社会人がイギリス留学をするには？留学の方法やメリット、費用を解説

新しい環境で英語や専門スキルを学びたい社会人にとって、イギリス留学は魅力的な選択肢です。

しかし、社会人の留学には、仕事や生活を一時中断することへの不安や、費用や準備面でのハードルもあるでしょう。

本記事では、社会人がイギリス留学を実現するための方法や必要な費用、留学のメリット・デメリットなどを解説します。

社会人にイギリス留学はおすすめ？

イギリス留学は、社会人におすすめです。

歴史ある街並みや多様な文化に触れながら、英語の本場で語学を学べるのはイギリス留学ならではの魅力です。

国際的に評価の高い教育機関に加えて、語学学校も多く、1週間〜数か月の短期プログラムも充実しているので、長期の休みを活用して気軽に留学することもできます。

日常生活で実践的な英語に触れながら、新しい価値観に出会えるイギリス留学は、気分転換やスキルアップ、キャリアアップにもつながります。

特に、「英語をしっかり学び直したい」「海外の生活を体験してみたい」と考えている社会人にとって、イギリス留学は魅力的な選択肢です。

社会人がイギリス留学をする方法

社会人がイギリス留学をする方法は、大きく分けて3つあります。

• 語学留学
• 正規留学
• ワーキングホリデー

それぞれの留学方法について、順に詳しく説明します。

語学留学

語学留学は、英語力を基礎からしっかりと学び直したい社会人に最適な留学方法です。

イギリスには世界的に評価されている語学学校が多数あり、発音や文法、日常会話、ビジネス英語など目的に応じたカリキュラムが豊富に用意されています。

特にロンドンやケンブリッジ、オックスフォードなどの都市では、国際色豊かな環境で学べる点も魅力です。

1週間〜数か月の短期プログラムも多く、長期の休暇を利用して気軽に参加できるのもうれしいポイント。

授業外でも、他国からの留学生や講師、ホストファミリーなどとの交流を通じて、自然な英語に触れられる環境が整っています。

ただし、短期間では英語力の飛躍的な向上や定着は難しい場合もあるため、帰国前の語学準備や、帰国後の学習継続が重要です。

語学留学は、「まずは英語を学び直したい」「実践的な英語力を身につけたい」と考えている社会人の第一歩として非常に有効な選択肢です。

正規留学

正規留学は、専門分野を深めたい社会人がキャリアアップを目指せる本格的な留学のスタイルです。

イギリスの大学院は、通常1年で修士号（Master’s）を取得できるため、社会人でも比較的短期間で高い学歴と専門性を得られます。

ビジネスや教育、アート、国際関係など幅広い分野が揃っており、特にMBA（経営学修士）は実務経験が評価されるため、社会人のキャリアを活かした進学も可能です。

大学での学びを通じて、国際的な視野やリーダーシップも養うことができます。

一方で、出願には一定の英語力（IELTSなど）が必要なほか、学費・生活費の準備も求められるため、しっかりとした計画が必要です。

「専門分野を深く学び直したい」「キャリアチェンジや昇進を見据えて学位取得を目指したい」という社会人には、正規留学がおすすめです。

ワーキングホリデー（YMS）

イギリスには、「Youth Mobility Scheme（YMS）」というワーキングホリデーとよく似た制度があります。

18〜30歳の日本人が対象となり、社会人でも条件を満たせば最大2年間の滞在が可能です。

YMSでは、アルバイトやフルタイムの就業が認められており、飲食、接客、事務などさまざまな職種にチャレンジできます。

イギリスでは働きながら生活費を賄いつつ、語学学校に通ったり、旅を楽しんだりと自由度の高い生活が送れるのが大きな魅力です。

実践的な英語力と海外経験を積みたい社会人におすすめの制度です。

社会人のイギリス留学に必要な費用

イギリスへの社会人留学を考えるにあたって気になるのが費用面です。

イギリス留学に必要な費用は、留学の期間やプログラム、滞在都市などによって大きく変わってきます。

以下は、学費・滞在費・渡航費・生活費などを含めた、留学期間ごとの大まかな費用の目安です。

参照：留学くらベ〜る

ロンドンのような大都市では、家賃や食費が高くなる傾向があるため、地方都市よりも費用がかさむ点に注意が必要です。

出発前に必要な費用

イギリス留学の準備を進めるにあたって、主に以下の費用が必要になります。

• 航空券代（往復）
• 学校の入学金・授業料
• ビザ申請費
• 留学保険加入費用

上記の費用に加えて、現地到着後すぐに使う生活資金も別途準備しておくと安心です。

特にイギリスのビザ申請には、一定額の預金証明が求められることが多いため、事前の資金計画が欠かせません。

滞在中に必要な費用

イギリス留学中にかかる費用は、主に以下の5つです。

• 家賃・光熱費
• 食費
• 交通費
• 通信費
• 娯楽・交際費

現地での日常生活費には、家賃や光熱費、食費、交通費、通信費などが含まれます。

ロンドンではルームシェアであっても、月に約6〜13万円かかることもあり、都市ごとに金額差が大きいのが特徴です。

節約の工夫としては、学生向けの割引制度やフラットシェアの活用、公共交通機関の定期券の購入などが挙げられます。

また、条件を満たせば、学生ビザであっても週20時間以内の就労が認められているため、現地で収入を得ながら生活することも可能です。

社会人のイギリス留学に必要なビザ

イギリスで社会人が留学をするには、渡航目的や滞在期間に応じたビザの取得が必要です。

短期の語学留学や大学院進学など、留学の目的ごとにビザの種類が異なるため、事前に必要なビザの種類を確認しておきましょう。

代表的なビザには、6か月以内の短期留学時に利用できる「Standard Visitor Visa（観光ビザ）」、6か月以上の就学で必要な「Student Visa（学生ビザ）」、イギリスの大学を卒業した人が対象となる「Graduate Visa（卒業生ビザ）」があります。

