カナダは、多様性に富んだ文化や安全な環境、高い教育水準で知られ、多くの留学生から人気を集めています。
特に高校留学は、若い時期から異文化に触れながら、語学力や国際的な視野を広げる絶好のチャンスです。
本記事では、カナダ高校留学を検討している高校生に向けて、カナダ留学の特徴から種類、具体的な留学方法、費用・ビザまで詳しく解説します。
目次
カナダ留学の特徴|高校生におすすめの理由
高校生にカナダ留学をおすすめする主な理由は、以下の6つです。
- グローバルな環境で過ごせる
- 教育の質が高い
- 治安が比較的良い
- 綺麗な発音の英語を学べる
- 留学生のサポート体制が充実
- 卒業後の選択肢が広がる
それぞれの理由について順に詳しく説明していきます。
グローバルな環境で過ごせる
カナダは移民を多く受け入れている多文化社会であり、世界中からさまざまなバックグラウンドを持つ学生が集まります。
そのため、留学中は国際的な友人を作る機会が豊富にあり、異文化交流を通じて自然と国際感覚を養うことができます。
学校では多国籍のクラスメートと協力する場面が多く、英語力はもちろん、コミュニケーションスキルや対人スキルも向上しやすいです。
また、現地での学生生活を通じて、将来グローバルに活躍するための土台を築けるのも魅力です。
カナダの国際的な環境に身を置いて勉学に励むことは、高校生にとって大きな成長の機会となります。
教育の質が高い
カナダは、国際的にみても教育水準が高いことで知られています。
カナダの学校では、生徒一人ひとりの個性や興味を尊重する教育方針が採用されており、クリティカルシンキングや問題解決能力の育成にも重点が置かれています。
また、多くの学校で最新の技術を活用した教育が行われており、理科や数学、アートなど多岐にわたる分野で実践的な学びが可能です。
さらに、カナダの教育は進路サポートも充実しており、大学進学や将来のキャリア選択に役立つスキルを身につけることができます。
このような環境で学ぶことで、学問だけでなく、実生活に応用できる能力も磨かれます。
治安が比較的良い
カナダは世界的に見て比較的治安の良い国の一つとして評価されています。
特に都市部は犯罪率が低く、公共の安全が確保されているため、高校生が安心して留学生活を送ることができます。
また、カナダの人々は親切でフレンドリーなことで知られており、困った際に助けを求めやすい環境が整っている点も安心材料となります。
綺麗な発音の英語を学べる
カナダ英語は標準的でクリアな発音が特徴とされており、英語学習者にとって理想的な環境です。
特に高校生活を通じてネイティブスピーカーと日常的に交流することで、リスニングやスピーキングスキルを効率的に向上させることができます。
また、カナダはアメリカ英語とイギリス英語の中間的な発音や表現が多く、国際的に通用する英語力を身につけやすいです。
さらに、学校ではESL(English as a Second Language)プログラムも充実しており、留学生一人ひとりの英語レベルに応じたサポートを受けることができるのも魅力です。
綺麗な発音の英語を学べることは、将来の大学進学や就職においても大きな強みとなるでしょう。
留学生のサポート体制が充実
カナダの学校では留学生向けの手厚いサポート体制が整備されています。
具体的なサポート内容は学校によって異なりますが、たとえば専任のカウンセラーに学業や生活面の相談することができたり、語学サポートや進路指導を受けられたりします。
また、留学生同士が交流できるイベントやクラブ活動を頻繁に開催しているスクールも多く、新しい環境に馴染むための助けとなります。
滞在先でも、ホストファミリーや学校スタッフがしっかりサポートしてくれるため、初めての海外生活でも安心して過ごすことができます。
こうした手厚い留学生支援体制があることから、カナダは高校生の留学先としておすすめできます。
卒業後の選択肢が広がる
カナダの高校を卒業することで、進路の幅が大きく広がります。
カナダ国内の大学や専門学校への進学はもちろん、アメリカやイギリスなど他の英語圏の大学にもスムーズに進学しやすくなります。
また、カナダの高校では進路指導が充実しており、就職やインターンシップなどの選択肢も豊富です。
さらに、グローバルな視点を持った人材として評価されるなど、カナダでの留学経験は将来的なキャリア形成にもプラスに働くことが多いです。
高校卒業後の進路の選択肢が広がる点も、高校生にカナダ留学をおすすめする理由の一つです。
高校生がカナダに留学する方法
高校生がカナダに留学をする方法は、大きく分けて3つあります。
- 1年留学
- 卒業留学
- 短期留学・サマースクール
それぞれの留学スタイルについて、メリットとデメリットを踏まえながら詳しくみていきましょう。
