カナダは、語学留学やワーキングホリデーの人気留学先として多くの人に選ばれています。
広大な自然と多文化が共存する環境や質の高い教育制度、そして留学生を支える充実したサポート体制など、カナダには留学先として魅力がたくさんあります。
本記事では、カナダ留学を検討している人に向けて、特徴や他国と比較した際のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
目次
カナダ留学の特徴は?各国との比較
カナダは、留学先として世界的に人気のある国です。
都市にもよりますが、アメリカやイギリスなどの他の主要留学先と比較して治安が良く、留学初心者でも英語を学びやすい環境であることが大きな魅力です。
また、目的に合わせて選べる豊富な留学プログラムや多文化共生社会も、多くの留学生にとって魅力的な要素となっています。
以下では、カナダ留学の特徴を日本人留学生に人気の主要国と比較しながら紹介していきます。
カナダ | オーストラリア | アメリカ | イギリス | フィリピン | |
---|---|---|---|---|---|
治安 | 〇 | ◎ | △ | 〇 | △ |
英語環境 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
時差 | 〇 -12時間30分〜17時間 | ◎ +30分〜2時間 | ✕ −14〜19時間 | △ −8〜9時間 | ◎ −1時間 |
費用 | △ | 〇 | △ | △ | ◎ |
留学の種類 | ◎ ※ワーキングホリデー最長1年間 | ◎ ※ワーキングホリデー最長3年間 | 〇 ※ワーキングホリデーなし | ◎ ※ワーキングホリデー最長1年3ヶ月 | 〇 ※ワーキングホリデーなし |
治安
カナダは、世界的に見て比較的治安が良い国として知られています。
特に都市部では犯罪率が比較的低く、留学生が安心して生活できる環境が整っています。
アメリカは都市によって治安の差が激しいため注意が必要ですが、カナダでは都市間の安全性の差が小さいのも特徴です。
ただし、カナダは主要な留学先の中では治安が良いですが、日本と比較すると犯罪発生率は約10倍と高いのもまた事実です。
過度に恐れる必要はありませんが、夜間の一人歩きは避ける、多額の現金を持ち歩かないなど、留学中は適切な防犯対策を講じるようにしましょう。
英語環境
カナダの公用語は、英語とフランス語です。
主要都市では英語が主に話されているため、英語を学びたい人にとって理想的な環境です。
また、カナダは多文化共生社会であるため、さまざまな背景をもつ人々と交流する機会も多く、異文化理解を深めながら英語を学べます。
ただし、フランスからの移民が多く暮らすケベック州など、地域によっては英語よりフランス語が主に話されているため、留学先を選ぶ際には言語環境を確認することが重要です。
時差
カナダと日本の時差は、地域によって異なります。
カナダには6つのタイムゾーンがあり、たとえばバンクーバーは日本より−17時間、トロントは−14時間となっています。
タイムゾーン | 太平洋時間 | 山岳部時間 | 中部時間 | 東部時間 | 大西洋時間 | ニューファンドランド時間 |
主要都市 | バンクーバー ビクトリア ケロウナ ウィスラー | カルガリー エドモントン | ウィニペグ | トロント オタワ モントリオール | ハリファックス | セントジョンズ |
日本との時差 | -17時間 | -16時間 | -15時間 | -14時間 | -13時間 | -12時間30分 |
アメリカと同様に日本との時差が大きいため、カナダ滞在中は日本の家族や友人との連絡の取り方に工夫が必要です。
オーストラリアやフィリピンなど、日本と時差が少ない国と比べるとやや不便ですが、慣れてしまえば問題なく生活できるようになるでしょう。
費用
カナダ留学の費用は、フィリピンやオーストラリアと比較するとやや高価ですが、アメリカやイギリスと比較するとやや抑えられる傾向にあります。
都市部の生活費は高めですが、小規模な都市や郊外であれば比較的安く生活することが可能です。
ただし、地域によっては物価が高い場所もあるため、費用計画を立てる際には都市ごとの特徴を確認することが重要です。
カナダ留学の費用相場は?留学タイプ・期間別に解説留学の種類(できること・学べること)
カナダでは、語学留学や大学進学、ワーキングホリデーなど、さまざまな留学プログラムが提供されています。
特にカナダのカレッジや大学では、実践的なカリキュラムが豊富で、インターンシップやCoopプログラム(有給実習)が含まれるものも多く、キャリアアップを目指す留学生に人気です。
また、カナダのワーキングホリデー制度では、1年間の滞在が認められ、働きながら学ぶことも可能です。
