英語のボキャブラリーを増やす方法は?おすすめの本も紹介

英語のボキャブラリーを増やす方法は?おすすめの本も紹介

英語学習において、

言いたいことはたくさんあるのに、思うように英単語が出てこない

ボキャブラリーを増やしたいけど、なかなか英単語が覚えられない…

と歯がゆい思いをしている人は多いのではなでしょうか。

ボキャブラリーは言語を構成する基礎要素の一つであり、自分の意見やアイデアを表現したり、情報を共有したりするだけでなく、人間関係を構築するためにも必要不可欠な知識です。

なお、ボキャブラリーは、語彙とも呼びます。

ボキャブラリーは、増えれば増えるほどコミュニケーションスキルの向上に大いに役立つので、ボキャブラリーの重要性を理解して積極的に増やしていくことをおすすめします。

今回は、ボキャブラリーを増やす方法と、おすすめの教材について、詳しく解説します。

この記事内の重要な項目まとめ

大島さくら子

コンテンツ監修者:
大島さくら子

英語教育事業(株)オフィス・ビー・アイ代表取締役。慶應義塾大学(法学部・政治学専攻)卒。Temple University Japan(教養学部・アジア学専攻)卒。ビジネス英語講師として多くの企業、団体で英語講師を務める。英語学習書ライターとしても活動。英検1級、TOEICRL&R 990点満点/S&W400点満点。著書多数。

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ボキャブラリーの増やし方について動画で解説

動画でも記事の内容を分かりやすくまとめているので、そちらもぜひチェックしてみてください。

ボキャブラリーの重要性

ボキャブラリーの重要性

言語を構成する根幹となる「ボキャブラリー(vocabulary)」は、言語における「総体的な言葉」を意味し、効果的なコミュニケーションをとるために絶対に必要な知識です。

例えば、英文法というルールに従ってボキャブラリーを並べなければ正しく内容を伝えられませんが、ボキャブラリーそのものを知らなければ、正しくどころか何も伝えることができません。

また、ボキャブラリーは、聞く、話す、読む、書くの4技能すべてに関係しており、語彙が豊富であればあるほど4技能全体の表現の幅が広がります。

まずは、ボキャブラリーがどのように4技能に関係しているかを理解しておきましょう。

読む

リーディング力は、知っている単語の量によって決まるといっても過言ではありません。

例えば、本を読もうとしたときに、使われている単語やフレーズを知っていればスムーズに読み進められますが、知っているボキャブラリーが少なければ文脈を把握するのに当然苦労します。

一方、読むことを通して多くの未知の言葉に出会い、ボキャブラリーを増やすことが可能です。

例えば、ある文章を読んでいる途中で知らない単語があれば、辞書でその意味を調べると、文章の内容と単語をリンクさせながらボキャブラリーを増やしていけます。さらに、その単語をどのような場所で使えばよいのか具体的に認識できます。

なお、学習教材としての読みものは、簡単過ぎると新しく学べることがあまりありません。逆に、難し過ぎると辞書で調べなくてはいけない単語が多くなり効率よく学べません。自分のレベルからかけ離れていないものを選ぶことが大切であることを覚えておきましょう。

聞く

リスニング中に馴染みのない単語が聞こえてくると「この単語はどんな意味?」と、一時的に思考がストップしてしまうことがあります。

第二言語として英語を学習している人にとって、一度も聞いたことのないボキャブラリーの音だけを聞き取って、そこから意味を類推することは困難です。

また、英語特有の発音、アクセントやイントネーションがわからないと、知っている単語も聞き取ることができません。

つまり、単語の意味と正しい発音をリンクさせながら覚え、ボキャブラリーを増やしていけば、聞いて理解できる範囲は確実に広がっていくのです。

話す

第二言語としての語学学習者は、まず一つひとつの単語や熟語の意味を理解し、それを自分の思いを表現する手段として言葉として発します。

もし、ボキャブラリーが十分でなかったら、思うように自分の意見や思いを表現することができず、フラストレーションや不安を感じるでしょう。

しかし、ボキャブラリーが豊富であれば、それらを明確に表現することができるので、自信をもって会話することが可能になり、相手との信頼関係の構築にもつなげることができます。

書く

ボキャブラリーが豊かになれば、自分の考えや感情、出来事やアイデアなどを、より適切な言葉を使って文章にすることができます。また、ボキャブラリーの知識が広ければ広いほど同じ意味でも異なった言葉に置き換えることもでき、表現の幅も広がっていきます。