Standard Visitor Visa（観光ビザ）

Standard Visitor Visa（観光ビザ）は、イギリスで6か月以内の短期留学をする場合に利用できるビザです。

語学学校への通学も認められていますが、就労は一切できません。

また、6か月を超えるコースを受講することはできないため、あくまで短期滞在が前提となります。

日本国籍の人が観光ビザでイギリスに滞在する場合、事前にビザを申請する必要はありません。

観光と語学学習を兼ねて短期滞在したい人や、有給休暇を利用して留学する社会人は、観光ビザを利用することで手軽にイギリス留学を実現することができます。

Student Visa（学生ビザ）

イギリスで6か月を超える留学を希望する場合は、Student Visa（学生ビザ）の取得が必要です。

語学学校だけでなく、専門学校、大学、大学院など幅広い教育機関への留学に対応しています。

学生ビザでは、通常、週20時間までの就労が認められており、学びながら生活費を補いたい社会人にも適しています。

学生ビザの申請には、英語力の証明（IELTSなど）や学校から入学許可証が必要になるため、入学手続きと並行して早めに準備を進めるのがポイントです。

Graduate Visa（卒業生ビザ）

Graduate Visa（卒業生ビザ）は、イギリスの大学または大学院を卒業した社会人が、卒業後も現地に滞在したい場合に利用できるビザです。

卒業生ビザを取得すると、最大で2年間（博士号取得者は3年間）、イギリスでの就労や居住が可能になります。

このビザは、学びの延長線上でキャリアを広げたい人や、現地での就職活動を希望する人にとって、有力な選択肢となります。

ただし、学生ビザでの滞在中に申請を行う必要があるため、申請タイミングや要件に注意が必要です。

社会人のイギリス留学のメリット

社会人がイギリスに留学する主なメリットは以下の4つです。

• 国際的な英語力を磨ける
• 短期間で集中的に学べる
• ヨーロッパの文化を体験できる
• 歴史ある街並みや環境で刺激を得られる

国際的な英語力を磨ける

イギリスは英語発祥の地であり、国際標準ともいえる「ブリティッシュ・イングリッシュ」を学べる環境が整っています。

語学学校では、発音や語彙、文法に至るまでしっかりとしたカリキュラムが組まれており、正確な英語を身につけたい社会人に最適です。

また、ビジネス英語に特化したコースも多く、国際会議や交渉など、グローバルな場面で通用する表現力を習得できます。

現地の学生やホストファミリーとの会話を通して、自然な表現や丁寧な言い回しを学べる点も魅力です。

イギリス留学で得られる高い英語力は、転職や昇進などのシーンでも大きな武器となるでしょう。

短期間で集中的に学べる

イギリスの語学学校には、社会人向けに設計された短期集中型の語学コースが豊富にあります。

1週間から数か月のプログラムが用意されており、有給休暇を活用して留学することも可能です。

また、講師の質が高く、少人数制の授業が多いため、短期間でも効率的に英語力を伸ばすことができます。

自分の目的に合ったカリキュラムを選んで、集中して学べる点もメリットの一つです。

特に、休職せずにスキルアップを図りたい社会人にとって、限られた時間を最大限に活用して英語を学べるイギリス留学は魅力的な選択肢といえるでしょう。

ヨーロッパの文化を体験できる

イギリスは歴史と文化が豊かな国であり、ヨーロッパ全体の文化に触れるきっかけにもなります。

ロンドンやオックスフォードといった都市には、劇場や美術館、博物館が多数あり、世界的に有名な芸術や建築を日常的に楽しむことができます。

また、イギリス滞在中は、週末を利用してヨーロッパ諸国へ旅行することも可能です。

