
ホームステイに興味があるけれど、「具体的なイメージができない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、ホームステイの具体的な特徴からメリット・デメリット、費用相場、滞在時の注意点まで詳しく解説します。
留学のホームステイ選びに後悔したくない方は、ぜひ参考にしてください。
これまでにフィリピン留学やカナダ・ニュージーランドでのワーキングホリデーを経験しました。海外生活を通じて英語力だけでなく、異なる文化や価値観に触れる中で多くの気づきや学びが得られたと実感しています。この経験を活かし、留学や英語に関する役立つ情報をお届けしていきます。
ホームステイとは「海外の一般家庭に滞在すること」

ホームステイとは、留学生が海外での生活を体験するために、一般家庭に滞在することを指します。
ここでは、ホームステイの概要や目的、留学との違いについて詳しく見ていきましょう。
ホームステイの概要と目的
ホームステイは、現地の家庭に滞在し、「家族の一員」として一緒に生活する宿泊形態です。
ホームステイ先の家族は「ホストファミリー」と呼ばれ、父親を「ホストファザー」、母親を「ホストマザー」といいます。
滞在中は個室が用意され、キッチンやシャワー、トイレなどの設備はホストファミリーと共有するのが一般的です。
食事の時間にはホストファミリーと会話を楽しんだり、休日には一緒に出かけたりと、家族のように過ごすことができます。
このようにホームステイは、現地の人々の暮らしを体験しながら、異文化理解を深め、自然に語学力を高めることを目的としています。
留学とホームステイの違い
留学とは、「海外の学校に一定期間通い、専門知識や言語を学ぶこと」を指します。
留学には、学位の取得を目指す「正規留学」や語学力の向上を目的とした「語学留学」、特定分野の技術や知識を学ぶ「専門留学」など、さまざまな種類があります。
留学が「渡航の目的」なのに対し、ホームステイは現地での「宿泊方法」の1つとなります。
つまり、どちらかを選ぶのではなく、留学中の滞在先としてホームステイを選ぶというイメージです。
ホームステイのメリット

ホームステイには、以下の3つのメリットがあります。
- 語学力が向上する
- 現地の生活を体験できる
- 異文化に触れられる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
語学力が向上する
ホームステイをすることで、日常の会話を通して語学力を伸ばすことができます。
ホストファミリーとの生活では、挨拶や食事の会話、生活に関する質問など、言葉を使う機会が毎日のようにあります。
そのため、学校で学ぶ言語だけでなく、普段の生活に必要な語学力が身についていきます。
語学力を伸ばすには、とにかく言語を使う回数を増やすことが大切です。
ホームステイは、まさにその環境が整っている貴重な体験になるでしょう。
現地の生活を体験できる
ホームステイでは、現地の人々の生活を体験できるのも大きな魅力です。
例えば、食事の内容や休日の過ごし方、家でのマナーやルールなど、家庭ごとの文化を実際に体験できます。
こうした日常を通して、日本と異なる価値観や習慣に触れることができ、視野が広がるのを実感できるでしょう。
学校の授業では得られない「学び」や「気づき」が得られるのも、ホームステイならではのメリットです。
異文化に触れられる
ホームステイでは、現地の文化に直接触れられる機会が多くあります。
例えば、昼食はお弁当ではなくサンドウィッチとフルーツが丸ごと用意される、といった食文化の違いを感じることができます。
また、家族と一緒に祝日やイベントを過ごすことで、その国ならではの行事にも触れられます。
このように、実際の生活の中で文化の違いを体験すると、異文化への理解がより深まります。
ホームステイのデメリット

