英会話のスピーキングテストの種類と選び方

英会話のスピーキングテストの種類と選び方

スムーズな英会話をするには、英語を聞き取るための「リスニング能力」と、英語を話すための「スピーキング能力」が必要です。

これら2つの能力のうち、リスニング能力は、「TOEIC Listening & Reading Test」などのメジャーなテストを受けることで、実力を測ることができます。

一方のスピーキング能力は、スピーキングテストがリスニングテストと比べるとマイナーであるため、実力を測る機会がそう多くありません。

自分の実力を試し、学習の進度を把握することは、能力の向上のために必要不可欠です。

「リスニングは得意だけどスピーキングは苦手」というアンバランスな状況に陥らないよう、積極的にスピーキングテストを受けるようにしましょう。

一口にスピーキングテストと言っても、日常会話レベルのテストからビジネス会話レベルのものまで、さまざまな種類があります。

「これからスピーキングテストを受けてみたい」と考えている方のために、主なスピーキングテストを紹介するとともに、テストを選ぶときの基準について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

簡単な会話レベルのスピーキングテスト

簡単な会話レベルのスピーキングテスト

E-CAT(イーキャット)

E-CAT(イーキャット)
© 2020 E-CAT. All rights reserved.

基本情報
所要時間 約30分
受験料 4500円(税抜)
受験方法 自分のPCで
好きなタイミングで受験可能
テスト内容
  • 自己紹介
  • 音読
  • トピック解答
  • 写真解答
  • 資料読解
  • 質問解答(2問)

上記6つのパートから構成されています。

特徴

E-CATは「English Conversational Ability Test」の略で、その名の通り、英語の会話能力を問うスピーキングテストです。

テストを受けるにあたって、ビジネス、またはアカデミックな知識は必要ないので、特に英会話初心者におすすめのテストです。

「ドキドキしない英語スピーキングテスト」と謳っており、冒頭に60秒の自己紹介パートを設けるなど、初心者をリラックスさせるための工夫が随所に見られます。

難易度

欧州評議会の「Common European Framework of Reference for Language(CEFR、ヨーロッパ言語共通参照枠)」に照らすと、E-CATはCEFRA1レベルのスピーキングテストです。

CEFRA1レベルとは能力測定の下限を意味し、「会話相手の配慮があれば簡単なやり取りをすることができる、基礎的な言語使用者」というレベルです。

実用英語技能検定(英検)なら3級がCEFRA1レベルですので、難易度をイメージする参考にしてください。

信頼性

E-CATは、40以上の国の政府や企業に利用されているテスト「iTEP(アイテップ、International Test of English Proficiency)」を提供する、iTEP Internationalによって開発されたスピーキングテストなので、スコアの算出システムには、高い信頼性があると言えます。

ただし、難易度がかなり低いテストなので、スコアを留学や就職に生かすのは難しいかもしれません。

もっと高いレベルのテストに挑むための足掛かりとするのが良いでしょう。

日常会話〜ビジネスレベルのスピーキングテスト

日常会話〜ビジネスレベルのスピーキングテスト

TOEIC Speaking Test

TOEIC Speaking Test
© 国際ビジネスコミュニケーション協会

基本情報
所要時間 約20分
受験料 6930円(税込)
受験方法 試験会場のPCで受験
テスト内容
  • Reed a text aloud(音読問題)
  • Describe a picture(写真描写問題)
  • Respond to questions(応答問題)
  • Respond to questions using information provided(提示された情報に基づく応答問題)
  • Propose a solution(解決策を提案する問題)
  • Express an opinion(意見を述べる問題)

上記6つのパートから構成されています。

特徴

TOEIC Speaking & Writing Testsの、Speakingの部分だけを受けることができるテストです。

文法や語彙、論理性、イントネーションとアクセントなど、スピーキングに関するあらゆる能力が評価の対象になっています。

テストの内容は決して簡単ではありませんが、スコアに幅があるため、英会話の初心者から上級者まで、幅広い層におすすめできるテストです。

難易度

英検3級レベルのCEFRA1から、「高度な、かなり長い内容を理解し、流暢に、自然に表現ができる熟練した言語使用者」のレベルであるCEFRC1までを測ることのできる、難易度の幅が広いテストです。

音読問題や写真描写問題は比較的簡単ですが、解決策を提案する問題や、意見を述べる問題には、ビジネス英会話ができるほどのスピーキング能力が求められます。

信頼性

TOEICと言えば、日本ではListening & Reading Testの方が知られていますが、アウトプット(話す、書くなど、「出力する」方向の言語使用)の重要性が高まるにつれて、TOEIC Speaking Testの存在感も増しています。

企業・業種によっては、TOEIC Listening & Writing Testのスコアよりも、Speaking Testのスコアを重視することがあります。

テストで平均以上のスコアを獲得すれば、十分、企業や留学先の学校へのアピールになるでしょう。

VERSANT(ヴァーサント)

VERSANT
© 2020 Nikkei Inc. All rights reserved. / All rights Reserved by Pearson Japan K.K.

