英語学習において、
「表現したいことに対して、思うように英単語が浮かばない」
「ボキャブラリーを増やしたいけど、なかなか英単語が覚えられない…」
と歯がゆい思いをしている人は多いのではなでしょうか。
ボキャブラリーは言語の基礎要素の一つであり、自分の考えやアイデアを表現したり、情報を共有したり、人間関係を構築するためには必要不可欠です。
ボキャブラリーは、増えれば増えるほどコミュニケーション能力が上がりますので、ボキャブラリーの重要性を理解して、語彙を増やすことをおすすめします。
今回は、ボキャブラリーを増やす方法と、おすすめの教材について、詳しく解説します。
目次
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動画でも記事の内容を分かりやすくまとめているので、そちらもぜひチェックしてみてください。
ボキャブラリーの重要性
言語要素の根幹である「ボキャブラリー(vocabulary)」は、言語における総体的な言葉をさし、効果的なコミュニケーションをとるために絶対に必要な知識です。
例えば、英文法というルールを知らなければ正しく内容を伝えられませんが、ボキャブラリー自体を知らなければ、何も伝えることができません。
また、ボキャブラリーは、聞く、話す、読む、書くといった4技能すべてに関連しており、語彙が豊富であればあるほど4技能の表現の幅が広がります。
まずは、ボキャブラリーがどのように4技能に関係しているかを理解しておきましょう。
読む
リーディング力は知っている単語の量によって決まるといっても過言ではありません。
本を読もうとした時に、使われている単語やフレーズを知っていればスムーズに読み進められますが、知っているボキャブラリーが少なければ文脈を把握するのに苦労します。
一方、読むことで多くの言葉に出会い、ボキャブラリーを増やすことが可能です。
例えば、読んでいて知らない単語があれば、辞書でその意味を調べると、文章の内容と単語をリンクさせながら学べるので、その単語をどのような場所で使えばよいのか具体的に認識できるようになります。
学習教材としての読み物は、簡単すぎると新しく学べることが多くありません。しかし、難しすぎると辞書で調べなくてはいけない単語が多くなり効率よく学べません。
自分のレベルからかけ離れていないものを選ぶようにしましょう。
聞く
リスニング中に馴染みのない単語が聞こえてくると「この単語はどんな意味?」と考え、一時的に思考がストップしてしまうことがあります。
第二言語として英語を学習している人にとって、一度も聞いたことのない語彙の音を聞き取って、そこから意味を引き出すことは困難とされています。
また、英語特有のアクセントやイントネーションもあわせて理解することが大切です。
単語の意味と正しい発音をリンクさせながら覚えていけば、聞いて理解できる範囲は確実に広がります。
話す
基本的に第二言語の学習者は、まず語彙の意味を理解して、そしてそれを自分の思いを表現する手段として言葉に発します。
もし、ボキャブラリーが十分でなかったら、思うように自分の意見を英語で表現することができず、フラストレーションや不安を感じてしまうかもしれません。
しかし、ボキャブラリーが豊富であれば、自分の意見を明確に表現することができるので、自信をもって会話することによって、会話の相手との信頼関係の構築につなげることができます。
書く
英語表現のアプローチの仕方は複数あるので、ボキャブラリーが多ければ似たような表現を別の言葉に置き換えることができます。
また、ボキャブラリーが豊かになれば、自分の考えや感情、出来事やアイデアなどを、適切な言葉を使って文章にすることができます。
最初は短い文章しか作成できなかったとしても、語彙を増やし使いこなす訓練をすることで、いずれはエッセイや論文などの長文の作成も可能になります。
ボキャブラリーを覚える方法
無数にある英単語を一つ一つ覚えるには膨大な時間がかかります。
語彙を増やすという目的だけのためにモチベーションを維持するのは難しい場合があるかもしれませんが、英語力の上達においてボキャブラリーを増やすことは必要不可欠な作業です。
つぎに、ボキャブラリーを覚える方法を8つ紹介しますので、自分に合った方法をいくつか組み合わせて効率よく学習するようにしてください。
書いて覚える
手で書くという行為が脳の神経を刺激するので記憶に定着しやすくなるといわれています。
単語の意味に加えてスペルを一緒に覚えたい場合は、ノートなどに同じ単語を繰り返し書いて覚えるといいでしょう。
その時は、間違って覚えることのないように、正しく少し大きめに書くようにしてください。
単語の分類によって色を変えて書いたり、マーカーで印をつけたりするのもいいでしょう。視覚効果もプラスされて、より記憶に残りやすくなります。
音読&聞いて覚える
単語は文字をただ目で追うだけでなく、声に出して読んでみましょう。ブツブツと声に出すという動作が脳の神経に刺激をあたえ、記憶にすりこまれやすくなります。
また、最近の単語の参考書は、CDや音声ダウンロードがついているものがほとんどです。
ネイティブスピーカーの読み上げによる正しい発音を聞くことで、音と文字をリンクさせて単語を覚えることができます。