1年留学
1年留学は、カナダの高校に1学年間(約10か月)通う留学方法です。
現地の生徒と一緒に授業を受け、異文化交流を楽しみながらカナダの高校生活を体験できます。
通常、交換留学や私費留学の形で実施され、留学中も日本の高校に在籍し続けることが可能です。
1年留学の魅力は、短期留学と比べ長い期間現地の環境に浸れるため、英語力やコミュニケーションスキルの向上が期待できる点です。
また、1年間のカナダ留学は「国際経験」として、将来の進学やキャリアにおいて大きな強みになります。
一方で、費用が比較的高額になりやすいことや、学校の学期制度の違いにより単位認定がスムーズでない場合がある点はデメリットです。
1年間という限られた時間を活用して、語学力向上や異文化理解を深めたい高校生に適しています。
卒業留学
卒業留学は、カナダ現地の高校に正規入学して卒業を目指す留学です。
留学期間は通常2〜3年で、現地のカナダ人の生徒と同じカリキュラム・環境で勉学に励むことができます。
卒業資格を得ることで、カナダ国内や他の英語圏の大学進学への道が開けるのが大きなメリットです。
卒業留学では、長期間カナダで学ぶため文化や価値観を肌で感じることができます。
また、英語力を飛躍的に向上させるだけでなく、グローバルな視点も身につくでしょう。
ただし、卒業留学は基本的に私費での留学となるため、学費や滞在費を含めた費用が高額になる点はデメリットだと言えます。
また、現地の学校に入学するために一定の語学力や学力が求められることが多く、事前の準備が必要不可欠です。
高校卒業後に海外大学進学を目指す人や、海外の学校制度に身を置いて学びたい人におすすめの留学方法です。
短期留学・サマースクール
短期留学は、夏休みや春休みなどの長期休暇を利用して、数週間から数か月間カナダの語学学校や高校に通う留学方法です。
この留学スタイルの利点は、短期間でカナダの文化や英語に触れられることです。語学力の向上はもちろん、現地の生徒や他国の留学生との交流を通じて、国際感覚を養うことができます。
1年留学や卒業留学などの長期留学と比べて費用や手続きの負担も比較的軽いため、気軽に留学を体験したい人や初めて留学に挑戦する人に向いています。
一方で、期間が短い分、得られる成果が限定的であることや、現地の生活に完全に慣れる前に帰国日を迎えてしまう可能性がある点はデメリットです。
短期留学は、海外環境に慣れる第一歩として理想的な選択肢と言えるでしょう。
カナダ高校留学に必要な費用とビザ
高校生がカナダに留学する際に必要な費用とビザについて解説します。
カナダ高校留学の費用
カナダ高校留学の費用は、留学の種類や期間によって異なります。
以下では、1年留学、卒業留学、短期留学の一般的な費用について紹介します。
1年留学
カナダで1年間留学する場合、主に授業料や滞在費、生活費、航空券、保険など費用が必要です。
授業料の目安は、公立校で年間100万〜200万円ほど、私立校で年間150万〜330万円ほどです(参照:トビタテ!留学JAPAN)
滞在費はホームステイが一般的で、月に8万〜12万円程度が目安となります。
卒業留学
卒業留学では、カナダの高校を卒業するまで通学するため、数年にわたる長期滞在が必要です。そのため、授業料や滞在費に加え、生活費の合計が高額になります。
授業料は1年留学と同様ですが、留学期間が延びる分、トータルで500万〜800万円以上を見込む必要があります。
卒業後に現地の大学進学を目指す場合は追加費用も発生します。
短期留学
短期留学の費用は、期間や留学プログラムによってさまざまですが、1ヶ月で30万〜50万円が相場です。
留学費用には、語学学校の授業料やホームステイ費、保険などが含まれます。
短期留学は比較的費用が低く抑えられ、初めての海外生活を体験するのに適した選択肢です。
カナダ高校留学のビザ
カナダで高校留学をする際に必要なビザは、留学期間によって異なります。
留学の期間別に必要なビザを解説します。
6ヶ月以内の留学
6ヶ月以内の短期留学の場合、観光ビザ(パスポート)のみで入国・滞在が可能です。
学生ビザの申請は必要ありませんが、電子渡航認証「eTA(Electronic Travel Authorization)」の取得が必要になります。
eTAはオンラインで簡単に申請でき、数日以内に発行されます。
6ヶ月以上の留学
6ヶ月以上の長期留学の場合は、学生ビザ(Study Permit)が必要です。
パスポートや入学許可証、英文の銀行残高証明書などの必要書類をそろえ、申請を行いましょう。
学生ビザ申請にかかる費用は、ビザ申請費用の150カナダドルと、バイオメトリクス費用の150カナダドルです。