基本情報
所要時間 約20分
受験料 5000円(税別)
受験方法 自分のPC、
スマートフォンで受験可能
テスト内容
  • 音読
  • 復唱
  • 質問
  • 文の構築
  • ストーリーテリング
  • 自由解答

上記6つのパートから構成されています。

特徴

24時間いつでも、スマートフォンのアプリで受験することができるという手軽さが、一番の特徴です。

AIを使った高度な言語認識システムと自動採点システムによって、客観的に評価されたスコアを、テストを終えてから数分後に見ることができます。

忙しく、まとまった時間をとることが難しい社会人の方や、テストの採点基準の不明瞭さに不満を覚えている方へ、おすすめできるテストです。

難易度

VERSANTでは、最低のCEFRA1レベルから、最高のCEFRC2レベルまでの能力を計測できます。

テストは80点満点で、日本人の平均スコアが38点なので、普通〜中難度のテストであると言えます。

テストに使われている語彙は、専門的な知識を必要とするほどの難しいものはありません。

信頼性

楽天や日本タバコ産業(JT)、大手化学メーカーのクラレなど、さまざまな企業で、英語力の判定をするために導入されています。

教育機関での導入事例も増えているようです。

ただ現状では、「企業が海外赴任者等を選ぶための判断基準」という側面が強く、企業の採用基準としては、まだメジャーではありません。

今後、TOEICのスコアのように、就職や転職の際の評価項目として採用される可能性があります。

TSST

TSST
© 2000-2020 ALC PRESS INC.

基本情報
所要時間 約15分
受験料 8000円(税別)
受験方法 電話
テスト内容

Yes / Noで回答するのではなく、たくさんの英語を話して回答する必要のある設問が10問出題されるので、それに答えていく形式で行われます。

特徴

TSSTは「Telephone Standard Speaking Test」の略で、その名にある通り、電話でテストを受けるというのが特徴です。

受験期間中は24時間いつでも、テストを受けることができます。

スピーキングはリスニングと切っても切れない関係にあるので、スピーキングテストといっても、リスニング能力が必要になるテストがほとんどですが、TSSTでは問題が日本語でも読み上げられるので、純粋なスピーキング能力を測ることができます。

難易度

試験内容が質問に対する回答だけなので、この形式が得意か苦手かによって難易度が違います。

あらかじめ用意された資料や写真についてスピーキングすることが得意で、漠然とした質問を膨らませて自由に回答することが苦手、という方にとっては、難易度が高いと感じるでしょう。

45秒という限られた回答時間の中で、じっくり、きっちり質問に回答することが求められるので、レスポンス(反応)能力や、タイムマネージメント能力も問われます。

信頼性

TSSTは、長年にわたって質の良い語学教育の提供に力を注いできた株式会社アルクが、1997年から実施しているSST(Standard Speaking Test)のノウハウを生かして開発したスピーキングテストです。

日本の企業が提供しているだけあって、日本人の英語学習者を念頭に置いたテストとなっており、正確に現在のスピーキング能力を測ることができます。

ただしTSSTは、現在の実力や英語学習の効果を測る目安として活用されることが多く、他のスピーキングテストに比べて、企業・留学先への英語力のアピールには向いていません。

ビジネスレベルのスピーキングテスト

ビジネスレベルのスピーキングテスト

Linguaskill Business

Linguaskill Business
© Eiken Foundation of Japan All rights reserved.

基本情報
所要時間 約15〜20分
受験料 6900円(税込)
受験方法 試験会場のPCで受験
テスト内容
  • インタビュー
  • 音読
  • プレゼンテーション
  • グラフを用いたプレゼンテーション
  • ロールプレイ

上記5つのパートから構成されています。

特徴

Linguaskill Businessは、ケンブリッジ大学英語検定機構(Cambridge Assessment English)が行っていたBULATS(Business Language Testing Service)という検定試験を母体としており、50ヵ国の企業・団体でグローバル人材育成のために活用されているテストです。

英検やTOEIC、TOEFLと比べると、日本での知名度は低い反面、欧米やアジアでの知名度と評価は高く、国際的に認められているテストと言えます。

実際のビジネスシーンを意識した設問が出題されるので、実践的な英語会話能力を測ることができます。

難易度

インタビューや音読のテストはそこまで難しくはありませんが、2つのプレゼンテーション・パートは実際のビジネスシーンを想定した問題なので、ビジネス英会話を意識した学習をしていなかったら、かなり難易度が高いと感じるでしょう。

