
ニュージーランドの留学に興味があり、実際に良いところや悪いところが気になっている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、ニュージーランド留学のメリット・デメリット、向いている人の特徴について詳しく解説します。
ニュージーランドが自分に最適な留学先なのかを判断できますので、ぜひ参考にしてください。
※なお、記事内の金額は1NZD=89円で計算しています。(2025/12/6時点のレート)
これまでにフィリピン留学やカナダ・ニュージーランドでのワーキングホリデーを経験しました。海外生活を通じて英語力だけでなく、異なる文化や価値観に触れる中で多くの気づきや学びが得られたと実感しています。この経験を活かし、留学や英語に関する役立つ情報をお届けしていきます。
留学する前に知っておきたいニュージーランドの基本情報

ニュージーランドは、南半球のオーストラリア南東に位置し、北島と南島の2つから成り立つ国です。
世界遺産に登録された国立公園をはじめ、豊かな自然が広がる場所でもあります。
気候は西岸海洋性気候に属し、年間を通して比較的温暖です。
日本とは季節が逆で、夏が12〜2月頃、冬が6〜8月頃に当たります。
また、地域によって気温差があるのも特徴です。
最大都市オークランドがある北島は冬も過ごしやすい気候ですが、クライストチャーチのある南島ではより涼しく、冬は冷え込みやすくなります。
自然の多さと過ごしやすい気候から、ニュージーランドはアウトドアアクティビティを楽しめる国として多くの観光客から人気があります。
さらに、治安の良さや落ち着いた生活環境も整っているため、留学先として選ばれることも多い国です。
ニュージーランド留学のメリット・いいところ9選

ニュージーランドには、教育環境や治安、生活面でさまざまな魅力がある国です。
ここでは、ニュージーランド留学のメリット・いいところを9つ解説します。
留学生を保護する法律が整備されている
ニュージーランドには、留学生の権利を守る法律(留学生の生活保障に関する服務規程)が整備されています。
参考:2016年(留学生の生活保障としての)教育に関する服務規程
これは留学生が安心・安全に生活を送れるよう、教育機関に最低限のサービス提供を義務付けることが目的です。
生活保障に関する規程には、以下の内容が定められています。
- 留学生が安全に学べるよう最低限のサービスを提供する
- 学校や滞在先の情報を明確に提供する
- 安全な生活環境を整え、問題発生時は学校側が対処する
- 苦情処理の仕組みを整える
- 留学生を受け入れるすべての学校は、規程を遵守する
留学生はこの法律によって保護されているため、学校で安心して勉強できます。
高い教育水準を維持している
ニュージーランドには、教育の質を保証する制度が整っています。
高い教育水準を維持しているのは、ニュージーランド資格庁(NZQA:The New Zealand Qualifications Authority)が全国の教育機関や資格プログラムの品質を管理しているためです。
例えば、NZQAによる教育品質保証では、高校から高等教育(専門学校・大学など)までの資格プログラムを国際基準に合わせて管理し、教育機関が一定の水準を満たしているかを定期的に監査します。
学校はNZQAの審査を受け、教育内容やサポート体制、生徒の学習成果などを評価され、認定されれば留学生を受け入れることができます。
このように教育の質を保証する制度があることで、ニュージーランドの教育は常に高い水準が保たれ、留学生が安心して勉強することができます。
先進国の中では留学費用が安い
ニュージーランドは、アメリカやイギリス、オーストラリアといった先進国に比べて、留学費用が安く抑えられます。
以下は、先進国で1か月の留学にかかる費用の目安です。
| 国 | 1か月あたりの費用目安 |
|---|---|
| ニュージーランド | 40〜60万円 |
| アメリカ | 60〜80万円 |
| イギリス | 70〜90万円 |
| オーストラリア | 55〜75万円 |
| カナダ | 50〜70万円 |
上記の費用は、渡航費や学費、生活費を含めた金額となっています。
ニュージーランドの留学費用が安い理由は、他の先進国よりも物価が安く、生活費を抑えられるためです。
比較的リーズナブルな学費や生活費で質の高い教育を受けられるため、経済的な負担が軽減されます。
学生ビザでもアルバイトができる
ニュージーランドでは、留学生の経済的負担を軽減し、実践的な経験を得られるように学生のアルバイトを認めています。
学生ビザは、以下の条件を満たせば週に最大25時間まで働くことが可能です。
- 20時間以上のコースに14週間以上通う
- 政府認定のカテゴリー1に属する学校に在籍する