学生ビザの申請手続きには時間がかかる場合があるため、余裕を持って準備を進めることが重要です。
カナダの学校制度・システムについて
高校生がカナダに留学するなら知っておきたい、カナダの学校制度やシステムについてわかりやすく解説します。
州別学年制度
連邦国家であるカナダは、州ごとに教育方針が大きく異なることが特徴です。
義務教育年齢や学年構成、カリキュラム、卒業に必要な単位数などは州によって違いがあります。
たとえば、ブリティッシュコロンビア州では中学・高校が6年制ですが、オンタリオ州では4年制となっています。
また、セカンダリースクールにあたる高校は、ほとんどの州で日本の高校1〜3年生に当たる「グレード9〜12」が該当しますが、ケベック州では「グレード7〜11」で高校教育が終了するのが特徴です。
このように、州ごとの学年制度が大きく異なるため、留学先の州の学年制度を事前に理解することが重要です。
学校のシステム
カナダの学校は9月に新学期が始まり、翌年6月末にその年度が終了するのが一般的です。
一部の学校では2月や4月入学が可能なケースもありますが、取得可能な単位が制限される場合があるため注意が必要です。
学期制は学校や州によって、2学期制と3学期制があります。
クラスの編成は、全員が同じカリキュラムを受けるのではなく、生徒が自由に選べる履修科目の選択肢が豊富なことが特徴です。
必修科目に加え、マーケティングや観光学、ウェブデザインなどの専門的な選択科目が提供されており、生徒は将来の目標に応じて自由に組み合わせることができます。
学校の種類
カナダの高校は、公立と私立に分かれます。
公立校
カナダには約5,500の中学・高校があり、そのうちのほとんどが公立校です。
実際に、カナダ人の95%の生徒は公立校に通っています(参照:トビタテ!留学JAPAN)。
入学試験はなく、基本的に願書や成績証明書などの書類審査で合否が決まります。
生徒数は1,000〜2,000人と規模が大きい傾向があり、カナダ人の高校生から留学生まで、多様なバックグラウンドを持つ生徒たちが集まります。
留学生の滞在方法としては、ホームステイが一般的で、カナダ文化に触れると同時に英語力を鍛えられる環境が整っています。
私立校と比べて、学費が比較的安価な点も魅力です。
私立校
私立校は1,000人程度を最大とした規模の学校が多く、一人ひとりへのサポートが手厚い点が魅力です。
共学だけでなく、男子校や女子校、宗教的な教育やスポーツに特化した学校もあり、多様な選択肢が提供されています。
入学には書類審査と試験が必要で、SSATのスコアやエッセイなどが求められる場合があります。
滞在先としてはホームステイに加え、学生寮も選択可能です。
公立校に比べて学費が高い点には注意が必要です。
カナダ高校卒業後の進路
カナダの高校を卒業した後の進路として、大きく分けて3つの選択肢があります。
- カナダの教育機関へ進学
- 他の国の大学に進学
- 日本の大学に進学
それぞれの進路について詳しく説明します。
カナダの教育機関へ進学
カナダの高校卒業後、そのままカナダ国内の教育機関に進学するという進路があります。
進学先としては、学術研究を中心としたユニバーシティ(大学)や、実践的なスキル習得を重視するカレッジ(短大や専門学校)が選択肢として挙げられます。
これらの教育機関は、質の高い教育と多文化的な環境を提供しており、特定の分野で深く学びたい人や、高校留学後もカナダでの生活を続けたい人に適しています。
また、カナダの教育機関を卒業することで、現地での就職活動も有利になることが期待されます。
他の国の大学に進学
カナダの高校卒業資格を活かし、アメリカやイギリス、オーストラリアなど他の英語圏の大学に進学する道もあります。
特に、「国際バカロレア(IB)」という国際的な大学入試資格のプログラムを提供している高校で学んだ場合、成績が国際的に認められるため、海外大学への進学がスムーズです。
この選択肢は、より広い視野で教育機会を探したい人や、特定の国でのキャリアを目指す人におすすめです。
日本の大学に進学
カナダの高校を卒業後に日本に帰国し、日本の大学に進学することも可能です。
多くの大学では帰国生入試を実施しており、海外で培った語学力や国際的な経験をアピールポイントとして活用できます。
特に早稲田大学や慶應義塾大学などの名門私立大学、さらには東京大学や京都大学といった国立大学でも、帰国生向けの特別な入試制度が実施されています。
ただし、受験には高校の成績や英語資格試験のスコア、推薦状が求められる場合が多いため、事前の準備が重要です。
日本の大学進学は、将来的に日本でのキャリア形成を考えている人に適した選択肢です。
カナダ高校留学におすすめの都市と特徴
