解できる など
つまり、800点を取るためには、目安として上記のような行為ができる程度の英語力が必要と言えます。
具体的にどのくらいの語彙力、リスニング力、リーディング力が必要なのかについて、以下で詳しくお伝えしていきます。
必要な語彙力
TOEICで800点を取得するためには、かなり高度な語彙力が必要です。
TOEICにはビジネスに関する英単語が多く登場するため、日常会話に関する英単語だけでなく、ビジネスシーン特有の英単語に関してもしっかり理解しておく必要があります。
単語を覚える際は、「このくらい知っていれば大丈夫だろう」と満足せず、ネイティブスピーカーに近い語彙力を身につけることを目標に取り組みましょう。
必要なリスニング力
TOEICではリスニング音声が一度しか流されないため、次々と流れる英語の音声を瞬時に理解する必要があります。
そのため、TOEICで800点を取得するためには、英文を日本語に訳すことなく、英語のまま理解できる程度のリスニング力が必要です。
具体的には、映画を字幕なしでほとんど理解できる、海外旅行先で問題なく英語でコミュニケーションを取れるくらいのレベルです。
また、ビジネスシーンにおいても、自分の業務を英語で問題なくこなせる程度のリスニング力が必要となります。
必要なリーディング力
TOEIC800点を取得するためには、様々なジャンルの文章をスムーズに読める程度のリーディング力が必要です。
高度な語彙力があることはもちろん、英文を早く読めることも800点を取るためには必要不可欠です。
また、文法に関しても、高校・大学受験レベルまでしっかりと理解できている必要があります。
TOEIC800点を取るための勉強法
続いて、TOEICで800点を取るための具体的な勉強法を紹介します。
- 頻出単語をマスターする
- 過去・予想問題集を解く
- 速読の練習をする
- ビジネス英語の音声を聞く
- 自分の弱点を徹底的に補強する
それぞれの勉強法について、詳しく解説していきます。
1.頻出単語をマスターする
リーディングパートとリスニングパートの両方で400点以上を取るためには、高い語彙力が必要です。
TOEICでよく登場する頻出単語を中心に、日常英会話からビジネス英会話まで、幅広いシーンに対応できる語彙力を身につけましょう。
具体的には、『キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 800』や『TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ』など、上級者向けのTOEIC単語帳を使った学習がおすすめです(これらの単語帳については、以下で詳しく紹介しています)。
音声を聞いたり、赤シートで隠して暗記したり、自分が覚えやすい方法で、まずは語彙力を伸ばしましょう。
2.過去・予想問題集を解く
次に、過去問題集や予想問題集などを使って、問題演習を行いましょう。
実際に本番と同じ形式で問題を解くことによって、時間配分や得意分野・苦手分野、現時点での自分の英語力などを把握することができます。
これらを把握することにより、苦手分野を補強したり、時間配分を調整したりといったスコアアップを狙うために効果的な対策が採れるようになります。
また、問題演習を行う際は、答え合わせをした後に解説をじっくり読み、「なぜ正解だったのか」「なぜこの選択肢は不正解なのか」などといった理由をしっかりと分析し、理解度を深めるよう心がけましょう。
3.速読の練習をする
TOEICのリーディングセクションでは、75分間という限られた時間の中で100問を解かなければなりません。
そのため、英文を読むスピードが遅いと、時間が足りなくなってしまいます。
そこでおすすめなのが、速読の練習です。
読むスピードを意識しながら、日常的にたくさんの英文を読む習慣をつけるといいでしょう。
具体的には、「目標時間」を決めたり、タイマーを使って時間を測ったりして、スピードを意識して英文を読むと効果的です。
基本的に、800点を目指す中級者〜上級者であれば、速読をするための基礎力は十分身についていると考えられますので、英文をたくさん読めば読むほど、英語の文字を読むことに慣れ、早く読めるようになります。
4.ビジネス英語の音声を聞く
TOEICで高得点を狙うには、ビジネスシーンに特化したリスニング力が必要です。
ポッドキャストやラジオ番組などを使えば、通学・通勤時間や休憩時間などのスキマ時間を有効活用して、リスニングの練習をすることができます。
「日常英会話なら聞き取れるけど、ビジネス英会話は不安に感じる…」という人は、ビジネス英語の音声を聞き、耳を慣らしておきましょう。
5.自分の弱点を徹底的に補強
問題集を解いたり、各分野の対策をしたりしていると、自分の「苦手分野」が明らかになるはずです。