2025年11月3日より、就労可能時間が以前の週20時間から週25時間へ引き上げられました。
また、交換留学や1学期(約3〜4か月)の短期留学でも就労が認められています。
ただし、2025年11月2日以前に発行済みの学生ビザには、新しいルールが適用されません。
ルールを適用する場合は、条件変更申請を行うか、新たに学生ビザを申請し直す必要があります。
なお、アルバイトをするにはIRDナンバー(納税者番号)の取得が必要です。
アルバイトができれば、現地で生活費の一部を賄えるだけでなく、実践を通じて英語力を高めたり、帰国後の就職活動で海外の就労経験を活かせたりする点もメリットです。
治安が良く安全に生活できる
ニュージーランドは比較的治安が良い国です。
2025年度の「世界平和度指数ランキング」では、ニュージーランドは第3位にランクインしています。
世界平和度指数とは、「安全・治安」「国内外の紛争」「軍事化」の3つの主要カテゴリーにおける23項目を数値化し、平和度を示すものです。
日本は12位なので、ニュージーランドは日本より治安が良い国ということになります。
ただし、外務省の安全対策基礎データによると、飲酒が絡む暴行、置き引き、車上荒らし、メールやSNS等による特殊詐欺被害などが多数報告されています。
「ニュージーランドは安全」と過信せず、貴重品管理の徹底や、夜遅くに一人で出歩かないといった防犯対策を行うことが大切です。
多国籍な環境で異文化交流がしやすい
ニュージーランドは、先住民のマオリ族をはじめ、世界各国の民族が暮らす多民族国家です。
2023年の国勢調査によると、民族構成の割合は以下の通りです。
- 欧州系:67.7%
- マオリ系:17.7%
- 太平洋諸国系:8.8%
- アジア系:17.2%
- その他:1.1%
多くの民族が入り混じっていますが、現地の人々は国籍や人種を意識していません。
そのため、差別や偏見が少なく、文化が違ってもすぐ環境に馴染めるのが魅力です。
また、留学時は言語の習得に留まらず、異なる文化や価値観を学ぶ機会が得られます。
現地の人はフレンドリーで話しやすい
ニュージーランドでは、おおらかでフレンドリーな人が多い傾向にあります。
現地の人々は生まれたときから多民族国家で暮らしているため、多様性を受け入れて助け合いの精神が根付いているためです。
例えば、初対面でも気軽に話しかけたり、街中で困っている人を助けたりすることがよくあります。
たとえ英語が完璧でなくても、こちらが話している内容を丁寧に聞き取ろうと温かく接してくれる方も多くいます。
このように、ニュージーランドは留学生が現地の人と交流しやすく、お互いに心を開いて話せる環境が整っているのが魅力です。
大自然のアウトドアアクティビティが豊富
ニュージーランドは自然が多く、留学中でも本格的なアウトドアアクティビティを楽しめる環境が整っています。
国土の約3分の1が国立公園に指定されており、山・湖・海が近くにあるため、週末でも気軽に自然を楽しめるのが魅力です。
例えば、クイーンズタウンでは世界的に有名なバンジージャンプをはじめ、ハイキングやスキーなど、さまざまなアクティビティに挑戦できます。
さらに、スカイダイビングやラフティング、星空観賞など、自然を体感できるアクティビティも豊富です。
勉強の合間にリフレッシュできるため、メリハリのある留学生活を送りやすいことが大きなメリットです。
日本との時差が少ない
ニュージーランドとの時差はわずか3時間で、日本との時間差が小さいことがメリットです。
日本にいる家族や友人とも連絡が取りやすく、困ったことがあってもすぐに相談できます。
また、欧米やヨーロッパのように昼夜が逆転しないため、時差ボケが起きにくく、生活リズムが崩れる心配もありません。
留学中にオンライン授業や就職活動などを行う際も日本側のスケジュールと調整しやすい環境といえます。
帰国後も生活リズムが崩れにくいため、学校や職場へスムーズに復帰できるでしょう。
ニュージーランド留学のデメリット・悪いところ7選

ニュージーランドには多くのメリットがありますが、英語や生活環境、気候などでデメリットに感じる部分もあります。
ここからは、ニュージーランド留学のデメリット・悪いところ7つを見ていきましょう。
英語に独特な訛りがある
ニュージーランドの英語には独特のアクセントがあり、アメリカ英語に慣れている日本人にとっては聞き取りづらいときがあります。
ニュージーランドの英語は「キウイ・イングリッシュ」とも呼ばれており、イギリス英語の影響を強く受けているためです。
※キウイ(Kiwi)とは、ニュージーランド人の総称を指します。
例えば、次のような発音の違いがあります。
- 「エ」の音が「イ」になる:「pen(ペン)」→「pen(ピン)」
- 「ア」の音が「エ」になる:「that(ザット)」→「that(ゼット)」
