あなたは、英語力を伸ばすために語学留学を考えたことはありますか?
日本では英語を使う機会がほとんどないため、語学留学は短期間で英語力を向上させる一番の近道と言えるでしょう。
しかし、きちんと準備をして臨まないと、語学留学はただの時間とお金の浪費に終わってしまいます。
今回は、語学留学のメリット、デメリット、語学留学を通じて確実に英語力をアップするためにするべきことをお伝えします。
目次
語学留学のメリット
英語力を上げるためには、語学留学が一番というイメージはありますが、具体的に語学留学にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
語学留学をする期間にもよりますが、一般的に言えるのは、次の3つです。
効率的に短期間で英語力をアップすることができる
語学留学をすることで、日本で英語を学習するよりも、短期間で確実に英語力を伸ばすことができるでしょう。
語学学校で英語を学ぶことはもちろんですが、留学先では、
- 日用品の買い物
- バスや電車を使った移動
- 友人との会話
など、すべてにおいて英語を使わなければいけません。
そのため、英語の読む、聴く、書く、話すといったすべての力を短期間で効率的に高めることができます。
英語特有のコミュニケーション力が身に付く
日本語と英語では、コミュニケーションのスタイルが大きく異なります。
日本語は、言葉の語尾をあいまいにしたり、結論を最後に伝えたりすることがよくあります。
一方、英語は、結論を先に伝え、物事をしっかり言い切ることを好みます。
例えば、休み明けに同僚から、
How was your holiday?(休みはどうだった?)
と聞かれたとしましょう。
この場合、日本では下記のように答えることが多いかもしれません。
I went on a road trip and enjoyed nice view. It was nice. (ドライブに行って、景色を楽しみました。とても良かったです。)
このように、自分がしたことを言ってから、最後に「良い休みだった」という結論を伝えることが多いでしょう。
一方英語圏では、結論である“It was nice.”を最初に伝え、その後に、自分が休み中にしたことを補足で伝えるのが王道です。
結論を後に伝える日本人のコミュニケーションの取り方は、ネイティブには、まどろっこしい印象を与えてしまいます。
他にも、英語圏では、様々なことについて感想を聞かれることがあります。
例えば、語学学校で授業が終わった後に、
How did you find this class?(今日の授業はどうだった?)
という質問を必ずといっていいほど訊かれます。
これは、ビジネスの会議の後、友人同士のパーティーの後などにも訊かれる質問です。
日本では、このような質問をされることはあまりありませんが、英語圏では日常会話として質問されます。
この場合は、自分が授業に対してどんなことを感じたのか、何故そのように感じたのかを伝えましょう。
日本人は、このような質問に慣れておらず、言葉を濁してしまいますが、そのような態度だと、
- 「自分の意見を持っていない」
- 「話しても面白くない人」
と捉えられてしまうかもしれません。
語学留学をすると、日常的にこのようなコミュニケーションを繰り返すことになります。
最初はうまく答えられなくても、徐々にこのような英語圏のコミュニケーションに慣れてることができるでしょう。
どこでもやっていける力と自信が身に付く
留学のプログラムによって多少異なりますが、語学留学先では、語学学校に通うだけでなく、
- 住む場所を探す
- 家から学校までの交通機関を調べ利用する
- 国のルールを理解する
といった生活基盤を自分で整える必要があります。
電車やバスの利用の仕方、料金の払い方などが日本とは全く異なるため、日常生活で戸惑う留学生は大勢います。
その場合、それらを英語で理解することが必要になります。
もちろん、現地には友人や家族もいないため、自分自身で何とか解決していかなければなりません。
このような環境で暮らしていくことで、どこでも生活をしていく力や自信を身につけることができます。