ホームステイはメリットだけではなく、以下の3つのデメリットもあります。
- 食事や生活習慣が合わないことがある
- ホストファミリーとの相性が合わないことがある
- ルールが厳しいことがある
それぞれ詳しく解説していきます。
食事や生活習慣が合わないことがある
ホームステイでは、食事や生活習慣が自分に合わず、「カルチャーショック」を受けることがあります。
食事は基本的にホストファミリーの家庭料理が提供されますが、国や家庭によって大きく異なります。
味付けが口に合わなかったり、量が多すぎたりすると、ストレスを感じることもあるでしょう。
また、生活習慣にも違いがあります。
例えば、洗濯が週に1回だけだったり、シャワーの時間が10分以内と決められていたりする家庭もあります。
滞在中は家庭のルールに従うことが基本ですが、ストレスを感じる場合は、ホストファミリーやホームステイの手配先に相談することが大切です。
ホストファミリーとの相性が合わないことがある
人間関係では、どうしてもホストファミリーとの相性が合わないことがあります。
文化や価値観の違いから、お互いに理解し合えず、ストレスに感じることもあるでしょう。
また、ホストファミリーの性格や生活スタイルもさまざまです。
週末に一緒に出かけるようなフレンドリーな家庭もあれば、コミュニケーションをほとんど取らないドライな家庭もあります。
ホームステイをしたからといって、必ずしも家族のように仲良くなれるわけではありません。
「相性が合わないことがある」と割り切ることも大切です。
ルールが厳しいことがある
家庭によっては、ルールが過度に厳しい場合があります。
例えば、以下のような例が挙げられます。
- シャワー後は浴室の水滴を一滴も残さず拭き取る必要がある
- 外出・帰宅時間に厳しい門限がある
- 外出時は事前に必ず連絡をしなければならない
このような過度に厳しいルールは、ホームステイでよくあるトラブルの原因です。
もしストレスを感じた場合は無理をせず、早めに相談することが大切です。
ホームステイにかかる費用の相場

ホームステイにかかる費用は、国や地域によって大きく異なります。
以下は、主要な留学先での1か月あたりの目安です。
| 国名 | 費用の目安(1か月) |
|---|---|
| アメリカ | 約20万〜30万円 |
| イギリス | 約15万〜25万円 |
| オーストラリア | 約15万〜20万円 |
| ニュージーランド | 約10万〜14万円 |
| カナダ | 約10万〜15万円 |
ホームステイの費用には、食費・水道光熱費・インターネット(Wi-Fi)代が含まれていることがほとんどです。
ただし、食事の有無や提供回数(朝夕2食付き・3食付きなど)によって料金は変わります。
また、同じ国でも地域によって相場が異なります。
都市部に近づくほど家賃が高くなるため費用も上がり、郊外では比較的安く滞在できる傾向があります。
ホームステイ先の申し込み方法

ホームステイは、以下の3つの申し込み方法があります。
- 留学エージェントで申し込む
- 語学学校で申し込む
- インターネットで自分で申し込む
それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、詳しく見ていきましょう。
留学エージェントで申し込む
ホームステイ先を斡旋している留学エージェントを通して紹介してもらう方法です。
ホストファミリーの人柄や子どもの有無、ペット、喫煙可否などの希望条件をもとに、自分に合った家庭を手配してくれます。
エージェントが紹介するホームステイ先は、スタッフが直接やりとりしたことがある家庭や、過去に留学生を受け入れていた実績のある家庭が多く、信頼性が高いのが魅力です。
中には、厳しい条件にクリアした優良な家庭のみを紹介するエージェントもあります。
さらに、トラブルが発生した場合もエージェントに相談できるため、初めてのホームステイでも安心です。
一方、手数料がかかるため費用が割高になりやすい点がデメリットです。
また、基本的には自分で家庭を選ぶことができず、留学生が多い時期には希望条件に合う家庭を紹介してもらえないこともあります。
そのため、自分でホームステイ先を探したい方には不向きです。
語学学校で申し込む
通う語学学校を通してホームステイ先を紹介してもらう方法です。
入学手続きと同時に申し込めるため、手続きの手間が減らせます。
また、ホームステイ先は学校と提携している家庭が多く、信頼度が高いのもメリットです。
トラブルが起きた際も、学校にすぐ相談できるため安心です。
ただし、日本人スタッフがいない学校の場合は、英語でのやりとりが必要になります。
英語初心者にとっては、少しハードルが高く感じるでしょう。
インターネットで自分で申し込む
インターネット上でホームステイ先を探して、自分で申し込む方法です。
物件検索サイトやFacebookなどのSNSで探すことができます。
この方法のメリットは、自分で家庭を選び、ホストファミリーと直接やりとりができる自由さです。
1週間あたりの費用や部屋の写真などを確認しながら、希望に合う滞在先を選べます。
また、手数料がかからないため費用を抑えられるのも魅力です。
ただし、トラブルが起きた際はすべて自分で解決する必要があります。
困ったときにすぐ相談できる人や連絡先を事前に把握しておくと安心です。
ホームステイ先の失敗しない選び方のポイント