このように、留学中にできることや学べることを豊富な選択肢から自由に選べるカナダは、自分の目的やライフプランに合わせて希望の留学を実現しやすい国だといえます。
カナダ留学のメリット・魅力
留学先としてのカナダの主なメリットや魅力を10個紹介します。
- 治安が良い
- 観光地と自然が豊か
- 留学の種類がたくさんある
- 働きながら学べる制度がある
- 英語とフランス語を学べる
- 教育水準が高い
- 多様性を受け入れる文化がある
- 訛りのない綺麗な英語を学べる
- 周辺国へ旅行がしやすい
- 留学後に永住権取得の可能性がある
カナダ留学のいいところについて、順に詳しく解説していきます。
治安が良い
カナダは、世界でも比較的治安の良い国として知られています。
中には、強盗やスリなどの犯罪被害が集中している治安が悪い地域も存在しますが、特に都市部では、街灯や監視カメラの設置など、治安維持のために積極的な取り組みがされており、治安が安定している傾向にあります。
また、学校や寮ではセキュリティがしっかりしており、留学生が快適に過ごせる環境が整っています。
さらに、カナダの警察や公共機関は親切で、留学生へのサポート体制も充実しているため、トラブルが発生しても迅速に対応してもらえることが多いです。
初めての留学で海外生活に不安を感じる人にとって、治安の良さは大きな安心材料となるでしょう。
観光地と自然が豊か
カナダは、雄大な自然と多様な観光地が魅力の一つです。
ロッキー山脈やナイアガラの滝などの世界的に有名な自然景観に加え、美しい湖や国立公園も国内に多数点在しています。
都市部に滞在しながらも、週末には自然の中でリフレッシュすることができる環境は大きな魅力です。
さらに、バンクーバーやトロントなどの都市では、観光地としても楽しめるアクティビティが充実しています。
休日や空いた時間には、美術館や博物館、地元のグルメなどを楽しむことができるため、学業・仕事とリフレッシュをバランス良く両立できます。
また、カナダでは、四季折々の自然を楽しむことができ、スキーやスノーボード、カヌーなどのアウトドア活動も人気です。
このように、学びと観光を両立しやすい環境は、特に長期のカナダ留学やワーキングホリデーを考えている人にとって大きなメリットです。
留学の種類がたくさんある
幅広い留学プログラムから自分に合った留学スタイルを選べることも、カナダ留学のメリットです。
語学留学はもちろん、ワーキングホリデーや大学進学、専門留学、職業訓練プログラムまで、多彩な選択肢があります。
また、短期から長期まで、自分の目的やスケジュールに合わせたプログラムを選べるため、英語レベルや年齢を問わず満足度の高い留学が可能です。
特にカナダでは、「Co-opプログラム」と呼ばれる就労経験付きの教育プログラムが充実しています。
Co-opプログラムでは、就業に直結する専門スキルを学びながら、有給インターンシップで現地での実務経験を積むことができます。
これにより、英語力の向上だけでなく、キャリア形成にも役立てることができます。
また、高校留学や親子留学なども充実しており、幅広い年齢層に対応可能な点も魅力です。
働きながら学べる制度がある
カナダ留学では、働きながら学べる制度が充実しています。
政府の指定学習期間に通う学生であれば、学生ビザでの就労が許可されており、週24時間までのアルバイトが可能です。
学生ビザで働くための詳しい条件については、カナダ政府の公式サイトで確認できます。
学費や生活費を補いながら、現地で社会経験を積むことができる点は留学生にとって大きな利点です。
また、カナダはワーキングホリデーの対象国であるため、ワーキングホリデービザを取得することで現地で自由に就労することが可能です。
さらに、専門スキルの習得と有給のインターンシップが組み合わされたカリキュラム「Co-opプログラム」を選ぶこともできます。
このように、カナダは学びと仕事の両立を目指す学生にとって、最適な環境が整っている留学先です。
カナダでのワーキングホリデーにかかる費用と予算英語とフランス語を学べる
カナダを留学先に選ぶことで、英語とフランス語の両方を学べるという利点もあります。
フランスからの移民が多く暮らしているカナダのケベック州では、日常生活でフランス語が使われています。
そのため、一部の語学学校では両言語を対象としたプログラムが提供されており、効率的に英語またはフランス語を学ぶことができます。
英語だけでなくフランス語にもチャレンジしてみたい人や、トリリンガルを目指して勉強したい人にとって、カナダは理想的な留学先です。
教育水準が高い
カナダは、教育水準の高さで世界的に知られています。
中でも、公立教育の水準が均一的で、質の高い教育が受けられる環境が整っている点が特徴的です。