語学留学のデメリット
このように、語学留学には複数のメリットがありますが、一方デメリットもあります。
語学留学をした方からよく聞くデメリットは次の3つです。
英語の基礎力がないと、思ったように英語力が伸びない
「英語の基礎力がない状態で語学留学をしたところ、思ったように英語力が伸びなかった」という話を良く耳にします。
留学先では、全ての授業が英語で行われるため、英語の基礎的な知識がない状態で留学をすると、授業のほとんどを理解することができません。
特に短期の語学留学の場合は、現地で良い経験はできたけれども、英語はほとんど片言しか話せない状態で終わってしまったと言う話はよく聞きます。
英語力を効果的に伸ばすためには、英語の基礎力を付けてからの留学はマストと言えるでしょう。
目的がないと、ただのモラトリアム期間になる
明確な目的や目標がないまま語学留学をすると、留学が旅行感覚になってしまい、英語力は身に付きません。
これは、目的がしっかりしないことで、語学留学先の学校選定やカリキュラム選択があいまいになってしまうからです。
そのため、結果的にその国に一定期間住み、楽しく生活をしただけでということになってしまうのです。
キャリアにブランクができる
半年や1年程度といった中・長期の語学留学をする方にとっては、語学留学がキャリア上のリスクにもなり得ます。
残念ながら、現地で語学学校に通うだけでは、資格や学位を取ることはできません。
そのため、語学力を確実に伸ばして帰国しない限り、進学、就職では語学留学期間が不利に働くことがあります。
学生の場合は、卒業タイミングがずれることで就職活動に影響しますし、社会人の場合は、転職先を探すことに苦労することもあります。
このように、語学留学にはメリットだけではなく複数のデメリットもあります。
しかし、留学前の準備や語学留学先での過ごし方を工夫することで、これらのデメリットを十分に解消することができます。
留学前に準備するべきこと2点
語学留学先で確実に英語力を高めるためには、留学前に次の2つの準備をすることをおすすめします。
語学留学の目的、目標をクリアに設定する
自分の勉強やキャリアにおいて、何故語学留学をするのかを明確にしてください。
「英語力を伸ばすため」といった漠然とした目的ではなく、英語力を伸ばすことで将来どのような職に就きたいのか、何のチャンスを掴みたいのかといった具体的な目標を設定することが大事です。
また、英語力アップを図る具体的な数値目標も設定しましょう。
- 日系企業で英語を使いたい方はTOEIC
- 外資系企業への就職を考えている方はVersant
- 進学を考えている方はTOEFLやIELTS
のスコア目標を設定するといいでしょう。
目的、目標がクリアになることで、それらに適した語学学校や授業のカリキュラム選定をすることができ、留学期間中に効果的に英語力を高めることができます。
最低限の英語力を身に着ける
先ほどデメリットでも紹介した通り、語学留学先で英語力を伸ばすためには、ある程度の英語の基礎力が必要です。
具体的には、下記の3点を身につけてから留学することをおすすめします。
英語で自己紹介をする力
自己紹介はコミュニケーションの基本です。
見ず知らずの土地に住み、勉強する語学留学においては、全てが自己紹介から始まります。
たとえ英語を話す力があまりなくても、自己紹介さえきちんとできれば、現地の人達と良い関係を築くことができます。
英語の自己紹介は、相手に自分のことをしっかり伝えることが大事です。
そのため、日本人が考えているよりも自己紹介の時間は多少長目に、1分間?2分間程度自分のことを話す必要があります。
自己紹介に組み入れたい内容は、
- 名前
- 出身国
- 自分の職業や勉強していること
- 語学留学の動機や目的
- 趣味
などです。
留学前に、自己紹介を英語でできるように練習することをおすすめします。
英語で日常の挨拶をできる力
英語では、下記のような挨拶パターンがよく使われます。
Hello. How are you?(こんにちは。お元気ですか?)
I’m good/fine, thank you, and you?(元気です。あなたはお元気ですか?)