図やイメージ画像で覚える
「A picture is worth a thousand words.( 1枚の絵は、たくさんの言葉で説明するよりもよく分かる。)」ということわざのように、視覚的な手がかりは、言語発達のための重要なツールです。
例えば、英語にはたくさんの種類の前置詞が存在し、それぞれの細かな違いを理解するのは簡単ではありません。
そこで、前置詞それぞれのイメージを図で表現したものを見ることにより、基本イメージとそこから派生するイメージをつかむことができます。
また、頻度を表す副詞もたくさんありますので、頻度の高いものから低いものへと図で表したものを参照して、頻度のレベルを明確にしながら覚えるといいでしょう。
さらに、絵や図を使って暗記していると、その視覚的なものが記憶へのフックとなり、ある単語を思い出そうとする時に、絵や図がきっかけとなって記憶から引っ張り出すことができます。
身近なものをイメージして覚える
「エピソード記憶」という記憶法があります。単語を覚える時、名詞であればそのものを、動詞であればその単語が使われる状況を想像して、単語とイメージを結びつけて記憶するという方法です。
一般的に自分に関わることは忘れにくいとされています。その情報は自分にとって必要なものと判断させる状況を想像し、例文をつくってストーリー仕立てにして覚えるようにすると、深く記憶に残るでしょう。
単語同士のつながりで覚える
英語は、「接頭辞」、「語根」、「接尾辞」という3つのパーツで構成されていて、共通のパーツがある単語は、共通する意味をもっているという傾向があります。
例えば、vision(視覚)、visual(視覚の)、visible(目に見える)、invisible(目に見えない)という単語には、visという共通の語根を含んでいて、「見る」ことに関連した意味を持っています。
他には、uncommunicativeという単語では、un-は接頭辞で「否定・反対」を表し、 communicateは語根で「やりとりをする」という意味です。
そして、接尾辞である-iveは「何かができる」という意味を表わします。これらすべてが一緒になって、コミュニケーションが取れない人、あるいは物を指します。
単語のパーツのもつ意味を理解していれば、知らない単語であっても意味を推測できます。
単語帳をつくる
リストは記憶するのに役立つので、よく間違える単語や、忘れたくない単語は単語帳に記しておきましょう。見やすく整理しておけば、のちのちの復習に使えます。
また、単語帳アプリも単語を覚えるためには重宝します。入力した単語でオリジナルのフラッシュカードを作成できるので、スキマ時間にアプリにアクセスして語彙を覚えることができます
繰り返し覚える
ボキャブラリーは使わなくなると驚くほど早く忘れてしまうので、同じことを何度も繰り返す反復練習は重要です。
例えば、1日10個の単語を覚えるとします。1日に1~10の単語を覚えたら翌日はつぎの11~20だけを覚えるのではなく、まずは1~10を復習し、その後新たに11から20を覚えるようにします。
そして、その翌日は1~20を復習して、新たに21~30を覚えるようにします。
1日5分、10分といった短い時間でかまいませんので、語彙を覚えるための時間を確保しましょう。そして、可能であれば1日の中で覚える時間を固定するようにしましょう。
朝食後でもいいですし、通勤中の電車の中や寝る前のひと時でもかかまいません。時間を決めて、それを一貫して実行するということをルール化しましょう。
もし、毎日少しずつ単語を復習するということが習慣化できれば、数ヶ月後には語彙は大幅に増えているはずです。
アウトプットして覚える
インプットした語彙をアウトプットすることは応用練習になります。また、実践的な練習をすることで、より深く記憶することができます。
「習うより慣れろ」という言葉のように、実際に使ってみることで、上達を感じるようになります。
学んだ語彙を日常の会話や英作文に取り入れて、積極的にアウトプットするようにしてください。
ボキャブラリーを増やすためのおすすめの本
英語学習のニーズには、日常会話、ビジネス会話、TOEIC・英検などのテスト対策がありますが、人によってニーズは異なります。
効率よく学習するためには、自分が必要としている英単語を絞り込んで、それを中心に練習することが大切です。
また、学習を継続するためには、自分のレベルにあった教材を選ぶことが大事です。以下、ボキャブラリー強化におすすめの本を紹介しますので、参考にしてください。
特急シリーズ
朝日新聞社出版発行の「TOEIC TEST特急シリーズ」は、シリーズ累計300万部突破の人気の問題集で、リスニング、リーディング、文法、単語に特化したシリーズがあります。
中でも単語シリーズは、現在10冊発売されていて、3段階のレベルに区分されています。TOEICテスト頻出の単語を重点的に学習することができると評判です。
特徴 | TOEICテスト対策 |
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価格 | 935円(税込) |
音声 | 音声ダウンロードつき |
アプリとの連携 | abceed analyticsのアプリと連携(一部有料機能) |