実際に、カナダにある4年生大学のほとんどは公立大学で、現地の学生のほとんどは公立大学に通っています。
トロント大学やブリティッシュコロンビア大学、マギル大学など、世界大学ランキングに入る学校も多く、教育の質の高さは世界でも高く評価されています。
また、教師の質や教育カリキュラムも充実しており、学生一人ひとりの成長を重視した指導が行われています。
さらに、移民国家であるカナダでは、多文化的な背景を尊重する教育方針により、英語ができない留学生も積極的に受け入れてもらいやすいなど、留学生がチャレンジしやすい環境が整っています。
多様性を受け入れる文化がある
移民国家であるカナダは、多様性を尊重する文化が根付いています。
世界中から移民を受け入れているため、留学生でも安心して生活を送れる環境が整っています。
また、異なるバックグラウンドをもつ人々が共存し、お互いを理解し合う姿勢が大切にされているため、差別や偏見を感じる場面が比較的少ないことが特徴です。
語学学校や大学などにも世界中から多国籍な学生が集まるため、異文化交流を通じて視野を広げることができます。
このような多様性を尊重し合う環境で過ごすことで、グローバルな感覚と柔軟性を自然に身につけることができるでしょう。
訛りのない綺麗な英語を学べる
カナダでは、比較的訛りの少ない、標準的でクリアな英語を学ぶことができます。
カナダで話されている英語は、「世界的標準」と言われるほど国際的に通用しやすいと評価されています。
日本人にとっても聞き取りやすいため、英語初心者のリスニングやスピーキングの学習において大きなメリットです。
また、教師の発音や授業で使用される教材も質が高く、正確で実用的な英語発音が身につく環境が整っています。
周辺国へ旅行がしやすい
カナダ留学中には、アメリカや中南米の国々への旅行がしやすいというメリットがあります。
カナダはアメリカと国境を接しており、陸路や空路で手軽に訪れることが可能です。
たとえば、トロントからは、ニューヨークへのアクセスが良好です。
日本からニューヨークを訪れる場合、飛行機で約15時間、航空券が10万円以上と多くの時間と費用がかかります。
しかし、トロントからなら長期バスで格安、または飛行機で短時間でニューヨークに訪れることができます。
また、バンクーバーからはアラスカやメキシコ、さらにはカリブ海諸国への旅行もチャレンジしやすいでしょう。
学びの合間に他国の文化や観光地を楽しむことができ、視野を広げる絶好の機会となります。
留学後に永住権取得の可能性がある
カナダでは、留学後に永住権を取得するチャンスが他国よりも高い点が魅力です。
政府が積極的に移民を受け入れているため、留学生向けの移民プログラムが数多く用意されています。
たとえば、高等教育機関の学位取得後に申請できる就労ビザ「Post Graduate Work Permit(ポストグラデュエート・ワークパーミット)」を取得して現地で働き、その後「Express Entry(エクスプレスエントリー)」などの制度を通じて永住権の申請を目指すことが可能です。
留学を終えた後も長期的にカナダでのキャリアや生活を考えている人にとって、大きなメリットとなるでしょう。
カナダ留学のデメリット・注意点
カナダ留学は魅力的な点が多い一方で、いくつかのデメリットもあります。
語学留学や進学を検討している方に向けて、留学前に知っておきたいカナダ留学の主なデメリットを紹介します。
- 物価が高い
- 冬の気温が低い
- 日本人留学生が多い
- 日本との時差が大きい
物価が高い
カナダの主要都市は物価が高く、特にトロントやバンクーバーといった大都市では生活費が留学中の大きな負担になることがあります。
世界各国の物価比較サイトによると、カナダの物価は日本の物価と比べて総じて34%高いというデータがあります。
家賃や交通費、食費など、生活の基本的な費用が日本と比べて高めで、現地での外食や娯楽費も割高な場合が多いです。
特にカナダの食費は日本と比べて74%も高く、ランチ一食で20カナダドル以上かかることも珍しくありません。
そのため、カナダでの留学生活を計画する際には、節約を意識した生活スタイルや予算管理が重要です。
他にも、自炊を習慣にする、公共交通機関を利用する、シェアハウスで家賃を分担するなどの工夫を取り入れることで、留学費用を抑えることができるでしょう。
また、カナダの物価の高さを考慮し、事前に十分な留学費用を準備しておくことも大切です。
冬の気温が低い
カナダの冬は極寒で、日本の寒さとは比べ物にならないほどの低温が続く地域も多くあります。
特にトロントやモントリオールなどの地域では、氷点下20度を下回ったり、最高気温でもマイナス5度前後だったりと、寒さに慣れていない日本人には厳しい環境となることも。