このような挨拶パターンを聴き取り、自分でもしっかり答えられることが最低限必要です。
英語圏では、挨拶はとても大切なコミュニケーションです。
あまり英語力がない状態で留学した日本人の中には、これらの挨拶をどのように交わして良いか分からず、無視をしてしまうことがあります。
これは相手に失礼ですし、悪い印象を与えてしまいます。
周囲の人達と信頼関係を構築するためにも、必要最低限の挨拶パターンを把握してから、留学するようにしましょう。
中学校で学習する英文法の理解
最低限の英文法を理解してから留学することで、語学学校の授業の理解が進み、効果的に英語力を伸ばすことができます。
具体的には、最低限下記の文法を理解してから留学することを推奨します。
- be動詞、一般動詞の違い
- 英語の基本的な文構造(SV、SVC、SVOC、SVOOなど)
- 時制(現在形、過去形、未来形、現在完了形など)
勉強の仕方は色々ありますが、できれば、一つの参考書やアプリに絞って勉強し、その参考書やアプリを留学先に持ち込みましょう。
留学先では、日本語にあまり触れず、英語漬けの環境に身を置くことをおすすめしますが、文法の理解を進めるには日本語で書かれたものを確認することをおすすめします。
留学中に気をつけるべきこと
「語学留学をしたけれども、周囲に日本人が多く、英語力が身に着かなかった」という話を聞いたことはありませんか。
語学留学で英語力を身に着けるには、どのようなことに気をつけると良いのでしょうか。
ここでは注意したいこと3点を紹介します。
全ての日本語の情報を排除する
近年はテクノロジーの発達により、インターネット環境さえあれば、日本の情報にアクセスしたり、日本に住む家族や友人と容易に連絡を取ったりすることができるようになりました。
これは非常にありがたいことですが、語学留学においてはマイナス要素です。
英語のレベルアップには、
- 英語で考え
- 英語で情報を収集し
- 英語でアウトプットする
これを繰り返すことが必要です。
そのため、できる限り日本語の情報や日本語の使用を排除しましょう。
もちろん、日本にいる家族や友人と必要最低限の連絡を取ることは別ですが、それ以外は、日本のニュースを英語で見て、日本の映画を観る際も全て英語吹き替えで観るように心がけましょう。
外国人と一緒に暮らす
留学先では、一人暮らしをすることは避けた方がよいでしょう。
なぜならば、一人暮らしの場合、語学学校から帰宅をすると、英語を話す必要がないからです。
そのため、一人暮らしをすると、語学学校以外で英語力を伸ばすことができなくなってしいます。
ホームステイやルームシェアをして、外国人と一緒に暮らし、英語を使う環境に身を置いてください。
そうすることで、プライベートの時間でも英語力を伸ばすことができます。
毎日英語で日記をつける
英単語の量や英語の表現の幅を増やすために、毎日英語で日記をつけることをおすすめします。
留学先では、片言の英語でも相手に言いたいことが伝わってしまったり、ボディランゲージでも会話を乗り切ることができてしまったりします。
海外でコミュニケーションを取る上では、これらは非常に大事な力ですが、このようなことを繰り返していると英語力は一向に伸びません。
英語力を伸ばすには、英語表現のバリエーションを増やしていくことが大事です。
英語で日記をつけることはその近道と言えるでしょう。
日記をつける際は、一日の出来事や自分の考えたことを英語で書き留める必要があります。
日記をつける時、適切な英語表現が見つからなかったら、自分で調べ、それらを文章にしなければなりません。
そのため、自然と英単語や英語の表現の量が増えていきます。
できれば、書いた日記を語学学校の先生やネイティブの友人にチェックしてもらうとよいでしょう。
表現を直してもらうことで、自然な英語を身に着けることができます。
帰国後も英語力を維持するために取り組むべきこと
語学留学である程度の英語が身に着いたにも関わらず、日本に帰国をしてから英語を使う機会がなく、英語力が振り出しに戻ってしまったというのはよくあることです。
日本では、ほぼ全てのコミュニケーションが日本語で完結してしまいます。
自分で意識をしない限り、英語を使う機会はほとんどありません。
これでは語学留学に費やした時間とお金が水泡に帰してしまいます。
しかし、日常生活で少し工夫をすれば、英語力を維持することができます。
語学留学先でできた友人と連絡を取り続ける
語学留学先では、様々な国籍の友人ができるでしょう。
しかし、帰国後は疎遠になってしまうケースがほとんどです。
他国に友人がいることは素晴らしいことですし、これらの友人とコミュニケーションを取り続けることは英語力の維持、向上にもつながります。
最近は、スマートフォンとインターネット環境さえあれば、いつでもどこでも連絡を取ることができます。
SNSのチャットやビデオ通話などで連絡を取り続けることで、英語力と友人関係の両方を維持することができます。
英語で独り言を言う
ほとんどの人は、口に出さなくても、自分の中で独り言を言っていると思います。
日本人の場合は、これらの独り言を日本語で考えていると思いますが、この独り言を英語で考えるようにしてください。
英語の学習では、英語で考え、言葉にすることが非常に大事です。
その上で、独り言を英語で考え、言葉にすることは格好の学習材料と言えるでしょう。
全ての情報を英語に変える
自分に入ってくる情報をできる限り英語に変えることをおすすめします。
携帯やパソコンの言語設定、テレビやネットのニュースの音声などを英語に変えることで、自然に英語で読む量、聴く量が増え、英語力の向上につながります。
語学留学は、英語力アップのための一つのステップにすぎません。
語学留学前の準備、留学中の過ごし方、帰国後の日常生活の仕方を工夫し、英語力を効果的に高めるようにしていくようにしてください。