カナダ高校留学におすすめの4つの都市と特徴について紹介します。
- バンクーバー
- ビクトリア
- トロント
- カルガリー
バンクーバー
バンクーバーは、カナダ西海岸に位置する都市で、温暖な気候と多文化的な雰囲気が特徴です。
ブリティッシュ・コロンビア州の教育の中心地であり、質の高い教育プログラムが提供されています。
バンクーバーの高校は、多様な背景を持つ学生を受け入れており、国際生徒にとって英語力を高めながら異文化理解を深める絶好の環境です。
また、周囲には山や海が広がり、週末にはスキーやハイキングなどのアクティビティを楽しむことができます。
都市部と自然が調和した生活環境は、学業とリラックスのバランスを取りたい留学生におすすめです。
ビクトリア
ビクトリアは、ブリティッシュコロンビア州の州都で、カナダの中でも特に穏やかな気候が魅力の都市です。
イギリスの伝統文化を感じさせる美しい街並みが広がり、安全で落ち着いた環境が特徴です。
ビクトリアの高校は、少人数制の授業を取り入れているスクールが多く、生徒一人ひとりに対する手厚いサポートが期待できます。
また、質の高い学習環境だけでなく、歴史や文化に触れる機会も豊富で、学びを深めると同時に豊かな教養を育むことができます。
静かな環境で集中して勉強に取り組みたい学生に適した場所です。
トロント
トロントは、カナダ最大の都市であり、オンタリオ州の経済と文化の中心地です。
多民族が共生するこの都市では、多文化的な価値観を学ぶ機会が豊富で、国際的な視点を養うのに最適な環境が整っています。
トロントの高校では、豊富なプログラムが提供されており、進学を目指す生徒の多様なニーズに応える教育が行われています。
都会ならではの利便性と、世界中の文化を体験できるグローバルな環境は、留学生にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
カルガリー
カルガリーは、アルバータ州に位置する都市で、ロッキー山脈の玄関口として知られています。
カナダの中でも教育水準の高さが際立つ地域であり、近代的な設備を備えた学校が多いのが特徴です。
カルガリーの高校では、留学生の受け入れ体制が整っており、手厚いサポートが受けられます。
自然の中でのびのび学べる他、冬のスキーや夏のハイキングなどのアクティビティを楽しめる環境が整っている点も魅力です。
勉強だけでなく、アウトドアライフを満喫したい学生にぴったりの都市です。
カナダ高校留学についてのよくある質問
カナダ高校留学についてのよくある質問とその回答を紹介します。
- 留学までの流れを教えてください。
- カナダ高校留学の一般的な流れは以下の通りです。
1.情報収集と学校選び:希望する都市や学校の特徴をリサーチ
2.学校への申し込み:必要な書類(成績証明書、英語力の証明書、推薦状など)を準備して学校に提出
3.ビザ申請:学校からの受け入れ許可書(LOA)を受け取ったら、学生ビザを申請
4.渡航準備:滞在先の手配、航空券の購入、保険加入など
- 滞在方法はどうなりますか?
- カナダの高校留学で一般的な滞在方法は、ホームステイと学生寮です。
ホームステイは、現地の家庭に滞在することで、日常生活を通じて英語力を磨き、文化を深く体験できます。
ホストファミリーとの交流が留学生活の支えとなる場合も多く、特に留学が初めての高校生に適しています。
私立校など、学校によっては学校内や近隣にある寮で生活することも可能です。
同年代の学生と共同生活を送るため、友人を作りやすい環境が魅力となっています。
- 英語が話せなくても大丈夫ですか?
- 英語が話せなくても、カナダでの高校留学は可能です。
多くの学校が英語を母語としない生徒向けに、ESL(English as a Second Language)プログラムを提供しています。
このプログラムでは、学業に必要な英語力を強化するための特別な授業を受けることができます。
さらに、入学前に英語力を向上させるための準備コースなどに参加することも一つの方法です。
留学生活を通じて英語力は自然に向上しますので、事前に焦らず準備を進めることが大切です。
カナダ高校留学についてのまとめ
今回は、カナダ高校留学の特徴や方法、費用について詳しく解説しました。
カナダは、質の高い教育を受けながら語学力や異文化理解力を深めることができる、高校生にとって魅力的な留学先です。
滞在方法や手続きの流れについて理解を深めることで、留学の準備をスムーズに進めることができます。
また、カナダ留学を通じて得られる経験は、将来の進学やキャリアにおいて大きな武器となるでしょう。
「カナダで高校留学をしてみたい」と考えている方は、本記事を参考に具体的なプランを立ててみてください。