- 「語彙力が足りない」
- 「英文を読むスピードが遅い」
- 「ビジネス英語が苦手…」
などの、学習を通して見つけた自分の弱点は、徹底的に補強していきましょう。
TOEICでスコアアップを狙うためには、得意分野を伸ばすことも大切ですが、苦手分野を克服することも同じくらい重要です。
TOEIC800点獲得におすすめの参考書5選
ここまでで、TOEICで800点を取得するための具体的な勉強方法を解説しました。
次に、学習を効率的に進めるためのおすすめの参考書を5冊紹介します。
「800点を獲得するための参考書選びに迷っている…」という方は、ぜひ参考にしてください。
1.TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
TOEICの文法問題1000問と詳しい解説が載っており、解説が論理的で分かりやすいため、答え合わせの際に、正解した理由または不正解であった理由をしっかりと理解することができます。
また、左ページに「問題」、右ページに「解説」という見開き構成になっているので、問題を解いた後、すぐに正答と解説をチェックできます。
こちらの参考書は、「TOEIC800点を目指して、徹底的に文法対策をしたい!」という人におすすめです。
2.音声ダウンロード付 世界一わかりやすいTOEIC L&Rテスト総合模試2[800点突破レベル]
本番と同じ形式の模試2回分が収録されており、中級者〜上級者向けに、公式問題集よりも難易度が高めに設定されています。
難易度の高い問題を解き、詳しい解説を読むことによって、英語力を伸ばすことができます。
TOEIC800点を目指して学習している人にはもちろん、最終的には900点以上を目標にしているという上級者にもおすすめの1冊です。
3.【音声DL付】キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 800
1日あたり16単語・熟語を覚えることで、10週間で800点突破に必要な1120の英単語・熟語をマスターすることができます。
1日あたり16単語を学習する形式になっているので、1日最低2分から、スキマ時間を有効活用して学習に取り組めるという特長があります。
また、キクタンシリーズの単語帳は、音声データを無料でダウンロードすることが可能です。
「英単語を聞いて覚えたい!」という人は、ぜひ『キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 800』を活用してください。
4.【CD付】TOEIC L&Rテスト 860点奪取の方法 (目標スコア奪取シリーズ 4)
「設問・選択肢の読解スピードを上げる」「パラグラフリーディングデ攻略する」など、スコアアップのためのポイントがパートに分けて解説してあります。
「出題傾向を把握し、860点を取得するための解き方を学びたい!」という人は、ぜひこの参考書を使ってTOEIC対策に励みましょう。
ちなみに、こちらの参考書はシリーズ化されており、目標スコアに合わせて「470点」「600点」「730点」「860点」から選べます。
「730点をまだ突破できていない!」という場合は、まずは『730点奪取の方法』から取り組むことをおすすめします。
5.TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ
本書では、次のように難易度別にフレーズが掲載されています。
- Aランク:600点〜800点レベル
- Bランク:800点〜900点レベル
- Cランク:900点〜950点レベル
- Sランク:950点〜990点レベル
そのため、自分の英語力や目標スコアに合わせて必要なフレーズを順に学習していくことが可能です。例えば、800点を狙う場合、「Aランク」のフレーズをマスターすることを目標に取り組みましょう。ただし、「語彙力には自信がある!」という人には、Aランクだけでなく、Bランク、Cランク、Sランク…とさらに難易度の高いフレーズにも挑戦することをおすすめします。
まとめ
この記事では、TOEIC800点を取るための勉強法とおすすめの参考書を紹介しました。
TOEIC800点を目指す人向けのおすすめの勉強法をまとめると、次の通りです。
- 頻出単語をマスターする
- 過去・予想問題集を使って問題演習
- 速読の練習をする
- ビジネス英語の音声を聞く
- 自分の弱点を知り徹底的に補強
このように、語彙力とリスニング力、リーディング力をバランス良く伸ばすことを目標に、学習に励みましょう。
TOEIC800点はかなりの難関ですが、しっかりと対策をして、勉強時間を確保すれば十分に狙える目標です。
本記事で紹介した参考書の中から、自分に合った1〜2冊を選んで学習に励み、800点以上の獲得を目指しましょう。