格安航空を使えば、数時間でフランスやイタリアなどの隣国にアクセスでき、多様な文化を体験できます。

異文化体験は、視野を広げるだけでなく、柔軟な考え方や国際的な感覚を育む上でも大いに役立つでしょう。

歴史ある街並みや環境で刺激を得られる

イギリスには中世から続く街並みや伝統的な建築が数多く残っており、まるでタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。

大学や図書館など学術的な雰囲気のある環境も多く、知的好奇心を刺激される場面が日常にあふれています。

このような場所で生活することは、普段とは異なる価値観や世界観に触れる貴重な機会となり、内面的な成長にもつながります。

 また、落ち着いた雰囲気の中でじっくりと自分と向き合える時間がもてるため、将来のキャリアを見直すきっかけにもなるでしょう。

単なる語学習得だけでなく、「人生を見つめ直す」ための留学先としても、イギリスは魅力的です。

社会人のイギリス留学のデメリット

社会人がイギリス留学をするにあたって知っておきたいデメリット・注意点を3つ紹介します。

• 物価が高い
• 日本との時差が大きい
• イギリス英語の聞き取りに苦労することも

物価が高い

イギリスは世界的に見ても物価が高い国の一つであり、特にロンドンをはじめとした都市部では生活費の高さが留学中の大きな負担となります。

家賃はもちろん、外食や交通費、日用品の価格なども日本と比べて割高に感じる場面が多くあります。

さらに、語学学校や大学の学費も決して安くなく、渡航費やビザ申請費なども含めると、留学全体のコストは嵩みます。

社会人として自費で留学する場合、事前にしっかりと資金計画を立てておかないと、生活に余裕がなくなるリスクも。

経済的な負担を軽減するには、慎重に留学先の地域や学校を選んだり、奨学金制度を活用したりすることが重要です。

日本との時差が大きい

イギリスと日本の間には、約8〜9時間の時差があります。

社会人がリモートワークをしながらイギリスに滞在したいと考える場合、日本の勤務時間に合わせて働こうとすると、イギリスでは深夜や早朝に業務を行う必要があり、生活リズムが乱れやすくなります。

また、家族や友人との連絡、急ぎの業務対応にもタイムラグが生じやすく、ストレスにつながる場面も少なくありません。

特にフルタイムで日本の仕事を続けながらの留学を考えている場合は、時差による負担やスケジュール調整の難しさを事前にしっかりと想定し、現実的に両立できるかどうかをよく検討する必要があります。

イギリス英語の聞き取りに苦労することも

イギリス英語は、発音や表現がアメリカ英語と異なるため、最初のうちは聞き取りが難しいと感じることもあります。

特に、ロンドンとスコットランド、リバプールなど、地域によってアクセントや話し方が大きく変わることがあるため、英語にある程度自信のある社会人でも、慣れるまでに時間がかかることも少なくありません。

また、学校で習った英語表現と異なるイディオムや発音に戸惑うこともあり、コミュニケーションにストレスを感じる場面も出てくるでしょう。

とはいえ、イギリス英語に慣れることで、国際的な場面で幅広く対応できる英語力が身につくことは、イギリス留学の魅力です。

渡航前にイギリス英語のリスニング練習をして耳を慣らしておくと、留学生活をよりスムーズに始められるでしょう。

社会人がイギリス留学を成功させるためのポイント

社会人がイギリス留学を成功させるために、留意しておきたいポイントを5つ紹介します。

• 留学の目的を明確にする
• 学校やコース内容をよく調べる
• 事前の英語学習をしっかり行う
• 余裕をもって資金計画を立てる
• 学業と生活のバランスを意識する