また、地域によっては雪が積もりやすく、路面の凍結や視界不良などで生活に不便を感じることも少なくありません。
冬場のカナダ留学を快適に過ごすためには、防寒対策を万全にすることが大切です。
カナダ留学中に冬を迎える場合は、保温性の高いアウターや厚手のニット、ブーツ、手袋などをしっかりと準備しましょう。
日本人留学生が多い
カナダは日本人に人気の留学先であるため、地域によっては日本人留学生が多いというデメリットがあります。
特に、トロントやバンクーバーといった都市には日本人の留学生や移住者が多く集まるため、語学学校やワーキングホリデーの職場などで日本人と出会う機会が多くなることが予想されます。
日本人が多いことは安心感につながる反面、日本語に触れる場面が増え、ネイティブの英語に触れる時間が短くなることから、英語の習得が遅れるリスクが伴うことも。
カナダで英語を効率的に学ぶためには、日本人が少ない学校や地域を選んだり、現地の友人を積極的に作ったりと、自分から英語を使う環境を意識的に作ることが大切です。
また、日本人が多い環境は必ずしも悪いわけではなく、情報共有や仲間作りに役立つこともあります。
都市ごとの日本人の多さを考慮して、自分に合った環境を選ぶことが重要です。
日本との時差が大きい
カナダと日本の間には、大きな時差があります。
特にバンクーバーやビクトリアなどに留学する場合、日本と17時間の時差があるので、日本にいる家族や友人とリアルタイムで連絡を取ることが難しくなりがちです。
また、カナダの生活時間と日本のビジネス時間がずれるため、オンラインで仕事をしたり授業を受けたりする際には注意が必要です。
日本との大きな時差に慣れるには時間がかかることもありますが、留学生活の一部として受け入れ、前向きに対応するといいでしょう。
カナダ留学がおすすめの人
カナダは、治安の良さや質の高い教育、多文化的な環境などから、留学先として非常に魅力的です。
特に以下のような人におすすめできます。
- 世界的に評価の高い教育を受けたい人
- 自然豊かな環境で勉強と生活を楽しみたい人
- 現地で働く経験を積みたい人
- 留学生へのサポートが手厚い国で安心して過ごしたい人
カナダは教育水準が高く、大学や専門学校の質の高さで知られています。
そのため、学業に集中しながら自分のスキルを向上させたい人に最適な環境です。
また、広大な自然や穏やかな気候もカナダの魅力の一つで、アウトドアが好きな人には理想的な留学先といえるでしょう。
さらに、学生ビザで就労が許可されていたり、ワーキングホリデーやCoopプログラムなどの制度を利用できたりと、現地での就労経験を通じて生活費を補いながら実践的な経験を積むことができる点もカナダ留学ならではの魅力です。
総じて、多民族国家であるカナダは、留学生を受け入れる環境が整っており、留学初心者にも安心して留学生活を送ることができるため、初めて海外留学にチャレンジする人にもおすすめできます。
カナダ留学がおすすめできない人
一方で、中にはカナダ留学が合わないと感じる人もいるかもしれません。
以下のような人には、別の国が留学先として適している可能性があります。
- 生活費を抑えたい人
- 寒い気候が苦手な人
- 日本との時差が少ない国を希望する人
カナダは物価が高く、特に都市部では家賃や食費が大きな負担となる場合があります。
留学費用をできるだけ抑えたいという人の場合、より生活費の安い国を選んだ方がいいでしょう。
また、カナダの冬は厳しい寒さに見舞われ、地域によっては雪が多いことも。
寒い気候に慣れていない人や寒さが苦手な人だと快適な生活を送るのが難しい可能性があります。
最後に、カナダと日本の時差は最大で17時間と大きいため、日本にいる家族や友人と連絡を取る際に不便やストレスを感じることがあるでしょう。
日本にいる家族や友人とスムーズに連絡を取りたい場合は、オーストラリアやフィリピンなど、日本との時差の少ない国を選ぶことで、より快適な留学生活を送れるかもしれません。
カナダ留学のメリット・デメリットについてのまとめ
本記事では、カナダ留学の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説しました。
カナダは、豊かな自然環境や多民族文化の中で、質の高い教育と安全な生活が期待できる留学先です。
また、留学プログラムや滞在方法が充実しているので、自分の目的や予算に合った最適な留学プランを計画できる点も魅力です。
物価の高さや冬の寒さといった課題もありますが、デメリットを考慮して計画を立てれば、十分に満足度の高い留学生活を送ることができるでしょう。
ぜひ本記事を参考に自分に合った留学プランやスタイルについて考え、カナダで憧れの留学を実現してみてください。