でる順パス単
1998年に刊行された旺文社出版の「でる順パス単シリーズ」は、改定を重ねながら売れ続けているロングセラー単語集です。
直近10年間の英検出題傾向を分析した頻出の単語を収録しています。英検1級~5級それぞれの級に対応しているので、自分が受験する級の頻出単語を重点的に学習できます。
また、同じく旺文社が運営するアプリ「英語の友」を併用すると、ゲーム感覚で単語をインプットできます。
特徴 | 英検対策 |
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価格 | 1級:1,980円、準1級:1,815円、2級:1,485円 (税込) |
音声 | 音声ダウンロードつき |
アプリとの連携 | 英語資格試験サポートアプリ英語の友と連携(一部有料機能) |
DUO3.0
「DUO3.0」は、重要単語1600語と重要熟語1000語が重複なしに収録されています。
そして、合計2600語の見出し語は、560の例文に集約され、一つの例文で5~6程度の見出し語を学べる構成になっています。
著者の鈴木陽一氏がアメリカの大学教授を含む15名のネイティブスピーカーとともに完成させた例文は、どれも自然な形で使える英文ばかりと好評です。
別売りでCDと単語カードがあります。
特徴 | 例文で実用的な状況をイメージしながら単語・熟語を覚える |
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価格 | 1,320円(税込) |
音声 | CD別売り 基礎用:3,080円、復習用:1,320円(税込) |
アプリとの連携 | なし |
グリット2500
「グリット2500」には、2000の単語と530の連語表現が収録されています。
家族を表す単語、身体の部位を表す単語などは図解があり、図と単語を関連付けて覚える構成になっています。また、見出し語一つ一つに、意味、反意語、同意語、例文も記されています。
本書購入後にログイン登録をすれば、理解度のチェックテストを受けることができます。
特徴 | 連想しながら単語を覚える |
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価格 | 3,780円(税込) |
音声 | 音声ダウンロードつき |
アプリとの連携 | なし |
ネイティブはこう使う! マンガ よく似た英単語 使い分け事典
英語教育番組で活躍されているデイビッド・セインの著書、「ネイティブはこう使う!マンガ よく似た英単語 使い分け事典」は、品詞別に重要単語を収録しています。
前置詞や冠詞など、日本人が間違いやすい英単語の使い分け方について、コミカルなマンガで解説してくれているので、楽しく学ぶことができます。
特徴 | 絵を見ながら単語を覚える |
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価格 | 1,980円(税込) |
音声 | なし |
アプリとの連携 | なし |
英単語の語源図鑑
「英単語の語源図鑑」は、重要単語を「語根」、「接頭辞」、「接尾辞」に分解して学ぶ単語集です。同じ語源の単語を派生させて語彙力を増やすという手法が採られています。
また、1単語1イラストの構成なので、イラストのイメージと解説の内容をリンクさせながら語彙力を向上させる学習に取り組めます。
特徴 | 語源と絵から単語を覚える |
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価格 | 1,650円(税込) |
音声 | あり |
アプリとの連携 | abceed analyticsのアプリと連携(一部有料機能) |
毎日の英単語 日常頻出語の90%をマスターする
朝日新聞出版より発行の「毎日の英単語 日常頻出語の90%をマスターする」は、欧米での使用頻度が1から2000位までの単語を収録しています。
「食」「お金」「買い物」など、使う場面ごとに単語を分類し、詳しく解説してくれているので、ネイティブスピーカーの使用頻度が高い語彙を厳選して学ぶことができます。
特徴 | ネイティブスピーカーが使う実用的な単語を覚える |
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価格 | 1,430円(税込) |
音声 | あり |
アプリとの連携 | なし |
まとめ
本記事では、ボキャブラリーを増やす方法と、おすすめの教材について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
- 書いて覚える
- 音読&聞いて覚える
- 図やイメージ画像で覚える
- 身近なものをイメージして覚える
- 単語同士のつながりで覚える
- 単語帳をつくる
- 繰り返し覚える
- アウトプットして覚える
英語学習において、ボキャブラリーを増やすことは非常に大切です。ボキャブラリーを増やすことは英語の4技能すべての向上につながります。
今回紹介した効率よくボキャブラリーを覚える方法を参考にしていただき、さらなるレベルアップを目指してがんばりましょう。