留学の目的を明確にする

社会人がイギリス留学を成功させるには、まず「なぜ留学するのか」を明確にしておくことが重要です。

語学力の向上や、キャリアチェンジ、海外での新しい挑戦など、人によって留学の目的はさまざま。

目的が曖昧なままだと、途中でモチベーションが下がってしまう恐れがあります。

特に社会人留学の場合、時間もお金も限られている中での挑戦だからこそ、目的意識が大切です。

「留学後にどんな自分になりたいか」「どんな成果を得たいか」といったゴールを定めることで、日々の学習や生活にも軸ができ、ブレることなく充実した時間を過ごせるでしょう。

学校やコース内容をよく調べる

イギリスにはたくさんの語学学校や専門コースが存在しますが、社会人にとって大切なのは「自分に合った学びの環境」を見極めることです。

学校の規模や教育方針、授業スタイル、クラスの年齢層、カリキュラムの内容などは、学習効果に直結します。

特にキャリアアップや専門スキルの習得を目的とする場合は、専門コースの有無や実務的な内容が含まれているかをよく確認する必要があります。

納得のいく選択ができるよう、学校の公式サイトや口コミや体験談だけでなく、オンライン説明会や問い合わせなども活用するといいでしょう。

事前の英語学習をしっかり行う

現地での学びを最大化するためには、留学前にある程度の英語力を身につけておくことが欠かせません。

ゼロからのスタートでは授業についていくのが難しく、学習効率が下がってしまうことも。

仕事が忙しい社会人でも、スキマ時間を活用して英語に触れる習慣を作ることが大切です。

特に、イギリス英語の発音やスピードに慣れておくと、現地での聞き取りに苦労しにくくなります。

また、リーディングやライティングよりも、スピーキングとリスニングを重点的に強化しておくと、到着後すぐに現地の人との会話にも対応できるでしょう。

余裕をもって資金計画を立てる

社会人がイギリス留学を成功させるには、余裕をもって資金計画を立てることが大切です。

イギリス留学では、学費や渡航費のほか、生活費や保険料など多くの出費が発生します。

特にイギリスは物価が比較的高い国なので、渡航前に想定していたよりも生活費がかさむケースも少なくありません。

留学中に金銭的不安を抱えると、それがストレスとなって学業や生活に影響を与えてしまい、本末転倒です。

現地でアルバイトをする予定があっても、収入が途絶える期間を多めに見越し、数か月分の生活費を確保しておくと安心です。

また、奨学金制度やローンの利用を検討するのも一つの方法です。

資金面に余裕があることで、学習や現地での経験に集中しやすくなります。

学業と生活のバランスを意識する

社会人留学では、勉強に打ち込むだけでなく、日常生活や人との交流にも目を向けることが成功のポイントです。

慣れない環境の中で語学を学ぶことは簡単ではありませんし、真面目に勉強するばかりではストレスが溜まってしまうことも。

そんな時は、週末に観光をしたりクラスメイトと遊んだりするなど、楽しむことも大切にしましょう。

また、現地の人とも積極的に交流することで、教室では学べないリアルな英語や文化の理解も深まります。

学業と生活のバランスを意識し、オンとオフをしっかり切り替えることが、学びの質を高めることにもつながります。

社会人のイギリス留学についてのよくある質問

社会人のイギリス留学についてのよくある質問とその回答を紹介します。

社会人のイギリス留学についてのまとめ

本記事では、社会人がイギリスに留学する方法や必要なビザ、費用、メリット・デメリットについてご紹介しました。

イギリスは、英語力の向上はもちろん、専門的な知識や国際的な視点を身につける社会人留学の場として適しています。

語学学校や大学院、短期の研修プログラムなど選択肢も幅広く、自分の目的やライフステージに合った留学プランを立てやすい点が特徴です。

イギリス留学に興味がある社会人の方は、ぜひ本記事の情報をもとに準備を始めてみてはいかがでしょうか。