ホームステイで後悔しないためには、以下の3つのポイントを押さえて選択することが重要です。
- ホストファミリーの国籍や家族構成
- ホームステイ先の立地や住環境
- ホストファミリーの人柄やコミュニケーション
留学エージェントや語学学校を通じて申し込む場合でも、希望条件を明確に伝えられるよう、事前に確認しておきましょう。
ホストファミリーの国籍や家族構成
まず、ホストファミリーの国籍を確認することが重要です。
国籍によって食文化や生活習慣が大きく異なるため、快適に過ごせるかどうかに影響します。
例えば、カナダに滞在するからといって、必ずしもカナダ人家庭に滞在できるとは限りません。
特に移民が多い国では、アジア系の家庭も多く、カナダに住んでいてもホストファミリーがフィリピン人やインド人といったケースがあります。
また、家族構成も事前に確認しておくことが大切です。
老夫婦だけの家庭もあれば、小さな子どもがいる家庭もあります。
子どもがいる家庭では、休日に一緒に遊んだり、家族で出かけたりと楽しい時間を過ごせる一方で、静かな環境で勉強に集中したい方には不向きな場合もあります。
このように、ホストファミリーの国籍や家族構成によって生活スタイルは大きく変わるため、事前に自分の希望と照らし合わせて確認することが重要です。
ホームステイ先の立地や住環境
ホームステイ先を選ぶ際は、立地や住環境もチェックしましょう。
ホームステイは中心街ではなく、郊外に位置する家庭が多い傾向にあります。
周辺にお店が少ないと買い物が不便になったり、交通のアクセスが悪い場所だと学校まで1時間以上かかることもあります。
一方、都市部の家庭は通学に便利な反面、家賃が高く、部屋が狭いのが特徴です。
申し込む前には、学校までのアクセスや周辺環境を確認しておきしましょう。
写真やマップで立地を確認したり、エージェントやホストファミリーに質問しておくと安心です。
ホストファミリーの人柄やコミュニケーション
ホームステイ先で快適に過ごすには、ホストファミリーとの相性が重要です。
特に、以下のような点を確認しておきましょう。
- ホストファミリーは穏やかな性格か
- 一緒に過ごす時間を大切にしてくれるか
- 留学生を受け入れる目的が「交流」か「収入目的」か
中には、生活費を賄うためにビジネス目的でホームステイを受け入れている家庭もあります。
その場合、会話が少なかったり、不機嫌な態度をとられたりすることもあるため注意が必要です。
信頼できるエージェントに質問したり、自分で直接ホストファミリーと連絡したりして、事前にどんな家庭かを確認しておきましょう。
ホームステイ先での生活と注意点