加えて、ニュージーランドには全体的に声の抑揚が少ない方や早口な方が多く、話を聞き取るのに苦戦することも少なくありません。
英語環境に慣れるまでは聞き取りづらいかもしれませんが、学校や日常会話を通じて自然と理解できるようになっていきます。
都会的な娯楽が少ない
ニュージーランドは自然が豊かな国ですが、都会で楽しめる娯楽施設は多くありません。
ニュージーランド人は、スポーツや自然体験を好む傾向にあるためです。
例えば、最大都市のオークランドであっても、東京や大阪のような巨大な商業施設があまりありません。
また、ニュージーランド人は早寝早起きの人が多いことから、ショップが早めに閉まる傾向にあります。
繁華街やクラブも少ないため、夜までショッピングやナイトライフを楽しみたい方は、物足りなさを感じてしまうでしょう。
地域によっては移動が不便
オークランドやウェリントンなどの都市部を除き、ほとんどの街では公共交通機関の利便性が高くありません。
なぜなら、ニュージーランドは人口密度が低く、公共交通機関を運行しても採算が取れるほど十分な利用者がいないためです。
多くの街の交通手段はバスになりますが、本数が少なかったり時間通りに到着しなかったりと不便なことが多々あります。
そのため、留学時に不便な場所に住むと、通学に時間がかかり、ストレスを感じることも少なくありません。
特に、これまで都市部で育った方にとっては、不便に感じやすいでしょう。
留学で住む場所を選ぶ際は、学校までのアクセスを事前に調べておくことが重要です。
都会には日本人が多い
オークランドやクライストチャーチといった都会は日本人が多い傾向にあります。
そのため、日本人の少ない環境で英語を学びたい方にとってはデメリットになるでしょう。
ニュージーランドは治安の良さや生活のしやすさから、留学やワーキングホリデーで来る日本人が多くいます。
特に、都市部は語学学校の数が多いため、より多くの日本人留学生が通っています。
語学学校の日本人比率は大体20〜30%といわれており、少なくても10%くらいなので、日本人がいない語学学校を探すのは難しいでしょう。
しかし、日本人がいる学校でも自分から積極的に英語を使う場を作れば、英語力を伸ばすことはできます。
もし日本人が少ない環境を重視したい場合は、都市部以外にある日本人比率の低い語学学校を選ぶのも一つの方法です。
日本と比較して物価が高い
ニュージーランドは、先進国の中では留学費用が低めですが、日本と比べると物価は高めです。
特に、外食費や日用品、家賃が割高になる傾向があります。
例えば、オークランドのシェアハウスの家賃は週180〜250NZD(約16,000〜22,300円)が相場です。
1か月(4週間)にすると、約64,000〜89,200円になります。
物価が高いと生活コスト全体が上がるため、経済的負担が増えてしまうのがデメリットです。
留学前に余裕を持って予算を準備したり、現地で外食ばかりではなく自炊したりして費用を抑えることが大事になります。
紫外線が強い
ニュージーランドは紫外線が強いため、日焼けに注意が必要です。
世界保健機関(WHO)が紫外線の強さを数値化した「UVインデックス」の調査では、ニュージーランドの真夏の数値は極度に高い「11」以上に達することがあります。
ニュージーランドの紫外線が強い理由は、上空のオゾン層が薄くなっており、より多くの紫外線が地上に到達するためです。
また、空気がきれいで澄んでいることも、紫外線が強く感じられる要因の1つです。
紫外線が強い分、日焼けや肌へのダメージが早く現れやすい傾向にあります。
曇りの日でも紫外線の最大80%が地上に到達する可能性があるため、油断はできません。
特に、アウトドアアクティビティを楽しむ際は、長時間紫外線を浴び続けるので、日焼け止めやサングラス、帽子などの日焼け対策が必須です。
1日の中で気温の変化が激しい
ニュージーランドは年間を通して穏やかな気候です。
しかし、「1日の中に四季がある」といわれるほど、気温の変化が激しい国でもあります。
例えば、昼間は半袖で過ごせるほど暖かくても、朝晩は冷え込み、セーターやジャケットが必要なことも少なくありません。
また、空気が乾燥しており、日向と日陰でも気温差があるため、体温調整が難しくなります。
特に気温の変化に敏感な方にとっては、デメリットに感じられるでしょう。
1日の中でも体温調整ができるよう、脱ぎ着できるものを持っておくと安心です。
ニュージーランド留学に向いている人の特徴

ニュージーランド留学のメリット・デメリットを踏まえて、向いている人の特徴は以下の通りです。
- 自然やアウトドアアクティビティが好きな人
- 治安が良い環境で留学したい人
- 教育の質が高い学校に留学したい人
一方、日本人が少ない国を選びたい方や、都会的で便利な暮らしを求める方には、ニュージーランド留学は向いていないでしょう。