最初は短い文章しか作成できなかったとしても、語彙を増やし使いこなすトレーニングをすることで、いずれはエッセイや論文などの長文の作成も間違いなく可能になります。

ボキャブラリーを覚える方法

ボキャブラリーを覚える方法

無数にある英単語を一つひとつ覚えるには膨大な時間がかかります。

ボキャブラリーを増やすという目的だけのためにモチベーションを維持するのは難しいかもしれませんが、英語力を向上させるには必要不可欠な作業です。

次に、ボキャブラリーを覚える方法を8つ紹介しますので、自分に合った方法をいくつか組み合わせて効率よく学習するようにしましょう。

書いて覚える

手で書くという行為が脳の神経を刺激するので、記憶に定着しやすくなると言われています。

単語の意味に加えてスペルを一緒に覚えたい場合は、ノートなどに同じ単語を繰り返し書いて覚えるといいでしょう。

その際、間違って覚えることのないように、正しく少し大きめに書くようにしてください。

単語の品詞によって色を変えて書いたり、マーカーで印をつけたりするのもいいでしょう。視覚効果もプラスされて、より記憶に残りやすくなります。

音読&聞いて覚える

単語は文字をただ目で追うだけでなく、声に出して読んでみましょう。ブツブツと声に出すという動作が脳の神経に刺激を与え、記憶に刷り込まれやすくなります。

また、最近の単語の参考書は、CDや音声ダウンロードがついているものがほとんどです。

ネイティブスピーカーの読み上げによる正しい発音を聞くことで、音と文字をリンクさせて単語を覚えることができます。

図やイメージ画像で覚える

「A picture is worth a thousand words.( 1枚の絵は、たくさんの言葉で説明するよりもよく分かる。=百聞は一見に如かず)」ということわざのように、視覚的な手がかりは、言語発達のための重要なツールです。

例えば、英語にはたくさんの種類の前置詞が存在し、それぞれの細かな違いを理解し正確に記憶するのは簡単ではありません。

そこで、前置詞それぞれのイメージを図で表現したものを見ることにより、基本イメージとそこから派生するイメージをつかむことができます。

また、頻度を表す副詞もたくさんありますので、頻度の高いものから低いものへと矢印などの図で表したものを参照して、頻度のレベルを明確にしながら覚えるといいでしょう。

さらに、絵や図を使って暗記していると、その視覚的なものが記憶へのフックとなります。つまり、ある単語を思い出そうとするときに、絵や図がきっかけとなって記憶から引っ張り出すことができるのです。

身近なものをイメージして覚える

エピソード記憶」という記憶法があります。単語を覚えるとき、名詞であればそのものを、動詞であればその単語が使われる状況を想像して、単語とイメージ(=エピソード)を結びつけて記憶するという方法です。

一般的に自分に関わることは忘れにくいとされています。その情報は自分にとって必要なものと判断させる状況を想像し、例文を作ってストーリー仕立て、つまりエピソードにして覚えるようにすると、深く記憶に残るでしょう。

単語同士のつながりで覚える

英語は、「接頭辞」、「語根」、「接尾辞」という3つのパーツで構成されていて、共通のパーツがある単語は、通常、共通する意味をもっています。

例えば、vision(視覚)、visual(視覚の)、visible(目に見える)、invisible(目に見えない)という単語には、visという共通の語根を含んでいて、「見る」ことに関連した意味を持っています。

他には、uncommunicativeという単語では、un-は接頭辞で「否定・反対」を表し、 communicateは語根で「やりとりをする」という意味です。

そして、接尾辞である-iveは「何かができる」という意味を表わします。これらすべてが一緒になって、「コミュニケーションが取れない人、あるいは物」を指します。

単語のそれぞれのパーツのもつ意味を理解していれば、知らない単語であっても基本的に意味を推測することができます。

単語帳を作る

リストは記憶するのに役立つので、よく間違える単語や、忘れたくない単語は単語帳に記載しておきましょう。見やすく整理しておけば、繰り返し何度も使えます。

また、単語帳アプリも単語を覚えるためには重宝します。入力した単語でオリジナルのフラッシュカードを作成できるので、単語帳を自分で書いて作る時間がない人にはお勧めです。

繰り返し覚える

ボキャブラリーは使わなくなると驚くほど早く忘れてしまうので、同じことを何度も繰り返す反復練習は必須です。

例えば、1日10個の単語を覚えるとします。1日に1~10の単語を覚えたら翌日はつぎの11~20だけを覚えるのではなく、まずは1~10を復習し、その後新たに11から20を覚えるようにします。

そして、その翌日は1~20を復習して、新たに21~30を覚えるようにします。

1日5分、10分といった短い時間で構いませんので、語彙を覚えるための時間を確保しましょう。そして、可能であれば1日の中で覚える時間を固定することをおすすめします。

朝食後でもいいですし、通勤中の電車の中や寝る前のひと時でもかかまいません。スキマ時間の活用も有効ですが、時間を決めて、それを一貫して実行するということをルール化するのです。

このように、もし、毎日少しずつ単語を復習するということが習慣化できれば、数ヶ月後には語彙は大幅に増えているはずです。

アウトプットして覚える

インプットした語彙をアウトプットすることは応用練習になります。また、実践的な練習をすることで、より深く記憶することができます。

Practice makes perfect.「習うより慣れろ」という言葉のように、実際に使ってみることで、上達をより実感できるようになります。

学んだボキャブラリーを日常の会話や英作文に取り入れて、積極的にアウトプットするようにしてみましょう。

ボキャブラリーを増やすためのおすすめの本

ボキャブラリーを増やすためのおすすめの本

英語学習の目的には、日常会話やビジネス会話の習得、TOEIC・英検などのテスト対策などがありますが、もちろん人によって異なります。

効率よく学習するためには、まず自分が必要としているボキャブラリーに的を絞ることが大切です。

また、先にも「ボキャブラリーの重要性」の「読む」の箇所でも述べましたが、学習を継続するためには、自分のレベルにあった教材を選ぶことが大事です。以下、ボキャブラリー強化におすすめの本を紹介しますので、参考にしてください。