ホストファミリーと良好な関係を築き、お互いが気持ちよく生活するためには、次の注意点を押さえておくことが重要です。
- 生活ルールを守る
- 積極的にコミュニケーションを取る
- 意思をはっきり伝える
- 感謝の気持ちを伝える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
生活ルールを守る
ホームステイ先には、家庭ごとに以下のようなルールがあります。
- シャワーを使う時間
- 洗濯をする回数
- 電気や水の使い方
- 門限
ルールの中には、水不足や電気代の高騰など、国の事情によって定めていることもあります。
日本と同じ感覚で生活してしまうと、ホストファミリーに迷惑をかけてしまうこともあるため注意が必要です。
また、無断で家の設備を使ったり、他の個室に入ったりすることは避けましょう。
基本的なルールを守ることが、お互いの信頼関係につながります。
積極的にコミュニケーションを取る
ホストファミリーと積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。
理由は、主に2つあります。
- 日常会話を通じて語学力を自然に伸ばせるから
- 普段から話せる関係を作っておくと、トラブルが起きたときに相談しやすいから
はじめは相手の言葉が聞き取れなかったり、うまく話せなかったりすることもあるでしょう。
しかし、伝えようとする気持ちがあれば、ホストファミリーはきちんと話を聞いてくれます。
自信がなくても笑顔で話しかける、挨拶をするなど、小さなことから始めましょう。
意思をはっきり伝える
海外では、自分の意思をはっきり伝えることが重要です。
質問に対して曖昧に答えたり、遠慮して本音を伝えなかったりすると、誤解やトラブルの原因になります。
- 食事の量が多すぎてつらいのに、我慢して完食してしまう
- 苦手な食べ物を伝えられず、毎日食べ続けてしまう
このような状況が続くと、ホストファミリーは「問題ない」と思い込み、改善されません。
良好な関係を築くためにも、自分の気持ちを正直に伝える勇気を持つことが大切です。
感謝の気持ちを伝える
ホームステイでは、感謝の気持ちを忘れずに伝えることが重要です。
- 滞在する場所を提供してくれている
- 食事を提供してくれている
- 服を洗濯してくれている
こうしたサポートに感謝の気持ちを伝えることが、良い関係性につながります。
うまく話せなくても、感謝の言葉を一言伝えるだけで十分です。
生活に必要なサポートを「してもらって当たり前」と思うのではなく、感謝の気持ちを伝える習慣を身につけていきましょう。
ホームステイ先でトラブルに遭った際の対処法

ホームステイをする中で、トラブルが発生する可能性はゼロではありません。
万が一トラブルに遭った場合は、以下の3つの対処法を実践してください。
- ホストファミリーに直接相談する
- ホームステイの手配先に相談する
- トラブルが発生した際は早期に報告する
それぞれ詳しく解説していきます。
ホストファミリーに直接相談する
ホームステイ中にトラブルや困りごとが起きたときは、まずホストファミリーに相談してみましょう。
現地に暮らすホストファミリーは、緊急時の連絡先や近くの病院などを把握している場合が多く、スムーズにサポートしてくれます。
また、生活の中で感じる小さなストレスや人間関係の摩擦、家のルールへの疑問を、ため込まずに伝えることが大切です。
多くのホストファミリーは留学生に快適に過ごしてほしいと考えています。
素直に話すことで、すぐに問題が解決できるケースも少なくありません。
ホームステイの手配先に相談する
ホストファミリーとの話し合いで解決が難しい場合は、ホームステイを手配した留学エージェントや語学学校などに相談しましょう。
中には、ルールが厳しすぎる家庭や、対応に問題がある家庭も存在します。
手配先に相談すれば、状況に応じてホストファミリーの変更や契約の終了などをしてくれます。
困ったときは一人で抱え込まず、信頼できる第三者に相談することが大切です。
トラブルが発生した際は早期に報告する
トラブルが発生したときは、できるだけ早く報告・相談することを意識しましょう。
問題を放置してしまうと、誤解や不満が積み重なり、より深刻なトラブルにつながる恐れがあります。
自分にとっても、ホストファミリーにとっても、良い結果にはなりません。
少しでも気になる点を感じたら、すぐに伝えましょう。
ホームステイについてのまとめ
ホームステイとは、「海外の一般家庭に滞在すること」です。
ホストファミリーと過ごす中で、語学力の向上や現地生活の体験、異文化交流などができるというメリットがあります。
一方、文化の違いによるカルチャーショックや、ホストファミリーとの相性が合わないといったデメリットがあるのも事実です。
その国では「当たり前」とされる習慣やルールが、自分にとっては過度な家庭内ルールに感じられることもあります。
後悔のないホームステイ生活を送るためにも、事前にホームステイの特徴や注意点を理解しておきましょう。