ビジネスシーンにおいては、短く簡潔な意見の発信が求められることが多いためか、回答時間が比較的短く設定されています。

短時間で的確な回答をするためには、高いレベルで英語を操る能力が必要になります。

問題によっては初心者から中級者でも答えられますが、高スコアの獲得を目指すなら、中級者〜上級者レベルの英会話能力を身につけてから受験した方が良いでしょう。

信頼性

Linguaskill Businessは、国内外において企業・団体に広く認知されているテストなので、信頼性は抜群に高いと言えます。

グローバルビジネスで求められる英語力を測定できるので、海外赴任を希望したり、海外の企業に転職したりするときは、Liguaskill Businessのスコアがとても役に立つでしょう。

ただし、TOEIC Speaking Testと同じように、設問に対応していく方式であるため、CEFRC2レベル(ネイティブと同等、あるいはそれ以上の言語使用者レベル)のスピーキング能力は測れない、ということに注意してください。

GCAS(ジーキャス)

GCAS(ジーキャス)
© Eiken Foundation of Japan All rights reserved.

基本情報
所要時間 約15分
受験料 6900円(税込)
受験方法 試験会場で対面式の受験
テスト内容
  • インタビュー
  • プレゼンテーション
  • ロールプレイ

上記3つのパートから構成されています。

特徴

GCASは「Global Communication Assessment for Business」の略で、「ELS(English Language Skills)」と「BPS(Business Performance Skills)」という2つの観点から、受験者のスピーキング能力を測るテストです。

GCASは他のスピーキングテストと違い、面接官と1対1の対面形式のテストであるため、実際に試験をした面接官による、細かなフィードバックを得ることができます。

企業・団体向けのテストとして開発され、2018年度中に個人受験に対応する予定でしたが、2020年9月現在、公式サイトの個人受験フォームは稼働していないようです。

難易度

実際のビジネスシーンを想定したテストですが、専門的な知識がなくても、一般常識の範囲で回答できるように配慮されています。

対面式のスピーキングテストであるGCASは、「PCや電話で受ける他のスピーキングテストよりも、難易度が高い」と感じる方が多いでしょう。

オンライン英会話などで英語によるコミュニケーションを十分に学んだ、中級者〜上級者向けのテストです。

信頼性

GCASは実際にテストを行った面接官が評価に加わることにより、ビジネス英会話能力を正確に測ることができるテストです。

一般的にはあまり知られていないテストですが、スコアは国際的に広く使われているCEFRに基づいて算出されるので、スコアの信頼性は高いと言えます。

就職・転職の際、企業・団体側にGCASによる評価項目がなかった場合でも、CEFRの基準を参照し、英語能力を評価してもらうことができます。

選ぶときのポイントは「どのような場面」で使うか

選ぶときのポイントは「どのような場面」で使うか

ここまで紹介してきたように、スピーキングテストにはさまざまな種類があります。

どのテストを受けたら良いのか迷ってしまいそうですが、テストを選ぶときのポイントは「獲得したスコアの用途」です。

腕試し、実力の把握のために使う

英会話学習において、「現在の自分の実力」を知ることは、とても大切なことです。

実力に合った学習方法を選択することが、上達の近道だからです。

腕試しや自分のスピーキング能力を把握するためにテストを受けようと考えている方は、自宅で手軽に受験でき、比較的難易度も低い、E-CAT、あるいはVERSANTを受験するのがおすすめです。

特にVERSANTは測れる能力の幅が広いので、過去のスコアと現在のスコアを比べ、学習成果を確認するのに最適なテストです。

受験や編入のために使う

AO入試や海外の大学への入学・編入のために、スピーキングテストで得たスコアを使いたいのなら、 TOEIC Speaking Testがおすすめです。

TOEICは知名度が高く、受験先や留学先の学校の、評価項目に含まれている可能性が高いからです。

獲得したスコアは就職活動の際にも役立つので、無駄にならないのも利点のひとつです。

スキルアップや転職のために使う

スピーキングテストを仕事に生かしたいと考えている方には、 Linguaskill BusinessかGCASがおすすめです。

どちらのテストもビジネスシーンでの英会話を想定した問題が出題されるため、実際の仕事で活用できる、「生きた」スピーキング能力を測ることができます。

受験者に社会人を想定した Linguaskill BusinessとGCASはまだ知名度が高くありませんが、企業・団体の間では広まりを見せているので、転職活動の際のアピールになるでしょう。

特に、 Linguaskill Businessの高スコアを持っていれば、海外の企業・団体にも、「自分は十分なビジネス英会話能力がある」と示すことができます。

まとめ

E-CAT、TOEIC Speaking Test、TSST、Linguaskill Business、GCAS、5つのスピーキングテストについて解説しました。

いくつものスピーキングテストが存在しますが、それぞれのテストには特色があるので、この記事でそれぞれの違いが分かったなら、悩むことなく、受けるテストを決めることができるはずです。

テストの受験料や特徴、難易度を比べることも大事ですが、「何のためにスピーキングテストを受けるのか」を軸に考えて、自分の目的に合ったテストを選んでください。

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