特急シリーズ

朝日新聞社出版発行の「TOEIC TEST特急シリーズ」は、シリーズ累計300万部突破の人気の問題集で、リスニング、リーディング、文法、単語に特化したシリーズがあります。

中でも単語シリーズは、現在10冊発売されていて、3段階のレベルに区分されています。TOEICテスト頻出の単語を重点的に学習することができると評判です。

特徴 TOEICテスト対策
価格 935円(税込)
音声 音声ダウンロードつき
アプリとの連携 abceed analyticsのアプリと連携(一部有料機能)

でる順パス単

1998年に刊行された旺文社出版の「でる順パス単シリーズ」は、改定を重ねながら売れ続けているロングセラー単語集です。

直近10年間の英検出題傾向を分析した頻出の単語を収録しています。英検1級~5級それぞれの級に対応しているので、自分が受験する級の頻出単語を重点的に学習できます。

また、同じく旺文社が運営するアプリ「英語の友」を併用すると、ゲーム感覚で単語をインプットできます。

特徴 英検対策
価格 1級:1,980円、準1級:1,815円、2級:1,485円 (税込)
音声 音声ダウンロードつき
アプリとの連携 英語資格試験サポートアプリ英語の友と連携(一部有料機能)

DUO3.0

「DUO3.0」は、重要単語1600語と重要熟語1000語が重複なしに収録されています。

そして、合計2,600語の見出し語は、560の例文に集約され、一つの例文で5~6程度の見出し語を学べる構成になっています。

著者の鈴木陽一氏がアメリカの大学教授を含む15名のネイティブスピーカーとともに完成させた例文は、どれも自然な形で使える英文ばかりと好評です。

別売りでCDと単語カードがあります。

特徴 例文で実用的な状況をイメージしながら単語・熟語を覚える
価格 1,320円(税込)
音声 CD別売り 基礎用:3,080円、復習用:1,320円(税込)
アプリとの連携 なし

グリット2500

「グリット2500」には、2000の単語と530の連語表現が収録されています。

家族を表す単語、身体の部位を表す単語などは図解があり、図と単語を関連付けて覚える構成になっています。また、見出し語一つひとつに、意味、反意語、同意語、例文も記されています。

本書購入後にログイン登録をすれば、理解度のチェックテストを受けることができます。

特徴 連想しながら単語を覚える
価格 3,780円(税込)
音声 音声ダウンロードつき
アプリとの連携 なし

ネイティブはこう使う! マンガ よく似た英単語 使い分け事典

英語教育番組で活躍されているデイビッド・セインの著書、「ネイティブはこう使う!マンガ よく似た英単語 使い分け事典」は、品詞別に重要単語を収録しています。

前置詞や冠詞など、日本人が間違いやすい英単語の使い分け方について、コミカルなマンガで解説してくれているので、楽しく学ぶことができます。

特徴 絵を見ながら単語を覚える
価格 1,980円(税込)
音声 なし
アプリとの連携 なし

英単語の語源図鑑

「英単語の語源図鑑」は、重要単語を「語根」、「接頭辞」、「接尾辞」に分解して学ぶ単語集です。同じ語源の単語を派生させて語彙力を増やすという手法が採られています。

また、1単語1イラストの構成なので、イラストのイメージと解説の内容をリンクさせながら語彙力を向上させる学習に取り組めます。

特徴 語源と絵から単語を覚える
価格 1,650円(税込)
音声 あり
アプリとの連携 abceed analyticsのアプリと連携(一部有料機能)

毎日の英単語 日常頻出語の90%をマスターする

朝日新聞出版より発行の「毎日の英単語 日常頻出語の90%をマスターする」は、欧米での使用頻度が1から2,000位までの単語を収録しています。

「食」「お金」「買いもの」など、使う場面ごとに単語を分類し、詳しく解説しているので、ネイティブスピーカーの使用頻度が高い語彙を厳選して学ぶことができます。

特徴 ネイティブスピーカーが使う実用的な単語を覚える
価格 1,430円(税込)
音声 あり
アプリとの連携 なし

まとめ

本記事では、ボキャブラリーを増やす方法と、おすすめの教材について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

ボキャブラリー覚え方まとめ

  • 書いて覚える
  • 音読&聞いて覚える
  • 図やイメージ画像で覚える
  • 身近なものをイメージして覚える
  • 単語同士のつながりで覚える
  • 単語帳をつくる
  • 繰り返し覚える
  • アウトプットして覚える

英語学習において、ボキャブラリーを増やすことは非常に大切です。ボキャブラリーを増やすことは英語の4技能すべての向上につながります。

今回紹介した効率よくボキャブラリーを覚える方法を参考にして、さらなるレベルアップを目指して頑張りましょう。