上記の特徴に加えて、留学の目的や理想の生活スタイルをイメージすることも、最適な留学先を判断するうえで大切です。
ニュージーランド留学の費用目安

ニュージーランドで語学留学をする場合にかかる1か月の費用は、およそ40〜60万円です。
1か月あたりの主な費用の内訳は、以下の通りです。
| 内訳 | 1か月あたりの費用目安 | |
|---|---|---|
| 学費 | 語学学校の入学金・授業料 | 15〜20万円 |
| 滞在費 | ホームステイ | 7〜10万円 |
| シェアハウス | 5〜8万円 | |
| 生活費 | 食費 | 3〜5万円 |
| 交通費 | 1〜2万円 | |
| 通信費 | 3,000〜5,000円 | |
| 交際費 | 2〜4万円 | |
| 往復の渡航費 | 航空券代 | 往復15〜20万円 |
| 保険料 | 海外旅行保険 | 1〜2万円 |
| その他 | ビザ申請費 | 約1万円(観光税) |
| エージェント手数料(利用する場合) | 3万円〜 | |
滞在費・往復の渡航費は大きく変動する可能性があります。
例えば、オークランドのような利便性の高い都市に住めば、家賃は上がります。
また、航空券の価格は時期や購入タイミング、航空会社によって異なります。
特に年末年始(現地の夏休み)や日本の大型連休の時期は、旅行者が増えるため、価格が高くなるでしょう。
できる限り留学費用を抑えるためにも、予算に合わせて滞在先や学校、渡航時期などを選ぶことが重要です。
ニュージーランド留学で人気の都市4選

ニュージーランドに留学するなら、どこの都市がおすすめなのか気になる方もいるでしょう。
ここからは、ニュージーランド留学で人気の都市を4つ紹介します。
オークランド
オークランドは北島の北部に位置するニュージーランド最大の都市です。
都会の利便性と豊かな自然の両方をあ併せ持ち、留学生が暮らしやすい環境が整っています。
街の中心にはショッピングモールやカフェ、レストランなどが充実しており、生活に困ることはありません。
また、海や山、公園などもすぐ行ける距離にあり、週末に自然を満喫することも可能です。
加えて、冬でも最低気温が約9℃と比較的温暖なため、寒さが苦手な方でも過ごしやすい環境です。
都会の快適さと自然の豊かさを両方求めたい方や、多国籍の人々と異文化交流したい方は特におすすめの都市です。
クライストチャーチ
クライストチャーチは南島の東海岸中央部に位置する都市です。
都会でありながら「ガーデンシティ」と呼ばれるほど緑が豊かな街でもあります。
市内には公園や緑地が多く、ビーチや山にも近いため、日常的に自然を満喫しながら留学できます。
生活圏内にショッピングや観光スポットもまとまっているため、徒歩や自転車で移動しやすいのも魅力です。
また、同じ大都市であるオークランドよりも物価が比較的安く、生活費を抑えながら留学したい方にも向いています。
都会の利便性と落ち着いた環境の両方を求める方は、クライストチャーチでの留学がおすすめです。
ウェリントン
ウェリントンは北島の最南端に位置するニュージーランドの首都です。
比較的小さい街でありながら、「世界一魅力的な街」と称されるほど、芸術や文化が豊かな街でもあります。
移民が多く多国籍の人々と交流しやすい環境があり、さまざまなアクセントの英語を学べます。
オークランドやクライストチャーチと比べて日本人比率が低いため、英語を使う機会が自然と増え、学習に集中しやすい点も魅力です。
また、娯楽が少なく、落ち着いて勉強に取り組むこともできます。
都会の快適さを感じながら、落ち着いた環境で集中して学習したい方や、芸術・映画などに興味のある方には、ウェリントンでの留学がおすすめです。
クイーンズタウン
クイーンズタウンは南島の内陸に位置するニュージーランドのリゾート地です。
氷河によって作られたワカティプ湖と周囲の山々に囲まれた絶景から「女王にふさわしい街」とも称されています。
語学学校は少人数制が多く、クラスメイトや先生との距離が近いため、アットホームな環境で英語を学べます。
徒歩で回れるほど街の規模が小さく、娯楽が少ないため、勉強にも集中しやすいでしょう。
また、週末にはバンジージャンプ、スキー、トレッキング、サイクリング、カヤックなど、さまざまなアクティビティを楽しめます。
自然の中でリフレッシュしながら勉強したい方や、都会の人混みが苦手な方には特におすすめの留学先です。
ニュージーランド留学についてのまとめ
ニュージーランドは自然と都市の両方を楽しみながら留学できる国です。
治安が良く、人々も親しみやすいため、留学が初めての方でも安心して留学生活を送れます。
また、多国籍の人々と交流しながら英語を学べるほか、週末には豊かな自然でアウトドアアクティビティを満喫できるのも魅力です。
英語学習と異文化体験のどちらも充実させたい方は、ぜひニュージーランド留学を検討してみてください。
